「大同コレクション」のその後の続き(Ⅳ)
先にお知らせした「大同コレクション」の本が、本屋の店頭に並べられています。表題は『アフリカンプリント』となっていますが、お客が手にとってパラパラ見ていると嬉しくなります。一般の人が、2.500円もだして読んでくれるのかと思いましたが、結構興味をもっている人がいるみたいです。
以下、7月28日(日)付き 読売新聞の朝刊 文化欄に書評が載っていましたので、紹介します。 東山十条89
7月28日 (日)付け 読売新聞の朝刊 文化欄 の書評
並木誠士、上田文、青木美保子著
「アフリカンプリント」
アフリカンプリントとは、もともとヨーロッパ各国がアフリカ市場を意識して制作した綿布を指す。
風呂敷縫製を生業とする京都の家に育った私は、布に対して少なからず関心をもっているが、1950~60年代の京都でアフリカ輸出用生地が作られていたとは、初耳だった。
2008年、京都の大同マルタ染工株式会社が閉鎖された際、多くの資料が廃棄されたが、ある一群の段ボールが助け出された。本書では、そこに見つかった同社製作アフリカンプリントの断片、資料としての現地収集品、1957~73年の「生産技術部研究ノート」などが紹介される=写真=。 図版はもとより、プリント技法の解説、植民地支配と布の関係、第2次世界大戦後、GHQ復興推進策により輸出を伸ばした話など、歴史背景も興味深い。
今人気のアフリカンプリントを扱うショップ案内も嬉しい限り。
(青幻舎、2500円) 評・通崎睦美