居間塵(imagine)

居間塵、と書いて、イマジン。その日その時、流れゆく時の川から、思いつくままに掬いあげる。絵図とポエムの棚

サブマリン

2012-04-01 11:09:26 | ポエム

サブマリン

 

街灯だけが
暗い月に代わって
闇に浮かんでいる

窓という窓の灯は
深く沈んでいる

人も猫も夢のなか
ひとりの男
電気スタンドの下で
詩の文字を書いている

一文字書いては
一息つく
二文字書いては
二息つく
そして
遠い日々のように沈んでしまうと
唐突に
サブマリンのように
次の浮上があらわれる

静寂の骨董品のような値打ちが
頑張っている
夜明けまでのはなしだけれど
とにかく
闇をくぐって


シリアル・ナンバー

2012-04-01 00:20:05 | ポエム

シリアル・ナンバ-

 

ぼくのシリアル・ナンバ-は
だれかに付けられるのだろうか
ぼくの知らないオフィスで

もしそうなったら
ぼくはどうするだろう
パソコンでは
たいへん重要なナンバ-だそうだ

人間にもシリアル・ナンバ-がつけられて
ナンバ-のない人間は
人間ではないという時代がきたら
ぼくはどうしたらよいのだろう

この星の上でグルグル回っている
人間がつくった惑星にも
喫茶店ででてくるショートケーキにも
シリアル・ナンバ-がついているのだろうか

続き番号が欠けると
見知らぬ所へつれていかれて
長い間そのナンバ-がくるまで
いつ来るかわからない
乗り物を待つように
待合室で暮らすのだろうか

そんなことよりも
ナンバ-はもうついているのとちがうの?
覚えられないほど
長いものが