世間はお盆の真っ只中、青春18切符の旅第3弾。
せっかく18切符なんだから、距離のある方に行こう!
と、せこい考えもあり、今日も東に向かう。
中には「GWやお盆期間・年末年始は利用不可」という制約もある割引切符もあったりするけれど、18切符にはそんな制限もなし。
また、TVニュースなどでは、新幹線や飛行機・高速道路等の激混みが流れているけれど、さすがに鈍行乗継にはそこまでの影響はないからね。
とはいえ、長期休暇中だから、多少はいつもより混んでるのかな?
JRとバスを乗継、再び蓮華池公園の象徴、蓮華池のほとりに立つコスモタイガー。
スタート前に、公園内にある「藤枝市郷土博物館」を見学することにした。
藤枝周辺の歴史や資料をじっくり見学出来た。
興味あったのは、この辺りのかつての領主、小川氏の居城「田中城址」にまつわるコーナー。
東海道からごく近い所にあるから、気になるね~。
さぁ、前回今回と、蓮華池公園だけで結構時間使っちゃったし、ぼちぼちスタートするか!
すぐにバス通りに出てそのまま東へ。
2本目の信号を右折し、国1を渡ってさらに向こう側に「西益津中学校」があって、この辺りが「田中城址」らしい。
徳川家康は天婦羅食ってその食中毒が原因で亡くなったという説があるけれど、その天婦羅を食したのが、この田中城だそうな。
先ほどの博物館との関連性もあり、激しく興味をそそられるものの、なにぶん博物館で楽しみすぎたし、いい加減、先に進まないとね。
ということでそのまま直進。
左側に病院(クリニック)があり、道は微妙に左にカーブしているが、かつてはこのまま直進し、国1の反対側に出ていたらしい。
突き当って右折し、国1に出る。
最寄りの交差点(水守)に出て、反対側のショッピングセンターに出る。
このショッピングセンターの脇の道が東海道なんだ。
で、つい最近まで「水守松並木」とともにそのまま道が続いていたらしい。
事前に情報として入手はしていたが、何とも残念なことにその道は破壊され、無残なことになっている。
松並木は寸断され、道であるはずのところに新しく住宅が建っている。
その一角に「藤枝市水守土地区画整理組合事務所」がある。
何でも古いものを残すことばかりが正しいとは思わないし、土地区画整理も大切な事業であることは間違いないけれど、何もよりによって旧東海道を破壊しなくても…。
罪滅ぼしなのか「東海道まわり道」という看板が随所に設置され、迷うことはないけれど、「東海道」はあくまでも東海道だからこそ意味あるんであって、まわり道はすでに東海道ではないわけで、全然フォローになっていない。
三重県の一部に「無関心」的な地区もあって残念だったけど、まだその方がマシだ。
破壊するなんて、あまりに歴史に理解が無さすぎる!
蓮華池公園の素敵なイメージの藤枝市が、自分の頭の中で一気に興冷めしてしまった。
もっと自分たちの住む街に誇りを持ち、歴史を語り継ごうよ!
「まわり道」の看板に従い、「須賀神社」に出る。
ここで何とか東海道が復活。
八幡橋を渡り、しばらくすると国1に一瞬合流するも、また右に分離。
「仮宿」という大きな交差点で、東海道は斜めに交差する。
歩道橋を渡って、国1から左斜めに分岐していくのが東海道やね。
すると「従是東巖村藩領」の木柱が建っている。
この一角は、なぜか美濃国岩村領の飛び地なんだね。
横内地区の街並みを見ながら、道なりにどんどん走る。
やがて国1と国1バイパスがクロスする「内谷新田」の交差点。
そのままバイパスの下を通って道なりに北上すると、左側に岡部町役場(2012年現在、藤枝市役所岡部支所)。
ってことは、この辺りはすでに岡部宿なのかな?
この役場前の交差点から1本右に入った、小道が東海道。
昔からの町らしい、懐かしい感じの街並みを走る。
かつての枡型の跡なのか?旧国1(ここではすでに県道になってるけど)の歩道橋手前で右に曲がると、高札場跡。
でも結局、県道に吸収されちゃうけどね。
県道沿いに立派な屋敷風の建物が。
国の登録有形文化財にもなっている、大旅籠「柏屋」。
資料館になっていて、中を見学したいのは山々だけど、出だしで時間とりすぎたしね、トレーニング中だから!
先を急ぎましょ。
この柏屋から50mぐらいで左に分岐する小道があるからね、それが東海道。
100mぐらいで今度は右折。
案内板に「西行法師笠懸け松」。
和歌で有名な人だけど、残念ながらそっち系はちょっとね。
でもまぁ、一応立ち寄っておこう。
道からそれて、随分と階段を登らされ、こんもりした山の中腹にひっそりと存在していた。
せっかく来たからね、パチリ。
で、すぐに県道に合流。
しばらくは県道run。
両側に工場のようなものが見えると、道は2手に分岐するが、ここは左側に行く狭い方を選択。
まぁ、独特の雰囲気で、わかるけどね。
しばらくは山裾の静かな集落を走る、素敵なランニング。
このままずーっと行きそうになるけれど、右側の国1に「廻沢口」なる交差点が見えたら、渡らないとね。
でも渡る前に、国1を少し北上、道の駅「宇津ノ谷峠(上り)」に寄り道してちょっと給水。
さぁ、渡って国1の反対側を走る。
500~600mぐらいかな?
右に行く小道があるからね、これが東海道。
すぐに坂下地蔵堂を発見。
宇津ノ谷「峠」だからね、名前のとおり始まります、峠越え。
地蔵堂からすぐに、左に激しく登って行く山道が…!
実はここから江戸時代以前の主要道「蔦の細道」も現存しているらしく、そちらの案内板もある。
迷ったけれど、「東海道run」の趣旨に則り、あくまでも江戸の東海道を行くことにしよう。
ってことで、表示に従い、左の山道を駈け上がる。
あとは案内に従い、峠越え。
舗装もされておらず、完全なクロカンじゃ~。
要所要所に案内板があるから、迷うことはないけれど、かなり良いトレーニングだな、これは。
途中、案内板によれば、明治になってからの新道「明治トンネル」がある。
現在も歩行者専用トンネルとして整備されているらしいが、東海道にこだわるコスモタイガー、今回は見送っておく。
他にもすぐ脇の県道が「大正トンネル」、国1に昭和トンネルと平成トンネルがあるようだ。
何やら以前通った三ヶ野七つ道(旧東海道編16参照)を思わせる状況だ。
あれよりスケール大きいけど。
峠のてっぺんにはかつて地蔵堂があったらしいが、今は案内板があるのみ。
この辺りで静岡市に入ったかな。
地図にも表記されていないクロカン道を、案内板に従って下る。
途中、これから通る宇津ノ谷集落が見下ろせる。
良い風景だなぁ。
日本の原風景、そんな感じだ。
下りきったところにさっき上から見た宇津ノ谷集落の静かな町並みがある。(写真)
観光客の気配もなく、時間が止まったかのような素朴な町並みだ。
左側に「御羽織屋」の看板を掲げた家がある。
その昔、豊臣秀吉公から陣羽織を賜ったということで有名らしい。
その陣羽織も公開されているらしいけど、コスモタイガーの足は先へ行く。
県道に一瞬吸収されるけど、すぐに左へ分離、そのまま国1にぶつかる。
歩道橋を渡ると「道の駅宇津ノ谷(下り)」に到着。
また歩道橋があるから、それを渡って左側に。
東海道は左に分岐してくっつき、また分岐して・・・を繰り返すと、またまた歩道橋。
親切にも、渡るべきところにちゃんと歩道橋がある。
ここから再び脇道っぽい小道が東海道。
「レストラン東海道」というわかり易い名前の建物の裏を通る。
旧東海道は、国1に寄り添うように残っている。
これと言った見所はないけど、道そのものが旧道の雰囲気を残し、楽しい。
赤目ヶ谷の交差点脇を通り、二軒家というすぐの交差点から右へ分岐。
全く由緒のないラブホテル街を抜け、道なりに走っていると、ちょっと開けたところにとても由緒ありげな藁葺き屋根の建物が。
かの有名な「丁子屋」だよ。
パンフレットやHPなどでも度々見たことある建物だ。
江戸より続く「とろろ汁」の名店だ。
本日は、ここがゴール。
実走17~18kmぐらいかな?
予想以上の峠越えで、距離以上の負荷があったような気がする。
せっかくだから名物とろろ汁を、としたいところだけど、疲れてしまって、食欲もないし、時間も中途半端だし。
とっとと帰ろうっと。
店の反対側に出ると、国1が通っていて、目の前にバス停がある。
「丸子(まりこ)橋入口」。
しずてつジャストライン中部国道線というらしい。
要は、前回の帰路、今日の往路に利用した蓮華池公園~藤枝駅間のバス路線もその一部なんだけどね。
藤枝駅~静岡駅を結ぶ「中部国道線」は、日中はおおむね20分間隔で運転されている。
東海道本線は、藤枝駅から旧東海道よりずいぶんと南の方を走り、焼津を経由して静岡に出るからね、空白地帯となった旧東海道沿いの集落を結ぶ形で運転されているわけだね。
藤枝駅行のバスは国1バイパスを一気に突っ走る。
さっき苦労して走った宇津ノ谷峠も、「平成宇津ノ谷トンネル」であっという間に超え、蓮華池公園近くを通り、藤枝駅に到着。
今日もまた、ここから乗継で帰宅だ。
※2014.12.11追記 地図、作成しました。(ここをクリック)