想い
たばこのけむりのきえてゆくさきに
おまえの心臓が
どきんどきんとなっている
そんな場所で
そんな振り付けで
想いが
芝居をする
くねくねと
愛なんていう
裾のながーーい衣装を着て
気象のように
ステージをあるきまわる
そんな姿に憧れて
奇声をあげる
男と女の特別なやりとりが
観覧車の回転にあわせて
ぐるぐる
さっき吐いた
たばこのけむりのきえてゆくさきに
かぼそいおとで
どきんどきん
おまえの心臓は
まだ そこにいた
観覧車の高みの見物席では
あしたの天気をしんぱいして
くらくなりはじめた
空ばかりみているが
もう
ステージには
だれひとりいなくなって
観客も
帰途ののりものか徒歩か
それぞれの
花の芽のように
少年と少女になって
かえったらしい
あおじろくてほそい
根をちらつかせながら