先週、東京にいる娘が来た。燃えるような赤い模様の靴を履いていた。『すごい靴を履いているなあ』と言ったら『お父さんにも買ってあげようか。グリーンもあるよ』と言う。『靴は履いてみないとサイズが合うかどうかわからないからいいよ」と言ったのだが、昨日宅急便で送って来た。履いてみるとサイズはピッタリ。これ80近い爺さんにはどうなんだろう、という気がしたが、今朝の散歩で履いて出た。軽くて快適。
図書館から借りて来た本、阿久悠が父の事を書いた小説、『無冠の父』を読んでいる。自分の父のことを思い出しながら。自分の父は寡黙、綺麗好き、几帳面。昔の親父は大体そうだったように思うのだが、家の中では絶対君主、小さい時は怖かった。長男の兄はよく話をしていたが、自分と妹はあまり話をしなかった。
自分の娘は父親のことをどうんな風に思っているのだろうか。娘にとっては母親が厳しくちょっと怖いぞんざいだった。父親は大甘、よく言えば『ほんとにやさしいおとうさん」だった。母親に叱られると父親が抱きしめて慰める。アラフォーに近づいた娘のことを昔のままのように思っているようなところが多いのだが、娘はどうなんだろう。こんな靴が似合う若々しいお父さんと思っているのだろうか。