2023年のジロ・デ・イタリアは前年のブエルタチャンピオンのエヴェネプールが最大のライバルと見られていましたが、第9ステージの個人TT優勝でマリアローザを手にしたエヴェネプールはコロナ感染でリタイヤ。翌日からマリアローザはTT2位のゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアーズ)が着用。ログリッジとの差はわずかに2秒。途中、ブルーノ・アルミライルに渡るも、第16ステージで再びトーマスの元に戻ることになります。このステージでログリッジはタイムを失いユンボ・ヴィスマの目標は最初のジロで絶たれたかに見えました。第19ステージでもクスのアシストを得てトーマスを引き離しにかかったログリッジですが、差を詰めることが出来ないまま最後のTTに望みを託すことになりました。
トーマスとのタイム差は29秒。ドロミテでの山岳TTでバイク交換が必要なステージで、ユンボ・ヴィスマは入念な事前練習を重ねていました。一方のトーマスはバイクに加えてヘルメットの交換をしタイムロス、一時は大きなアドバンテージを得たログリッジでしたが、段差でバイクが跳ねてチェーンが外れるというアクシデントが彼を襲います。
3年前のツールでマイヨジョーヌを着て臨んだ最後のTTでポガチャルに大逆転された悪夢がよみがえりました。最後の登りでトーマスは苦戦しタイムを落とし、ログリッジがステージ勝利とマリアローザを同時に手にいれてしまったのです。
トーマスとのタイム差は29秒。ドロミテでの山岳TTでバイク交換が必要なステージで、ユンボ・ヴィスマは入念な事前練習を重ねていました。一方のトーマスはバイクに加えてヘルメットの交換をしタイムロス、一時は大きなアドバンテージを得たログリッジでしたが、段差でバイクが跳ねてチェーンが外れるというアクシデントが彼を襲います。
3年前のツールでマイヨジョーヌを着て臨んだ最後のTTでポガチャルに大逆転された悪夢がよみがえりました。最後の登りでトーマスは苦戦しタイムを落とし、ログリッジがステージ勝利とマリアローザを同時に手にいれてしまったのです。
ログリッジがジロの総合優勝を果たしたことで、3大グランツールで唯一手に出来ていないのはマイヨジョーヌだけとなりました。今季からボーラ・ハンスグローエへ移籍した最大の理由はツール・ド・フランスの総合優勝を狙うためでしょう。そんなログリッジにもそのチャンスはあったのです。2020年のツールです。ユンボ・ヴィスマのエースとして第19ステージ迄マイヨジョーヌを守っていたログリッジは、第20ステージの個人TTで自国の後輩タディ・ポガチャルに57秒差をひっくり返されてしまったのです。
翌年もエースを担いますが落車でヴィンゲゴーにエースの座を譲ることになりました。そこで総合2位と健闘したことで、以後はツールでのエースはヴィンゲゴーが担うことになってしまいます。ログリッジはこの年もブエルタは総合優勝しているのです。2019年からの3連覇でした。
2022年にはアシストとしてポガチャル潰しに動き、ヴィンゲゴーのマイヨジョーヌ獲得に大きく貢献しているのです。おそらく、この頃からヴィンゲゴーの力を認め、このチームではマイヨジョーヌは狙えないと考え始めたのかもしれません。
さらに、2023年に2度目のジロ・デ・イタリアに参戦を決めたのも、ユンボ・ヴィスマが3大グランツールの完全制覇を目論んだこともありますが、ブエルタは3度総合優勝しているし、ツールはヴィンゲゴーがいるので、消去方でジロ参戦に踏み切ったといえるのかもしれません。ある意味、ログリッジがジロを勝てば同一年でのグランツール全制覇という偉業も夢ではなくなるとチームは考えていたのでしょう。たとえそれがログリッジの意に沿わないことだとしてもです。
ブエルタを3度も勝っている選手がジロ参戦が2度目というのは珍しいケースでしょう。気温の差こそあれ、コースレイアウトはジロとブエルタは似ているからです。これまで、ジロとブエルタのWツール制覇の選手は結構いるのがそれを裏付けているのです。ログリッジはそれだけツールに懸ける熱意が強かったのかもしれません。
ジロとブエルタのWツールに挑んだログリッジでしたが、アシストだったセップ・クスに総合優勝譲るという結果になってしまったのです。エヴェネプール対策で動いた結果マイヨ・ロホを手にしてしまったクス。個人TTがあるので、いずれヴィンゲゴーかログリッジに渡ると思われていたジャージがその後もクスの手に留まり続けた結果、最後はチームメイト同士の争いになって行ったのです。
クスが総合首位で良いと考えていたヴィンゲゴーと、どうしても勝ちたいログリッジの間に挟まれたクス。総合で1位から3位を独占していたチームは苦慮することになりました。ログリッジがアタックしたステージではクスが遅れてしまい、ヴィンゲゴーもクスを待たずチームには非難の声が集まってしまったのです。これまでヴィンゲゴーやログリッジの山岳アシストとして懸命に働いてきたクスの人気は高く、クスに対する同情論が生まれたのです。それを受けてチームはクスのマイヨ・ロホを決めました。これに不満を示したのはログリッジで、彼のボーラへの移籍を決定的にしてしまったものと想像されます。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます