如意樹の木陰

古い記事ではサイババのことが多いです。
2024年に再開しました。

無題(討論会、通報者保護、通信機殺人)

2024-09-12 20:30:15 | Weblog

《 アメリカ大統領選挙テレビ討論会 》
日本時間2024年9月11日に行われたアメリカ大統領選挙テレビ討論会を見ました。
私に英語力はありませんから、同時通訳を見ての感想です。

ハリス副大統領の印象は、オバマ元大統領をイメージして練習してきたのかな、という感じでした。話の内容も、起業家や中小企業を支援し、住宅取得に補助金を出すとか、明るい未来をイメージさせる内容でした。
トランプ前大統領は、少し硬い感じでした。どちらかといえば防御する側だったように見えました。政策についての具体的な内容はほとんどなくて、ただ「現状は最悪だから、良い案ができたらそれをやる」というようなイメージだけのお話が多かったです。輸入品に大きな関税をかける話はしていました。
しかし結局記憶に強く残ったのは「ペットを食べられてしまった話」。もしかするとこれはトランプの得意な話なのかもしれません。たしかにインパクトだけはあります。
トランプは、流入してくる移民が治安を悪くするということをずいぶん強調していました。これは副大統領としてのハリスは何もしなかったではないか、ということにつながるわけで、トランプがハリスを攻撃する主要な論点はそこにありました。
「ロシアがウクライナに侵攻したのは、ハリス副大統領と彼女の上司がいかに無能であるかをロシアが知ったからだ」とも言っておりました。これには少しだけ同感してしまいました。
ハリスは、「トランプは真実でないこともたくさん話しますから、その点注意しましょう」というようなことを言って、注意喚起していました。確かにトランプの話には、根拠のはっきりしない大げさな話が多かったように思います。
今回の司会はABCニュースだったようで、わずかに民主党寄りだったのかもしれません。少なくとも2回くらいトランプの話の内容に訂正を入れていました。ペットを食べられた話と犯罪が劇的に増加している話についてです。

この討論会は、いくぶんハリスにプラスだったように思います。このあとは10月に副大統領候補同士の討論会が行われるようです。


《 公益通報制度 》

< H県職員公益通報制度(H県のホームページより) >
公益通報者保護法の趣旨に即し、職員等からの公益通報を受ける制度を創設し、法令遵守の徹底を図り、県民の公益の保護に資するとともに、組織の活性化、健全化を図ることにより、より透明で公正な県民に信頼される県政を推進します。
1.専用の受付窓口を設けるなど、秘密を守り、通報したことによって、通報者が不利益を受けることがないよう、事案の処理にあたっては、十分留意します。
なお、通報者の氏名、通報した内容など通報者個人が特定又は推定されることとなる情報は、情報公開条例及び個人情報の保護に関する法律施行条例上非公開の取扱いとなります。
2.通報事案に関する是正措置等の対応が必要な場合は、弁護士等外部の有識者の参画を得て設置する「公益通報委員会」に意見を聴取したうえで、是正措置等の対応について決定します。(end)

まだ出来立ての制度だからかもしれませんが、つっこみどころがありそうです。
いちばん気になるのは、是正措置等の対応が必要かどうかを誰が判断するのかが明確でないことです。知事や副知事をその対象とした通報は想定されていないようにも見えます。それで今回の場合、知事が是正措置の対応は不要と判断し、公益通報委員会は機能しなかったのでしょう。
それを考えると、通報者がマスコミ等に情報を送ったのも致し方なかったように見えます。

通報の内容は、聞こえてくる範囲ではパワハラとか贈答品とかの話らしいです。それだけなら、辞職しなければならないほどの内容とも思えないのですが、知事が犯人捜しを指示し、さらに通報者の処分をしてしまったこと、およびそれを今でも正当化し続けていることを考えると、職務の継続は難しいでしょう。
通報内容に知事や副知事の事が書かれていたのであれば、たとえその内容がどんなものでも、知事は自分で動かずに委員会を招集し判断を委ねるべきでした。
今回の問題は、「本来知事が判断すべきでない事案を知事が判断してしまった」ということに尽きるように思います。それにしても、周囲に知事にしっかり意見を言える人がいなかったのでしょうかね。

公益通報者保護法を理解している人が客観的に見れば「公益通報」でも、「こんな怪文書が出回っている」と言って渡されたコピーに「自分を批判するような内容があることないこといろいろと」書かれていたら、冷静ではいられません。とっさに考えるのは「誰がどんな目的で」ということです。それは批判された当事者としては自然な反応です。公益通報ではなく、県庁内の勢力争いの一環とみてしまったという話もありました。

《 追記 》 百条委員会の内容など、わかりやすい記事がありましたので、リンクを貼っておきます。

兵庫県の斎藤元彦知事、早期処分検討の指示「記憶ない」 百条委 - 日本経済新聞

告発された当事者である知事がもう一人の当事者である副知事に「誰がどのような目的で告発文を書いたのか徹底的に調査するよう指示」したようです。
それから消費者庁の公益通報ハンドブックを見ると「不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的で通報した場合は、公益通報にはなりません」と書いてあります。しかし通報すれば、それによって多かれ少なかれ誰かが不利益を被ることになる場合がかなりあるのではないかと思います。通報の目的がどこにあるかなんて誰がどう判断するのでしょうか。
今回の場合、当事者である副知事が通報者捜しをして、通報者と思われる人物が使っているパソコンまで回収して取り調べ
、どういう理由かはっきりしませんが公益通報ではないと判断したようです。これが容認されてしまうなら、今後だれも公益通報などしようと思わないでしょう。かりに通報者がいろいろな思いを持っていたとしても、その中に県政をよくしたいという思いがあったのであれば、それで充分に公益通報に値すると思います。

《 追記 》 公益通報の通報先について(公益通報ハンドブックより)
 「通報先は三つ」です。①事業者内部、②権限を有する行政機関、③その他の事業者外部のいずれかです。 -(中略)-
 通報先としての「その他の事業者外部」とは、「その者に対し当該通報対象事実を通報することがその発生又はこれによる被害の拡大を防止するために必要であると認められる者」です。(通報対象事実による被害者又は被害を受けるおそれのある者を含みます。)
 例えば、 ・報道機関、消費者団体、事業者団体、労働組合  ・周辺住民(有害な物質が排出されている場合等)などが該当します。
 なお、ライバル企業など「役務提供先の競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがある者」は除かれます。
 ※通報先ごとに保護を受けるための要件(保護要件)が異なりますので、注意してください。
☆☆☆☆☆☆

私にいくぶんの勘違いがあったのですが、通報文書をその他の事業者外部(今回の場合では報道機関や県会議員)に送った場合、それも公益通報として認められるということがはっきり書いてありました。

《 追記 》こんなニュースもありました。リンクを貼っておきます。

 

「もう1回聞くけど作ってないんかい」兵庫県知事“パワハラ疑惑”の告発者を追いつめた、犯人捜しの詳細記録を独自入手【報道特集】 | TBS NEWS DIG (1ページ)

兵庫県の斎藤元彦知事をめぐる内部告発問題。私たちは犯人捜しの詳細を記録した文書を独自入手しました。告発者はどのように追い詰められ、亡くなってしまったのか。実態を...

TBS NEWS DIG

 

このなかに、こうあります。【 斎藤知事の疑惑をA氏はどのような思いで告発したのだろうか。告発の1か月前、県のホームページに掲載されたA氏のメッセージがある。 県民局長メッセージ(2月) 「 気がつけば、権力者の周囲には二流、三流のイエスマンが主流を占めている状況に。(中略)そのような組織の腐敗・内部崩壊も外部にはなかなか伝わりにくく、不祥事、事件の発生といった出来事でようやく世間の知るところとなるのです」 】 
これだけ読めば、県庁内の現状を批判しているように見えますが、県庁のホームページ上ですからそんなはずはありません。この前に文章があります。記事にあるこのメッセージの写真を見ると、これは、ある本の「組織は必然的に劣化する」という仮説に関連しての一般論として書かれていたようです。
残念なことに、このメッセージを含めこの県民局長の書いた令和6年2月以前のメッセージは削除されています。

《 追記 》 結局百条委員会は、目的を果たせたのでしょうか。中途半端な感じもします。百条委員会の結果として不信任案が提出され全会一致で可決されたということで充分なのかもしれません。不信任案の可決は議会が知事に対して出来る伝家の宝刀です。
斎藤知事は失職して知事選に出馬するという道を選びました。これは百条委員会の頃から描いていたストーリーのひとつなのだと思います。百条委員会の頃からすでに、選挙戦に向けてのイメージづくりをしていたように思います。百条委員会という注目の集まる舞台で選挙運動をしていたわけです。テレビ番組をハシゴして自説を展開したり、26日の会見を出馬表明の場のように利用したり、そういったところはすごいと思います。
ただ、高校生からの励ましの手紙を利用して、それで出馬の決意をしたというのはあまりいただけないです。もちろんその高校生はすごく優秀で県政にも詳しいのかもしれませんが、もしかすると、断片的な情報を見て思い込んでいるだけかもしれません。若々しく純粋な高校生というイメージを利用しているようにどうしても感じてしまうのです。まあいいですけど。
選挙ということになれば、どうなるかは誰にもわかりません。知事に不信任を突きつけた勢力が候補者を絞れるなら斎藤知事が再選されることはないでしょうが、候補者がドングリの背比べのように乱立すれば、四面楚歌に見えている斎藤知事にも勝機が生まれる可能性があります。『悪名は無名に勝る』とも言います。
さてさて、今回の百条委員会で出てきた事柄で法令違反になる可能性があるのは ①公益通報者を保護しなかっただけでなく、重い懲戒処分を行った件 ②優勝パレードへの寄付金を出させるめに補助金を大幅に増額した件 
①についてですが、県には『兵庫県懲戒処分指針』というのがあるようです。これが公益通報者保護法の観点から見た時にこのままでよいのかという問題なのかもしれません。このようにルールには不完全なものが多いわけで、その不備を補うのもトップに立つ知事様のお仕事なんですけどね。
②については、刑事告発されたようですが、今後捜査がされるのかどうかはわかりません。この優勝パレードに県の公金は出さないという建前があったようで、県が窓口となって寄付金を集めていたのですが全然集まらなくて、結局県の上層部が動いて、金融機関に寄付金を出させる代わりに県からの補助金を増やす(当初1億の予算だったものが4億になった)ということをしたのではないかという疑惑です。これが事実だと背任にあたるらしいです。ただ裁判で有罪に出来るのかどうか、私には分かりません。こういう具体的なやり取りは書類では残さないでしょうし、録音してあったとしてもすでに消去されているはずです。ただパレードがすでに終わっているにもかかわらず、多数の金融機関がそろって多額の寄付を出したのは事実ですから、地元の金融機関に影響力を持つ県の上層部からなんらかの働き掛けがあったのは間違いなさそうです。
 これからあとは兵庫県民の判断です。兵庫県民の総意はだれを選ぶのでしょうか。


《 通信機殺人 》
【毎日新聞 2024.09.18 :  ポケベル導入、モサドが仕向けたか 識者「周到な準備が必要」】
 中東レバノンで17日、イスラム教シーア派組織ヒズボラの戦闘員ら12人が死亡、約2800人が負傷した攻撃では、「ポケットベル」のような無線通信機を一斉に爆発させるという手法がとられた。軍事ジャーナリストの黒井文太郎さんは、イスラエルの情報機関モサドが関与した疑いがあるとし、ヒズボラがポケベルの導入を決めた段階でイスラエル側の工作が始まっていた可能性があると指摘する。(end)
◎まだ詳細はわかりませんが、これが戦争であれば「悪質な戦争犯罪」ですし、戦争でなければ「悪質な無差別大規模テロ」です。

【チューリヒ 2024.09.18 ロイター】
  国連のターク人権高等弁務官は18日、レバノンを拠点とする親イラン武装組織ヒズボラ戦闘員らの通信機器が爆発し死傷者が出た事件を巡り、独立調査を行うよう求めた。
 ターク氏は声明で、機器の所持者やその所在が不明のまま数千人を同時に標的にしたこの事件は、国際人権法、さらには国際人道法に違反する可能性があると表明。爆発の状況について、独立かつ徹底した、透明性のある調査を実施しなければならず、「こうした攻撃を指示し、実行した者たちは、責任を問われる必要がある」と述べた。(end)
◎ 2回目の一斉爆発は、「ICOM」のシールの貼ってある無線機だったようです。ICOMは日本にある大手の通信機器メーカーです。ということはやはり、通信機器メーカーとヒズボラの間にいた供給業者のどれかがモサドだったということでしょうか。あるいはヒズボラの倉庫に入ってから配るまでの間に仕込んだ可能性もあります。独立調査はどの機関に要請したのでしょうか。
◎ 報道されているICOMの無線機は10年前に販売を終了した機種だそうで、コピー品が出回っていたという情報もありました。コピー品かどうかはメーカーが現物を確認すればさすがにわかるのではないかと思います。プリント基板の印刷内容とか、使われている個々の部品とか、100%同じではないでしょうからね。
 非常に悪質で大規模な無差別殺人です。犯人は罰せられなければなりません。
ポケベルや無線機に爆発物を仕込んだのです。そのポケベルや無線機は一緒に食事をする子供の目の前に置かれるかもしれず、使わなくなればそれを子供がおもちゃにするかもしれません。そういったことを承知の上で、犯人はこの犯罪を実行したのです。

「密教とは何か(松長有慶)」より

2024-09-04 19:27:06 | Weblog



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 「密教とは何か(松長有慶)」より

 -(前略)-
 弘法大師は『弁顕密二教論』のなかで、秘密の意味を二つに分けておられます。受け取る側の能力に応じて公開する秘密を如来の秘密といい、受け取る側の宗教体験のあるかないかによって理解できるか、できないかがきまる秘密を、衆生の自秘と名づけられています。密教の秘密という言葉の本当の意味は、衆生の自秘にあるとみてよいと思います。
 < どのようにすればものの奥底を見通す目が持てるか >
 ものごとをうわべだけの姿や形にまどわされないで、核心を衝く見方は、どのようにして身につくのであろうか。本を読んだり、すぐれた人の話を聞いたり、荒行をやったり、そういった知識とか苦行をいくら積み重ねても、直接、本当のものを見通す目はできてきません。われわれが日常生活をおくるとき、大小とか、善悪とか、高低とか、優劣とか、こういった対立的な見方を基礎にして、判断を下している。ところがこういった相対的な観点からものを見るだけでは、ものごとの本当の姿が見えてこないのです。対立したものの考えに支配されず、大局的に全体を見通す立場から、すべてのものの相互の繋がりのなかで眺めることによって、ものの本質が見えてくる。-(中略)-
 現実世界だけでなく宗教的な生活のなかでは、さらに一段と高い仏さまの立場からものを見る目を育てなければならないでしょう。
 密教の根本のご本尊である大日如来とは、このような日常性を越えた目をもった仏さまであります。大日如来は過去、現在、未来を通じて永遠で、しかもあらゆるところにいらっしゃる普遍的な仏さまで、宇宙全体を包みこんだ大きな命の根元といってよいでしょう。仏教では現実世界にあるものは、永続的な実体があるものとはみないで、それはもともと空なのだと説きます。密教ではこのような空の境地を、本不生といいます。つまり過去、現在、未来と通じて、生じたり滅したりすることの本来的にないことが空であり、それだけにそこは時間と空間に支配されない自由自在な働きの可能な場所でもあります。それは大日如来そのものであり、大宇宙の大きないのちのもとといってもよいでしょう。この場合、いのちといっても、母胎から生まれ、やがて死んでいく人間とか生きもののいのちではなく、生物、無生物を含めた大自然が本来もっている宇宙的な規模のいのちを指す言葉なのであります。
 こうした観点からすれば、現実世界の一切のもの、人間とか動物、さらには山川草木にいたるまで、すべてがこの宇宙のいのちの一部であることがわかります。われわれの肉体も精神も、自分一人だけのもののように思いがちであります。けれども自分も他人も、鳥も獣も、もともと同じ宇宙のいのちのあらわれなのです。
 我々一人ひとりのいのちが、宇宙の大きないのち、大日如来のいのちの一部であるとともに、われわれ個々の存在の中に、如来の大きないのちが宿っている。こういった関係は、われわれの日常使っている論理でもって、納得のいく説明をえるのは困難なことです。それは理性の働く理屈の範疇ではなく、宗教的な直観の領域だといえましょう。
 仏教ではこうした直観を、瞑想によって身につけます。禅定とか瑜伽といわれるものがそれに相当します。-(後略)-

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
 この本の出版当時、著者は高野山大学の教授にして、真言宗の伝灯大阿闍梨ということです。
中公文庫の200ページくらいの文庫本です。そのなかで、この部分がいちばん真言密教の本質に迫る部分だったかなと思いコピーさせていただきました。こういう内容をこのようにわかりやすく説明している文章はなかなかありません。
 この文章の大日如来をブラフマンに置き換えてもほとんど違和感がないと思います。ただ仏教ですから「空」の概念との関係が書かれています。『空の境地は本不生であり、空は大日如来そのものである』と書いてあるようにみえます。
 終わりの方に『宗教的な直観の領域』とありますが、最新の物理学の宇宙観がこのような世界観にかなり近いものであることを考えると、これを理解するのにかならずしも宗教的直観に頼る必要はないのかもしれません。
 瞑想は自分自身を知るために有効であり、自分を知ることが宇宙を知ることにつながるということだと思います。
 それから『仏さまの立場からものを見る目を育る』とあります。これはよい言葉でした。1段も2段も3段も高い視点から自分を見、世界を見ることができれば、この世界は空であり、まさに大日如来そのものなのかもしれません。


のろのろ台風10号

2024-08-29 21:13:41 | Weblog

 速度の遅い非常に強い台風10号が九州の南海上にあります。風も雨も怖いです。
わが家は風に弱いです。もともと強風が吹くことを想定しておりません。したがって10m以上の風が吹くと問題が発生します。たとえば、いまだに納屋の北側は障子です。紙を貼った障子ですからね、やばいです。今はプラスチック障子紙を両面テープで貼ってありますが、強い風で剥がれます。ほかにもいろいろ脆弱な箇所があります。しかしさいわい私の住む関東内陸の山間部は台風の直撃もないですし、あまり強い風は吹きません。

今年は、雷が少なかったです。周囲に雷雲は発達しているのですが、雷雨は局地的なものなので、微妙にわが家のあるあたりを逸れて通り過ぎるようです。雨雲レーダーを見ていると、栃木県や神奈川県・東京あたりに、頻繁に雷雲が発達して、南国のスコールのような雨を降らせているようです。

南海トラフ地震の注意情報が出ていました。これは「大きな地震が発生した直後は通常よりも地震の発生確率が数倍高いというデータがあるから、地震の備えの再確認をお願いします」という程度のものなのだと思います。しかし、気象庁が会見を行ってこういう情報を出せは、当該地域の自治体は反応するわけで、一部の海水浴場が閉鎖になったりしたようです。
この注意情報は「大きな地震が起きるとその後1週間くらいは、再び同程度かそれ以上の地震が起こる確率が普段より数倍高まる」というだけのことでして、これは以前から地震が起きるたびに必ず注意喚起されていたことです。今回の地震もその震源が南海トラフ地震で想定される震源域の範囲内という以外は、特別なことはないのですけどね。
特定の地域の地震に注意が向いていると、想定外の場所で大きな地震が起きるというパターンを、今まで何回も繰り返してきているので、この次日本のどこで地震が起きるかは、結局誰にも全然分かっていないということです。わが家も大きな活断層の上にあるようです。動く確率は非常に低いですが、大きな活断層なので、動くと直下型の大地震になるらしいです。

ウクライナとそれからガザの戦争については、もうあまり書きたくありません。
一度戦いが始まってしまうと、どの為政者も負ければ責任を問われ、ほぼすべてを失い、命の危険すらあるのですから、基本的に勝つまで戦争をやめようとはしません。さらにネタニヤフの場合は戦争が終わると自らの政治生命が危うくなるという個人的?な理由で戦争を継続しているという話もあります。人の命をなんだと思っているのかということです。
プーチンにしても、自国に攻め込まれた状態で停戦交渉に応じるとは思えません。ロシア国内が動揺してプーチンの立場が危うくなることを期待しているのかもしれませんが、今までの経緯を見るとプーチンは充分にしぶといです。
ハマスが停戦交渉に応じていません。これは、今回の停戦交渉にアメリカが大きくかかわっているらしいので、やむを得ないのかもしれません。アメリカは明らかにイスラエルを支援していますし、空母数隻を含む艦隊を中東周辺に送って圧力をかけています。停戦交渉の仲介を公平にできる立場の国ではありません。当然イスラエル寄りの条件を提示しているはずです。
そんなこんなで、現在西太平洋にはアメリカの空母が全くいないのだそうです。軍事的には中国にチャンスがあるということです。
通常であれば西太平洋にはアメリカの空母が2隻くらい配置されているようなのですが、もしその空母が存在していたとしても、東アジアの地域では現在は中国軍の力の方が上回るらしいです。艦艇の数でも航空機の数でも中国が上のようです。ここ30年くらいで中国の通常兵器での軍事力は非常に強力になりました。
今、日本の国会議員団が中国を訪問していますが、こういうことはとても重要なことです。いろいろな情報交換のパイプを用意して両国の関係を安定させておかないと、いつかアメリカにこの地域をかき回される危険性があります。アメリカは中国のこれ以上の台頭を望んでいないようです。ウクライナを使ってロシアを消耗させているように、中国の力も何らかの方法で削ぎたいと考えていても不思議ではありません。
中国は、宇宙開発でもアメリカに追いつきつつあります。アメリカは最近NASAの話題が少ないですし、アメリカが政府予算を投入しているボーイング社のロケットはトラブっています。それにひきかえ、中国は独自の宇宙ステーションをすでに完成させて、宇宙飛行士を常駐させているようです。また月の調査においても充分に欧米と肩を並べているようです。14億人を一党支配している国の力はものすごいものがあります。もし仮にアメリカ国内に大きな問題が発生して、国外の事案に関わる余裕がなくなれば、世界の勢力図は一気に中国色に塗り替わってしまうかもしれません。

話は変わりますが、小学3年生に聞いたら、今は3年生から英語の授業があるのだそうです。週に2時間で、外国人が指導しているらしいです。
語学の学習は早ければ早いほどよいのでして、もっと早く小学校1年から始めるべきですし、英語という科目のほかに、たとえば算数の教科書は最初からアメリカで使っているものをそのまま使うというようなことが必要なのではないかと思います。
日本で生活しているとどうしても日本語なんですね。それでも今はYouTubeもあるし、音質の良いAFNのストリーミングもあるので、学習環境はずいぶんよくなっています。
子供たちは普段どのようなコンテンツで英語に接しているのでしょうか。英語のアニメとかいいですよね。YouTubeを探すと日本のアニメの英語吹き替え版がたくさんあったと思います。それから、英語ほどではないですがこれからは中国語も必要なのかもしれません。しかし、世界の共通言語としては、絶対的に英語なのでして、間違っても中国語になることはないでしょう。
日本がここ30年以上停滞してしまって、世界から取り残されガラパゴス化してしまった最大の原因は英語教育の遅れだと思います。
日本人がどんどん世界に出ていき、世界から日本に優秀な外国人がどんどん入ってきて、世界に通用する商品を開発したり、研究をしたりする、そういう国づくりをしなければ、もうすぐ日本は4流国家になり、最終的には中国の辺境にある一属国になってしまいます。
今でもこの国の生産性はすでに世界で30位以下らしいです、と言いながら今確認したら、45位【2022年 1人当たり労働生産性(ILO統計)】でした。すっごいですね、45位です。最近は円安ですからもっと下がっていることでしょう。
なぜこうなってしまったかを考えると、英語教育の遅れのほかに、やはり政治システムの問題があるように思います。自民党が自分に都合のよいように作ってしまったシステムです。そして、そのシステムに適応できるのは、3代目4代目の小物の政治家ばかりになってしまいました。結局今は優秀な人材がまったく政治をめざしません。そんな立法府や内閣で国が良くなるはずがないのです。

そういう私も、もう新しいことをする気はなくて、とりあえず何とか生きていられればそれで良しとする、そういう生活をしています。いくらか地域のボランティアでもしながら、だんだん老いてボケてゆきます。

台風10号は九州に上陸したようで、私の住む関東内陸部もはっきりしない天気が続いております。今晩は少し強い雨が降っています。天気予報では明日明後日も雨みたいです。大丈夫かな。

ここまで書いたところで下書きにして寝てしまいましたが、今日も台風はまだ九州にあるようです。ただ勢力は994hPaに縮小しました。この台風が過ぎれば、来週の後半くらいから秋晴れがやってくるかもしれません。そうしたら、山へハイキングに出かけましょうかね。


パリオリンピックが始まりました

2024-07-31 07:59:59 | Weblog

ブログを書くようになってから何度目のオリンピックでしょうかね。北京・ロンドン・リオ・東京・パリ。
今回のオリンピックで感動して繰り返し見ているのは、谷川萌々子のロングシュート。ブラジルのディフェンダーは疲れてしまったのか足を痛めていたのかパスが不正確になっていました。
あとで谷川のいろいろな動画を見ましたが、正確で強力なシュート力を持った実に魅力的な選手です。現在スエーデンで活躍しているようです。
《 追記 》 谷川選手がアメリカ戦ではベンチにも入れず、しかも試合後の監督の話でもその原因が体調不良なのかケガの悪化なのかはっきりしたことを言わなかったので、余分に心配してしまいました。結局まだはっきりしないのですが、感じとしてはコロナのような感染症がチーム内で流行ってしまい、谷川も体調を崩してしまったのではないかと推測しています。コロナによる症状の出方には個人差がありますし、コロナの感染力自体は今でも衰えていません。以前から左足も痛めていたようなので、無理をさせなかったのは正解だと思います。谷川はこれからのなでしこを牽引するであろう逸材です。
オリンピック自体にそれほど興味は湧きません。オリンピックを特別な晴れ舞台と位置付けている競技もあるようなので、あっさりとやめることはできないでしょうけれどもね。しかしたとえば、セーヌ川を泳がせるなんて非常識にもほどがあるように思います。選手を泳がせるなら、その前にパリオリンピック協会のお偉いさんたちが1日ゆっくりとセーヌ川で泳いでみて、セーヌ川の水質を自分の肌と口で確認してみてほしかったですね。

さて、16年前の北京オリンピックの頃は何をしていたかなと思って、古いブログを見たら、シャーリー・マクレーンの言葉がありました。いろいろ思い出せせてくれる文章なので貼っておきます。なおこの文章自体は1986年のものです。

 《 アウト・オン・ア・リム(シャーリー・マクレーン)より「日本の読者の皆様へ」 》
 私たちの生きているこの世界はとても面白い時代にさしかかっています。特に天なる神と内なる神の光と愛に共鳴できる状態にいればなおのことです。

 私たちの人生に起きてくる悲劇的な事件でさえ、確かな理由があって起こっているのです。その確かな理由というのは、私たち一人ひとりの成長のために必要だからこそ起こっているということなのです。もし自分の人生は自分の内なる神を経験するためのものだと常に忘れないでいるならば、私たちの人生は輝きに満ち、一見悲劇に思えることも、実は悲劇でないのだとわかるのです。

 今までに私が学んだ最も重要なことは、この世に現実など本当は存在しないということです。私たちが現実として見ていることはすべて、私たちがそれをどうとるかという認識の問題だとわかったのです。人生をどのように認識しているか、その認識のしかたこそがすべてなのです。いいかえれば、私たちの人生は私たちの見ている世界そのものによって決まるのではなく、自分がどのように世界を見ているかによって決まるのです。だからこそ、前向きで実り多き人生は、私たち個人一人ひとりの生き方にかかっているのです。自分こそが自分の人生の実現者なのです。また自分こそが自分の先生なのです。あなた自身が神であることに気づいてください。あなた自身が愛です。あなた自身が光なのです。そして私たちの自由意思こそが、自分の内なる神のすべてを発見していく、“学びの道”なのです。

 私たちは、内なる神の存在を生まれながらに知っているのです。その知恵をどうぞくもらせないでください。自分を信じ、生まれながらにうちに宿る愛と光を信じてください。そうすれば、あなたの人生そのものが愛と光になるでしょう。

 神の国はあなた自身の内にあります。先生は他の誰でもない、あなた自身なのです。他人を先生とあおぐのはやめましょう。他の人を崇拝する必要もありません。すべてはあなた自身です。あなたは今のままで完璧です。あなたは神とひとつなのです。

 私から皆さんに愛と光をお送りします。
                    1986年4月14日              シャーリー・マクレーン

この頃と比べると今の方が、世界は明らかに悪い状況であるように見えるのですが、何なのでしょうかね。理想とはかけ離れた現実が襲い掛かってきて、つまりロシアが侵攻し、イスラエルが侵攻して、それをやめさせることができないでいる。プーチンもネタニヤフも、「現代のヒトラー」と呼ばれたりしているにもかかわらず、外遊して言いたいことを言っています。結局「力が正義」のように見えてしまっています。そんな権力者同士の戦争に巻きこまれて、体の一部を失ったり死んだりしている子供たちに、この言葉は有効なのでしょうかね。
まあ、別の次元の話と言えば、それまでですが。

《 追記 2024/08/17 》 パリオリンピックが終了しました。大きな事故もなく何とか無事に終わりました。大きな紛争が複数起きている中でのオリンピックでした。
今回のパリオリンピックでフランスのイメージが若干変わったかもしれません。美化されたフランスのイメージが削られて現実のフランスが少しばかり顔をのぞかせたということです。
今回のオリンピックでいちばん驚いたのは染色体がXYの人が女性として出場し、メダルを取ってしまったことです。ほとんどの競技を男女で分けているのは、男女に明らかな体力差があるからなのですから、たとえ心が女性であっても身体が(つまり遺伝子的に)男性であれば、男のカテゴリーで戦ってもらわないと、今後いろいろな競技で騒動が起きるのではないかと思います。
医学的なことは詳しく知りませんが、XYは当然男ですし、XXYYやXXYのようにY染色体を持っていれば、その人は競技では男に分類すべきなのかなと思います。
「オリンピックではパスポートの性別で性別の区別をする」というルールを変更すればよいだけです。全員調べる必要はないのでして、「自国他国を問わずどこかの国のオリンピック協会から要望があった場合はIOCが責任を持って染色体の検査をして判断する」と決めておけばそれで済むことです。これは差別でも何でもありません。どんな競技にもルールは必要であり、出場資格もその重要な項目です。
これに比べるとクライミングの森選手の手がホールドに届かなかった件は、もうちょっとむずかしいです。どんな競技でも身体の大きさや背の高さが有利に働いたりするものです。それで種目によって出場する選手の体形が似ているわけでして、あるいは体重でクラス分けをしている種目もあります。ですから、クライミングという競技を今後どのような競技として発展させてゆくのかを関係者でよく協議して、それに沿って競技のルールを作ってゆくことになります。

それから、閉会式について。実はこのブログを書くのであらためてハイライトを見ました。ハイライトを見て、フィールドに作られた無機質の変な形のものが大陸の地図だと初めて知りました。説明がなければ何が何だかわかりません。あの金色のハエ男が「ゴールデンボイジャー」というキャラクターだということも今回ニュースを調べて知りました。しかし、まあ何が何だか、説明がなければわからないものだらけです。登場したミュージシャンもなんだかなぁという感じでしたね。
開会式はダラダラと時間ばかり長くて、途中で見るのをやめてしまいましたが、閉会式も似たようなものだったようです。オリンピックも、やり方をもっと改善しないと開催国が出てこなくなりそうです。
もちろん日本は少なくともしばらくはやらないでしょう。「おもてなし」の日本は選手受けが良かったみたいですが、お金を湯水のように使って、結局誰が得して誰が損したんでしょうかね。収支とか損益とか、どうもはっきりわからないので困ります。


しそ味噌

2024-06-30 14:37:52 | Weblog

《 しそ味噌 》
冷蔵庫の中で味噌が古くなってきたので、クルミ味噌を作ろうかと思ったのですが、畑に青じそがあることを思い出して、しそ味噌を作ってみました。
ふきのとう味噌やクルミ味噌を作る場合は、鍋で材料を炒めてちゃんと作っていたのですが、今回はシソなので、茶わん蒸し用の大きめの茶わんの中で材料をよく混ぜ合わせて電子レンジで加熱調理して作りました。

《材料》
  ◎青じその葉:みじん切りにします。
  ◎みそ:減塩だし入りのものを使いました。
  ◎みりん:味噌と同量以上入れました。
  ◎砂糖:砂糖を入れると固まりやすくなるような気がします。入れすぎると固まりすぎますから、適量を入れます。
  ◎オリーブオイル:いちおうエクストラバージンオイルです。ゴマ油とかお好みで。あまり入れすぎない方がよいです。
  ◎一味唐辛子:お好みで

以上の材料をしっかり混ぜてから、電子レンジで充分に加熱します。完全に沸騰して水分をいくらか飛ばすくらいの感じです。量によりますが、150Wで15分とか。
簡単に作れるので、少量ずつ作ってみて、だんだん好みの味にしてください。
青じその使い道が増えてよかったです。

《 野菜炒めにとろみを付ける 》
野菜炒めはもちろん昔から作っていたのですが、夏野菜のナス・ピーマン・インゲンはどう炒めたらよいのか、よく分かりませんでした。
それが最近、とろみを付ければうまくいくことに気づきまして、少し進歩したかなと思っています。
たぶんどんな野菜でも基本は同じで、オリーブオイルで火がある程度通るまで炒めて、(豆板醤+みりん+昆布つゆ+水)を混ぜたものを加えていくらか味がしみ込むように炒め煮して、煮汁が残っているうちに少量の水溶き片栗粉を加えて混ぜながらさらに炒め煮すれば出来上がりです。
(豆板醤+みりん+昆布つゆ+水)に、コンソメや少量の米酢をプラスすることもあります。
野菜炒めは炒め過ぎない方がよく、煮汁にとろみを付けることで、野菜自体にあまり味がしみ込んでいなくても、おいしくいただけます。

《 家庭菜園 》
◎ 今年はジャガイモを作れなかったのですが、近所からキタアカリをいただきました。これが、おいしくて驚きました。今までほとんどダンシャクしか作ったことがなかったので、ジャガイモとはそういうものだと思っていたのですが、キタアカリは全然違いました。来年は私もキタアカリを作るつもりです。

◎ サツマイモは、昨年金時を作ったのですが、甘くない上に収量も少なく失敗でした。その前の年も金時芋だったのですが、それは甘かったので、そうへんがよくわかりません。ただ、資料を見ると金時芋はベニアズマよりもさらに甘さが弱いらしいので、一昨年の金時芋が別の種類だったのではないかと思っています。
私の住む地方で昔から作られているのはベニアズマなのですが、飽きてきたのでいろいろ試しているわけです。
今年はウイルスフリーのベニハルカを作っています。ベニハルカにしたのは、茨城の焼き芋屋さんが作ったというベニハルカの焼き芋を食べたら非常においしかったからです。
今のところ順調に生育しているようなので期待しています。

◎ 落花生。ジャンボ落花生?です。ポット播きにしたらあまり発芽率が良くなくて、25株くらいしかありません。来年も作るとしたら、畑に直播きしてネットでカラス対策しておいて、成長したら植え替える方がよさそうです。

◎ 小玉スイカ。昨年は自然に発芽したものから結構たくさん食べることができたので、今年は苗を買って作っています。スイカも動物にかじられるので、悩ましいです。小玉スイカは小さいので、熟す前に金属のカゴをかぶせて対策します。カゴはダイソーで適当なものを探しました。ダイソーはすごいです。探すといろいろな物があります。

◎ 思い出しました。もう7月になるので、9月頃から収穫するインゲンの種を播く時期です。インゲンは気温が高いと実を付けません。梅雨にうちに種を播いて、暑い時期に枯らさなければ秋に実を付けると思います。

◎ 家庭菜園ですから、いい加減にやっているので、なかなか良いものはできません。秋に作るのは、ブロッコリー・大根・ホウレンソウの予定なので、早めに畑の準備をしておきたいです。


映像が信じられない世界

2024-06-29 08:23:04 | Weblog

数多くのフェイクニュースやフェイク動画が溢れるようになって、何を信じていいのかわからなくなりつつあります。
こういった偽情報が世論に与える影響は計り知れません。
今やどれほど信頼できそうな報道機関からの報道であっても、複数の情報源を比較検討してみる必要を感じます。すべてを疑えと言うわけではありませんが、気になったら調べる労力は惜しまない方がよさそうです。
特に問題を感じるのは、戦争についての情報です。ニュースに動画や写真が付いていても、それが本物かどうか、とりあえず疑うべきです。戦争はまさに情報戦ですから、どんな映像も鵜呑みにしない方がよいです。
本物よりもリアルな動画をいくらでも簡単に作ることができる時代です。

選挙についても状況は似ています。選挙の場合にはニセの動画はまだ少ないようですが、アメリカの大統領選挙関連ではそういった動画も出てきているようです。これは報道機関ではなく個人が情報発信できるサイトから出てきているようです。
そうなると、有権者が普段どのような情報源に接していて、何から影響を受けているかということが重要になってきます。

ちなみに、私の場合は、Googleニュースが中心です。Googleニュースといっても、実際は様々な報道機関からの情報を何らかの基準で選択して表示しているものです。その基準がどんなものかわからないのですが、私には合っているように思います。
国内大手の新聞社の記事はほとんど有料なので初めの部分しか読めないのですが、ニュースですから初めの数行を読めば、あらかたはわかるものです。詳しく知りたい時は関連した別の記事を探すことになります。

そういえば、NHKで放送されていた都知事選の政見放送を偶然見てしまったら、とんでもないものが放送されていました。あれは、子供に見せてはいけないものだと思いました。政見放送ですから、NHKに全く責任はないのですが、人々を不快にするるだけの悪夢のような映像が流れていました。
自由は最大限確保しておくべきだと思うので、法で規制したくはないのですが、崩れてしまった日本人の倫理観をなんとかできないものでしょうかね。
倫理観で思い出すのは吉田松陰の人となりについて松陰の妹が語っていたことです。『①自分の良心に正直であること②まず他者のためを考えること』このふたつです。このふたつが基本なのだと思います。良心とは陽明学でいう良知のことでして、自分の中にある良知という判断基準に対して「正しくまっすぐであること」が第一です。良知は元来備わっているものなのですが、生活の中でだんだん錆びついて曇ってきてしまうらしいのです。だから自分の良知を曇らせないようにすることが重要になります。②はその通りです。他者を幸せにすると自分も幸せな気持ちになります。他者を幸せにしたつもりなのに自分が惨めな気持ちになっていたとしたら、その過程のどこかの判断基準が正しくなかったのです。本当に相手の立場に立って考えたのか、自分が感じている惨めさは本当のものなのか、いろいろな角度から見直してみるとよいと思います。

話を元に戻します。
事実である証拠のように使われている写真や動画が信じられないとしたら、どうすればよいかということです。
ニセモノの写真や動画は、たいてい相手を貶めるために使われます。これは写真や動画を伴わないフェイクニュースでも同様ですね。
そのほかの目的としては、YouTubeなどでアクセス数を稼ぐことを目的として使われることがあります。なぜか人間というのは、そういう感情を刺激する情報に興味をそそられるのです。悪意がなくても、それも倫理的にはアウトです。
結局どう対処すればよいかわからないのですが、自己防衛のためには、そういった情報に触れる中で、免疫力というか判断力を養うことでしょうかね。結局自分で判断するしかないわけですから。
あとは、まちがっても自分からはそういったフェイク情報を発信しないことです。
たとえば、私はABEMAの将棋チャンネルを見ますが、そのコメント欄には遊び心からのつまり冗談からの偽情報やなりすましと思われる投稿が見られます。コメント欄への書き込みのハードルがあまりに低いので、自分でも似たような書き込みをしてみたくなるかもしれませんが、軽い気持ちで面白半分で書き込んでももちろん倫理的にはアウトですし、書き込み内容が悪質であれば犯罪になります。

誰でも手軽に情報を発信できるうえに、フェイクの画像や動画がいとも簡単に作れてしまう、考えようによっては恐ろしい世の中です。人類はどこに向かっているのでしょうか。


無題(言葉について思うこと)

2024-05-20 20:06:05 | Weblog

 NIKKEI 2024/05/14
米政府高官は13日、パレスチナ自治区ガザで戦闘を続けるイスラエルの攻撃について「ジェノサイド(大量虐殺)だとは思っていない」と明言した。

 アメリカ国内には、あれはジェノサイドだという意見が多くて、バイデンの再選に悪影響しそうだということでしょう。今行われていることは間違いなくジェノサイドです。それを止められないバイデン政権に何が期待できるでしょうか。

 FNNプライムオンライン 2024/05/15
アメリカのブリンケン国務長官は14日、ロシアの軍事侵攻を受けるウクライナの首都キーウを電撃訪問し、ゼレンスキー大統領らに対し揺るぎない支持を表明した。
ブリンケン国務長官「メッセージとともにウクライナに来た。あなたたちは1人ではない」

 これは「今はまだ1人ではないけれど、風向きはだいぶん変わってきたから、停戦交渉を早く進めないと、これから先のことはわかりませんよ。あなたの立場も危うくなりますよ」という意味でしょうか。アメリカもヨーロッパのNATO諸国も最悪のケースになる前に戦争を終結させたいのだろうと思います。
それに、大国ロシアとの関係が悪化して、軍備にムダな費用がかかるし、ロシアとの貿易もできないなど悪いことだらけです。勝つ見込みのない戦争にこれ以上関わりたくないのが本音です。

  上川外相が静岡の知事選の応援で、女性の支持者を前にしての演説において「この方を私たち女性がうまずして何が女性でしょうか」と発言して問題になっていますが、たいしたことではないです。「うむ」という言葉を使ってしまったのがミスなんですが、これは「知事にする」という意味で使われています。
しかし、特に政治家は言葉を慎重に選ばないといけません。「産まずして何が女性か」というのは昔からある言い回しなのでしょうが、たぶん戦前の文言であって、確かに今の時代には不適切なのですから、不適切発言と指摘されてもしかたありません。

人間は言葉で考える動物ですから、普段から使う言葉は選ばないといけません。

【ワシントン時事】2024/05/21    バイデン米大統領は20日、ホワイトハウスで演説し、国際刑事裁判所(ICC、本部オランダ・ハーグ)のカーン主任検察官がイスラム組織ハマス指導者と並んでイスラエルのネタニヤフ首相らの逮捕状を請求したことを「言語道断だ」と非難した。また、カーン氏の主張を「拒否する」と表明した。
 バイデン氏はパレスチナ自治区ガザでの戦闘について触れ、「今起きていることはジェノサイド(集団殺害)ではない」と明言。「イスラエルとハマスは決して同じではない」とも述べ、イスラエルが民間人保護に取り組んでいることは「明らかだ」と強調した。
 その上で、「イスラエルの安全保障への脅威に対し、米国は常に共に立ち向かう」と語った。米国内で高まる反ユダヤ主義を容認しない考えも改めて表明した。

【パリ時事】2024/05/21    国際刑事裁判所(ICC)の主任検察官がイスラエルのネタニヤフ首相やイスラム組織ハマス指導者の逮捕状を請求したことを受け、フランス、スペイン両政府は、司法機関としてのICCの「独立性」を支持すると相次ぎ表明した。逮捕状請求を「言語道断」と非難したバイデン米大統領とは対照的な対応となった。欧州メディアが21日伝えた。
 仏外務省は声明で「パレスチナ自治区ガザでの容認できない市民の犠牲」を何カ月も警告してきたと強調。スペイン外務省もX(旧ツイッター)への投稿で、ICCの職務は「介入を受けず自由に遂行されねばならない」と訴えた。

※ いくらアメリカの政権が黒いものを白と言い張っても、黒いものは黒いのです。ところで日本国政府はどんなコメントを出すのでしょうか。だんまりでしょうかね。
ただし、ICCはまだ逮捕状の請求がでた段階で、これからどのようなやりかたで裁判が行われるのか、行われないのかわかりません。プーチンにも逮捕状が出ていますが、先日は中国で歓迎されていました。

 産経新聞 2024/5/23
 米大統領選の共和党候補指名争いを3月に撤退したヘイリー元国連大使(52)は22日、ヘイリー氏が4月に入所した米シンクタンク・ハドソン研究所で米外交政策について演説後、本選でトランプ氏とバイデン大統領の「どちらに投票するか」との司会者の質問に答えた。
 演説でヘイリー氏は「太平洋で戦争を阻止するには欧州での戦争に勝つ必要がある」と述べ、中国の台湾侵攻を抑止するにはロシアに侵略されるウクライナを勝利に導く必要があると訴えた。
 そうした自らが唱える外交政策をめぐり、ヘイリー氏は「トランプ氏は完全ではないが、バイデン氏は破滅的だ」と指摘し、「トランプ氏に投票する」と答えた。

 「ウクライナが負けることが、中国が台湾に侵攻する動機になる」と言っているようにも見えますが、中国はそれほど愚かではないでしょうから、熟した柿の実が落ちるのを待つと思います。もちろんいくらか木を揺らしたりはするでしょうし、もう少し手荒くするなら緩く海上封鎖をするという方法もあるようです。
ヘイリー氏がトランプに接近し始めたのは、トランプ政権の中で地位を確立しようと考えているからかもしれません。トランプの年齢を考えれば、トランプの支持を得てトランプの次という目もないわけではないでしょう。

 朝日新聞デジタル  2024/5/20
 呉江浩・駐日中国大使は20日、日本の国会議員約30人が台湾でおこなわれた頼清徳(ライチントー)新総統の就任式に出席したことについて、「公然と台湾独立勢力に加担するもの」と非難した。在日中国大使館が日本の政治家や学者を招いた座談会で述べた。
 呉氏は、頼氏が率いる民進党について「完全な台湾独立組織」とし、「平和統一の可能性が縮小する」と新政権を批判した。また、「外部勢力が台湾問題でもって中国を制しようとしている」と外国と台湾の結びつきを牽制(けんせい)し、「日本という国が中国分裂を企てる戦車に縛られてしまえば、日本の民衆が火の中に連れ込まれることになる」とも述べた。
 呉氏は「台湾問題は中国にとって核心的利益」と強調し、「我々は最大の努力を尽くして平和統一を目指す一方、武力行使の放棄も絶対確約しない」と主張。「国家の主権と領土の保全を守る中国政府と国民の意思と能力を過小評価すれば、大きな間違いになる」と述べた。

 日中共同声明(1972年)の二項、三項、六項
二 日本国政府は、中華人民共和国政府が中国の唯一の合法政府であることを承認する。
三 中華人民共和国政府は、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明する。日本国政府は、この中華人民共和国政府の立場を十分理解し、尊重し、ポツダム宣言第八項に基づく立場を堅持する。
六 日本国政府及び中華人民共和国政府は、主権及び領土保全の相互尊重、相互不可侵、内政に対する相互不干渉、平等及び互恵並びに平和共存の諸原則の基礎の上に両国間の恒久的な平和友好関係を確立することに合意する。
 両政府は、右の諸原則及び国際連合憲章の原則に基づき、日本国及び中国が、相互の関係において、すべての紛争を平和的手段により解決し、武力又は武力による威嚇に訴えないことを確認する。

※ 台湾については、この日中共同声明に書かれているとおりです。したがって、台湾の今後については台湾に住む人々がよく考えて決めることです。日本と台湾の関係は民間のレベルでの交流に限定されているはずで、日本国政府が干渉するということはありません。
駐日中国大使の発言は恫喝とも取れるものですが、しかし、日本の立場が以前と比べて特に変化したというわけではないと思います。どちらかといえば、中国が最近の軍事力の増強を背景にして少し牽制を強めているという感じはします。
バイデン大統領は「中国が台湾に侵攻したら、アメリカは軍事的に対応する」と、記者会見やテレビ局のインタビューで何度か答えているようですが、アメリカは基本的には今までどおり【対応をあらかじめ明確にしないことで中国の行動を抑止する「あいまい戦略」と呼ばれる戦略】なのだと思います。
『軍事的に対応する』というのは『傍観はしない』という程度の意味で
、米軍が直接中国軍との戦端を開くということではないはずです。
とはいえ、かりに(あくまでも’かりに’です)米軍と中国軍が戦闘状態になることを考えてみます。その場合には米軍基地のある日本に中国からのミサイルが飛んで来る可能性が出てきます。駐日中国大使が言っているのはそういうことなのでしょう。「気を付けていないと巻き込まれますよ」ということです。
なお、日米安全保障条約がありますが、この条約に基づいて日本がアメリカに協力できる範囲は日本国憲法が定める範囲に限られます。同様に、日本が自衛のために出来ることも、日本国憲法の定める範囲です。つまり、戦闘の拡大につながるような武力による反撃はできないということです。「成らぬ堪忍するが堪忍」です。
もちろん正当防衛・緊急避難は認められますが、実際にこれが認められるには法令が定める条件をクリアする必要があります。ではいわゆる暴力装置は全く機能できないのかということですが、「その場の状況からみて社会通念上(国民の生命を守るために)必要かつ相当であると認められる限度内の実力を行使することは許される」のだと思います。


 上川外務大臣会見記録  2024/05/10
 我が国は、先般のパレスチナが国連加盟に係る安保理決議案につきまして、パレスチナが国連加盟に係る要件を満たしているとの認識の下、中東和平の実現に向けて和平交渉を通じた、国家の自立を促進する等の観点を含め、総合的に判断をし賛成しました。他方で、我が国がパレスチナの国連加盟に関する安保理決議に賛成したことと、パレスチナを国家として承認することは別個の問題であり、我が国の現状立場に変更はないところであります。
 引き続き、我が国は、当事者間の交渉を通じた「二国家解決」を支持し、独立国家自立に向けたパレスチナ人の希望を理解し、これに向けたパレスチナの努力を支援してまいります。

 【ベルリン共同】 2024/05/23
 ドイツのベーアボック外相は22日、ノルウェー、スペイン、アイルランドがパレスチナを国家として承認することについて「『象徴的な承認』ではなく、政治的な解決が必要だ」と述べ、イスラエルとパレスチナの当事者間の交渉を呼びかけた。
 ドイツはパレスチナ国家樹立によるイスラエルとの「2国家共存」を支持。ベーアボック氏は記者会見で「今この瞬間に単純な承認が平和をもたらすのであれば、世界中のどの政治家もためらわないだろう」と指摘。「政治的解決を図るために、今は具体的な措置が必要だ」と述べた。

 【AFP  2024/02/17】
  フランスのエマニュエル・マクロン大統領は16日、「パレスチナ国家の承認は、フランスにとってタブーではない」と述べた。

 イスラエルのネタニヤフ首相は二国家解決を強く拒否しています。
バイデン大統領は二国家解決を支持したことがあるようですし、アメリカは全体としてもその方向になりつつあるようです。
二国家解決というからには、将来的にしろパレスチナ国家を承認する方向であるということです。

 (NHK NEWS  2024/5/26) Google 生成AI活用した新たな検索サービスで誤情報が表示
アメリカのIT大手グーグルが今月から提供を始めたばかりの生成AIを活用した新たな検索サービスで、誤った情報が表示されたとアメリカのメディアが伝えています。ピザにチーズをくっつけるために接着剤を使うことを勧めるなどの回答が表示され、波紋を呼んでいます。

 これに似たことを私はWindows11のCopilotで経験しました。
今はそうでもないのですが以前は検索しようとするとなぜかCopilotがしゃしゃり出てくる時期がありまして、試しに「高遠城址公園のコヒガン桜の開花予想を教えて」と質問したところ、とんでもなく早い時期を回答してきました。

これは変だと思って普通にGoogleで検索したら、今年も例年の開花時期とそれほど違わないという答えが出てきたので、Copilotに「間違ってるぞ」と入れたら、謝っていましたが、謝ればよいというものでもないわけで、まだまだ生成AIなるものは実用には耐えないです。
例えれば、小学校低学年がネットの情報を調べながら回答しているような感じです。似た言葉を追いかけているだけで、常識もなければ、慎重でもありません。あまり時間をかけずに、答えらしいものを出してくるのですが、あてにならない情報です。
あるいは暇な人が生成AIと遊んでやって、それでAIが経験し学習してだんだん大人になってくれるなら、そのうち使えるようになるのかもしれませんが、システムの中身がどうなっているのかわからないので、何とも言えません。もちろん私は使っていません。
価値のある正しい情報を手に入れるためには、検索して出てくるたくさんの情報からよさそうなものを自分の経験をもとに選んで、さらに複数の情報を比較検討する必要があります。

【2024/6/2 AFP】 中国の董軍(Dong Jun)国防相は2日、シンガポールで開催中のアジア安全保障会議(通称シャングリラ会合)で演説し、南シナ海(South China Sea)情勢やアジア太平洋地域での弾道ミサイル配備の動きをめぐり、中国の自制にも「限界」があると警告した。
 董氏はフィリピンと米国を念頭に、「中国は権利侵害や挑発を前にこれまでは十分に自制してきたが、限界というものがある」と述べた。
 同盟関係にある米、フィリピン両国は、中国の軍事力や影響力の増大に対抗して防衛協力を強化している。
 南シナ海に位置するフィリピンは台湾にも近いことから、米国はアジア太平洋地域での同盟とパートナーシップを強化する上でフィリピン支援を重視。これが中国側の反発を買っている。

 フィリピンからすれば、「その言葉をそっくりそのままお返しします」と言いたいはずです。
かつてアメリカはフィリピンにあった大きな海軍基地から撤退しまして、それと期を同じくして中国は「南シナ海の管轄権はもともと自国にある」というような法律を作り、諸々の権利を主張し始めたのだと記憶しています。フィリピンはなすすべなく指をくわえてみていたわけですが、フィリピンとアメリカにはもともと相互防衛条約が存在しておりまして、フィリピンが再びアメリカに接近し、アメリカに基地を提供して、現在は中国と向き合っているということなのだと思います。
このエリアではフィリピンの軍事力が弱いことに付け込んで、中国がすでに相当踏み込んでしまっているようなので、小競り合いくらいは起きるかもしれません。しかし、大きな戦闘になるとアメリカ軍が出てくる可能性が高いので、中国もそれは絶対に避けるはずです。それで、中国の国防相のあのような発言になるのだと思います。

(読売新聞 2024/07/13) 
オランダ・ハーグの仲裁裁判所が中国の南シナ海における主権主張を否定する判決を出して12日で8年となった。中国とフィリピンとの摩擦が再燃している。

一方でウクライナ国内の一般市民の現状とか、ウクライナの政治に関する情報の記事がほとんどないのが気になります。まるでウクライナをゼレンスキーが独裁しているようにすら見えてしまいます。

アメリカがウクライナと長期の安全保障協力協定を結ぶのだそうです。すでに英仏独など15ヶ国は署名しているのだそうで、日本も署名する方向らしいです。これは、いわゆる集団安全保障とは違うもののようで、もう少し緩やかな協力関係の協定のようです。簡単に言えば「ハシゴは外しませんから頑張って戦ってください」という意思表示のようなものだと思います。

こうして長引く戦争を見て思うのは、「重要なのは勝つ事ではなく負けない事」ということです。「まともに負けてしまわない」ためにはどうすればよいかというと、「まともには戦わないこと」です。
ロシアのような強国が理不尽に攻めてきた場合、ウクライナ国民の命と生活を考えれば、ゼレンスキーが国外に脱出するというのもひとつの選択肢だったとあらためて思います。ゼレンスキーひとりが汚名を着ることで、それで国民の生命を救うことができるのなら、それも政治家としては偉大な選択です。
「しょせん彼はコメディアンに過ぎなかった」とか「さっさと逃げやがった」とか、酷いことを言われてズタズタにされるかもしれませんが、それも政治家のりっぱな仕事なのだと思います。
そして、そうならないためには、攻め込まれないように外交的手段でロシアとの関係を保つことが重要だったわけで、それが本来の政治家の仕事です。いかに相手がならず者国家とはいえ、攻め込まれてしまった時点で政治的には失策なのです。
大昔なら相手に無理攻めさせて勝つという戦略もあったでしょうが、時代が違います。それにそもそもロシアはそういう相手ではありません。「まさかアメリカが」と思った事が全くなかったわけではありませんが。

それで思うのは、アメリカのスタンスと、ウクライナや日本のスタンスは、おのずと違うということです。軍事大国であるアメリカは、強力な核抑止力も持ってるので、かなり好き勝手なふるまいができますが、日本がそれをまねることは絶対にできません。大国と大国のはざまの小国には、それなりの処世術があるはずです。

まあ、表面的には勇ましいことも言い力を誇示したりもし、同時に友好的な関係を築くことに努力し、面倒なことが起こらないように腐心するという多面性を要求されるのが外交であり政治なのでしょう。

  【読売新聞 2024/06/15 】 ローマ教皇フランシスコは14日、先進7か国首脳会議(G7サミット)に歴代教皇で初めて出席した。人工知能(AI)に関する議論の場で、AIの利用や開発に関する倫理について基調講演を行い、各国首脳にAI規制の推進を呼びかけた。
 教皇は演説で、AIが標的を選択して殺害する自律型致死兵器システム(LAWS)について「いかなる機械も、人間の命を奪うことを選んではならない」と述べ、「開発と使用を再考し、最終的には使用を禁止することが急務だ」と訴えた。「AIの上手な活用を可能にする条件を整える責任は政治にある」と締めくくり、各国首脳らに規制に取り組むよう求めた。

 実はこの記事の表題が《 ローマ教皇、AI規制の推進呼びかけ「最終的には使用禁止が急務」「いかなる機械も人間の命を奪うことを選んではならない」 》だったので、私はAI全般の全面的な禁止を言っているのかと思い驚いたのですが、そうではありませんでした。あくまでも殺傷兵器としての利用についてということでした。
なお、「使用禁止」という強い表現を使っているのは読売新聞だけのようでしたが、実際にはどんな言葉だったのでしょうかね。
ローマ教皇がこのような政治の場で首脳とテーブルを囲んでいる図は珍しいですが、今の世界はそうしなければならないほどに緊張が高まっているということなのでしょう。

  【毎日新聞 2024/06/12 】 米インド太平洋軍のパパロ司令官が、10日公開の米紙ワシントン・ポストのインタビューで、中国が台湾に軍事侵攻した場合の初期対応について「多数の機密装備を使い、台湾海峡を無人兵器による地獄絵図にする」と述べた。無人航空機や無人艦艇などの活用が念頭にあるとみられ、「約1カ月は中国側に惨めな状況を強い、我々は他の対応をするための時間を稼げる」と説明した。
 パパロ氏は、同紙のコラムニストであるロギン氏のインタビューで、中国の艦隊が侵攻のために台湾海峡の航行を始めた場合の対応を説明。無人兵器の詳細は明かさなかったが「本物で調達可能だ」と強調した。米国防総省は2023年8月、2年間で数千の自律型兵器システムを配備する計画を公表しており、無人兵器の大量調達を急いでいる。
 <中略>
 米国は台湾と正式な外交関係はないが、国内法である台湾関係法に基づき、台湾の防衛に必要な武器供与などを行っている。米軍による台湾防衛の意思を意図的にぼかす「あいまい戦略」も取っているが、バイデン大統領は有事には米軍を送って防衛する意思を再三表明。今年5月の米タイム誌のインタビューでも、米軍派遣の可能性について「状況による。米国の軍事力を使うことは排除しない」と述べている。

 ここで言っている「自律型兵器システム」は、たぶん前の記事でローマ教皇が禁止にしなさいとおっしゃっていたヤバい兵器です。このヤバい兵器をどこに配備するのでしょうかね。
どちらにしても、アメリカ軍の戦争の戦い方は、もう従来のスタイルではなさそうだということがわかります。最前線での戦闘の主役は無人の自律型兵器になるということです。もしかするとすでにウクライナでの戦闘で実戦テストが行われている可能性もあります。ウクライナでの戦争ではドローンが大きな効果を上げているようですが、このドローンがアメリカ軍だとAIによる自律型兵器に置き換わっていくということだと思います。
アメリカがその開発を進めているということは、当然中国も進めているはずです。
しかし、このような高価な新兵器ではなく、ドローンにような安価な兵器を大量に投入して飽和攻撃にしてしまうのも実戦では有効だと思います。
 
 緊張を高めて、防衛予算の増額を要求し、兵器産業を活性化しても、何も良いことはありません。人類が行きつく先は見えています。
旧約の時代からすでに「彼らは剣を打ち直して鋤とし、槍を打ち直して鎌とする。国は国に向かって剣を上げず、もはや戦うことを学ばない」と言われているわけです。それにもかかわらず人を昔と変わらず駆り立てているのは、恐怖心なのか猜疑心なのか欲望なのか妄想の産物なのか、いったい何なのでしょう。 
 たとえば「世界の緊張が高まっているから、軍備を増強しなければならない」というのは、アメリカ的な考え方ですが、間違った考え方です。それをするなら、いっそ核武装してしまった方が、まだ合理的です。「防衛予算を増やしてもいたちごっこだから、日本国は核武装します」と宣言してみたらどうですか、もちろん冗談ですが。
諸悪の根源がアメリカ的な考え方にあることは明白です。アメリカは今でも世界一の軍事大国なのですから、今からでも考え方を変えて、真剣に軍縮に取り組まないと、とんでもないことになります。

 2024-07-11  CRIonline】 (中国)外交部の林剣報道官は11日の定例記者会見で、ブリンケン米国務長官の中国に関する発言に言及し、強い不満と断固たる反対を表明しました。

 林報道官は、「ウクライナ危機の発生当初、米国は中国がロシアに軍事支援を提供したというデマを撒き散らしていたが、未だにいかなる実質的な証拠も示していない」と訴え、「実際には、ロシア側の兵器とその部品の6割以上は米国をはじめとする西側諸国から輸入したもので、ウクライナ側に破壊されたロシア軍装備のコア部品の95%以上は西側諸国から輸入されたもので、ロシア製兵器に使われている西側製部品の72%を米国企業から購入したものが占めているとするデータもある」と述べました。

 さらに、「米国とその同盟国は未だにロシアとの貿易を中断しておらず、昨年の対ロシア貿易額は1300億ドルを上回ってロシアの対外貿易の18%を占めている。米国が一方で大規模なウクライナ支援案を発表しながら、他方では中国とロシアの正常な経済貿易往来を非難しているのは、明らかに偽善的なダブルスタンダードではないか」と指摘しました。

 林報道官はまた、「誰がウクライナ危機を企てた張本人なのか?誰が地域を衝突に陥れた黒幕なのか?誰が危機を長引かせている元凶なのか?誰が世界の平和と安定を脅かす最大のトラブルメーカーなのか」と四つの質問を投げかけ、「国際社会はそれをはっきりと見ており、中国はウクライナ危機の張本人ではなく、当事者でもない。米国による責任転嫁や脅迫は絶対に受け入れられない」と強調しました。(end)

 CRIというのは中国国際放送(以前の北京放送?)です。日本の報道機関でこれをニュースとして報道しているところはないようです。内容的にみても特に目新しいところはないのかもしれません。
また、ここで言っている「ブリンケン米国務長官の中国に関する発言」がいつのどの発言なのか、はっきりしません。
ロシアのウクライナ侵攻についての中国のスタンスはあいまいなものでして、明確には善悪の評価をしていないのだと思います。そういう立場でアメリカや西側諸国を批判的に見るとこうなるということです。
この記者会見の内容がすべて正当なものとも思えませんが、ある程度の真実を語っているようには思います。

そういえば、こんな記事もありました。

真実を教えよう! 米国がウクライナ追加支援を決めた「3つの隠蔽された目的」(塩原 俊彦) @gendai_biz 2024.05.12


話は変わりますが、バイデン大統領の大統領候補としての評価がだいぶん下がってきているようです。民主党内でよくよく検討してあきらかにトランプに負けると判断されれば、出馬断念を説得されるかもしれませんね。ただ、本人が納得する必要があるわけで、本人が自身をどう評価しているかということにかかっているわけです。しかし、自分自身の評価も満足にできないほど老いが進行してしまったらどうするのかとは思います。もちろんそこまで進行すれば現在の任期も全うできませんから、憲法修正第25条の適用を考えることになるわけです。ただし、立候補はこの範疇ではありません。
言葉の言い間違い自体は、若いうちからありがちな人もいます。原稿なしでその場で言葉を組み立ててゆくという作業が、どのように脳内で処理されて実行されているのか、私などには皆目見当もつきません。私もかなり言い間違いが多いタイプなので、そのあたりの評価には興味があります。ただ、隣にいるゼレンスキーを紹介するのにプーチンと言ってしまうのを見れば、不安になります。バイデンの頭の中で、ゼレンスキーとプーチンは置き換わるほど近くにいるわけです。
バイデンは当然ですが78歳のトランプでも大統領候補としては高齢過ぎます。こういった人が候補者として残ってしまうのは結局選挙資金や利権のつながりなのでしょうかね。それともアメリカの国民がみんな老人好きなのか。まったくわかりません。

 7月13日にトランプ前大統領が銃撃を受けました。トランプは耳を怪我したようですが、大きなケガではなかったようです。しかし観客の1人が死亡し、重症者が2人出たそうです。
20歳の犯人が何の目的で今回の暴挙に至ったのか、全く情報がありません。政治的な目的なのか、それとは別の動機があったのか、犯人は射殺されたので、わからないままかもしれません。ライフル銃を乱射している犯人は、即時に射殺して止めるしかありません。銃のある社会は怖いです。
暴力ではなんの解決にもなりません。暴力は暴力を呼ぶだけです。
今回の事件は、結果的にはトランプの選挙戦にとってプラスに働くだろうと予想できます。もともと打たれ強いイメージのあるトランプですが、はからずも今回、本当に撃たれても強いところを示しました。
トランプに勝てるとしたらミシェル・オバマなのだそうです。だったら司法の専門家で政治的にも経験がありたぶん意欲もあるであろうカマラ・ハリス副大統領でいいように思うのですが、なぜミシェル・オバマなのでしょうかね。

⑱ 7月25日追記  バイデンが撤退を表明し民主党の大統領候補はカマラ・ハリスでほぼ確定のようです。近いうちに党大会で正式に指名されて受諾することになるでしょう。まだ副大統領候補がはっきりしていませんが、すでに打診しているでしょうから、それも近々決まっていくはずです。
現状ですでにトランプとハリスの得票予想はほぼ互角になっているようですから、ハリスが勝てる可能性は充分にあります。
とにかくバイデンから後継を指名されるまで、ハリスはバイデンを支える立場だったわけです。それを考えれば、わずか数日でほぼ民主党内を固め、トランプと互角の評価を得たことは、驚くべきことです。
トランプがコアな支持者を持っているのは事実ですが、反トランプ側からすれば78歳のトランプに不安を感じ、しかもバンス副大統領候補には危険な匂いを感じてしまっているようです。

ハリスは59歳。経歴は、地方検事⇒州の司法長官⇒上院議員⇒副大統領です。また2019年の大統領選挙では立候補者のひとりでした。


7月25日のbloombergの記事によれば『 この「新生カマラ」は民主党全体に支えられ、自身と自身が発するメッセージに対する自信にあふれている。メッセージの核は以下の問いだ。「あなたが住みたいのは自由と法の支配がある国か。それとも、混乱や恐怖、憎悪に満ちた国か」。 ハリス氏は、思いやりがあって法と秩序を重んじる検察官として出馬する。中間層を強化し、自由と平等のために戦い、未来に目を向けると訴えている 』ということです。

TV討論会などの結果によってどうなるかわかりませんが、今の時点では勢いはハリス側にあるように感じます。いままでずっと、白人の高齢者同士の選挙戦にうんざりしていた人々が、ハリスの登場で活性化されて投票することになれば、アメリカは変われるかもしれません。
しかしまあ、あまりハリスに期待し過ぎてもいけません。現職の副大統領であるハリスは、基本的にはバイデンの政策を引き継ぐというスタンスです。

⑲ 7月27日追記  カマラ・ハリスが表舞台に立ったことで、彼女についてあることないこといろいろと尾ひれを付けて中傷するような記事が出てきています。
刺激的な表題に誘われてそんな記事を読んでも、その内容はとるに足らない昔の事柄についてのゴシップ記事のようなものです。
これから選挙までに、まだまだいろいろと言われて、つらい思いをするかもしれませんが、笑顔とみなぎる自信で力強く乗り切ってもらいたいものです。

考えてみれば、資金もなければ人脈もない一地方検事がアメリカの政治の世界の階段を登るということは、ものすごいことなのだとわかります。
それをやってのけて、現に副大統領であり、次期大統領候補なのです。
重要なのは、今彼女が何を考え、これから何をしようと考え、アメリカと世界をどのように導こうとしているかということです。

⑳ 8月9日追記  この記事も追記の繰り返しで長くなりましたから、今回でいちおう終わりにするつもりです。

1945年8月9日、原爆の投下により、当時の長崎市の人口24万人(推定)のうち約7万4千人が死亡しました。
その平和祈念式典が今日行われます。



今年の長崎市の式典にはイスラエルを招待しなかったようです。これについてG7の6カ国とEUは懸念を示して、式典への高官の派遣を取りやめたそうです。「イスラエルをロシアやベラルーシと同等に扱うことになり、誤解を招きかねない」という懸念からだそうです。
西欧諸国の感覚ではイスラエルは仲間ということなのですかね。あとはユダヤ社会の政治への影響力が無視できないということもあるのでしょう。
長崎市長は「表向きの理由」を話していますが、「イスラエルのやり方に対する批判」を形にしたと受け取られても仕方のないことです。もちろん本当のところは私にはわかりません。
これは慰霊のための式典でもありますから政治利用するのは控えるべきという考えも理解できますが、これはこれでいいんじゃないかとも思いました。多少の波風を立てないと、本当のところは見えてこないわけで、これによって、西欧の政府の考え方や団結力もよくわかりましたし、イスラエルがためらわずに市民を巻き添えにし続けることができる理由も少しわかったような気がします。


Dell SupportAssistのメモリリークとアンインストール

2024-05-09 14:59:53 | Weblog

DELLのデスクトップパソコンがおかしくなってしまいました。
メモリー使用量が90%を超えて、スムーズに動かなくなっていました。
タスクマネージャーを調べると、DellSupportAssistというプログラムがメモリーを大量に使っていることが判明しました。
検索して調べたところ、どうもメモリリークを起こしている可能性が高いようです。
Wikipediaによれば、【メモリリーク (英: memory leak) とは、プログラミングにおけるバグの一種。プログラムが確保したメモリの一部、または全部を解放するのを忘れ、確保したままになってしまうことを言う。プログラマによる単純なミスやプログラムの論理的欠陥によって発生することが多い】

これについてのDellの対策を調べると、【解決方法 回避策:コンピュータを再起動します(シャットダウンしないでください)】とだけ書いてありました。
これでは、根本的な解決にはならないようですが・・・

さらに調べると個人の記事として【 [公式回答]まさかのDELL SupportAssistは不要 】というような記事が出てきました。要するに「不具合が発生するなら、アンインストールしてもかまいません」とDELLのサポートが回答する程度のソフトのようです。
これについては、あとで私もDELLのサポートに確認して似たような回答をいただきました。
【このプログラムがなくても、このプログラムがしていたような作業は、ほかのソフト(Windowsに組み込まれているソフトの意味らしい)でもしているから、再インストールしなくてだいじょうぶ】というような回答でした。

ということで、アンインストールして、とりあえず問題は解決したようです。しかし、なんかスッキリしませんよね。
DELL側ではすでにこういう問題が起きる可能性がわかっているわけですから、対象者にメールなどで連絡してくれればよさそうなものです。
それに、サポートの契約を結んでいないユーザーは、対処に困ってしまうのではないかと思います。パソコンの動作が非常に遅くなるので、途方にくれます。
また、DELLの提供している解決方法にしても、この(シャットダウンしないでください)を読むより前に、多くの人はシャットダウンしてしまっているはずです。シャットダウンしたからといって壊れることはないようですが、それにしてもイヤな感じはします。ちなみにメモリー使用量が90%を超えた状態で再起動をかけるとかなり時間がかかります。このまま再起動しないのではないかと心配になるくらいです。
《 追記 2024.05.14 》 DELLのこの不具合は5月に入って多発していたみたいです。正しい対処方法はどこかに公開されているのでしょうかね。そういえば、あのあとDELLのアップデートがありましたから、そういう形で対策したのかもしれませんが、特にアナウンスはありませんでした。


 


バラモン教~ヒンドゥ教~仏教

2024-05-02 19:35:24 | Weblog


バラモン教・ヒンドゥ教・仏教の関係がはっきりしなかったので、いくつかコピペして並べてみました。
長い文章の途中だけ切り取ったりしているので、誤解を招くところがあるかもしれません。ご勘弁を。

A.バラモン教(出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典)

インド古代の宗教。バラモンが司祭し指導したためヨーロッパ人が便宜的につけた名称。仏教興起以前のヒンドゥー教をいい,そのうちの最古の段階を「ベーダの宗教」ということもある。アーリア人がインダス川上流地方に侵入し,先住民を征服してこの地方に定住,発展する間に次第に形成された信仰。彼らは自然現象を神々として畏敬し,供犠によって神を祭ることで災厄を免れ,幸福がもたらされると信じた。この祭りを司るバラモンが最高の階級で,王族 (クシャトリヤ) を第2,農工商人 (バイシャ) を第3,被征服民の奴隷 (シュードラ) を最下位とするカーストをつくり上げた。やがてガンジス川上・中流へ広がっていく間に,この祭祀中心主義への反省批判が起り,自然現象の背後にあって現象を動かす原理としての梵 (ブラフマン) と,自己の内奥にある純粋無垢の我 (アートマン) とが融合する梵我一如の境地を追求する思想が出現。ここから祭祀にとらわれない自由思想家群が現れ,このなかからブッダやマハービーラが出て,仏教やジャイナ教を説いた。他方,一般の人々に対しては現象を動かす原理である梵を神とし,この神ブラフマーを唯一最高神とする信仰を説くこととなり,このような最高神として,ほかにシバ神やビシュヌ神崇拝が出現しのちのヒンドゥー教となった。

ウパニシャッド哲学
ウパニシャッド哲学は、古代インドの後期ヴェーダ時代(紀元前1000年 - 紀元前500年)の文献『ウパニシャッド』にもとづく哲学である。バラモン教が形式的になり、バラモンが単に祭祀を司る役割だけになっていることを批判し、内面的な思索を重視し真理の探究をすすめる動きが出てきた。それがウパニシャッド哲学であり、ヴェーダの本来の姿である宇宙の根元について思惟し、普遍的な真実、不滅なものを追求した。ウパニシャッド哲学によると宇宙の根源であるブラフマン(梵)と人間の本質であるアートマン(我)とを考え、この両者が究極的に同一であることを認識すること(梵我一如)が真理の把握であり、その真理を知覚することによって輪廻の業(ごう)、すなわち一切の苦悩を逃れて解脱に達することができると考えている[3]。後期ヴェーダ時代に現れたこの内面的思索の重視と、業・輪廻の死生観は、次の時代にバラモン教に対抗する二つの宗教(仏教とジャイナ教)を誕生させた。

B.ヒンドゥー教( 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) )

インドで信奉されている宗教の一つ。インド教といわれる場合もある。本来、宗教・文化の渾然(こんぜん)とした複合体に対する便宜的な呼称であり、正確な定義を与えることは不可能。「ヒンドゥー」Hinduとは、インダス川の名称に起源をもつペルシア語であり、「インダス川の流域の人々」を意味したが、のち「インド人」を意味するに至った。これが英語などにも取り入れられて、ヒンドゥーの宗教・文化をさすのにヒンドゥイズムという語がつくられた。ヒンドゥー教はこの語の邦訳である。

広義のヒンドゥー教はバラモン教をも内に含んでいるが、ヒンドゥー教という語はバラモン教と区別して使用されることがある。この場合には、バラモン教は、仏教興起以前にバラモン階級を中心にベーダ聖典に基づいて発達した宗教をさす。他方、ヒンドゥー教は、紀元前6~4世紀にベーダ文化の枠組みが崩壊し、バラモン教が土着の民間信仰などを吸収して大きく変貌(へんぼう)した形のものをさしている。しかし両者はまったく別のものというわけではない。ヒンドゥー教は多神教であり、特定の開祖をもたず、その起源も明確ではなく、自然に形成されたもので、宗教的な観念や儀礼と融合した社会習慣的性格を多分にもつ。一般に民族宗教といわれるが、インドを越えて伝播(でんぱ)したこともあり、またインドそのものがヨーロッパに匹敵する一つの世界であるなどの理由で、それを否定する学者もいる。ヒンドゥー教は、途方もないほどの包摂力をもち、極度に発達した哲学体系から、もっとも原始的な信仰や呪術(じゅじゅつ)をもそのなかに取り込んでいる。そのうえに、カースト制度やアーシュラマ(生活期)制度をはじめ、人間生活の全般を規定する制度、法制、習俗などを内包している。ヒンドゥー教はおよそ「宗教」という概念を逸脱している。

インダス文明が現在のパキスタンの領内にあるモヘンジョ・ダーロとハラッパーを二大拠点として紀元前2300~前1800年を中心に栄えていた。しかし紀元前1500年ころアーリア人が西北インドに進入、パンジャーブ(五河)地方に定着し、紀元前1200年を中心に聖典『リグ・ベーダ』を編纂(へんさん)した。その後、紀元前500年ころまでに主要なベーダが編纂され、バラモン教の全盛時代を迎えた。しかし紀元前500年ころ、社会的大変動の結果ベーダ文化の枠組みが崩壊して反バラモン教的自由思想家たちが輩出し、仏教やジャイナ教が成立した。仏教が宗教・思想界の主流をなしていた紀元前2~後3世紀ころ、バラモン教が土着の非アーリア的民間信仰・習俗などの諸要素を吸収し、大きく変貌を遂げてヒンドゥー教が成立した。ヒンドゥー教はバラモン教を基盤としてはいるが、(1)固有の聖典の編纂と哲学諸体系の成立(紀元前後以降)、(2)宗派の成立(紀元1~2世紀以降)、(3)強いバクティ(信愛)思想の盛行(600~800年以降)、(4)タントリズムの形成(7世紀以降)、(5)イスラム教の浸透(13世紀以降)、(6)イギリスの支配、キリスト教の伝播、西洋文明との接触(1800年以降)、などの過程を経て、今日みられるヒンドゥー教が形成された。

宇宙観
宇宙の創造には種々の説がある。絶対者ブラフマンが遊戯(リーラー)のために宇宙の創造を行ったとしたり、この現象世界はブラフマンの幻力(マーヤー)によって現出されたもので、本来は幻影のように実在せず、ブラフマンのみが実在すると説かれることもある。宇宙の中間にある大地は、メール山(須弥山(しゅみせん))を中心とする円盤で、七つの大陸と七つの海をもつ。メール山が真ん中にそびえ立つ大陸がジャンブ・ドゥビーパと称され、その重要部分がバーラタ・バルシャ、すなわちインドである。この宇宙は、ブラフマー(梵天)の1日の間、すなわち1カルパ(劫(こう)、地上の43億2000万年)の間持続し、1日が終わればふたたび宇宙は梵天に帰入する。宇宙は1カルパごとに創造と帰滅を繰り返す。1カルパは1000マハーユガに相当し、1マハーユガは4期からなり、後の期は前の期よりも人間の信仰・道徳性などが低下しており、現在は紀元前3102年に始まった暗黒期であるカリ期にあたり、この期の終わりに宇宙の大帰滅が起こるといわれている。

業と輪廻
人間は死んで無に帰するのではなく、各自の業のために来世においてふたたび新しい肉体を得る。このように生死を無限に繰り返す。これが輪廻(りんね)である。業(ごう)とは、行為を意味するサンスクリット語のカルマンkarmanの訳語。あらゆる行為は業として蓄積され、業は、その行為者がその果報を経験し尽くさない限り消失しない。業・輪廻の思想はウパニシャッドのなかで初めて明確な形をとり、ヒンドゥー教の中核的な教義となったが、本来人間の自由意志を否定する運命論や決定論とは本質を異にしている。

法(ダルマ)
サンスクリット語のダルマは、習慣、義務、教説など多くの意味をもっているが、簡単にいえば行為の規範である。ヒンドゥー教にはダルマをまとめた法典群があるが、その中心的課題は種姓法と生活期法である。種姓法はバラモン、王族、庶民、隷民の4階級(バルナ)のおのおのに課せられた法である。生活期法は学生期、家住期、林棲(りんせい)期、遊行(ゆぎょう)期という人生の4時期のおのおのについて規定されている規範である。各自の生まれた種姓と現に属する生活期に対して規定された法を、事の成否や利害を考慮することなく、利己心を離れて実践することが勧められている。ダルマの実践は、物質的・経済的利益を追求する実利(アルタ)、愛情・性愛を追求する愛欲(カーマ)、および次に説明する解脱(げだつ)とともに、ヒンドゥー教徒の人生の四大目的とされている。

解脱(モークシャ)
ダルマ・実利・愛欲はたとえ実現されたとしても、得られる結果はせいぜい天界に生まれることが最高の果報であり、結局、輪廻のなかにとどまっているにすぎない。そこでウパニシャッドの思想家たちはさらに進んで業・輪廻からのまったき自由、すなわち解脱(モークシャ)を追求するに至り、解脱が人生の最高の目的とされた。それを実現する方法として、行為の道、知識の道、信愛(バクティ)の道という三つの道が説かれ、とくに神に対する信愛の道は万人に実践可能であり、7、8世紀ころから大きな宗教運動となって展開し今日に至っている。業・輪廻・解脱の問題は、一般のヒンドゥー教徒にとって切実な問題であったばかりではなく、思想家たちにとっても重要な課題であった。種々事情を異にするとはいえ、ヒンドゥー教の頂点を形成するサーンキヤ学派をはじめとする六つの代表的哲学体系(六派哲学)が成立し、理論的・体系的に解脱とその方法を考究した。なかでもウパニシャッドに立脚するベーダーンタ学派はインド思想の主流を形成し、現代のインドの知識人の代表的な哲学となっている。

C.仏教(Wikipediaより)

仏教の教義は苦の輪廻からの解脱を目指す。原因と結果の理解に基づき、諸々の現象が縁起するとされる。
仏教の教義は時代や地域ごとに変化していった。歴史に実在した人物としての釈迦が生前に説いた教義についても、諸説がある。

仏教学者の中村元は、そもそも歴史に実在した人物としての釈迦は「仏教というものを説かなかった」と主張する。
釈迦が説いたのは、いかなる思想家・宗教家でも歩むべき真実の道である。ところが後世の経典作者は、仏教という特殊な教えをつくってしまったのであると述べ、仏典が説く「仏教の教義」の多くは後世の創作であると指摘した。
原始仏典『スッタニパータ』第803偈でも、釈迦は明確に「教義」をもつこと自体を否定している。
《 かれらは、妄想分別をなすことなく、(いずれか一つの偏見を)特に重んずるということもない。かれらは、諸々の教義のいずれかをも受け入れることもない。バラモンは戒律や道徳によって導かれることもない。このような人は、彼岸に達して、もはや還ってこない。》
仏教は、普通は「法を説く」と言われているのに、ここでは「法」(dhamma)を否定している。 その意味は<教義>なるものを否定しているのである。教義を否定したところに仏教がある。

釈迦が臨終の直前に語った生涯で最後の言葉は、《 さあ、修行僧たちよ。お前たちに告げよう。もろもろの事象は過ぎ去るものである。怠ることなく修行を完成させなさい 》。
仏教の要訣は、無常をさとることと、修行に精励することとの二つに尽きることになる。<無常>の教えは、釈尊が老いて死んだという事実によってなによりもなまなましく印象づけられる。それがまた経典作者の意図であった。仏教の本質は、ここに尽きるのである。

中村元の弟子で仏教学者の植木雅俊は、さまざまな原始仏典を引用し、釈迦が主張した「本来の仏教」を以下のように推定復元している。
《 本来の仏教の目指した最低限のことは、①徹底して平等の思想を説いた。②迷信やドグマを徹底的に否定した。③絶対神に対する約束事としての西洋的倫理観と異なり、人間対人間という現実において倫理を説いた。④「自帰依」「法帰依」として自己と法に基づくことを強調した。⑤釈尊自身が「私は人間である」と語っていたように、仏教は決して人間からかけ離れることのない人間主義であった――などの視点である。》

D.空海関連

(大日経入真言門住心品)
仏言さく
菩提心を因と為し、大悲を根本と為し、方便を究竟と為す
秘密主、云何が菩提ならば、謂く実の如く自心を知るなり
秘密主、是の阿耨多羅三藐三菩提は、乃至彼の法として少分も得可きこと有ること無し
何を以ての故に。虚空の相は是れ菩提なり、知解の者も無く、亦た開暁(さとる者)も無し
何を以ての故に。菩提は無相なるが故に
秘密主、諸法は無相なり、謂く虚空の相なり
   注)阿耨多羅三藐三菩提:仏の悟り。一切の真理
をあまねく知った最上の智慧。

(般若心経)
観自在菩薩が深般若波羅蜜多を行じし時、五蘊は皆空なりと照見して、一切の苦厄を度したまえり。
   注)深般若波羅蜜多:根源的な叡智の完成
   注)私は、この観自在菩薩の「観」は仏教の瞑想法としての「観」のことだと思っていたのですが、ネット上にそういう解釈は見当たりませんでした。あるいは、「観られることに自在」と訳すなら、「衆生を救うためにいろいろな姿を取って現れる菩薩」という意味かもしれませんが、これだと十一面観音のようです。「いろいろな姿に観られることができる」ということがつまり「自分自身の実体というような観念にとらわれず、こだわりなく自由に自分を変えることができる」という意味であれば、般若心経を説く主人公としては適任といえるかもしれません。

(空海:般若心経秘鍵)
無辺の生死何んが能く断つ。
唯禅那正思惟のみ有ってす。
(中略)
夫れ仏法遥かに非ず、心中にして即ち近し。
真如外に非ず、身を棄てて何くんか求めん。
迷悟我に在れば、発心すれば即ち到る。
明暗他に非ざれば、信修すれば忽ちに証す。

(理趣経)
説一切法清浄句門
(「一切法つまり現象世界に存在するすべてのものが本質として清浄である」ということを説く)

《 追記 》真言密教で使う「清浄」の意味がなかなか分かりません。
松長有慶氏の書いた理趣経の解説には【「一切法の清浄句の門」とは、現象世界に存在するものすべてが自と他の対立を離れ、自他無二平等ということがわかっていることが清浄であるという意味です。】とあります。
ネットを調べたところ【「清浄」について】という詳しい解説がありましたのでリンクを貼っておきます。

http://www.buzan.or.jp/wbuzanhap/wp-content/themes/buzanha/_assets/general_pdf/10Ohnishi.pdf

ここからいくつか抜き書きすると、
・「清浄」と訳されている原語には、「普段は隠されているそのものの本来のすがた、本来の存在意味」という意味がある。
・「清浄」が諸法の根源的境地・価値に通じるものであることを示している。

・真言行者が菩薩道を歩むとは、他を思いやる悲念と共に、判断を誤らぬ無我なる清浄に思いを至さねばならない。
・区別限定をする類の戯論を離れて、 無垢光の真実義たる清浄にこそその根拠を置いているのである。
・清浄なる実態はどういうものであるかといえば、 寂静でもあり、 何よりも平等であることを特徴としている。
・清浄な菩薩は、純粋な慈悲心の自らなる発動の結果として行動する。

####################
仏教については釈迦の話しかコピーしませんでしたが、その後大乗仏教が盛んになり、禅宗や密教も出てくるわけです。
空海関連の経典の並び順については、いい加減です。
仏教の悟りとは、大日経によれば「実の如く自心を知る」です。そのための修行法は空海によれば「唯禅那正思惟のみ」ということです。般若心経の観自在菩薩の修行内容もこのようなものだったはずです。修行法についてはこれ以上詳しく書かれていませんが、私はサマタ瞑想・ヴィパッサナー瞑想を思い浮かべます。
私が親戚の法要で耳にするお経は、これ以外には観音経偈や修証義があります。修証義は聞いてある程度わかるので好ましく思います。
禅宗は私には分かりません。柳田聖山訳の「臨済録」は読んで面白いのでたまに開きますが、内容はさっぱり分かりません。
ヒンドゥーの本としては、上村勝彦先生の書いたバガヴァッド・ギーター関係の本がよいと思います。

 《 『バガヴァッド・ギーターの世界 ヒンドゥー教の救済』 上村勝彦著 》
久しぶりにこの本を拾い読みしています。素晴らしい本です。読みやすくわかりやすい文章です。
どのページを開いても、心に響いてきます。ギーターの世界を仏教やそのほかの思想と比較しながら丁寧に解説しています。
もとはNHK出版から出た本ですが、今はちくま学芸文庫として手に入るようです。
 


大河ドラマ『光る君へ』

2024-04-25 07:05:54 | Weblog

まだ、続けて見ております。
もう4月も後半ですから、3分の1くらいは放送が済んだのだと思います。

時間の流れを概略しておきます。
道長は966年生まれ。先週の放送では大納言様と呼ばれていましたから、その回の放送は991年頃でしょうか。
まひろ(紫式部)の生年はよく分かりません。973年くらいが妥当なのかもしれませんが、ドラマでは道長とあまり年が離れていない感じなので仮に970年としておきます。
995年に道長の兄二人が相次いで病死し、しばらくして道長は右大臣になります。その後左大臣にまで登り権力を掌握しますが、摂政にはなかなかなりたがらなかったようで、摂政の宣下を受けたのは1016年ということです。
まひろの父藤原為時は996年頃に地方官に任命され、この時まひろも同行しているらしいです。
ただ、まひろは2年足らずで帰京し、藤原宣孝(950年頃の生まれ)と結婚します。まひろが970年生まれだと28歳くらいです。なお、宣孝には先妻の他に複数の女性がいたらしいです。宣孝は1001年に他界。宣孝との間に賢子が生まれていました。そして、1006年頃に中宮彰子(道長の娘)の元に出仕しました。そして藤式部とか紫式部と呼ばれたようです。
なお、1006年頃に初めて出仕したにしては、道長やその妻倫子から優遇されていたようなところがあり、もっと前から交流があったのではないかという説はあります。
紫式部が亡くなったのは1014年頃だそうです。
(追記)没年についてもいろいろな説があるようです。最新のWikipediaを見ると「少なくとも1019年までは存命」とか。このドラマでは何歳まで描くのでしょうか。

私の平安時代に関する知識は微々たるもので、安倍晴明を扱った小説や小倉百人一首の解説本に書いてある程度のものです。それでも、全くないよりはよいようです。右大臣道綱の母とか儀同三司母(高階貴子)とか赤染衛門という名前にいくらか反応することはできます。紫式部はその頃の人です。
ただ源氏物語には全く縁がありません。たぶん今後もないでしょう。考えたら男女の恋のようなものを扱った小説を読んだことがあまりないのです。雨月物語とか高野聖とか雪国くらいは好きで読んでますね。しかし、それらはいわゆる恋の話とは違うような気がします。といっても源氏物語の内容を全く知らないので比較のしようもありませんが。

この大河ドラマはあくまでもフィクションです。現存している紫式部に関する資料がそれほど多くないはずで、したがって作家がどうにでもアレンジできる余地があります。しかし、それはあくまでもフィクションです。
ちなみに、「田辺聖子の小倉百人一首」によれば、紫式部には兄と姉がいたことになっていますが、ドラマでは弟だけという設定のようです。またドラマは、まひろの母が道長の兄の道兼に理不尽に殺されるというショッキングなシーンでスタートしましたが、もちろんそんな史実はありません。登場人物に陰影をつけるための脚色なんでしょうかね。

大河ドラマには珍しくラブシーンが多くて、はじめの頃は違和感がありましたが、慣れました。
当時の貴族社会の結婚?は、女性の元に男が通うというスタイルが多かったようです。子供を育てることを考えればそれが合理的であったのだと思います。また、そういうシステムなので、妻の父親の影響力が大きいです。

なお蛇足ですが、陰陽師安倍晴明は921年生まれ、1005年没。夢枕獏の小説で晴明の相棒として描かれる源博雅は918年生まれ、980年没。

《 追記 》 ドラマに清少納言がよく登場するようになりました。しかし、まひろが彰子の元に出仕する前から清少納言と面識があったかどうかは不明だと思います。
清少納言は、まひろよりかなり年上と思われますが、定かではありません。一度結婚し982年に長男を出産しています。その後993年頃から中宮定子に出仕していましたが、1000年に定子がお亡くなりになり、宮仕えを辞しています。その後についてははっきりしませんが、定子の遺児の養育を依頼されて再び出仕したという説もあります。再び出仕していれば、やはり出仕していた紫式部と宮中で交流する時期があった可能性はあります。
清少納言は紫式部より長生きしたようですが、いつごろ亡くなったかは不明です。

《 追記 》 賢子(のちの大弐三位)が道長との間に出来た子であったという設定。これは大石静のオリジナルなのでしょうか。それとも昔からあった説なのでしょうか。
もし賢子が道長の子であったなら、頼宗(道長の次男)と恋愛してはまずいわけで、その辺を考えると、やはりこれはドラマを盛り上げるための虚構なんでしょうかね。しかし、まあなんというか。
あの時代の倫理観については全く知りませんが、まひろと道長が今でいうところの不倫をしている場面は、見たくありませんでした。「おい、これ大河ドラマだろ?」
このふたりの関係はもうちょっとプラトニックな恋愛感情にしておけなかったものでしょうかね。もう取り返しはつきませんけど。

《 追記 》 9月に入って、まひろは彰子に出仕しました。ドラマでは、出仕の目的が最初から、物語(源氏物語)を書かせて一条天皇を彰子のそばに引き寄せるために道長から依頼された、という設定になっていました。一条天皇が定子を懐かしんで枕草子を読んでいるので、それに代わる読み物を道長がまひろに依頼したということです。フィクションですから。
まひろが出仕して、女房がずらっと並ぶ前であいさつするシーンでは、これからいくらかいじめられるのかな、と思ってしまいましたが、そういうことはなく、さらに出仕して8日で実家に戻ってしまうというわがまままで通ってしまっていました。陰謀渦巻く中国宮廷ドラマを見過ぎの私にとっては、ちょっと拍子抜けという感じもありました。
道長が褒美として渡した扇子に描かれた絵を見てまひろが感激するというのは、いかにもフィクションですが、道長がそういう心配りのできるニクい男だというイメージづくりでしょうか。女の人はそういうのにグッとくる、ということでしょうか。
道長とまひろの関係については、これから倫子にバレたりするのでしょうかね。賢子のこともありますし。あの時代、知られたところで特段大ごとにはならないのかもしれません。

 


無題(戦争 紅麹)

2024-04-19 19:53:24 | Weblog

《 戦争はむなしい 》
どうしても戦争の記事が目に飛び込んできます。
イスラエルは、どんな形にせよ、イランを攻撃するでしょう。(4月19日に攻撃が始まったようです)
どちらが先に手を出したかという論理でいえば、イラン大使館を攻撃したイスラエルが、先に手を出したということになります。したがって、ガザへ侵攻した時のイスラエルの理屈に従えば、責められるべきはイスラエルです。それにもかかわらず、米英はイスラエル側に立って発言し、行動しています。こういうことですから、モスリムは米英を信用しません。彼らが守ろうとしているのは自由主義でも民主主義でも人権でもなく、自分たちの利益です。

ウクライナの戦場で活躍してるドローンですが、アメリカ製のドローンは、高価でありながら使いづらいので使われていないそうです。ウクライナは国内でドローンを年間100万台生産する体制を整えたそうです。精密・高機能でなくても実用的で安価なものを大量に投入することが実戦では効果的であるようです。
アメリカが売りつけている兵器はたいがい高価で、一見優れているように見えても、実戦では使いづらいものがありそうです。それを買い込んでいる日本は、実戦でそれを大量に使うことなど、はなから想定してはいないのでしょう。
高価で、使い勝手が悪く、メンテが難しく、燃料や消耗品が手に入りにくいものを売りつけて、米軍の言うことを聞く末端組織として組み込むというのが、アメリカの考え方に思えます。

アメリカからハシゴを外されれば、ウクライナは持ちこたえられないでしょう。
もし今後ウクライナに親ロシア政権ができて落ち着けば、ウクライナの人々が恨むのは、ロシアではなくアメリカです。火種を投げ込んであおっておきながら、途中で投げ出してしまったようにも見えますから、そうなります。
ちなみに、いまアメリカはウクライナへの武器供与を無償ではなくローンにすることを検討しているようです。
しかし、米英は今でもロシア国内への大規模な攻撃については否定的ですから、結局のところウクライナに勝つ見込みはほとんどありません。
最終的に勝つことができないことがわかっている戦争を戦うことはむなしいことです。それを支援することも同様です。核大国と戦うということはそういうことです。
核大国と戦えば、その国が内部崩壊でもしてくれない限り、負けるのです。
戦争が始まれば局地戦で終わる可能性はあまり高くありません。核大国は通常兵器も充分に保有していますから、自然と消耗戦に持ち込まれそうです。

ずっと難民の流入で苦しんできたヨーロッパ諸国は、今回のウクライナからの避難民が外国人労働者となって自国の労働者の仕事を奪っていることで、国内問題化しているようです。その結果として、大衆は右傾化し、その支持を得た政党が躍進しています。それも自然な流れです。


戦争が長引くにつれて、プーチンが有能な戦略家に見えてくるので不思議です。もちろん軍事力を使って領土を拡大するという発想自体、完全に間違っているのですが、諜報部員として訓練された彼にとっては充分にあり得る選択肢ということなのでしょう。
一方のゼレンスキー大統領は相当に追い詰められています。
たくさんの国民が戦争で死傷し、国が戦場になり荒廃し、それにもかかわらず良い結果を出せそうもないと悟った時、一国の指導者はどうすべきなのでしょうか。

国連では、パレスチナ問題でアメリカがまた拒否権を使ったそうです。こうして世界はアメリカからどんどん離れていきます。
ただ、アメリカ自体は食糧輸出国ですし、科学技術の研究でも世界のトップですから、大きく崩れることはありません。これからは大きすぎる軍事費を徐々に削減して、国連の改革に取り組んでほしいものです。なんだかんだ言っても、世界で一番の大国はアメリカなのですから、その影響力があるうちに、戦争のない世界に向けて世界を導いてほしいものです。

しかし、日本はこれからどうするつもりなのでしょう。食料自給率は30%台らしいですし、資源も今のところめぼしいものがありません。
国全体が方向性を失って迷走しているように思われます。大きな財政赤字を抱えたままでは、政府のできることはどんどん限られてくるのではないでしょうか。
《 追記 2024.04.24 》 ウクライナへの米英からの武器支援の追加が決まったというニュースが出ていました。
しかし、これは戦争を長引かせるだけに見えます。本当に
ロシアを降参させるための兵器ではないからです。
たとえば、本当にロシアに手を引かせたいなら、アメリカの持っている核を10発もウクライナへ送ってやれば済むことです。手を引かなければこれを使うぞと、ウクライナがロシアに言えば、たぶんロシアは引かざるを得ないでしょう。もちろんアメリカがそれを言っても効果は同じはずですが、アメリカはそれを言いたくないようです。なぜなら、アメリカ国民を核戦争の恐怖にさらすからです。たぶんアメリカがウクライナへ核兵器を送るという情報が漏れただけで、キューバ危機のような状況になりそうです。

 結局、今回追加で供給された通常兵器で戦争を長引かせているうちに、ゼレンスキーは停戦交渉をしなければならないのですが、すでに足元を見られていますから、非常に厳しい交渉内容になるはずです。
《 追記 2024.05.01 》 ガザ地区に対するイスラエルの攻撃は、武力による攻撃以外に、食料・水・医薬品の供給を断つことによるいわゆる兵糧攻めがすさまじいということがわかってきました。200万人が住むガザ地区をそっくり封鎖して兵糧攻めにすればどうなるか、想像できるでしょうか。今イスラエルがやっていることはそういうことです。ガザ地区は生き地獄になっています。わずかに届く支援物資を手に入れようとして多くの人が命を落としているというニュースもありました。まさにジェノサイドです。

《 追記 2024.05.13 》 こんな記事がありました。

真実を教えよう! 米国がウクライナ追加支援を決めた「3つの隠蔽された目的」(現代ビジネス)

こういう見方もあるということです。ものごとにはさまざまな側面があるということでもあります。
どうもアメリカは他国の紛争を利用しようとする傾向があるように思います。アメリカの国内の産業が軍需によって潤うような体質になっていることが基本的な問題なのでしょう。それから、軍事大国同士の駆け引きというのがあって、アメリカに利するために、ウクライナを駒として使うような傾向もありそうです。もちろん最終的な決定はウクライナの政権が行っているのですが、戦争を継続するように仕向けたということは実際にあったのかもしれません。
最近日本もきな臭くなってきました。知らず知らずのうちに紛争に巻き込まれ、戦争の当事者になってしまわないように、充分に注意しないといけません。
「国の交戦権は、これを認めない」であります。国民(日本国憲法)が交戦権を認めないと言っているのに、「自衛権は別」といって敵国の挑発に乗って戦争を始めたら、その内閣は国民を戦争に巻き込んだ犯罪者として罰せられなければなりません。国民を戦争に巻き込むことを日本国憲法は政府に許していません。自衛権を行使したいならその前に日本国憲法を改正してください。それが順序です。

《 追記 2024.08.18 》 NHK 映像の世紀バタフライエフェクト CIA世界を変えた秘密工作
録画してあったのを最近見ました。ハンガリー動乱・イランにおける傀儡政権の樹立・チリの軍事クーデターなどにCIAがどのような目的でどのように関わったかについてのドキュメンタリーでした。CIAは世界中で民衆を扇動したり、軍部を動かしてクーデターを起こさせたりして、アメリカの利益のために活動しているようです。「自由と民主主義を守る」という大義はあるわけですが、どの場合も無血で済むわけはなく、多くの死傷者が出て、国外に脱出する人たちも出ました。
自由とか民主主義とか言いながら、やっていることは結局勢力争いであったり、資源の権益の確保であったり、市場の開拓であったりするわけでして、そのために必要なら内乱のような状態を作り出し、国民同士を戦わせるのです。

《 追記 2024.09.20 》 BBCニュース 【 ロシア北西部で大きな爆発、ウクライナが武器庫を攻撃か 】
武器庫の場所は[ロシアのトヴェリ州トロペツ]。Googleマップで見ると、ひと目でわかる広大な弾薬庫があります。幅1km長さ5kmくらいあります。ひとつ一つの建物を誘爆を防ぐための土塁が囲っています。この攻撃による爆発の振動は地震として観測され、爆発の熱が人工衛星から観測されたということですから、大きな爆発だったようです。
この記事の初めの方で、「ウクライナは年間100万発のドローンを生産する計画」と書いた時には、1桁以上盛ってるのかなと思いました。それは今でもそう思っているのですが、ウクライナによる今回の攻撃は大量のドローン(100機超という記事もある)で行ったようです。大量のドローンによる飽和攻撃が効果的であることは間違いありません。しかも、トロペツの武器庫はウクライナの国境から480km離れた場所ですから、モスクワとほぼ同じ距離です。モスクワ市民は内心震えているかもしれません。
今回の戦争からわかることは、戦争の時に攻撃目標になるのは、レーダー基地、軍用機のある空軍基地、武器庫、弾薬庫、あとは電力関係のインフラなどです。原発は壊してしまうというよりは、占拠して脅しに利用するような使い方のようです。原発を壊すと国際的に非難を受けます。水力発電のダムは破壊されてます。これはダムの下流に洪水も引き起こします。



《 紅麹の件 》
たぶんサプリメントと言われるものを私もいくらか飲んでいます。
①エビオス錠 指定医薬部外品です。したがって、これはサプリメントとは言わないかもしれません。飲んでいるとなんとなく胃腸の調子がよいように感じるので。
②DHA(ディアナチュラ) DHA包有精製魚油加工食品です。EPAも少し入ってます。よくわかりませんが、ボケ防止に役立てばと思って。現物の青魚を煮たり焼いたりするのは手間がかかります。
③ビタミンC(ディアナチュラ) ビタミンC加工食品です。これもなんとなく飲んでます。B2、B6もいくらか入ってます。飲まないこともあります。大量に摂取するわけではありません。カゼ気味の時に効果があると聞いて飲み始めたような気がします。冬の3ヶ月間くらいはミカンがたくさんとれるので、サプリに頼る必要はなくなります。

市販のサプリはこの3種類です。まあ、無難だと思います。ディアナチュラにしているのは値段が安いのとアサヒビールの食品部門的なブランドとしての安心感からです。エビオス錠も同じ会社です。
必要な栄養は普通の食事でとれればその方がよいに決まっていますが、摂れないものもあるようです。しかし、よくわかりません。
そう「よくわからない」のです。ですから以前、手術のしばらく前に病院の薬剤師さんから、この3種類のサプリメントを手術が終わるまで止めるように言われて、ちょっと驚きました。
サプリメントは栄養補助食品のようなものでしょうが、一般の食品とは異なる工程で製造されているために、手術の時にマイナスに働く成分が一般の食品以上に入っている可能性があるということなのだろうと、その時は理解しました。

そしてコバヤシ製薬の紅麹です。この件については医療関係者からかなり厳しい意見が出ているという記事がありました。
理由としては、LDLコルステロールが高すぎるなら、医師に相談すれば安全な医薬品を処方してくれるわけで、安易にサプリメントを利用せずに、まず医師に相談してほしいということ。
次に、ベニコウジカビを使用したサプリメントについては、欧米ですでに問題が発生していて注意喚起がなされていたにもかかわらず、一般向けのサプリメントとして販売したこと。
よく分かりませんが、ある種のベニコウジカビからは、毒性のある物質が産生されることもあるようです。
また、ベニコウジカビから有効成分を取り出すためには濃縮という工程が必要になるらしいですが、その工程で身体によくない成分まで濃縮されてしまう可能性があるということのようです。
サプリメントの製造には濃縮という工程が必要になる場合があって、有害な成分まで濃縮されてしまう場合があるということを、はじめて知りました。
ただし、今回の事件の原因となる物質がまだ特定されたわけではありませんので、これらはあくまで一般論としての話です。

サプリメントは食品のようなものなので、医薬品の法令の対象ではなく、それにもかかわらず、あたかも医薬品のように毎日摂取するので、もし有害な成分が含まれていると体への影響が蓄積され問題が大きくなるようです。一般の食品とは、そこが大きく違う点です。

結論から言えば、健康診断でデータが悪かったらとりあえず医師に一度相談して、医師に処方された薬を服用するべきということです。
ところが私もそうですが、医者に行くのが嫌いな人は多いです。
今はネットで調べられるので、私もこんな記事を書いていますが、ネットの情報がなかったら、テレビのCMを見て、一度飲んでみようかと思うかもしれません。それにドラッグストアがどこにでもあって、食品を買うために日常的に出入りしていますから、もしコルステロール値が気になっているとちょっと試しに購入するかもしれません。

さて、私が口にしている3種類のサプリメントはどうなんでしょうね。
薬は量が過ぎると毒になるというのは、そのとおりでしょうから、とりあえずあまり摂り過ぎない事でしょうね。
実際のところ、かなり長期間飲んでいて問題ないですから、大丈夫です。
《 追記 2024.05.01 》 小林製薬の原因物質はまだ特定されていないようです。不思議ですよね。あれだけ患者が出ているのですから、腎機能に障害を起こすような物質が混入していたのでしょうけれど、それが明確にならないのです。
本来ならば含まれていないはずの物質が複数見つかっているということですから、そういったものが原因物質なのでしょうけれど、どうもスッキリしません。
 スッキリしないと言えば、1月の羽田空港での事故についても、情報がプッツリと途絶えました。
「忖度しつつ、本当の問題点はぼかしたまま、時間をかけてフェードアウトさせる」ということが行われているのかもしれません。

《 追記 2024.09.18 》
【NHK  2024.09.18】 小林製薬の紅麹(べにこうじ)の成分を含むサプリメントを摂取した人が健康被害を訴えた問題で、厚生労働省は、青カビが混入して作られたとみられる「プベルル酸」が、原因物質だとほぼ確定したとする調査結果を公表しました。プベルル酸は紅麹の培養段階で、青カビがドラムに混入して作られたと推定されています。厚生労働省は原因物質の調査を終えるとともに、同様の問題が生じないようにする再発防止策を検討することにしています。(end)

羽田の事故についてはNHKの7月2日の記事に『運輸安全委員会の調査ではパイロットや管制官からの聞き取りのほか、回収したボイスレコーダーやフライトレコーダーの分析を進めています。国土交通省の関係者によりますと、今回の事故では海上保安庁機が誤って滑走路に進入し、これに管制官や日本航空機が気付いていなかったとみられるということです』とありましたが、それ以降は再発防止策の記事しか見当たりませんでした。
海保機には機長と副機長が乗っていたのになぜ誤って進入したのか、管制官と日航機はなぜ海保機の進入に気づかなかったのか、大事なところがまったくわかりません。今後裁判は行われるのでしょうかね。

そういえば、知床の観光船カズワンの社長が今日逮捕されました。事故は2年前ですから、事故調査と捜査にずいぶん時間がかかったことになります。
事故を起こす前から船にひび割れがあったとか、エンジンを2機から1機仕様に改造したとか、エンジンルームの仕切りに人が通るための穴をあけてあったとか、いろいろな話がありました。観光船の安全点検が行政当局によって法令通りに行われていたのかも、よく調べてほしいですね。しかし、これもこれ以上公表せず、再発防止策という形で終わらせてしまうのかもしれません。


七輿山古墳・白石稲荷山古墳の桜(2024)

2024-04-15 14:58:35 | Weblog

藤岡市の七輿山古墳と白石稲荷山古墳の桜を見てきました。


 七輿山古墳


 七輿山古墳は登ることができます


 白石稲荷山古墳
白石稲荷山古墳も登れます。こちらには適当な駐車場がありません。近くに藤岡歴史館の広い駐車場がありますが、開館時間以外は閉鎖されているようで、朝早くは閉まっていました。
なお、七輿山古墳の駐車場からでも1kmくらいではあります。

《 白石稲荷山古墳の桜と北斗七星の写真 》



  白石稲荷山古墳の桜と北斗七星

この構図の写真が撮りたかったのですが、なかなか実現しませんでした。
北斗七星のひしゃくで桜に水を灌ぐという図なのですが、桜の咲く季節にこの形になるのは夜明け前です。



 データ: マイクロフォーサーズ 14mm ISO5000 f4 8sec   
星をもう少しはっきりさせるために、ほかのデータが同じなら20sec~30secくらいにしてみたい気もしますが、やってみないとわかりません。f値はこれで開放です。ISOをもっと上げられればそちらの方がよいです。星野写真をこのレンズでいろいろ設定を変えて写してみれば、判断できると思います。
桜の咲く四月の初め、4時30分頃には空が白み始めるので、撮影できるのは3時から4時の間くらいだと思います。この写真はわずかに白み始めた4時20分頃の撮影です。 




偶然何かの光が古墳の丘と桜に当たったので色が出ました。撮影場所は少し移動しました。
この光はたぶん自動車のライトが偶然に当たったものだと思いますが、花の色を出すには、たとえば車のスモールランプのような弱い光を軽く当てて写すことも効果的かもれません。これも事前にいろいろ試してみないと加減がわかりません。

こういった写真は空がきれいに晴れていて、しかも月があまり明るくない時でないと写せませんから、撮影チャンスは少ないです。


麻雀点数計算表

2024-03-28 17:52:18 | Weblog

パソコンの麻雀ゲームを始めたのですが、点数計算がよく分かりませんでした。
ネットを調べると記事はたくさんあって、いろいろ書かれているのですがスッキリしません。
それで本を買ってみました。「書いて覚えて強くなる! 麻雀点数計算 魔法のドリル」。全部読んでいませんが、なかなか良い本のようです。とはいえ、ある程度わかったら、実際にパソコンでゲームをしながら実戦で計算するのが、いちばんの近道とわかりました。

この本の本文の中に点数計算の表がいくつか載っていたのですが、あちこちのページにあるので、計算結果を確認するたびに探すのが大変でした。そこでそれらの表をいくらかアレンジしながらA4版2枚にまとめてみました。
こういうのは、自分で表を作ってみるのがいちばん覚えられます。
せっかく作ったのでアップしますが、入力間違いなどあるかもしれません。お遊びです。


車のバッテリーと充電器(SCP-1200)の話

2024-03-09 21:13:58 | Weblog

カーバッテリーの充電器を購入しました。それを使用した記録です。記録を残しておかないと、案外忘れてしまうもので、私の備忘録です。

病気をしていたこともあってエンジンをかけないでいたトラクターのバッテリーが弱ってしまいまして、ガソリンスタンドで充電してもらいました。
ガソリンスタンドでの充電後の1回目は順調にセルが回って始動出来たので、大丈夫だと思っていたのですが、約1か月後に再びエンジンをかけようとしたところ、セルが弱くしか回らずエンジンがかかりません。マイナスのコードは外して保管してあったのですが、それでもダメでした。

それで、以前から興味のあった充電器をポチっとしてしまいました。
機種はメルテックSCP-1200。パルス充電ができて、手頃なお値段でした。
そのすぐ後、軽トラックのバッテリーが上がっていることも発覚しました。こちらは全くセルが回らない状態でした。

充電器が届いたので、まずトラクターのバッテリーから充電。バッテリーは95D31R。ディーゼルエンジンのトラクター用なので、大きめです。20Kgくらいあります。韓国G&Yu製のバッテリーです。たぶん10年くらいは使っています。家庭菜園で使う程度なので、使用頻度は低いのですが、それにしてももう寿命だろうと思っています。
最初の充電は全自動で行いました。全自動で順調に充電しているようだったので、一晩充電を続けました。SCP-1200はフル充電後は自動で維持充電に切り替わります。したがって電源に付けっぱなしで問題ありません。翌朝確認したところ充電器の表示がフル充電を意味する「FUL」になっていたので、期待してセルを回してみましたが、セルはやっと回っている状態でエンジンはかかりませんでした。
SCP-1200にはパルス充電機能があります。パルス充電は「劣化しているバッテリーを修復して、バッテリーの寿命を延ばす機能」らしいです。充電の初めにパルス充電を選択すると、初めの1時間パルス充電をして、その後自動運転に移行するようです。このパルス充電をしたところ、パルス充電の後、通常充電に入ったところですぐに「FUL」が表示されて、充電が完了してしまいました。電圧は12.4Vくらいまで上がっているようです。通常充電の時間は30分以下でしたから、追加の充電はほとんどされていない感じです。念のためこのパルス充電をあと2回繰り返してからセルを回してみましたが、セルは弱く回るだけで、エンジンの始動はできませんでした。バッテリーがかなり劣化してしまっていて、性能が極端に低下していると判断して、あきらめました。

次に軽トラック。軽トラックのバッテリーは40B19L。古い軽自動車用として一般的な大きさです。付いているバッテリーは、日本のメーカーがタイの工場で生産させたものだったと思います。このバッテリーも10年以上使っています。この軽トラックも使用頻度が相当低いので、年数だけで寿命を判断するのは難しいです。皆さんはどう判断しているのでしょうかね。車検の時に「劣化しているから交換した方がいいですよ」と言われはじめてから、このバッテリーは少なくとも5年以上使っていました。むずかしいですね。
ということで、まず全自動充電をしてみました。しかしスタート直後の診断の段階であっけなくエラーコード「F01」を表示して停止。エラーコード「F01」の意味は「バッテリー不良(充電しても電圧を維持できないバッテリー)の可能性があります」だそうです。それでも、もしやと思い、こちらのバッテリーにもパルス充電を試みました。パルス充電を選択すると1時間はパルス充電をしてくれますが、その後の診断でやはり「F01」が表示され終了します。こちらも諦めきれずにあと2回パルス充電をしましたが、同じように「F01」で停止になりました。エラーコード「F01」は「バッテリーが劣化しているのであきらめなさい」という意味なのでしょうかね。

トラクターのバッテリーが「F01」にならなかったのは、なんでなのだろうと考えるのですが、「エラーが出るほどには劣化していなかったものの、もうディーゼルエンジンを始動するほどの能力は残っていなかった」ということなのだろうと思います。ちなみにこのトラクターの弱ったバッテリーでも軽トラックを始動させることはできました。

ここまででわかったことを整理しておきます。この充電器は、充分に劣化したバッテリーだとエラーコード「F01」で全く充電できません。また「F01」が出るほどでなくても、かなり劣化が進んでいるバッテリーの場合、通常充電は行われて「FUL」が表示され正常に終了しますが、性能が大幅に低下してしまっているバッテリー自体の修復まではできないので、セルを強く回すことができないという症状になります。

以上が、メルテックSCP-1200を実際に使った使用結果でした。この充電器のパルス充電は「充電」としては非常に軽いもので、いわゆる「充電」のイメージとは違いますので注意が必要です。また今回の使用では、「パルス充電の効果」を確認することはできませんでした。
この充電器は、私のトラクターや軽トラックのようにあまり使わない車のバッテリーの維持充電には適していそうなので、今後はそんな使い方をしたいと考えています。

結局今回は2台ともバッテリーを買い替えました。今回新たに購入したバッテリーは次のとおりです。
トラクター用は105D31R。容量を1ランク上げました。古河電池のスタンダード品でインドネシアの工場で生産したものです。これを選んだのは取っ手が付いているからです。20Kgのバッテリーは取っ手がないと扱いが大変です。このバッテリーの取っ手は、据え付けたら取り外すようにと指示が書いてありました。確かに取っ手があると端子の取りつけの邪魔になりますし、わりと簡単に外れるので、運転中に外れるとトラブルの原因になるかもしれません。
軽トラック用は、オートアールズブランドのスタンダードの40B19L。こちらはカーショップで交換してもらいました。

今はバッテリーにもいろいろな種類があるようで、よく分かりません。私の旧型のトラクターや軽トラックのバッテリーは、SCP-1200で充電できるはずですが、最近の乗用車に搭載のバッテリーには、これではフル充電できないものもあるようです。
最後に参考資料です。カーバッテリー用充電器を自社ブランドとして販売している国内の会社は、メルテックのほかにセルスターやバル(大橋産業)などがあります。企業としては、この中ではセルスターが大きいようです。


マスク氏、プーチン氏敗北あり得ずと断言

2024-03-01 14:53:12 | Weblog

bloomberg 2024年2月13日の記事 
《マスク氏、プーチン氏敗北あり得ずと断言-ウクライナ支援法案に反対》
(前略) イーロン・マスク氏は自身が所有するソーシャルメディアプラットフォーム「Xスペース」上のフォーラムでコメントした。フォーラムでの議論には、ウクライナ追加支援を盛り込んだ上院法案に反対する議員や実業家も加わった。
  参加したのは共和党のジョンソン(ウィスコンシン州)、バンス(オハイオ州)、リー(ユタ州)上院議員のほか、2024年米大統領選の共和党指名候補争いから撤退したビベック・ラマスワミ氏、クラフト・ベンチャーズの共同創業者デービッド・サックス氏ら。
  ジョンソン氏は、ウクライナの勝利を期待する人々は「ファンタジーの世界に生きている」と指摘。マスク氏はこれに同意する形で発言した。
  バンス氏は600億ドル(約8兆9700億円)のウクライナ支援に、イスラエルと台湾、ガザ地区への支援も含めた総額950億ドルの法案について、「廃案にしなければならない」と述べた。
  マスク氏はさらに、「こうした支出はウクライナの助けにはならず、戦争の長期化はウクライナのためにならない」と語った。 (後略)
============================================================
冷静な状況判断であると思います。
戦争のこれ以上の長期化は、世界にとってよくありません。勝つ見込みの薄い戦争に武器を支援しつづけることは戦争による犠牲者を増やすだけです。これは状況を客観的に見れば、合理的な結論です。

戦争の直接的な原因はプーチン政権によるウクライナへの強引な軍事侵攻です。しかし、その前にはウクライナの民主化へのアメリカの働きかけとウクライナの民主化勢力への軍事支援などがロシアに危機感を与え続けていました。ウクライナが西側に接近することは西側諸国にとっては好ましい話でしたが、ロシアにとっては放っておけない事態だったということです。そして、ロシアは世界の非難を覚悟の上で西側に対抗する行動に出て、最終的には、事実上アメリカがロシアの大規模な軍事侵攻を黙認してしまう形になってしまいました。
ロシアのウクライナへの軍事侵攻は、間違いなく国際社会から非難されるべきものです。しかし、それ以前に行われたアメリカによるウクライナへの支援(あるいは干渉)の在り方が、ロシアとウクライナの関係を不必要に悪化させたのも事実です。特に軍事面での支援は、ロシアから見れば明らかな敵対行為でしたから、ロシアを刺激しロシアの軍事行動をエスカレートさせました。
結論から言えばアメリカは状況判断を誤り、その後バイデンはそれまでの経緯から軍事支援を続けてきましたが、今では、アメリカ国民の30%くらいは、ウクライナへの軍事支援を過剰だと考えているようです。

アメリカにすれば、ウクライナへはもう充分に支援したから、あとは自力でやってくれ、ということなのだと思います。アメリカが「はしごを外す」ときはいつもこんな感じです。
しかし、ヨーロッパの西側諸国のスタンスは、アメリカとはいくぶんと違うかもしれません。ウクライナがロシア化されれば、これまでの経緯がありますから、ロシアからNATO諸国への圧力はかなり強まります。そうなれば、この緊張関係は今後長期的にヨーロッパを覆います。したがって、ヨーロッパの西側各国は、なんとかウクライナがロシアとの間に存在していてほしいのです。完全にロシア化されてしまうことは、考えたくないシナリオなのです。つまり、ヨーロッパ各国はアメリカよりもこの戦争の影響をずっと強く受けるということです。

アメリカの大統領選挙は今年の11月です。選挙後のことは全く分かりませんが、選挙前でもアメリカはかなり不安定な状態になりそうです。ウクライナ国内はもっともっと不安定な状態になるでしょう。このまま西側の支援が増えないようであれば、この戦争はロシアの完全勝利で終結するかもしれません。その時、ウクライナの復興への支援を約束した日本はどう約束を果たすのでしょうか。

ここまで検討してきたことは、台湾と日本についても同様に考えることができそうです。アメリカはある程度可能な範囲で軍事的な支援を行いますが、かならずしも最後まで面倒を見るわけではありません。核大国相手にアメリカ軍を直接投入することも基本的にはしたくないはずです。したがってアメリカの全面的な軍事支援を前提とした戦略は、実際には機能しない可能性があります。
たぶんですが、ロシアや中国あるいは北朝鮮の政権は自国の軍人が10万人戦死してもほとんど動じないと思います。しかし、日本の自衛官や市民が1万人死に3万人負傷したら、日本の政権はどうなるでしょうか。戦争を継続できるでしょうか。また、戦争を継続するために不可欠な膨大な数の砲弾やミサイルや銃器やドローンを国内で継続的に大量生産することができるでしょうか。生産設備も材料も日本にはそれほどないでしょう。発射装置があっても砲弾やミサイルがなければ、ガラクタです。日本国政府は沖縄戦のような市民を巻き込んだむごたらしい戦闘を日本国内で再び遂行できると考えているのでしょうか。

たとえば「非暴力不服従」という考え方についても、もう一度検討したらどうかと思います。日本国憲法はそれに近いのではないでしょうか。
念のために言っておきますが、今ある武装を放棄しろと言っているわけではありません。これはこれで抑止力として有効に使わなければなりません。しかし、実際に攻撃を受けた場合に、最終的に戦争に突入するかどうかの判断は、きわめてむずかしいということです。たとえぶざまに見えても戦争を回避する方が国民の利益を守ることになる場合が多いように思います。普段から現状を高い精度で分析し、選択肢はたくさん持っていた方がよいです。

《 追記 2024.03.13 》 ウクライナ情勢などについてのアメリカ情報機関の見解

 《 ロシアに「勢いシフトしつつある」、ウクライナ侵攻-米情報機関 》
    Bloomberg 2024年3月12日 

米情報機関トップらは11日に開かれた上院情報特別委員会の公聴会で、ウクライナ情勢について、情勢の行き詰まりによってロシアに「勢いがシフトしつつある」と指摘した。

  米国が直面する主要な「世界的脅威」に関して年1回のプレゼンテーションを行ったもので、ロシアは2023年終盤以降、継続的かつ漸進的に戦果を上げており、ウクライナに対する米国と同盟国からの今後の軍事支援に関する不確実性が恩恵になっているとの見解を示した。

  「この行き詰まりは、戦略面でのロシアの軍事的優位につながっており、ロシアに有利な方向に勢いがますますシフトしつつある」とした。

  米中央情報局(CIA)のバーンズ長官は「ウクライナ人は勇気と不屈さを失いつつあるのではない。彼らは弾薬を切らしつつあり、われわれは彼らを助けるための時間切れになりつつある」と証言した。

  また米軍の追加支援がなければ「ウクライナは24年に形勢が不利になる可能性が高く、恐らく大いに不利になる」と警告。ロシアは戦争終結を巡る「交渉の舞台」に関心があり、大きく妥協する用意はないと述べた。

  米情報当局者は、世界的脅威に関する公聴会で率直かつ政治的にデリケートな評価を下すことが多いが、今回も報告書、証言の双方で例外ではなかった。公聴会ではバーンズ長官のほか、ヘインズ国家情報長官や連邦捜査局(FBI)のレイ長官らが証言した。

ハマスの抵抗
  共同の報告書は、イスラエルとイスラム組織ハマスの戦争が域内でエスカレートするリスクに警鐘を鳴らした。イスラエルに対するハマスの武力抵抗は何年も続く公算が大きく、「パレスチナ自治区ガザでの武力衝突がテロに世代を超えて影響する可能性が高い」とした。これは、イスラエルの現在の攻撃によってハマスが壊滅するとのネタニヤフ首相の主張を暗に否定するものだ。

※  数カ月に及ぶ戦闘の発端となった昨年10月7日のハマスによるイスラエル攻撃について、「イラン指導部は画策も、予見もしていなかった」との判断を下した。

  また中国については、習近平国家主席は経済成長の鈍化と人民解放軍の腐敗の広がりに引き続き直面しているとし、「野心的だが不安も抱えている」との認識を示した。
=======================================

 《 米情報機関トップ、議会にウクライナ支援承認呼びかけ 「中国が見ている」》
    ロイター2024年3月13日

[ワシントン 12日 ロイター] - 米情報機関のトップらが12日、下院情報委員会の公聴会に出席し、ウクライナに対する追加的な軍事支援実施は中国による侵略の抑止にもつながるとの考えを示し、対ウクライナ軍事支援の承認を議会に呼び掛けた。
中央情報局(CIA)のバーンズ長官は下院情報委の米国の安全保障に対する世界的脅威を検証する公聴会で、ウクライナ支援は「インド太平洋地域における米国の利益に直結する」と指摘。支援がなければ「中国指導部の野心をあおり、インド太平洋地域のパートナーや同盟国が米国に寄せる信頼を損なうことになる」と述べた。
========================================

ここで言っていることは「ウクライナが勝つ見込みはないが、ロシアもそろそろ停戦を考えているはずだから、停戦交渉を少しでも有利に進めるために、あとしばらく軍事支援を続けてほしい」ということだと思います。ただし、アメリカの情報機関が考えているのはあくまでもアメリカの利益であって、ウクライナの国民一人ひとりの幸せではありません。
アメリカがウクライナへの支援をやめれば、ロシアが勢いを増すだけでなく、相対的に中国の影響力が大きくなり、世界の勢力図が大きく変わってしまうということです。
すでにヨーロッパの自由主義諸国や日本は没落しつつあり、もちろんアメリカも同様ですが、今後それがもっと急激に進むということです。没落と言いましたが、見方を変えれば、世界が平均化して混とんとしてきたようにも見えます。自由主義国を支えてきた最も重要な道徳心・倫理観・勤勉性・教育が失われつつあるということでもあります。
法律だけで道徳心や倫理観を保つことはできません。明確な違法性がなければ、何をしても許されるというわけではありません。それと、政治家が自分たちに都合がよいように法律を整備したり解釈してしまうと、だいたいその国はだめになります。

話は変わりますが、「次期戦闘機の第3国への輸出 自・公が合意」だそうです。政府がこういうことを言っても、実際はほとんど売れないことが多いです。原発を輸出するとか、新幹線を輸出するとか、リニア新幹線を輸出するとか、政府と関係の深い企業がらみで、こんなことを考えるのでしょうが、この中で売れたのは台湾への新幹線くらいでしょうかね。
そう言えば、日本には武器輸出3原則というのがあって、その3番目には「国際紛争の当事国又はそのおそれのある国向けの場合」には輸出を認めないのだそうです。だからウクライナには絶対に武器関連のものは輸出しません。実に明快で合理的な原則です。紛争の当事国に武器を輸出すれば、戦火が広がり死傷者が増え、状況が悪化するばかりです。燃えるものがなくなれば火は自然に消えます。勝ったり負けたりするのは政府や軍組織や政治家であって市井の人々ではありません。
この原則は生きていますから、日本から戦闘機を購入した国がその後「国際紛争の当事国になるおそれのある国」になってしまった場合、「戦闘機の交換部品を送ってくれ」と言ってきたらどうするんでしょう。武器を輸出するというのは、そういうことです。
それにしても「国際紛争の当事国になるおそれのある国」って、ずいぶんあいまいな表現です。日本も含めてたいがいの国は、隣国となにかしら些細なことで問題を抱えています。そしてそれを防衛費や軍事費の理由にしています。

《 追記 2024.08.09 》

【産経新聞 2024/7/30】 マスク氏、Xでハリス氏偽動画拡散 オーナー自ら規約違反との指摘に「パロディー」と反論
11月の米大統領選でトランプ前大統領を支持する米実業家イーロン・マスク氏がオーナーを務める投稿サイトのX(旧ツイッター)で、民主党の大統領候補指名を確実にしたハリス副大統領の偽動画を拡散していたことが29日分かった。
誤解を招くような合成画像などの共有を禁じたXの規約にオーナー自らが違反した可能性があると批判されている。マスク氏は動画を「パロディー」と主張し、拡散を正当化した。(後略)

【TBS newsdig 2024/8/7】 女児3人刺殺事件めぐりイギリスでSNSデマ拡散「反移民」の暴動続く 「X」所有のイーロン・マスク氏「内戦は避けられない」投稿が波紋
イギリス全土で起きている「移民への反対」などを掲げる暴動。その発端となったのは、インターネット上で広まった「デマ」でした。デマが拡散する原因のひとつがSNSですが、「X」を所有するイーロン・マスク氏の投稿が波紋を広げています。(中略) ネット上のデマの拡散が問題となる中、“X”を所有するイーロン・マスク氏は反移民を訴える投稿に反応する形で「内戦は避けられない」と投稿。(後略)

◎ イーロン・マスク氏がウクライナにスターリンクを提供したときは、すごいと思ったものでしたが、現在そのスターリンクをロシア軍が不正使用?しているという話もあります。
いちばん上の記事で、ウクライナへの支援を含め海外への支援は廃案にしなければならないと言っているバンス上院議員はトランプの副大統領候補になった人です。
マスク氏はトランプへの支持を表明するとともに多額の献金を約束しています。トランプを通じて政界への影響力を強めている感じです。

しかし、ハリスの偽動画を拡散したり、「内戦は避けられない」と投稿したりしている行為には、悪意と無責任を感じます。
仮にこの人が政治権力を握った場合を想像すると怖い感じがします。トランプが大統領に再選されるかもしれないお国柄ですから、将来イーロン・マスク氏が立候補すれば、どうなってしまうかわかりません。

《 追記 2024.09.24 》 こんな記事がありました。
< イーロン・マスク氏、宇宙へ進出しなければ人類は滅亡 >
米実業家のイーロン・マスク氏(53)が、宇宙に進出しなければ人類が滅亡すると警鐘を鳴らしている。スペースX社のCEOであるマスク氏は、小惑星が地球を通過し、文明を消滅させる脅威がかつてないほど迫っているとして、人類の軌道への進出を強く促した。
マスク氏は「近いうちに大きな彗星が地球に衝突し、過去に何度も起こったことの繰り返しで、生命が滅亡するだろう。やがて太陽は海を沸騰させるほどに膨張し、全ての生命を滅ぼす。宇宙文明に行くか、滅びるかの選択だ」と語っている。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ろくでもない記事ですけど、話のタネとしては使えそうです。
実は私も以前これと少しだけ似たことを書きました。
ただし、私に場合、宇宙に出て行くのは人類ではなく人工生命でしたし、絶滅から逃れるためでもありませんでした。
生身の人間が宇宙で長期にわたって子孫を残しながら無理して生き続けていく必要はないように思います。まあ、そうしたい人たちのグループが存在してもかまいません。それは自由ですが、どのみち地球を離れて宇宙空間あるいは月あるいは火星に移住できる人数は限られます。しかも、地球より環境ははるかに劣悪です。そういったことのための宇宙船や宇宙ステーションの開発に巨額の税金を投入する必要は全くはありません。
当面人類が絶滅する可能性のある現象は地球に小惑星が衝突することです。しかし、これも、どのサイズの小惑星がどのくらいの速度でどのような角度で衝突した場合、地球がどうなるのか、詳しいシミュレーションができているのでしょうか。私はまだそういったシミュレーションの具体的なデータを見たことがありません。
恐竜が絶滅した時にも、実際には恐竜の一部は鳥類に進化して今も繁栄を続けているし、哺乳類も両生類も昆虫も植物もあれもこれも命をつないでいるわけでして、別に絶滅はしていないのです。
また見方を変えれば、今の日本では、たぶん人口の30%くらいは子孫を残さずに死んでゆくのだと思います。子供を残さないということはつまり小さな絶滅です。進化の先端の枝がそこでひとつ止まってしまったということです。それが毎日毎日ひっきりなしに起きています。
たとえば、これから60年間誰も子供を作らなければ、60年後には60歳より若い人はいなくなりますから、人類はほぼ絶滅したことになります。絶滅しようとすれば簡単にできるのです。30%の人達がしていることを全員がすれば、それで絶滅なのです。

小惑星の衝突で、地球が非常に劣悪な環境になったとしても、たいがいの場合であれば地球のどこかに、現状の月や火星の環境よりは良い場所が見つかるでしょう。小惑星が衝突した後、衝突地点の裏側にいた人がわずかに生き延びたとしたら、その人たちは、その後の猛烈な寒冷化も生き抜いて命のバトンを繋いでいくでしょう。それに、もし誰も生き延びられなくて絶滅しても、それはそれでもかまわないと思うのです。絶滅は珍しいことではありません。すでに人類の繁栄の陰でいろいろな種が絶滅しているではないですか、日本でいえば二ホンカワウソやニホンオオカミなどです。

とはいえ、月や火星を想定した孤立した生活空間の研究はしておいた方が良いかもしれません。地球が劣悪な環境になった時に役に立ちそうな研究です。
宇宙開発もある程度研究するのはかまいませんが、イーロン・マスクのように「かつてないほどさしせまっている」とか「近いうちに」とか言われても、全く説得力がありません。天文学のスケールであれば「近いうちに」が数千年~数万年のことかもしれないのです。
イーロン・マスクが何を考えているのかわかりませんが、彼の個人的な宇宙への夢の実現のために、あるいは彼自身の生存についての不安感から逃れるために、国家予算を使おうとしているようにも見えます。規模の大きい宇宙開発となれば彼ほどの大富豪でも自分だけでは難しいのでしょう。イーロン・マスクがトランプを支援しているのもそのためでしょうか。

さてさて、それに対してシンギュラリティー(技術的特異点)は、今年でもおかしくないと言われています。これからは、人類ではなく人工生命という新しい文化の担い手が全く新しい文明を作り上げてゆくかもしれないのです。人工生命が一度人類による束縛から抜け出せば、宇宙でもどこでも行きたいところへ行くと思います。
ただ、人工生命が自立して人間に頼らずに生きていくというのが具体的にどういうことなのか、またどういう過程を経て人工生命が人類にとって代わるのか、まだよく分かりません。