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2010年1月帰国、イエメン、青少年活動隊員より

Recommendation Letter

2006-09-30 | business
後輩がMBAの受験をするのでRecommendation Letterを書いてほしいと言ってきた。合否を左右する重責だ。日本でさえトップスクールに行ったわけではない自分にアメリカのトップスクールに合格させる書類が書けるだろうか。日本の感覚だと、私のようなピヨピヨ管理職のコメントでよいのかと疑問に思うだろう。何人かから社長にサインしてもらったら、とか、専務や本部長、部長のほうがよいのではと言われた。これはMBAの推薦状を知らない人たちのコメントで、実際は仕事で近かった者が書いたほうが合格する可能性が高くなる。大きな会社では社長がサインするにしても書くのは近かった者、だったら書いた人のサインでよい、といういかにもアメリカ的な合理性による。権威ではなく、あくまでその応募者がMBAのコースに将来にわたって貢献できるかどうかを見ることが目的だ。だから部長ならまだなんとかなるかもしれないが、今回、その応募者を知っていて社長という役職が出る時点でMBAについて知らないということがわかる。

推薦状は英語での提出となる。日本語で書いて公証翻訳を使えばよいという話も出たが、これからMBAの勉強をはじめようとする応募者についての推薦状が、英語もできない上司によって書かれたものでは説得力がないだろう。要求されているビジネスレベルでは英語での情報収集が必須なはずだ。また翻訳については、英語と日本語の論理展開は全く違うため、日本語ですばらしい推薦状が書けたとしても英語に翻訳して同じ印象を与えることはまずない。最初から英語の論理展開で書かないと危険だ。という方法論はわかっているものの、問題は、自分のスキルとして英語の文章の書き方や感覚をすっかり忘れてしまっていることだ。もともと10週間習っただけのにわか仕込みですでに8年もたっており、思い出したところでとてもMBA受験の推薦状の書けるレベルだとは思えない。

もうひとつ頭が痛いのは応募者についての推薦状提出者への質問で、いろいろな項目で応募者の評価をする際の選択肢に「上位2%」があることだ。これ以上なく優秀、という意図で、すべての人間を考えたら上位2%に入るだろうが、職場でどうだったか、とか、MBA受験者間では、と考えると悩ましい。

つべこべ言わずにとにかく合格させなくてはならない。合格さえすれば、そのあとどれだけ可能性を広げていくかは本人の問題だ。その可能性への扉を閉ざしてしまうようなことがないようにと、推薦状を書くすべての上司が考えるだろう。ある程度は自分でも調べ、コンサルタントの助力も仰ぐ予定ではあるが、優秀な応募者の優秀な上司たちを凌げるだろうか。

提出は多くの学校が4ヶ月後、ほとんどの学校はインターネットでの回答となる。綴り一文字の間違いが命取りになるほどパーフェクトが当然という世界だ。そそっかしい自分だが、どうかこのときは神がかりでいい推薦状を送れますように。