居間塵(imagine)

居間塵、と書いて、イマジン。その日その時、流れゆく時の川から、思いつくままに掬いあげる。絵図とポエムの棚

酸化したセイブツの報告

2012-04-25 00:21:08 | ポエム

酸化したセイブツの報告

 

ずっと昔のこと
春のこと
満月のこと
うねってあるくこと
人たちのむれのこと

桜がへばりついていた
夜空のましたに
ミツバチはブンブン
甘美なチラシをまきちらしていた
拾おうとする人間集団化の
せつないくらしかたに
眼をそむけていた

そう 春爛漫だった
ソプラノの歌手のような声だして
なんでもいい きぶんしだいのころだった

俳優のように
なんでもできると
おもっていたころの
かげひとつない夜みちを
よろめきながらぼくの正体が
ネガフィルムをみるような
さんさんたるぼくの正体が
フェードアウトするシーンを
ライターで焼却した

そのライターの火が
ぼくを酸化したセイブツにつくりかえた
だからリトマスは完璧な数値で
永久に酸性である
以上報告おわり