且つてはトラック競技出身のガンナのような大柄な選手がパワーで圧倒していたTTですが、近年、エアロロードの開発過程の風洞実験で様々な改良が進む中で、選手のフォームにも変化が出ているのです。それのひとつが、内向きのブラケットポジションです。これは、自分でも経験済みなので本当に良く分かります。
レムコと同じとはいいませんが、今季ポガチャルもTTのエアロフォームに改善が見られます。これはレムコという良いお手本があったので、それに近づけたといった感じです。今季の登りを見る限りパワーも確実にアップしているようなので、平坦の個人TTでどこまでレムコに迫れるかが楽しみです。と思っていたのですが、個人TTのスタートリストにはポガチャルの名前がありませんでした。スロベニアはTTをログリッジで、ロードはポガチャルでという役割分担があるのかもしれません。
サッカーから自転車競技へ転向してわずか1年でジュニアの世界選手権を勝ってしまったレムコはまさに神童です。同じ頃にツールドラブニールを勝ち20歳でプロ入りしたのがポガチャルです。年齢はポガチャルが2歳上になりますが、こちらは成長が半端ない怪物です。これだけ年齢が近い二人で直接対決も結構ありますが、ワンデーレースでは5勝5敗と全くの互角なのに対し、個人TTではレムコが5勝1敗と圧倒しています。グランツールでは今年のツールが初対決となり、こちらはポガチャルの圧勝でした。
今年のツールでは4強といわれたポガチャル、ヴィンゲゴー、エヴェネプールにログリッジですが、年齢的には今後はポガチャルとレムコの2強時代になって行くはずです。今年の世界選手権がWツールの覇者とオリンピック2冠のレムコの2強対決の始まりになるかもしれません。注目の世界選手権がスイスのチューリッヒでいよいよ始まります。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます