前回、ブナの実は動物の食料源に…と、書きましたが補足。
小動物だけでなく、人間用の食料としても使うことができ、
ブナの実からは山そばとも呼ばれる上質の食用粉や、
ブナ油を搾り採ったり、純粋な灰汁抜きとして価値があります。
しかし、裏年と呼ばれる年があったりと気まぐれな性質を
もつため、主食材としてあてにするのは不向き。
戦中、戦後、高度経済成長期へと向うにあたり、
無価値とされていたブナ林も次々と伐採されていきます。
大山や白神山地に広大なブナ林が残っているのは、
極度の豪雪地帯であること、山岳の地形が特殊なため、
林道の開発が困難だったこと…などが挙げられます。
とは言っても横手道付近は伐採された木が多く、
後から植栽された針葉樹林が続き、黒い木肌が見てとれます。
そのため、大山横手道上ブナを育成する会…が現在活動されています。
ブナを伐採した跡に、建築材としてより効率のよい
杉や檜などの常緑針葉樹を植栽していったため、
人工的に植林された常緑樹の密生林などでは、
日光が地表まで十分には届かなくなっています。
針葉樹林ではその保水力も広葉樹に比べると低く、
広葉樹から針葉樹へと変えてしまった場所では、
各地で災害等が発生する率も高くなっています。
また、落葉広葉樹でもあるブナと違い、人の手を加えなければ
日光が地表に届かず、そこに存在していた動植物などが
存在できなくなり、自然のサイクルが壊れてきています。
当時は杉や檜などと同様にブナも同じスピードで成長する、
と考えられ伐採が進んでいった訳ですが、その結果は…。
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今日8時の気温は0度。天気は曇+雪。
路面が白くなってきました。今日は情報館の雪囲い作業。