帯広百年記念館。帯広市字緑ヶ丘。
2022年6月11日(土)。
アイヌ文化のコーナー。
川漁・海漁。
十勝川とその支流にたくさんの村があった十勝では、川漁がさかんに行われていて、サケ・マス・イトウ・アメマス・ウグイなど多くの魚を獲っていた。
漁の方法はいろいろあり、たとえば、十勝川のような大きな川では、丸木舟を使った網漁を、小川では川をせき止めて篭を仕掛ける漁をしていた。また、マレクという棒の先に鉤がついた道具を使った漁もしていた。
海岸近くの村では海漁が盛んで、タラやカレイなどいろいろな魚やアザラシ、オットセイなどの動物も獲っていた。北海道の南の地域では、銛でメカジキをとる漁も行っていた。
山猟。
山猟は秋から春にかけて行われた。この季節であれば草が枯れ、木の葉が落ちて周りがよく見えるためである。また、獲った動物の肉が腐りにくいためでもある。
山猟ではエゾシカ、ヒグマ、エゾユキウサギ、キタキツネ、エゾタヌキ、クロテンなどの動物や、エゾライチョウ、マガモ、カケスなどの鳥を獲っていた。
このような猟には、おもに弓矢を用いた。この矢にはトリカブトから採った毒が塗られていて、その威力は大きなヒグマも簡単に倒すほどであった。
このほか、シカやキツネを獲る仕掛け弓やウサギを獲る輪の形をした罠などいろいろな罠も使われていた。
植物の利用。
アイヌの人々は食用や薬用になる植物を数百種類も知っていて、春から秋にかけて、たくさんの植物をとっていた。
十勝では春から夏にかけて、ニリンソウ・ギョウジャニンニク・フキ・ヨモギ・ヒメザゼンソウなどの葉や茎、カタクリ・エゾエンゴサク・ウバユリなどの根などを集めていた。
夏から秋にかけては、ヤマブドウ・クルミ・キハダ・ヒシ・ヤブマメなどの実やコウライテンナンショウの根、タモギタケやマイタケなどのキノコをとっていた。
こうしてとった植物はすぐに調理するか、冬のための保存食や薬として日光で干してから家の中や食べ物専用の倉庫に保存していた。
イクパスイ(へら状のもの)とトゥキ(杯)。神へ祈るときに使う道具。
チャシ。後代には砦となるが、始まりは祭祀や談合の場であった。
帯広百年記念館内のアイヌ民族文化情報センター「リウカ」では、アイヌ民族の伝統的な文化や歴史について、本や映像・音声資料などを使って学ぶことができる。
サケ皮の靴「チェプケㇼ」。
乾かして広げたサケ皮。
9時50分から1時間ほど見学し、帯広畜産大学の学生食堂へ向かった。