さぁ、東海道西側に続き、美濃路も制覇!
あとは東海道を東に向かってゴールを目指すのみ。
もう逃げ場はないよ。
といいつつ、前回から1ヶ月半以上東海道から離れていたため、、曇天とはいえ、すっかり春らしくなってきた。
さすがにもう雪の心配はないよな…。
名鉄と新幹線(こだま)を乗継、小田原駅に到着。
ここから箱根登山鉄道に乗車、箱根湯本駅に到着。
すでに目的の「箱根町」行(旧街道経由)、箱根登山バスはバス停で待っていた。
ちなみにここから箱根町行、休日日中なら30分間隔だからさ、乗り遅れると30分のロス。
あわてて飛び乗った。
「畑宿」で降りる。
前回のゴール(棄権?)地点やね。
時計は12時過ぎ。
あんなに積ってた雪は、当然ながら今はない。
周囲を散策。
前回は疲れ切って、バス乗っただけだもんね。
まずはその際、雪にまみれた畑宿一里塚をもう一度確認した後、街道沿いに小さな飲食店を発見。
満腹にならない程度に腹ごしらえしておこう。
客は自分のほかに、先客が一人、あとはマスターだけ。
その先客も、早々に出て行った。
寄木会館が登ってすぐのところにあり、少し顔を出す。
その手前には、本陣跡「茗荷屋」も残っているけど、時計を見るとすでに13時を過ぎている。
外から写真を撮るだけにした。
さぁ、バス停に戻り、今日のランニングのスタートだ!
静かな街並みだ。
一応、県道732号ということらしい。
今日も、特に箱根湯本駅周辺までは、遊歩道として整備されているようだからね、案内標識を見落とさないように注意すれば、迷う可能性は低いけど。
県道は大きく左にカーブだけど、旧東海道は案内板に従い、目の前の階段を降り、未舗装のクロカン道、というより石畳を走る。
「大沢坂」。
石畳は綺麗なんだけど、走りにくいな…。
小さな川を小さな橋で渡り、再び県道732に合流。
300mほどで左に分岐する石畳の道。
ここも案内表示に従う。
「割石坂」。
江戸時代の石畳が現存し、素敵な道が続く。
まぁ、走るには適してないけどさ(笑)。
旧東海道だけじゃなく、「須雲川自然探勝遊歩道」なる道もハイキングコースとして整備されているようで、かなりの部分でかぶっているようで、気になったりする。
再び県道に合流したところに、何やら小さな感じの神社がある。
県道を下るとすぐ、「女転がし坂」の説明板。
本来の旧東海道はこの右側に、名前の通りのかなりの急坂で降りていたらしいけれど、現在はすでに道は消失し、通行不能らしい。
仕方なくそのまま県道を降りる。
急激に右にカーブするところに、正面から入っていく大きなお寺らしきド派手な看板が。
残念ながら、あまり東海道とは関係なさそうな施設のようだけど、かなり目立つ。
このカーブを右に左に曲がりきると、先ほどから並走していた「須雲川自然探勝遊歩道」、ここを右手に入っていくらしい。
推測だけど、本当の東海道は、「女転がし坂」を通ってここに出たんだろうね。
気になったので道草してみる。
まぁ、ちょっと息抜き?のクロカンだね。
森林浴みたいで気持ちいい。
小川に沿って涼しげな小道を走ると、小さな発電所の脇を通り、再び県道に戻った。
何だ、さっき通った小さな神社のところか!
ということで、ヘアピンカーブを再度走りぬける。
「鎖雲寺」「駒形神社」、ともに由緒ありげな史跡だけど、ここは気持ちよく走りぬける。
この辺りは、間違いなく県道732がそのまま旧東海道やね。
左手に大きなホテルが見えてきた。
その先には、さらにド派手なお寺があるから、目印にはなる。
あとで調べたところ、地元では「金ピカ寺」と云われているらしいから、ホントに目立つ。
しばらくは、この県道732に沿って下っていくのみ。
途中、小さな湧水もあり、癒される。
下れば下るほど、ホテルや旅館らしき建物が増え、温泉街らしくなる。
ってか、前回、バスの中から見た景色なんだけどね。
なるべくこういうシチュエーションにならないよう、工夫してきたんだけどね。
前回の途中棄権?は計算が狂ったよ。
福寿院というお寺が左にあり、それを示す看板もある。
これが目印で、東海道は看板に従うように、左に分岐。
そして再び石畳の道。
これが、箱根東坂の最後の石畳となるらしい。
「猿沢の石畳」というらしい。
ホテルの裏庭みたいなところを走り、再び県道に出て少し行くと、今度は左手に「湯本茶屋一里塚跡」の碑。
ここまで来ると完全に温泉街の雰囲気だ。
旧東海道は、湯本温泉のメインストリートとして、温泉街のド真ん中を突っ切っていく形だね。
右手に「花紋」という大きな温泉宿がある。
その前に気になる看板が…。
「秀吉が築城した小田原一夜城はこの地なり」という主旨のことが書いてある。
そうだったの?
ここから小田原城まで、随分距離あるから、明らかに史実と食い違う気もするけど…?
小田原一夜城は、小田原市早川地区の石垣山に築かれ、別名「石垣山城」とも呼ばれている。
要するに、北条氏の拠点、小田原城を睨みつけるように築かれたわけで、湯本温泉街のこんなド真ん中に一夜城があったとは初耳だ。
もしこれが事実なら、「石垣山城」ではなく「湯本城」と呼ばれていたと思うけど…?
それにお城があったとしたら、付随する建築物も当然あるはずで、由緒ある温泉街のド真ん中にポツンと建っていたというのも疑問だ。
納得いかない…。
で、「花紋」の前から東海道の1本北側の道に入ると、北条氏の菩提寺、早雲寺がある。
これは正真正銘、由緒正しきお寺で、温泉街の喧騒をしばし忘れさせてくれる。
再び東海道に戻る。
右手に某電話会社の交換所。
そーか、「東日本」なんだね、ここは。
「三枚橋」に出た。
下を流れるのは「早川」。
左手奥に箱根湯本駅ね。
今朝(午前中?)、降り立った駅だね。
前回、ここをゴールの予定にしてたわけなんだけど。
橋渡って右折し、下っていくのが東海道。
500mほど国1を走ると、箱根新道と交わるややこしい地点に出る。
「山崎IC」というらしいけど、その手前でこっそり?と左に分岐するのが東海道だ。
しばらくの間、東海道は箱根登山鉄道に沿っている上、国1とくっついたり離れたりを繰り返す。
分岐しても、ここまで来るとさ、直感的に判断できるようになるよ。
箱根登山鉄道線を踏切で渡り、今度は右に線路を見ながら走ってすぐ、入生田駅。
この南東1kmほどのところが、さっきの石垣山城なんだけどね。
あれはいったい何なんだろう?
ちょっと走ると左手に「長興山招太寺」(しょうたいじ)の看板がある。
気になったので、予定になかったけど寄り道しよう。
門構えも立派ながら、奥行きのあるお寺で、結構なボリュームだ。
それもそのはず、徳川政権になってからの小田原藩主、稲葉氏の菩提寺らしい。
稲葉氏は、あの有名な春日局(かすがのつぼね)の子孫だからね、そりゃ、徳川家にとっても大切な家系だよね。
春日局、は、大奥で出世してからの呼称で、本名は「おふく」(または「ふく」)。
稲葉正成(まさなり)の妻として、それなりに平凡な日々を送っていたところ、2代将軍秀忠の嫡男竹千代(のちの3代将軍家光)の乳母として江戸大奥に登ることになり、そのため正成とは離縁する。
もっともこの離縁は、諸説あって、ホントに仲悪かったという説、あるいは今風に言うと「偽装離婚」だという説もある。
仲悪かった理由として、実は正成に愛人がいたとか、勝手に乳母になると決めた妻に対して激怒したからだとか。
偽装離婚説にもまた、おふくの方が発案したとする説と、正成から申し出たとする説と、まさに諸説入り乱れている感がある。
ただ、その後、おふくは「春日局」として出世し、それに合わせるように、夫の正成も含め、稲葉一族も出世街道を走ってったからね~。
まぁ、どっちが言い出したかまでは夫婦内の話だからね、稲葉家のプライバシーまで踏み込むつもりないけどさ、偽装離婚説が当たってると個人的には思ってるんだけど。
ホントに離婚してたら、子供ならともかく、別れた夫や妻なんかに情けは掛けないぞ!
おっとっと、脱線しちゃった。
本堂は静かなお庭に囲まれていて、とても素敵な空間だ。(写真)
さらに登っていくと、一番奥には「稲葉一族の墓」が並んでいた。
東海道に戻ろう。
何やら小雨がパラついてきた。
この辺りの東海道も、独特のうねりを残し、旧街道らしさを残している。
風祭の一里塚跡の碑があった。
国1に合流し、すぐに小田原厚木道路の下をくぐる。
しばらくは国1ラン。
「上板橋」の信号から、再び旧街道が左に分岐。
国1もここまで来ると、かなりの交通量ながら、一歩奥に入ると静かな道が続くのが素敵だ。
新幹線高架の下を通り、「板橋見附」の交差点で国1にぶつかる。
「見附」。
つまりここから小田原宿ってことだね。
左折して、あとは小田原市の中心を目指す。
すぐに東海道本線の下を通ると、一気に市街地っぽくなり、街道らしさは無い。
すでに起伏も終わり、平坦な市街地が続く。
いつしか雨もやんでいる。
左手奥に小田原城があるけれど、もう少し頑張って先に行こう。
「本町」の交差点に到着。
ここに「なりわい交流館」がある。
関東大震災で崩壊した建物を、昭和7年に復元したものらしく、いかにも昭和のニオイを感じさせる佇まいだ。
中は簡易な観光案内所&休憩所になっていて、嬉しいことに、無料でお茶のサービスもある。
そんなら、ここでゆっくり休憩&情報収集とし、ゴールとしよう。
東海道だけなら、14~15kmなんだけど、須雲川自然観察路や招太寺等、いろいろ楽しんじゃって、意外に距離踏んだよな。
20kmは完全に超えてる気がする。
ここから小田原駅まで、1km強。
普通に歩ける距離ではあるんだけど。
交差点の反対側に「幸町」のバス停見ちゃったからね、変な虫がうずいちゃうよね。
さすが小田原市の中心部。
あちこちからいろんな系統のバスが集まり、ここから小田原駅行までは、頻繁にバスが走っている。
箱根登山バスと伊豆急バス、両会社が入り乱れ、休日といえど、夕方の時間帯なら5分ごとにバスがやってくる。
コスモタイガーが乗車したのは箱根登山バス。
スタート前に畑宿まで乗った会社だけどさ、この路線は初めてだしね。
やっぱ、知らない街の路線バスは楽しいなぁ。
運賃160円、約5分であっさり、小田原駅に到着!
帰りもこだま号で帰るぞ!
そしてこれにて最大の難所、箱根越え終了!
さぁ、東海道もいよいよ残りわずかであることを実感しているコスモタイガーであった。
※2016.3.17追加:地図を作成しました。(ここをクリック)