★ブログ上は2017年。名古屋ネタです。★
2017年になり、冬どころか桜の季節も終わり、夏がそこまで来ている5月末。
平日の「代休」を活かして、やっと今年初めての旧街道runを決行することにした。
今回から大きな(でもないか…?)変化。
今まで走る時は概ねコンタクトだったんだけどね。
今日は眼鏡。
実は手元の資料や地図の文字がここ数年で急激に見にくくなってきてね(泣)。
要するに老眼ってことね。
今後少なくとも旧街道runは眼鏡で走るしかなさそうだ。
年取ったなぁ…。
松阪まで近鉄、熊野古道特急に乗換える毎度のパターン。
すでに慣れてきて、新鮮さが薄れてきているけれど、選択肢がそんなにないからね~。
前回のゴール地点は「海山バスセンター」。
当然ここからスタート、と言いたいところだけど、少し戻る形になる上にコンビニもない殺風景な場所で、腹ごしらえもできないしねぇ。
ってことで、急きょ1つ手前の「紀北町海山」の停留所に降り立った。(冒頭写真)
前回、この停留所を通った時に、コンビニが隣り合わせていることを覚えてたんだよね。
軽くサンドイッチを頬張ったところで時計を見るとちょうど正午だ。
さっそくスタートすることにしよう。
といっても、しばらくは前回と重複の相賀集落。
今度こそのんびり散策したいところだけど、それじゃ練習にならないし(笑)、帰路のアクセスも限定されてるから「予定外」の行動はなるべく控えないとね。
はい、素通りして前回コースアウトした「銚子橋北」の交差点に5分ほどで到着♪
さぁここからが実質のスタートです。
国42を渡ってそのまま直進!
要するに県道760号ね。
水神社、という可愛らしい神社もあるが、まだロクに進んでないからね、スルーして川沿いの道を進んでいく。
左手に流れるのは「銚子川」といい、透明度では有名な川らしい。
約1.5km。
赤い欄干が印象的な「便の山橋」が左手に。
この橋で銚子川を渡るのが熊野古道だけど、ここはあえて直進!
寄り道ね。
すぐに現れたY字路は右。
この辺りは、名前は不明だけど、時計が止まったような静かな集落が続く。
宝泉寺。
この辺りに残る伝説、種蒔き権兵衛さんの菩提寺とある。
権兵衛って誰やねん?
一応下調べはしたよ。
元武士でありながら、この辺りに百姓として住み着き、得意の狩猟で馬越峠に現れる大蛇を退治して村を守った人、ということになっている。
さらに進み、神社を超えた所の分岐点にあるのがその権兵衛さんの屋敷跡。
正確な場所は目の前の田んぼの中らしく、白い標柱がひっそりと建てられている。
来た道を戻ってもいいけどさ、県道760に出ちゃったからこの道でそのままさっきの便の山橋まで戻ろう。
橋を渡って案内表示に従いながらすぐに民家の間の細い道へ。
平成に入ってから発見された石畳(というより階段?)が少しだけ残り、「鷲下道」と呼ばれているようだ。
走ってたらあっという間だけど。
さぁ、ここから始まるよ、本格的なクロカンだ!
世界遺産「馬越峠」。
案内板は整備されてるし、大蛇は権兵衛さんがやっつけてくれたから安心。
念のためリュックにはクマ除けの鈴も付けてある。
江戸時代に作られたとされる石畳は2.2kmもの間、現存するという。
ただし、ひたすらに登り、風情が…なんて余裕はない。
あっという間に汗が吹き出し、息も上がる。
両側とも深々とした森の中、日が遮られてるのがせめてもの救い。
夜泣き地蔵、なんてのもあるけど。
手だけ合わせて足を進める。
わずかに見えた右手の山々の稜線に癒される。
途中、馬越一里塚、なんてあったらしいけど、登るのに必死で存在忘れてた!
約30分!登り続けた先がやっと頂上!
標高332mらしい。
もっとも周囲は山の中で、特に見るべき景色もない。
ここから天狗倉山への登山道が分岐。
かなりの急坂で、徒歩なら30分程度、山頂は絶景ということで、寄り道したい気持ちもあって随分迷ったけど、先の道のりと時計を見ての検討!
ここは無難に、さっさと降りることにしましょう。
今度は下りの石畳。
当たり前だけど下りはペース速くなるよね。
すぐに案内板とお地蔵さん。
「桜地蔵」というらしい。
さらに降りるとすぐに東屋が整備され、展望台になっている。
秀逸!な景色にしばし見とれる。
さぁ、まだしばらくは下りが続くよ。
若いころは、というよりほんの10年ほど前までは下りは一気に!だったんだけどね、最近膝が痛くって。
トシ取ったもんだねぇ。
石畳が終わり、少し開けた所にあるのが馬越公園。
少し奥に入ったところに「馬越不動尊」なんてものがあり、暑さを忘れさせてくれる滝がある。
ここまでは車が入ってこれるらしく、簡易舗装の道となる。
かなりの下り坂、途中で自販機。
すでにペットボトルのお茶は飲み干してしまったからね、給水しようと思ったんだけど壊れてる(泣)。
まぁこれから集落の中に入るから何とかなるさ!
1本道ながら、途中、墓地の中を走るのが熊野古道。
そして墓地を抜ければそこは集落の中。
ついに尾鷲市の住宅街だ。
下りきったところで突き当って川沿いの広い道に出る。
川の名前は「北川」。
このまま左斜めの北川橋を渡るのが熊野古道らしい。
その前に右を見ると「金剛寺」と「尾鷲神社」が並んでいる。
特に尾鷲神社の方は大きなクスノキもあり、古い歴史があるらしい。
とはいえ、トレーニング中だからね、手だけ合わせて先へと進もう。
北川橋を渡ると尾鷲市の中心街。
「中心」なんていうと物凄い繁華街のイメージがあるけれど、人口約17,000人の町。
しかも平日日中ということで、昭和チックな落ち着いた街並みが息づいている。
中井町っていうんだね。
500mほど西がJR尾鷲駅であることが信じられない。
この辺りをゴールにしてもいいんだけど、トレーニングの強度としてもイマイチだし、腹案があるからもう少し頑張ってみる。
幸い町中でも熊野古道の案内はしっかりしてあるからありがたい。
観光物産協会を超えたら左折、またすぐに右折すると第三銀行尾鷲支店。
特に見どころがあるわけじゃないが、何気に魅せられる静かな街並みが続いている。
さらに町中run。
林町、というらしい。
街道らしい一本道が続いている風景は素敵だなぁ。
道なりに進むと左手に庚申祠。
続いて中川橋を渡り、JR紀勢本線の陸橋を潜る。
この道は広くはないけれど、尾鷲市民にとっての生活道路らしく、路線バスも通っている。
すぐに左手、熊野古道の案内板があり、再び庚申祠がある。
ここを左折するんだね。
で、ここからがややこしい。
小さな道標と手元の資料を凝視?して確認しながら走る。
その道標すら電柱に隠れてたりするからね、わかりにくい~。
「矢の浜道」と称する部分で、民家の路地裏を右に左に迷いながら走る。
人間一人がやっと通れるほどの道幅、道標がなければこれホントに熊野古道?と疑心暗鬼になってしまう。
完全に怪しい人と思われそうだ。
芝生広場のような矢浜公園に出た。
道標と資料を何度も見返しながら走ると、何と熊野古道と思しき道は工事中で行止り!
仕方なく少し戻ってさっきのバス通りに戻る。
そこには「岡崎野田」の停留所。
これから先、このバス道に沿って走るから、目印としてはちょうど良い。
交差点に出た。
「矢浜浄土宝篋印塔」。
南北朝時代に建てられたというなかなかの史跡のようだ。
急に道は広くなり、左側にはコンビナート?工場?のような建物が見えてきた。
急に雰囲気が変わって心配になるけど、地図見ても間違ってないし、リサーチしておいたとおり、バス停を見つけながら走る。
工場の前。
矢ノ川を渡り、すぐ左折。
全然街道らしくない道だけど、はい、次のバス停。
ここで右手、登っていく道が分岐している。
案内板もあり、熊野古道はこっち、と示している。
さらに「向井」があって「向井小学校前」とバス停を目印に走る。
最難関の1つ、八鬼山峠越え。
でも時計は15時過ぎ。
いくらなんでも今からじゃ無理!
ってことで熊野古道としてはここでコースアウト。
そのまま直進し、「向井」「向井小学校前」の停留所を通過する。
「熊野古道センター前」。
ここまで来ればその施設を示す看板が各所に建っており、それに従うだけ。
名前の通り、熊野古道の歴史や自然を展示・案内する県営の施設だ。
地元の方が利用できる学習室なども併設されているらしい。
古道センターの奥には隣り合うように「夢古道の湯」がある。
残念ながら温泉ではなく、海洋深層水を利用した普通のお風呂、ということらしいが、時間があればここで一風呂、も考えてたんだけどね。
腹案の第1候補としてここをゴールにしてたんだけど、懸念した通り、尾鷲市内の矢の浜道に意外に手こづったりして時間的に厳しくなってしまった。
20分程度の余裕はあるけどさ、入浴するにはちょっと慌ただしいな。
ってことでしばし高台の風景を楽しみつつ、給水したりストレッチしたりしてプチ休息。
ただ気持ちが切れちゃった。
runはここでゴールにしよう。
あとは予備の腹案場所までウォーキングとしよう。
走ってきた道をゆっくり降り、バス通りに出たら右折して先へ進む。
JRの線路の下を潜るけど、その手前に「→村嶋不動滝」なんて看板があるから少しだけ寄り道。
徒歩5分程度で滝到着。
場所的には「夢古道の湯」のすぐ裏みたいな場所らしく、ぐるっと大回りさせられた感覚だけど、そういう道しかないんだから仕方ない。
再び戻ってJR線の下を通ってT字路は右へ。
海沿いのドライブウェイ状態の県道778号を歩くだけ。
綺麗な海岸風景にこころが洗われる。
寄り道分を除けば夢古道の湯から徒歩20分ぐらいか?
県道右手、少し高くなったところにJR紀勢本線「大曽根浦」駅が見えてきた。
さぁ、ここを本日の本当のゴールにしよう!
すでに16時半を過ぎている。
無人駅。
給水しながら静かに普通列車を待つ。
これも鉄チャンにはたまらない時間。
ロングシートのディーゼルカーがやってきた。
ここから松阪まで2時間余り、鈍行列車の旅。
11年目に入った旧街道run。
確実に年齢による衰えを感じつつ、帰路に着くコスモタイガーであった。