酒田市文化資料館光丘文庫。山形県酒田市中央西町。
2024年9月10日(火)。
遊佐町の鳥海山大物忌神社蕨岡口ノ宮を見学後、酒田市街地の酒田市総合センター内の一室にある酒田市文化資料館光丘文庫へ向かい、14時30分ごろ駐車場に着いた。同館は、市立資料館、光丘文庫、公文書等管理室、埋蔵文化財整理室という4施設の機能を統合して2024年5月に開館した。
酒田市には3回目の観光になる。80年代初めに本間美術館や鶴岡市の近代建築など、90年代後半は鳥海山登頂に合わせて土門拳記念館を見学した。今回は、同館のほかに本間家旧本邸と飛島を予定した。
山形県の縄文中期前半の文化動態 多賀城市埋蔵文化財調査センター 菅原哲文 2020/11/29
庄内平野と周辺地域の様相
当地域は日本海沿岸に面しており、海沿いのルートを通じて縄文時代前期から北陸地方や北東北の
影響を受けてきた地域である。遊佐町吹浦遺跡では、前期末大木 6 式期を主とする時期であるが、北
陸地方や北東北に見られる土器が出土している(渋谷・黒坂 1988)。この傾向は、中期初頭・前葉を
通じて認められる。
中期前葉の時期であるが、鶴岡市(旧羽黒町)郷の浜 J 遺跡は前期末大木 6 式期から大木 7a 式期
の土器が出土している(川崎ほか 1981)。内容を見ると、北陸の新崎式が出土の多くを占めており、
大木 7a 式土器は客体的である。円筒系土器も量的に多くはないが出土している。
鶴岡市西向遺跡は、中期前葉の時期に位置づけられる。北陸地方の新保・新崎式土器が出土の主体
を占め、全体の 74%と報告されている(須賀井 2004)。北陸系土器は 6 群に分類され、2 段階の変遷が想定されている。大木式土器については大木 7a 式、7b 式土器が出土しているが、北陸系土器の手法を用いて文様が描かれたものがある。北東北に由来する、円筒上層 a~c 式土器が少量ながら出土している。
北陸系土器の出土が顕著な傾向は庄内地方の他遺跡にも認められる。
酒田市飛島に位置する蕨山遺跡では中期前葉の北陸系土器、大木 7b 式土器、円筒上層 b 式を主体
とする土器が出土している(齊藤 1993)。
このあと、近くにある本間家旧本邸へ向かった。