冷たい雨が降ってる中、街を歩いてみた。
傘をさす者、ささぬ者が行き交う中、駅のコンコースにはギター片手の若者が青春を歌っている。
ボクは用事を済ませ、しばらく歩道橋の上から濡れた街を眺めていた。
この街は学生時代の思い出がある。
駅前は当時の印象は薄くなってしまったが、この通りにはまだ面影が残っている。
しばらくご無沙汰した街だが、またここに帰ってきた。ここはある種ふるさとのような気がする。
学生時代の数年を過ごしただけなのに、また何食わぬ顔をして迎え入れてくれたこの街。
ボクはこの街が好きだ。冷たい雨が汚れを流してくれるような、そんな錯覚を感じながら帰路についた。