<修論番外編(草稿より)>
(◆~◇部分は引用)
第4章 結論
<中略>
本研究をはじめたときには、民間企業の青年海外協力隊事業への社員の現職参加の支援は、根拠もあり、実効も上がっており、安全性もある程度は確保できており、企業への補てんなどの支援制度も整っており、社員の成長も見込め、これだけ条件がそろっている、時代の要請であるCSRを比較的容易に果たせる支援だ、という結論を見込んでいた。研究がすすむにつれ、最初のこの仮説とも言える楽観的な結論の見込みに対し、支援を困難にしている理由が肯定的な理由に匹敵するかそれを凌ぐほどの影響だと認識することになり、真逆の結論が導かれることになった。
民間企業にとって、青年海外協力隊事業への社員の現職参加の支援は、痛みを伴う困難な支援である。支援する根拠があり、制度が整っていても、その痛みを和らげることはない。社員の自己実現への支援、国家事業への協力という大義の下での勇気ある決断なのである。この事業への参加や支援はひいては企業にも還元されるものであるが、それは時間を要し、明らかな成果としては可視化されない。これを許容できるかどうか、許容するかどうかは、その企業のあり方やそのときの業績などにも左右される。
全世界の途上国で、過去4万人に及ぶ隊員たちが、現地の人と同じ目線で考え、生活し、経験を共有することによる技術移転と日本人力で深く揺るぎない日本に対する信頼を築いてきた青年海外協力隊事業である。今後も、その信頼を深耕拡張し「世界の人々とよりよい明日を共有するため」のこの事業を、企業は本業でしっかりと利益を上げ、この痛みを許容できるだけの企業力をつけ、世界から利益を得て生かされている企業として痛みを承知の上で支援していきたい。
社員は、企業に現職参加を認めてもらったならば、企業の痛みを知りつつそれでも行くことを決めたなら、勤務する企業の、国家事業への理解と協力、自分への支援をよく理解し、協力隊本来の目的のために、国家事業の一翼を担う者として、企業にいるときと同じように全力で2年間の任務を全うすることに専念し使命を果たす。そして帰国したら、再び企業の中で、そこでの使命や責務を果たすことに専念すればよい。
青年海外協力隊事業は、「世界の人々とよりよい明日を共有するため」の日本の国家事業のひとつである。ボランティアである以上、痛々しいほどの無理をする必要はないが、それぞれにできることで協力し、世界の人々とよりよい明日を共有していこう、という呼びかけを以って本研究の報告としたい。
(◆~◇部分は引用)
第4章 結論
<中略>
本研究をはじめたときには、民間企業の青年海外協力隊事業への社員の現職参加の支援は、根拠もあり、実効も上がっており、安全性もある程度は確保できており、企業への補てんなどの支援制度も整っており、社員の成長も見込め、これだけ条件がそろっている、時代の要請であるCSRを比較的容易に果たせる支援だ、という結論を見込んでいた。研究がすすむにつれ、最初のこの仮説とも言える楽観的な結論の見込みに対し、支援を困難にしている理由が肯定的な理由に匹敵するかそれを凌ぐほどの影響だと認識することになり、真逆の結論が導かれることになった。
民間企業にとって、青年海外協力隊事業への社員の現職参加の支援は、痛みを伴う困難な支援である。支援する根拠があり、制度が整っていても、その痛みを和らげることはない。社員の自己実現への支援、国家事業への協力という大義の下での勇気ある決断なのである。この事業への参加や支援はひいては企業にも還元されるものであるが、それは時間を要し、明らかな成果としては可視化されない。これを許容できるかどうか、許容するかどうかは、その企業のあり方やそのときの業績などにも左右される。
全世界の途上国で、過去4万人に及ぶ隊員たちが、現地の人と同じ目線で考え、生活し、経験を共有することによる技術移転と日本人力で深く揺るぎない日本に対する信頼を築いてきた青年海外協力隊事業である。今後も、その信頼を深耕拡張し「世界の人々とよりよい明日を共有するため」のこの事業を、企業は本業でしっかりと利益を上げ、この痛みを許容できるだけの企業力をつけ、世界から利益を得て生かされている企業として痛みを承知の上で支援していきたい。
社員は、企業に現職参加を認めてもらったならば、企業の痛みを知りつつそれでも行くことを決めたなら、勤務する企業の、国家事業への理解と協力、自分への支援をよく理解し、協力隊本来の目的のために、国家事業の一翼を担う者として、企業にいるときと同じように全力で2年間の任務を全うすることに専念し使命を果たす。そして帰国したら、再び企業の中で、そこでの使命や責務を果たすことに専念すればよい。
青年海外協力隊事業は、「世界の人々とよりよい明日を共有するため」の日本の国家事業のひとつである。ボランティアである以上、痛々しいほどの無理をする必要はないが、それぞれにできることで協力し、世界の人々とよりよい明日を共有していこう、という呼びかけを以って本研究の報告としたい。