居間塵(imagine)

居間塵、と書いて、イマジン。その日その時、流れゆく時の川から、思いつくままに掬いあげる。絵図とポエムの棚

ボタン

2012-09-08 15:59:23 | ポエム

ボタン

 

真っ赤な小さいボタンがおちていた

真っ白の舗道のうえに

 

紅白はいろいろの状況をつくる

源氏物語と平家物語?

祝賀会のマンマク?

白鳥と火の鳥?

 

みためには白黒とちがうけれど

なかみはおなじだ

黒白か紅白か

どちらかといえば生存の鉄則

雌雄を決するという意味がある

 

そんな事詰らないから

いっそうのこと

青い大空のような

だだっぴろい布でくるんでしまえば

すっかり晴れて

真っ赤な小さいボタンなど

きえてなくなる塵埃だけれど

 

でも

そうなると

イキモノは

存在しないことになるから

おとしたボタンは生命の証しになる

たいせつに保存しておきましょう


2012-09-08 12:31:02 | ポエム

 

花にとまる昆虫のように

人々のどこかにやってくる

シーツの皺のある山影や

白熱灯の熱いガラス球

しらないうちにかたちをかえる

きえることとあらわれることとをくりかえす

蜜蜂や黒蟻の行動

見た事もない蝶の舞踏

空中に飛び出して行方不明になるフェスティバルの風船

舞踏会の靴がガラスになる

美味しい食べ物が突然凍る

二重露出の街路樹の金と赤の落ち葉がふる

水鳥が潜ったままきえてしまった

男と女のキラキラひかったりする会話

途中で煙にまかれるのは願望

昔から人は煤とともに生きてきた

永遠の汚れは拭き取らない方がいい

ケモノは夢をみるだろうか

 

夢をみるのかみせられているのか

遠雷のように景色が吼える