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レオナール・藤田 -藤田嗣治展-

2006年05月21日 | 日記・エッセイ・コラム

Sa330174 昨日の嵐のような天気が嘘のように晴れ渡った日曜日、国立近代美術館へ藤田嗣治展を観に行って来た。

ひょんなことからチケットを入手でき、東京での展示が最終日であることから早起きして並ぶ覚悟での出発だった。昨晩、近所で未明に大きな火事があり、サイレンの音と立ち上る黒い煙を眺めていたので、寝るタイミングを失い若干寝不足気味ではあったが、東西線の竹橋駅を出たら既に長蛇の列。当然気合が入ったのである。

ところで藤田嗣治という画家をご存知だろうか。少し前にNHKの教育テレビで紹介していて是非とも観てみたいと思っていたところに渡りに船という形で今日を迎えた。戦前単身でフランスに渡り、乳白色の手法で女性の肌を表現し、戦時中は戦争画家として戦地に赴き、壮大なスケールの絵を残している。二科会に所属はしていたものの、戦争画の賛否で揉めることになり、戦後は再びフランスに渡り、レオナールフジタとしてフランス人として人生を真っ当した画家だ。

乳白色の肌をした裸婦画などは墨を使った輪郭を描くことによって、立体感を出し、その画法は当時のフランス人にとってとてもエキゾジックに感じたという話だ。その絵を目の当たりにして、確かに美しい絵であった。戦争画も迫力があって、素晴らしいのだが、晩年の子供を描いた絵がなんとも言えなくかわいくて心に残っている。こんな日本人が過去に居たなんてちょっと驚いてしまった。

Sa330175 この写真の絵は割と有名なので知ってる方もいると思うが、パリのカフェで物思う女性の表情がなんとも言えないのだ。この肌の色も当時としては特殊な技術で実現しているとのこと。

残念ながら東京での展示は今日が最後であるので今後は京都での開催になると思うが、機会があったら是非観に行ってみては如何だろうか、と素直に感じてしまった。

猫が随所に出てくるところも彼の絵の特徴である。