着せ替え人形“フィル”がやって来てずいぶん経つが、気が向くと洋服を作ったりして楽しんでいる。
フィルの作家・ミックスジャムさんの説明では「ヘアースタイルは変えられない」(ミックスジャムさんの人形は全て三つ編み)とあり、やってきた時の三つ編みのままだったが、思い切ってダメ元で三つ編みをほどいてみたところ、カールヘアーも良い感じで、輪になっていた前髪も切りそろえてみたら、ちょっとお姉さんになったような…。
三つ編みの子が何人もいるのは気が進まなくて、フィルはずっと一人ぼっちだったが、これならフィルの友達を作ってあげてもいいかな、そう思った時、思い出したのが夫の引き出しの財布。開けてみたら、使い残しが〇万円もある。
資金が確保できたので、新しい子を呼ぼう。ミックスジャムさんのサイトにアクセスすると、フィルの時と同じ、一目で気にいってしまったのが、グレーのピンタックワンピース・毛糸の赤ベレー帽・チェックのマフラーの子。我が家にやってくる間に“パティ”と名付けた。
レドモンド大学生になったアンは、下宿生活を経て運命の出会いをした家をステラ・プリシラ・フィリパと共に借り、大学生活を楽しむ。その家が“パティの家”。そこから家主の名前でもあるパティをもらった。
夫はフィルの洋服を作る私に「好きだねぇ~」と、冷やかし半分呆れ半分に言いながらも、出来上がると「不器用だと言ってる割には良いのが出来たじゃん」と笑ってくれた。
へそくりを使い込んじゃったけれど、多分、「友達が出来てよかったじゃん」と言っているはず。
“フィル”と“パティ”と二人になって、我が家も賑やかになった。