高野街道京大坂道と別れて国道沿いに約150mのところにある学文路駅。
といいつつ、「京大坂道」と別れただけで、ここから国370号に沿って、あるいは国370自体が高野街道の支線ともいうべき道だった違いない。(これはまた別の機会にね♪)
とりあえず国道に沿って、というより南海高野線に沿って走る。
2km弱走っただろうか。
いよいよ看板が今日の目的地「九度山町」に入ったことを知らせてくれる。
その名も「九度山」の交差点に到着。
左手の急坂道を上がったところに南海高野線の九度山駅がある。
和歌山県伊都郡九度山町。
人口4,000人にも満たない小さな田舎町である。
なぜ目的の高野街道京大坂道を外れてまで走ってきたのか?って。
答えは簡単。
大好きな真田家にまつわる街だからだ。
ここに来たくてウズウズしてたのさ。
目の前を流れる丹生川に沿って交差点を右手に行くと、いよいよ九度山の中心だ。
言うまでもなく、一昨年(2016年)の大河ドラマ「真田丸」が記憶に新しいところではあるが、コスモタイガーにとってはやはり高校時代にむさほるように読破した池波正太郎の「真田太平記」がもっとも印象的だ。
もともと時刻表がホームグラウンドだからね、上田とか別所温泉とか沼田とか松代とか、信州・上州の結構マイナーな地名が出てきても、ちゃんと位置関係がわかってるから歴史物も繋げて覚えられることを知ったのもこの本あたりがきっかけではなかろうか。
父昌幸はここで不遇のうちに亡くなったものの、息子の幸村は14年もの長き蟄居生活ののち、あの大坂冬の陣・夏の陣で伝説的な活躍をすることになるんだよね。
(本名は信繁だけど、本稿では認知度高い幸村に統一します)
頭上には「真田のみち」なんて大きな看板が掲げてあるから迷いようがなく、そのまま進めばすぐに遍対面石。
この対面石自体は真田とは関係なく、高野山は女人禁制のため、弘法大師が山を下りてここでお母様と対面したという逸話から来ているらしい。
その前には、もう一度は耳にした史跡を示す道標が建つ。
さあそして、ここからはもう練習にならないからさ、ここを本日のrunの終了地点としよう。
恐らくちょうど20kmぐらい走ったんじゃなかろうか。
ここからはクールダウン兼ねてウォーキング、というのは言い訳で、ただの観光♪
案内板も丁寧すぎるほどあるから説明も不要。
はい、100mもしないうちに真田古墳。
要するに抜け穴伝説の場所ね。
一説には幸村は厳しい警護をかいくぐり、この穴から抜け出して大坂城に入ったとされる。
いくら名軍師幸村といえど、さすがにそれは厳しいと思うけどなぁ…。
さらに道なりに。
やってきました!!真田庵!
正式には「善名称院」というお寺で、ここに真田親子は住んでいたのさ。
表札も誇らしげに掲げてある。(冒頭写真)
そして中に入れば「真田家屋敷跡」の説明書き。
いや~、モチベーションMAX状態!
隣接状態で、父昌幸の墓所も案内されている。
もし昌幸があと数年長生きし、大坂城に入っていたら…。
タラレバでしかないけれど、息子幸村が指揮した真田丸の合戦もまさに後世に残る名采配であるが、昌幸ならすでに実績十分なため、打って出ることを許可され、ゲリラ戦を用いて長期戦に誘導したんだろうな、と想像してしまう。
遅ればせながら本殿にお参り。
瓦をよく見ると、あの有名な六文銭が描かれ、もう気分はアゲアゲ状態なのさ。
さて、名残惜しいが真田庵という今日のメインディッシュ?を終え、さらに「真田のみち」を進む。
この道自体、主要ではないものの、街道の1つなんだろうね。
今でこそ南海電鉄九度山駅があるけれど、当時は決して便利とは言い難い高野街道からも外れたこんな僻地に蟄居させられた真田親子。
いかに徳川家康が真田を恐れていたかが実感できる。
すぐに右側に出てきたのが「真田ミュージアム」。
ぜひ入りたい!今すぐ入りたい!
でも入ってしまったらある程度の時間見ないといけないし…。
ということではやる気持ちを抑えて先へと進み、いったんトレーニングを終わらせよう。
丹生橋を渡った先に道の駅「柿の郷くどやま」があり、ここで観光も含めて本日のトレーニング終了!
時計は間もなく15時。
ランチの時間は過ぎてるせいか、思ったほど観光客はいない。
とりあえず汗の始末と着替えを済ませ、給水兼小休憩。
単身赴任の侘しい?身では土産なんか買ってもしょうがねぇし。
昼食食べそびれてしまったけど、走り終えたばかりの身でそんなに空腹感も感じない。
ってことで早々に来た道を戻り、真田ミュージアムで締めるとしよう!
一昨年(2016年)の大河「真田丸」の際には大河ドラマ館にもなったらしい。
入館していきなり、赤備えと六文銭の武具!
真田親子が蟄居中に編み出したとされる「真田紐」も陳列されている。
なんやかんやと楽しんでいたら、時計はすでに17時近い。
師走の日は短いね~。
そろそろ駅に戻ろうか。
某電話会社の九度山ビル。
何の変哲もない交換所だけれど、「九度山」という文字だけで後ろ髪を引かれる思い。
九度山駅に戻るころにはすっかり日が傾いた。
真田の赤備えが、駅の灯に映えて美しい。
さあ、明日からまた仕事だ。
やってきた電車に乗り込み、南海電車を乗継、20kmの道のり以上に、真田の世界を満喫できた満足感に浸りつつ、ひたすら大阪の社宅に戻るコスモタイガーであった。
あ!そういえば結局、朝食以降何も食べてない。
腹減った~!!晩飯どうしよ~…。