3/17のダイヤ改正で、現役を引退する列車があります。中央東線を走っていたE351系です。ここ数日大さわぎしていたので、お気づきかと思いますが。
この系式の詳しいことについては、探せばたくさん出てくるのですが、最大の特徴は「振り子式」と呼ばれる足回りです。乱暴に言うと
カーブを曲がる際、スピードが出ていると遠心力で列車が外側に飛ばされる
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速度が落ちると、競合する高速バスに太刀打ちできなくなる
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コーナーリング性能(w)をあげるなら、もっとバンクさせりゃいいじゃん(!)
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線路の改造は金も時間もかかるから、車両のほうに細工しよう!
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E351系誕生(その前身に381系アリ)
という流れです。さらに使用するモーターは高回転型、おまけに車輪の径を小さくしていうなれば『ヒルクライム大王』になる予定でした。
「でした。」と書いたのは、ちょっと問題がありまして。当初車体の軽量化を図るためアルミで作るはずだったのが、予算の都合で鉄製に変わり車重が増え、その影響で重心が高くなってしまい、期待通りの性能を発揮するのに影響が出てしまったという残念なお話がありました。
その他にもその独特な乗り心地のお陰で、お客のみならず乗務員にも列車酔いが出る始末(先日乗車した際に聞いてみたら、殆どが酔った経験があるとのこと)。結局良かれと思って採用した機構がそのまま欠点になってしまいました。また、列車の編成に比べて単価の安いバスが次々と新しい装備を充実させていく中、20年近く昔の装備で走り続けることはルートの訴求力にも影響が出るだけでなく、その近代化を図ろうにも、特殊な構造の足回りの維持にも費用が掛かるなど、ある意味「お荷物」的な存在になっていたと思われます。
その後の技術の発達に伴い、当時のものよりももっと合理的に車両が設計、製造できたこともあって、この後はE353系に「スーパーあずさ」を引継ぎ、E351系はこのダイヤ改正で引退、その後は解体されることが決まりました。
先日、諏訪に行ったときにその乗り心地を堪能してきました。八王子-甲府の山岳区間のカーブが続く区間はバイクや自転車でひらひらとかわしていくような楽しさがあり、これが二度と楽しめなくなるのかと思うとちょっと残念。この振り子機構はカーブの多い山梨県内で主に利用され、それ以外の区間では作動しないよう制御されてました。
制御用のダンパー。GPSで管理されていて、振り子機能を使わないときは車体のロールを制御している。
ラストランの宣伝。
スーパーあずさ5号の車両。マイナーチェンジ後の車体。
ダルマ型の断面が分かるかな。
かなり下膨れしてるんだよね。当然のことながら、窓際の席に座ると窓ガラスが頭の上まで来て眺望抜群。ただし足元は絞られた車体のお陰で狭い。
で、ラストランの日は相模湖で撮影会v
今まで動いている被写体を撮ったことが無かったので、練習。
E257系。
ホームを入れたくなかったので
望遠で211系
ちょっと大きく。結構傾いてるよねぇ。
上りのスーパーあずさ6号。
勾配標に気付かなかったorz
E-PL2 / M.ZUIKO DIGITAL 14-150mm 1:4-5.6
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