居間塵(imagine)

居間塵、と書いて、イマジン。その日その時、流れゆく時の川から、思いつくままに掬いあげる。絵図とポエムの棚

想い

2011-09-19 15:44:28 | ポエム

想い 

 

たばこのけむりのきえてゆくさきに

おまえの心臓が

どきんどきんとなっている

そんな場所で

そんな振り付けで

想いが

芝居をする

 

くねくねと

愛なんていう

裾のながーーい衣装を着て

気象のように

ステージをあるきまわる

 

そんな姿に憧れて

奇声をあげる

男と女の特別なやりとりが

観覧車の回転にあわせて

ぐるぐる

 

さっき吐いた

たばこのけむりのきえてゆくさきに

かぼそいおとで

どきんどきん

おまえの心臓は

まだ そこにいた

 

観覧車の高みの見物席では

あしたの天気をしんぱいして

くらくなりはじめた

空ばかりみているが

もう

ステージには

だれひとりいなくなって

観客も

帰途ののりものか徒歩か

それぞれの

花の芽のように

少年と少女になって

かえったらしい

あおじろくてほそい

根をちらつかせながら


神の言葉と禅の言葉

2011-09-19 14:34:56 | ポエム

神の言葉と禅の言葉

 

神の言葉は

ジャーナリズムのようだが

禅の言葉は哲学のようだ

ゼロであってゼロでないという

両面鏡の世界である

 

広いのっぱらで雷鳴轟く

恐怖と無頓着と平静と

あらゆる心情の渦巻く世界の果てまで

おのれを持ち歩いて

泥まみれや深い落下に耐え

見えない糸をみつけねばならない

 

心魔 そう呼ぶことにする

 

神の言葉は西洋の言葉だ

優しいのである

暖かいのである

禅の言葉は東洋の言葉だ

辛辣である

温度はないのである

でも

西洋も東洋も

いれかわることもあるのである

 

こうやって

いつまでも

両面鏡を

表 裏 とみているうちに

どちらが表で

どちらが裏か

わからなくなるのである

たとえめじるしつけておいても

 

そうして

そのうちに

胸につかえてくると

みんな吐き出すのである

吐いたあとには

悪酔いからぬけだしたように

すっとするのである

 

だが

いつのまにか

また

言葉 言葉 が

空っぽの胸に

侵入してきて

侵略されるのである

自国か他国か分からなくなるのである

 

世界はひとつという

帝国ができて

人は

ひれ伏すのである