福島市民家園。福島市上名倉字大石前地内(あづま総合運動公園内)。
2024年5月27日(月)。
9時から高湯温泉、土湯温泉を入浴後、福島市西部にある福島市民家園へ向かった。11時頃、広大な駐車場に入り、子供連れが入っていく施設へ入ったがサイクルスポーツ広場だった。駐車場の反対側に移動すると、民家園の入口が近くにあることが分かった。全国の民家園では川崎市と大阪服部緑地公園が有名で1980年代初めに見学しているが、1982年(昭和57年)8月に開園した福島市民家園もその頃から知っている。改修工事中のため見学できなかった芝居小屋の重文・広瀬座も有名である。
近年入場無料になったという。休園日が火曜日なのはありがたい。
福島市民家園は、江戸時代中期から明治時代にかけての県北地方の民家を中心に梁川村(現在の伊達市)の芝居小屋、福島市内商人宿、料亭、板倉、会津地方の曲り屋等が移築復原されている。
園内には生活・生産用具を展示し庭や畑と共に当時の環境を再現しているほか、時節にあわせて年中行事の再現や、わら細工等の体験行事などの伝承活動も行っている。
入口から入って、まず左横の展示館を見学し、いくつかの冊子を入手した。その後、順路に従って旧佐久間家板倉から、反時計回りに見学していった。芝居小屋の重文・旧広瀬座は工事中のためシートで覆われて見学できなかったが、建物群はよく整備されていた。
旧佐久間家板倉(いたくら)。市指定有形民俗文化財。
江戸末期~明治時代の建築。穀倉(こくぐら)とも呼ばれ、主に籾(もみ)の貯蔵に使われていた。
この板倉は福島市内では珍しい大型のもので、内部を区画して使用していた。
旧小野家住宅(市指定有形文化財)。伊達市伏黒にあった養蚕農家。
旧筧家宿店(市指定有形文化財)。市内上鳥渡にあった旅人宿。
会津街道と米沢街道の分岐点に建っており栄えたが、万世大路の開通と奥羽本線と岩越鉄道(現在の磐越西線)の開通により旅客が激減、廃業した。
元客自軒(旧紅葉館)(市指定有形文化財)。市内北町にあった割烹旅館。
隣の金沢屋で発生した世良修蔵襲撃事件の後に世良を引き立てた建物である。背景の旧広瀬座は工事中。
屋敷神。屋敷の一隅、特に鬼門(北東隅)に、石や木、わら屋根の祠(ほこら)があり、屋敷の守護神となる氏神や先祖の神、特に信仰する神の分霊が祀られていた。
旧阿部家住宅(県指定重要文化財)。市内大笹生にあった農家の住宅。
外の便所と五右衛門風呂。
旧渡辺家住宅(市指定有形文化財)。市内上名倉にあった農家であり、かつては庄屋だったとも言われている。
旧奈良輪家住宅(県指定重要文化財)。市内山田にあった農家の住宅。
旧菅野家住宅(県指定重要文化財)。市内松川町にあった農家。
旧馬場家住宅(市指定有形文化財)。南会津郡南会津町にあった農家。会津地方特有の曲家である。
12時40分頃見学を終え、謀略事件とされる1949年に起きた松川事件の現場へ向かった。