海外協力隊への応援歌

青年海外協力隊はじめJICAボランティアを心から応援しています。
2010年1月帰国、イエメン、青少年活動隊員より

パワハラ

2006-11-24 | business
 パワハラという言葉がいつできたのかわからないが、この言葉は避けなくてはならないものと職場で共通認識を持つ上で必要な言葉だ。部下や後輩を持ったら本当に気をつけなくてはならない。先日、他愛ないことだったが不機嫌な気分のまま応答をしたときに後輩が萎縮するのがわかってはっとした。他意はなく、にこにこと対応する気持ちの状態になかっただけだったのだが、その反応に立場が上位の者は、虫の居所が悪いだけで下に脅威を与えうるのだと気がついて驚いた。組織の人間関係に上下があるのは肩書などの序列を含め仕方がないが、人間としては対等なはずだ。脅威を与えてしまうなら、それを意識的に避けなければならない。上になるほどまわりにイエスマンが集まると見たり聞いたりするが、パワハラの結果だろう。そういう人に限ってそれに気づかず、自分が正しいからまわりがイエスと言っている、と誤解する。立場が上ということ自体がすでにパワハラだ、くらい肝に銘じて仕事をする必要がある。

 ボスと言われるのは気恥ずかしくても、どうせなるなら立派なボスになりたいと思うのは人間共通の健全な上昇意欲だろう。ビジネスマンとはこういう自然な志向を自分で上手に利用するものではないかと思う。

 私の考える理想の上司像は、いるのかいないのかわからないような存在だが部下たちはなんとなく楽しいし閉塞感を感じない、つまり自由にのびのびやっている気がする、部下自身どうしてかわからないけれど一生懸命になっている、チームも仕事もうまくまわっている、というボスだ。失敗には原因があるが、うまくいくときにはあまり理由は見つからないものだ。どうしてかわからないけれどなんとなくうまくいっている、というチームで仕事をしたいし、そんなチームのつくれる上司の下で働きたいものだと思う。いつかもし上司になるようなことがあったら、そんなチームがつくれたらいいな。

値切るということ

2006-11-14 | business
 さっきブログを見ていたら、取引が終わっていざ支払の段階で値切りをする取引先についての批判があり、他人事でなく反省した。「支払わないぞ」という気はないし、いざ支払の段階になって値切るということはあまりないが、やはり会社に対して利益責任を負っている以上、ある程度の交渉をするのは義務だと思っている。

 ただ、値切って値切られたほうが見積もり再提出をするのは時間の無駄だという気がするときもある。また、あまり値切っていると、相手も最初から値切られることを織り込み済の見積もりを出してくるようになる可能性があり、これまたお互い時間と労力の無駄だ。特にデザインやサービスなど、値段があってないようなものについてはこちらも基準がわからないことが多い。70万円の見積もりで交渉したら50万円になったら、いったい最初の見積もりは何だったのかと思う。

 相手も企業だから、取引先全体で見てこの部署から利益をとっているから別の部署の仕事はぎりぎりでもいい、というような体力があることはわかっているが、お互いきちんと利益をとって、それをもっとよい仕事をするための再投資につなげていくような仕事を一緒にしていきたいものだ。

Cool Guys

2006-10-29 | business
 逆セクハラになるのであまり大きな声では言えないが、「あ、いい男になったな」とか、「最近いい仕事するな」、と思った独身の男性は、それから間もなく結婚するとかしたという話をきく。卵が先かにわとりが先か。

 いい仕事をする男を見ると心底かっこいいと思う。これは、ほれたはれたという恋愛感情に通じるのかどうか、一緒に戦う仲間としてがぜんやる気になるとか相手にとって不足なし、いう気になる。

 こんなとき、自分も男だったらよかったのに、と思う。そしたらきっと酒でも一緒に飲みに行って、将来の企業像など語り合うだろうに。それは女性だからできないのかというとそうではなく、酒が飲めないからできないのだとしたら、まあ、性別は言い訳ってとこだな。

 付け加えると、たいていの女性はいい仕事をしている。接するたびにいい女だな、いい仕事をしているな、と思う。

 この話をしたら友人(女性)が、「男は守る、女は与える」という持論を披露してくれた。聞く側に、含むところを誤解なくきく姿勢がないと危険な言い回しだが、なるほど、20年近く働いた女性が言うと説得力がある。

パンク寸前

2006-10-07 | business
先月から来てくれた派遣さんも感動的に仕事ができる。絶対的な仕事量が多いのとさすがにまだ慣れないのとで毎日残業が続いているが、彼女でなかったら今頃破綻していたことだろう。どんなに能力レベルが高くても時間は24時間しかないのでそろそろ輸出チームの人力でこなせる仕事量は限界、業務内容を見直すか、もう一人増やすかという時期にきている。昨今の社会の状況からしても、人員を増やしてもらえることはないだろう。

拡大している企業はどこもそうなのかもしれないが、やってもやっても仕事は増えるばかり。売上が伸びているのだから喜ぶべきか、システムもつくってものすごい勢いで効率化しているのにそれでも追いつかないとは、物事には限界というものがあるのだとつくづく感じる。世の中の景気も好転しているようだが、とにかくうちのチームの仕事は果てしなく増え続け、今日こそパンクするかもしれないと冷や汗の毎日だ。ざしきわらしでいいから手伝ってくれないかしらん。

Recommendation Letter

2006-09-30 | business
後輩がMBAの受験をするのでRecommendation Letterを書いてほしいと言ってきた。合否を左右する重責だ。日本でさえトップスクールに行ったわけではない自分にアメリカのトップスクールに合格させる書類が書けるだろうか。日本の感覚だと、私のようなピヨピヨ管理職のコメントでよいのかと疑問に思うだろう。何人かから社長にサインしてもらったら、とか、専務や本部長、部長のほうがよいのではと言われた。これはMBAの推薦状を知らない人たちのコメントで、実際は仕事で近かった者が書いたほうが合格する可能性が高くなる。大きな会社では社長がサインするにしても書くのは近かった者、だったら書いた人のサインでよい、といういかにもアメリカ的な合理性による。権威ではなく、あくまでその応募者がMBAのコースに将来にわたって貢献できるかどうかを見ることが目的だ。だから部長ならまだなんとかなるかもしれないが、今回、その応募者を知っていて社長という役職が出る時点でMBAについて知らないということがわかる。

推薦状は英語での提出となる。日本語で書いて公証翻訳を使えばよいという話も出たが、これからMBAの勉強をはじめようとする応募者についての推薦状が、英語もできない上司によって書かれたものでは説得力がないだろう。要求されているビジネスレベルでは英語での情報収集が必須なはずだ。また翻訳については、英語と日本語の論理展開は全く違うため、日本語ですばらしい推薦状が書けたとしても英語に翻訳して同じ印象を与えることはまずない。最初から英語の論理展開で書かないと危険だ。という方法論はわかっているものの、問題は、自分のスキルとして英語の文章の書き方や感覚をすっかり忘れてしまっていることだ。もともと10週間習っただけのにわか仕込みですでに8年もたっており、思い出したところでとてもMBA受験の推薦状の書けるレベルだとは思えない。

もうひとつ頭が痛いのは応募者についての推薦状提出者への質問で、いろいろな項目で応募者の評価をする際の選択肢に「上位2%」があることだ。これ以上なく優秀、という意図で、すべての人間を考えたら上位2%に入るだろうが、職場でどうだったか、とか、MBA受験者間では、と考えると悩ましい。

つべこべ言わずにとにかく合格させなくてはならない。合格さえすれば、そのあとどれだけ可能性を広げていくかは本人の問題だ。その可能性への扉を閉ざしてしまうようなことがないようにと、推薦状を書くすべての上司が考えるだろう。ある程度は自分でも調べ、コンサルタントの助力も仰ぐ予定ではあるが、優秀な応募者の優秀な上司たちを凌げるだろうか。

提出は多くの学校が4ヶ月後、ほとんどの学校はインターネットでの回答となる。綴り一文字の間違いが命取りになるほどパーフェクトが当然という世界だ。そそっかしい自分だが、どうかこのときは神がかりでいい推薦状を送れますように。

能力とビジネススキル

2006-09-06 | business
後輩社員と入れ替わりに派遣さんに来てもらうことになった。依頼シートには「前任は社員だったのでレベルの高い仕事が要求されます」とあった。後輩も結構な仕事量をこなせるようになってきたところなので、業務分担を考えながら最初からすべての業務を引き継ぐのは無理かなと思っていたら、先輩社員に、3年目の社員と何年目かの派遣さんだったらビジネススキルは派遣さんのほうが上ということも十分有り得ると言われ、なるほどとうなった。

運動神経とスポーツの技術のようなもので、能力とビジネススキルは違う。運動神経がよくても競技のルールや技術を知らなければそのスポーツはできない。将来の活躍は期待できるがそのままでは使えない。ただ、運動神経や「カン」がいいと、乾いた土が水を吸収するようにそれらを身につけてあっというまに成長する。

水を吸収する側から水を与える側へ、日本では年次が上がると自然に役割が移行していく。吸収が必要な段階では集合研修やOJTでいろいろなところから水が与えられるが水の与え方を教える研修はあまりない。それまで培ってきた吸収のしかたを応用して、水の与え方を自分で会得していくことになる。

某南米の国

2006-08-21 | business
某南米の国からひきあいがきたのでいくつか質問のメールを返した。それに対してわかりやすい英語でひとつひとつきちんと答えがきた。南アフリカのときも驚いたが、南米の、どこにあるかも地図で確かめなくてはならないような国からこのようなスマートな対応がくると世界は進歩しているなと実感する。発展途上国だからといって全員が教育を受けていないわけではないのだ。日本からの製品を輸入しようというくらいだから階層的にも上流階級、高給とり層なのだろう。

相手国での輸入に必要な書類として、日本にあるその国の領事館に行って、うちの会社がきちんと登記された日本の会社である証明書にはんこを押してもらわなくてはならない。その費用が何百ドルときいてその国のGDPを考えたらそれはちょっととりすぎじゃないの、という気もするが、先進国からの一種の援助金と思うことにする。

取引は前金なので代金回収リスクはないが、書類を送ってから相手国内の手続きに最低60日かかるという。注文がこなかったらこの費用は無駄になる。そしてこのような国から本当に注文がくることはあまりない。さらにすでに相手に渡されていた見積もりが安すぎて、初回は注文がきても儲けなし。こうなったら爆発的に売れて発注ロットが上がることを祈るばかりだ。費用の赤はほかの市場でなんとかしなくちゃ。

異動時(着任先)の心得

2006-08-15 | business
間もなく定期人事異動がある。毎年恒例9月1日。住居の移転を伴う場合内示がある。海外は2週間前、国内は1週間前。着任にあたって、昔、上司に教えてもらったことがある。

着任したら、とにかくまずファイルにすべてさっと目を通す。目を通すだけでよく、内容を覚えたり理解しようとしなくてもよい。その部署がだいたいどんなことをしているか、なんとなくどこに何が入っているかをざっくりと把握する。勤務時間中は引継ぎに専念していて時間がとれないだろうし、最初から残業をしてキャビネットをあけたりするのも目立つので、1ヶ月くらいは休日出勤して口笛でも吹きながら未知との遭遇を楽しむ。内容を理解したり覚えたりできればもちろんそれに越したことはないが、凡人はそこまで目指す必要はない。壊れてしまっては元も子もない。

そのうち業務が始まれば、キャビネットの中もフォルダの情報も、自然とメンバーの責務と結びついてくる。少しずつわかってくる、という過程は凡人にとって極上の楽しみのひとつだ。じっくり味わおう。

異動はいつでもスリリングだが、着任がたいへんなのは間違いないので、それを思うと異動する気力がちょっと萎える。会社にいると、自分の人生が「uncontrolable」なところが面白い、と、先日、タイに出張したとき同期と話したばかりだ。あと2週間、今頃人事部は最終詰めに入っていることだろう。アウトプットが楽しみだ。

コミュニケーション

2006-08-03 | business
後輩2人といっしょに3人のチームで輸出をまわしてきた。今、輸出実務はほとんど私の手をはなれて後輩2人でまわるようになっている。あと、渡しきれていないのは運賃見積や商品開発、見積算出などの交渉ごとやら個別案件で、これは今の2人の実務量からいって渡すのは無理そうだ。ただ、とてもよい勉強になるので、できれば実務者をもう一人増やして、こういう特命案件を振りわけていきたい。理想のシナリオは、私は輸出業務からフェードアウトし、今担当している営業に一時専念する。この市場の基盤をもう少し揺るぎないものにしたらこれを次の担当に渡して新天地へ、そうは問屋が卸さない。?

後輩2人が私のチームにいることをどう思っているかわからない。楽しいか、息苦しいか、やりがいがあるかないか。面倒なことは全部やらされると思っているか私も一応仕事をしていると思っているか。そして、これについて、後輩たちにどうきけばいいのか、きいていいものなのかどうかがわからない。コミュニケーションはうまくいっているときは難しそうでやさしいが、ふだんはたいていやさしそうで難しい。

このチームは実務をまわす人のほうが大切なので、後輩がいやな思いをするくらいなら私がいなくなったほうがいい。だけど、もっとひどい上司がくるくらいなら私で我慢してもらったほうがいいということも考えられる。私の勝手な理想の上司像は、ふだんはあまり存在感がなく空気のようで、でもなぜかその人がいると仕事がしやすいような気がする、もし、上司になることがあったら、そんな上司になれるといいなと思う。

昨年も仕事は楽しかったが、なんだか息が詰まっていた。今年は同じような仕事の内容なのに、思い切り空気を吸って自由にやらせてもらっている解放感がある。明らかに上司の違いなのだが、不思議なのは、どちらの上司も私にはいい上司だと思える人たちなことだ。どこがどう違うのかがさっぱりわからない。自分の、上司に対するスタンスも別にかえているとは思えない。だから、たとえば前の上司がどう対処してくれていたらもっと働きやすかったか、と言われても答えられない。どう対処してほしいとも思わなかったし、働きやすくなかったわけでもない。ただ、息が詰まりそうだっただけ。

私は、ひたすら、とにかく、周りの人たちが楽しくやりがいを持って仕事ができてくれたらいいなと思う。そのためにできることはなにか、ご存知の方がいたらご教授願います。

どうする?

2006-07-16 | business
MBA(米国トップクラスを想定)をとりに行こうか転職しようか迷っている部下がいてどう指導しようか思案している。客観的に見て、今の状況ではその部下はMBAコースに貢献の期待できる経験があるかという点では入学許可は厳しいだろう。通るような仕事の内容に自分ですることは可能なのだが、そこまで自律するのは若い社員にはちょっと難しい。一方、転職は手っ取り早い。どっぷりと日本の企業であるうちの会社ですでに数年経験があるので、外資系に行って、最初から職務資格で雑用のないポジションに入り、必死でこなせばMBAのコースに貢献できると判断される仕事を1年で仕上げることは可能だ。日本の企業文化を知ったメンバーという点での貢献も期待される。

うちの会社からMBAをとりに行かせてもらえる可能性はほぼゼロに近い。仮にとったとしても、その社員が帰国後勤め続けることもないだろう。うちの会社の仕事内容がMBA理論を活かしてがんがんもうけるような内容ではないからで、MBA保持者の側からすれば、高い報酬がとれるのになにもうちの会社の給料で働くこともない。

どちらもうまくいくかもしれない仕事の与え方はあるのだが、賭けのようなもので、さすがにそこまで会社もお人好しではないだろう。

日本から世界で活躍するビジネスマンになる手っ取り早い方法は、このとおり、外資系でMBAコースに貢献できる実務経験→MBA取得→MBA限定のポジションに応募、だろう。一時流行った日本の大企業で会社からの援助を受けていく場合、古くさいが使命感を持ち、恩に感じて忠誠を尽くすことのできる高い精神性で日本の企業を代表した意見を言えればMBAのコースに大いに貢献できると思うが、そんなのは時代遅れの精神論で若い社員にはとんちんかんな内容でしかない。

思うに、ケーススタディを勉強するのも、若手が仕事を覚えていくのも、そんなにかわらない。ただ、MBAは下積みの時間を圧倒的に短縮できる手っ取り早いキャリアパスだ。がんばれば高い報酬も約束されるし、ビジネスの世界で際限なく挑戦していけるステージに早くから立てる。やりたければやってみたらいいと思う。若い人はどんどん挑戦したらいい。

MBAプログラムは教育であって、ビジネスそのものではない。どちらを近道と感じるかは人それぞれかもしれない。ケーススタディで学ぶか、下積みで学ぶか、それは、本人が選択すればいいことなのだろう。

どんな選択をするだろう。

異業種交流会

2006-07-15 | business
異業種交流会に参加してきた。若手で集まって話をして交流しましょう、何か勉強になるかもしれないし、といういかにも大企業にありそうな余裕の遊び心からはじまった集まりで、メンバー企業は4社、各社4~5名で4時半から開始、そのあと飲み会のかなり気楽な会だった。人事部主導のため業務として時間内に会社を出た。

一応勉強会なので、4社各10分ほどプレゼンをした。興味深かったのは日立さん。業務上の悩みというテーマを与えられていたので、技術畑の人が他部署との連携がうまくいかない、という内容で話をした。社内の問題をさらさらと社内外に向けて言ってしまえるところに日立さんの社風のよさが見えて、この企業は大丈夫だな、と思った。ただ、その問題の質は一朝一夕で解決できる内容ではなく、正直、大なたでもふるわないと解決しないと思う。

日立さんといえば、地味で、製品はいいものなのにどうもあまり魅力的に見えないイメージがある。ただ、質実剛健、確かな技術、真摯なものづくりへの取り組み姿勢、なんといってもやはり日本を代表する優良企業のひとつであるという認識は、今回の会でも再確認した。

答えは

2006-07-11 | business
 すすめてきたプロジェクトの方向性に自分でも自信がなくなりどこにも答えがない。数人の小さなプロジェクトとはいえ、自分の決断でメンバーが右往左往することになる。こういうときは原点にかえって、というにはすすみすぎた。明日午前はその打合せだ。この状態で打ち合わせをしても結論は出ない。無理に結論を出してまたさらにすすんでしまうのだろうか。さっさとすすめて一旦完了させたほうがよいのだろうか。あと一晩ある。寝てる間にだれか解決してくれないかな。小人のくつやさん、お願いします。お休みなさい。

転換

2006-07-09 | business
 以前は、ルーティンは雑用だと思っていた。メインの仕事は将来の会社の業績に貢献するための壮大な計画を練ることで、それができるようになるための訓練として小さな計画をたて、実行していくことが日々の業務で重要なことだ、というように、そして業務の9割は雑用にとられても、頭は9割こういった将来に向けての計画に使うこと、と思っていた。簡単なことができなければ、壮大な計画を実行することなどできない、というのは一理あるし、一事が万事、というのも真実のひとつではあるので、ルーティンは口笛吹きながら片手間であっさり片付けられるようになりたかった。

 今でもルーティンは職務上業務のメインにはなり得ないが、ルーティンをこなすのも、壮大な計画を実行していくのも実はあまりかわりないような気がしてきた。ただ、だんだんと判断の難しいものが増えてくる。最近は、「Yes」「No」で瞬時に判断しがたいものが多い。そしてたくさんある選択肢のどれもが同じように大きなリスクをもっていたり、同じように大きな可能性を持っていたり、なのに折衷案はどうしても成立しなかったり、毎日毎日、頭を抱え、決断したあとも迷う。まだ間に合う、でも、決断したあとは、その方向で清々とすすめないとすすまない。

 少し前まで、こういった判断はパズルのようなものだった。いろいろな組み合わせやら少しずつ過去の経験の応用でなんとかなった。それがここへきて、考えてもわからないことが増えてきた。生みの苦しみ、というと大げさだが、サラリーマンながら、自分の仕事は自分で解決しなければならなくなってきた。そしてこういう苦しい仕事が楽しいような気がする。

 会社というところは、しかし、その当人の能力以上のことまで任せるほどのリスクはとらないから、まあ、自分で解決しなくてはならないと思える程度の課題なら、苦しみながら解決していけばよいかと思う。

 束縛されるのがきらいなので会社はいつも辞めたいけれど、仕事がおもしろすぎて辞められない。

後輩

2006-06-29 | business
せっかく、どんどん成果を上げていってもらえるところまで仕上がると手放さなくてはならない時期になるのだな。家を買うころ転勤になるのと似ている。

ひとりだち

2006-06-27 | business
少し前から、後輩の中で仕事がどんどん結びつく手ごたえを感じるようになってきた。本人は気がついていないかもしれないが、まさに急カーブを描いてひとりだちする兆候が見えはじめた。守、破、離、の破、に入りかけたことを感じる。

長かった。能力的に問題がないのは明らかなのに説明しても失敗しても彼女の中で仕事がちっともつながらず広がらず、本人の興味がないと考えるしかないのかと思い始めていた。ルーティンだけでも自然に輸出の基礎が1年で身につくようスケジュールを組んでいるし、国際関係の仕事に輸出の基礎は一生役に立つから、1年がまるきり無駄だったということにはならない。が、それは全員可能な最低限で、こんなに社内外に仕事を広げることのできる職場にいてもったいないなと思っていた。

仕事をいやがっているようすはなく、性格的にも自分から広げていけるタイプなのにどうして広がっていかないのか不思議だったが、ただ単にまだコップの水がいっぱいになっていなかっただけだったのだ。先日とうとうあることでその後輩を叱り飛ばしてしまい反省したが、これがきっかけだったという気がしないでもない。今後、彼女の仕事は堰を切ったように広がるに違いない。自分で考えて解決の糸口を見つけられるようになれば、どのチームへ行っても、どんな仕事がきても解決できるようになる。あと3ヶ月もすればもう私の教えることはなくなっているだろう。

彼女の適性や能力的に会社としては別の使い方をするべきだと常々思っており、上司にはそれを伝えている。おそらくその仕事なら、彼女の能力が花開き、会社にも大いに貢献するに違いない。もう広がる端緒は見えたから、あとは一刻も早く彼女がもっと能力を発揮できるチームへ移るほうがいい。仕事はある意味自転車のりのようなものだ。

こんなふうに後輩がひとりだちしはじめた感慨にふけりながらの家路はなんとなく心が躍っていた。