2009年、あけましておめでとうございます!!
まだ正月気分まっただ中、温暖な気候を狙って、中山道を走りに行こう。
だんだん家から近くなり、時間的にも金額的にも楽になってきた。
いつもの通り、大高駅に車を置き、「青空フリー」を購入し、東海道本線を乗継ぐ。
すっかり慣れっこ?になった米原駅での近江鉄道への乗換。
前回のゴールは、高宮駅だったんだけど、かねてよりの腹案どおり、ここで支線である、「多賀線」に乗り継ぐ。
電車の中は、かなりの利用者だ。
わずか5分ほどで、終点「多賀大社前」に降り立った。
読んで字の如く、ここは多賀大社参拝の最寄り駅だ。
年始早々、混んでるのは当然なわけだ。
これで旧東海道編と合わせて、近江鉄道全線完乗!!
いや~、鉄チャンとしての本来業務?を果たして、実に気分が良い。
名古屋は穏やかな日差しだったのに、ここまで来ると寒い。
しかも空はどんより曇り、道路の両側にはわずかながら雪が残っている。
とはいえ、当然のことながら、露店が立ち並び、初詣客でごった返していて、熱気は満ち溢れている。
何といっても、古くは「古事記」にすでに記述があるとされるほどの歴史を持つ、滋賀県では超有名なお参りスポットだ。
まぁ、直接中山道には関係ないんだけどね。
それでもせっかく来たんだから、お参りだけは普通に済ませておく。
もっとも、初詣は元旦に近所の神社で済ませてあるんだけどさ。
露店で軽く腹ごしらえを済ませ、ここをスタートに走り出し…といいたいところだけど、凄い人混みで、ここを走るのはちょっと顰蹙(ひんしゅく)かな。
仕方なく、多賀大社駅までのんびり露店を冷やかしながら戻る。
大半はそのまま電車に乗るため、途中で右折して駅へと流れていく。
コスモタイガーは、この駅手前のT字路をスタート地点にして、そのまままっすぐ進むことにした。
たぶんこれがかつての参詣道だ。
名神高速の下をくぐって、しばらくすると分岐点があり、そこを右。
そうすると「多賀西」の交差点に出る。
直進すると左手にキリンビールの大きな工場があるけれど、残念ながらこの辺りには旧道らしい雰囲気は全くない。
ひたすら直線化した道を走る。
見通しが良いのはありがたいけど、その分北風をまともに受け、なかなか体が温まらないけど。
やがて東海道新幹線の高架をくぐり、近江鉄道本線を渡ると、あっけなく前回の終了地点「一の鳥居」が見えてきた。
こうして中山道に首尾よく合流し、オプションは終了。
何やら完全乗車も果たし、オプションだけで充実感に浸り、ここからが本番だってこと、忘れてしまいそうだ。
鳥居前の道をそのまま北東に進む。
近江鉄道本線を再び渡ると、常夜燈が残っている。
ここが高宮宿の東側出入口ということらしい。
交通量も減り、周囲に緑が増えてきた頃、左手階段を登ったところに、「石清水神社」がある。
階段の途中に「扇塚」なる史跡があった。
能楽にまつわるものらしいけど、残念ながらそっち系には全く興味なく、素通り。
お参りだけして先を急ぐ。
「大堀橋」を渡り、さらに中山道を走る。
この辺り、ちょっと単調ながら、左に「春日神社」が見えてくるのが目印だ。
「正法寺町」の交差点で、国道306号を渡る。
目の前には名神高速のインターチェンジが見える。
「彦根IC」なんだけど。
この彦根ICの脇をすり抜けていくのが中山道。
でも道そのものは1本道だから、迷うことはないけどさ。
何やら旧東海道の岡崎IC辺りを彷彿とさせる。(旧東海道編3参照)
途中で古い道標も残っている。
「すぐひこ弥」
彦根のことかな?
「弥」は「ね」と読めるのか?
ちょっと疑問を感じたりもするけどね。
家並みがバッタリ途絶え、そのまま右に名神高速と新幹線を従えながら、中山道は山中に入っていく。
途中で新幹線は右から左に移るけど。
この辺り、「彦根市小野町」というらしく、すぐに右手に「小野小町塚」が現われる。
小野小町といえば、秋田美人の祖としても名が知れているけれど…。
実はこの辺りが発祥の地とする説もあるらしい。
コスモタイガーのもっとも好きなお米の銘柄も「あきたこまち」だし、秋田新幹線を走るのも「こまち」号だし。
完全に出羽国(秋田県)の人物と思われている小野小町だけど、謎が多く、出生地に関しても、通説である雄勝町(秋田)をはじめとして、今立っている彦根市の他、京都説・厚木(神奈川)説、さらには九州の熊本まで飛び出したり、その他にも異説があったりして、まさに諸説乱立状態ということらしい。
名神高速が徐々に遠ざかり、人家がチラホラしてくると、右手に郵便局が現われる。
明らかにこの辺り、古い民家が多く、旧街道のオーラを感じる風景だ。
鳥居本(とりいもと)宿に入ったらしい。
静かな風情ある町の中を走るのは心地よい。
左奥に近江鉄道「鳥居本」駅が見えると、その角に「脇本陣」「本陣」の跡がある。
といっても簡単な木札がかかっているだけなんだけど。
300mほど進むと、道は90度右にカーブ。
「枡型」やね。
正面には「有川薬局」。
江戸より続く超老舗の薬局だ。
「赤玉神教丸」というのが、その伝統の万病薬らしい。
そういえば、旧東海道にも似たのがあった。
あれは「和中散」、石部宿やね。(旧東海道編26参照)
この辺りで鳥居本宿は終了らしい。
反時計廻りにカーブしつつ、さらに北上する中山道。
やがて国8に合流。
200mほど直進すると、正面に大きな道標がある。
「磨針峠望湖堂」と大書されている。
ここを指示通り、右折。
名前の通り、「摺針峠」への登りとなる。
中山道2つ目、草津からだと最初の峠ということやね。
といっても、ここから先、まだまだ遥かに続く中山道の道のりを思えば、この程度の峠、可愛いもんなんだけどさ。
ここで2つの道がある。
リサーチの資料により異なっていて、ここから直進し、アスファルトの道を登っていく方法と、もう1つは、すぐに左の道(ポンプ場の脇)に入って、ほとんど獣道と化した、林の中を行く道を行く方法。
こういう時はね、両方走ればいいのさ♪
ということで、まずはアスファルトの道を登ってみる。
しんどいけど、足元は安定してるからね、景色も良いし、交通量も少ないけど、あまり旧街道らしさはない。
また元に戻るため、一気に下る。
今度はポンプ場の脇から、鬱蒼とした林の中に入る。
かなりの悪路だけど…。
雪解け水なのか、足元も湿っぽく、安定しない。
でも確かに道は続いており、雑草を掻き分けながら進むこと、約400m。
さっきのアスファルト道にぶつかる。
アスファルト道はそのまま左の方に進み、明らかに「車を意識した」作りで、ヘアピンカーブになっている。
逆に獣道は、このアスファルト道を横切るように直進し、そのままヘアピンカーブをショートカットする形で登っていく。
こりゃ、多くのランナーやハイカーには申し訳ない?けど、間違いなく、この獣道の方が、正当な中山道だと思うけどね~。
ヘアピンをショートカットし、登りきったところが摺針峠の頂上で、「望湖堂」の跡らしい。
簡素な神社(神明社)が残っているから、そこから振り返ると、名前の通り、遠くに琵琶湖を望むことができた。(冒頭写真)
さぁ、今度は一気に下る。
下りが得意なコスモタイガー、快調に走る。
やがて2手に分岐するけれど、ご丁寧にここにも道標が立っている。
左に行けば「番場・醒ヶ井」らしいから、それに従う。
すぐに名神高速が近づき、中山道に寄り添う。
標高は若干下がったはずだけど、日陰になるせいか、道の両側には雪が残っている。
走ってるし、ましてや峠越えの跡だから、寒くはないけどね。
再び緩やかな上り坂になり、名神高速がトンネルに入ったところで、彦根市と米原市の市境になり、「小摺針峠」。
まぁ、事実上、さっきの摺針峠とセットのようなものだ。
これまたしばらくの間、名神高速と並走し、緩やかに下っていく。
左手に小さな鉄工所があり、道が左にカーブし、名神高速とはここで離れていく。
チラホラと人家も見えてきた。
公民館の前に、「中山道西番場」の碑を発見。
さぁ、「番場宿」に入った。
番場の忠太郎なる人物で有名らしいけど、ごめん、あまり興味ない。
本陣・脇本陣1軒づつ、旅籠10件、の小振りな宿場町ながら、歴史は古く、東山道の宿場町でもあったらしい。
残念ながら旧宿場町としての雰囲気はないけれど、米原市のはずれで、観光客はおろか、すれ違う人すらなく、ひっそりとした集落で、素敵な空間を保っている。
案内板に従い、右折して「蓮華寺」を訪問してみる。
名神高速をくぐった先に、そのお寺はあった。
ここもかなりの古刹で、本堂が静かに横たわっている。
梵鐘は重要文化財に指定されているらしい。
再び中山道に戻り、先へと走る。
本陣跡、さらに県道240と交わる交差点を渡ったところに脇本陣跡。
ともに案内板のみが掲げてあるのみ。
ここからは山あいの一本道の風情で、心地よい。
右に左にと、道は緩やかな弧を描きながら、やがて名神高速米原ICの下に出て、そこで県道と合流する。
合流地点にあるのが「久禮(くれ)一里塚」。
ちょっとした休憩スポットのように、整備されている。
そのまま県道で米原ICをくぐり、2本目を右折するのが中山道。
すぐに、左に簡易郵便局が出てきたら正解だ。
再び人家が増え、ちょっとした集落の中をのどかに走る。
「樋口」の交差点に出た。
目の前には、久しぶりに再会した国道21号。
やっぱりこの道だけは、交通量がそれなりにあり、しかもかなり飛ばしている。
ありがたいことに、ここは国21、信号で渡るだけ。
そのまま斜め右の小道に入る中山道。
この辺り、静かな集落で走ってて快適なんだけど、見るべきものは特になく、1kmほどで再び国21にめぐり合い、吸収される。
しばらくは国21を走るしかないね。
まぁ、狭いながらも歩道があるからさ、困ることはないけれど。
左手にはJR東海道本線の線路が見え隠れする。
500mほどで、右に分岐する道があって、当然コスモタイガー、その道を選択。
すぐに左手に現われるのが「六軒茶屋跡」。
名前の通り、6軒の茶屋がここに置かれたらしい。
そしてここが醒ヶ井(さめがい)宿の入り口ということになるらしい。
醒ヶ井宿は、事前リサーチによれば、小さいながらも案内板も整備され、とても素敵な癒しの場になっているらしいけれど、それは次回にまわすとして、今日は駅近くのこの辺りで終了としよう。
すでに実走距離も、20~21kmぐらいになっている感じだし。
50mほど先に十字路があり、ここをゴールにする。
右には名神高速が走り、案内板の通り、左折すると醒ヶ井駅に出る。
この先も、いかにも中山道オーラ出しまくりのうねった道が続いている。
ちょっと後ろ髪ひかれる思いながら、左折し、駅を目指す。
200mちょっと、徒歩5分ぐらいで、東海道本線「醒ヶ井」駅に到着。
まだ滋賀県ではあるけれど、ここまで来ると「東海」の匂いを感じられる。
理由は簡単、醒ヶ井駅は「JR東海}の管轄なのだ。
つまり、ここはすでにJR東海営業エリア内ってこと。
今日も交通費としては、青空フリー(2,500円)と、近江鉄道の片道分(米原→多賀大社間460円)のみの出費。
中山道近江路は、財布には優しいのだ。
時計はすでに16時を過ぎている。
さぁ、帰るとしますか!
ここからは、いつもの東海道本線乗継だ。