富田坂の登りを終えて、
こんどは急な下りに差しかかっています。
傾斜はかなり急ですねえ。
つま先がいたくなるほどです。
でもねえ、この下り道は普段は
自動車は入れないのですが、
快適な林道で続いてゆきます。
遠くの景色もいいですねえ。
あちらは果無山脈の方かなあ。
また下りながら、
「紅葉が始まっているなあ」
「この空き地はなんだろう」
とかきょろきょろします。
なんかねえ、こんなにのんびりと
一人で寂しいけれど、
なんか自然の中でワクワクする
気持ちは押さえられません。
ただねえ、ここから何が見えるよとか、
どんな花が咲いているよ
というような情報は、
中辺路に比べて、
大辺路はちょっと情報が少ない
のは残念ですね。
抜けていく道もあまりないしね。
歩いて行く人の気持ちを
ある意味支えてくれるような
こんな救助票があるのも、
来てみて初めて分かったからねえ。
もうちょっと事前に情報が
欲しかったですね。
でもまあ難所の山を越えたから、
気持ち的にはとてもハレバレです。
少しずつでも走る練習を
していてよかったなあと、
歩きながら喜んでいたりもします。
できる範囲で行う運動もいいものですね。
道はどんどん下ってゆき、
かなり下ったぞと
いう感じになるころ、
やっと「祝の滝」へいく
分岐点に出てきました。
ネットで見てみたら、
とてもきれいな滝なんだそうですが、
熊野古道本線から離れて
30分かけて往復しないといけないので、
今回はパスしました。
とてもきれいな滝なんだそうです。
我慢して見に行っとけばよかったかなあ。
少し残念です。
さあて、ではここから三ヶ川沿いの
林道っぽいきれいな道が続きます。
少し歩くと、姶良火山の灰の
地層があると書かれています。
ふ~ん、このあたり火山があったのか。
いや待てよ、姶良火山といえば
鹿児島県じゃないか。
桜島の北側にある鹿児島湾のところに
できた火山ですよね。
それがここまで飛んできているんですか。
調べたら今から二万年以上前に
噴火した姶良山から火山灰が
偏西風によって飛んできて、
30cmほどの地層をここに
作っているようです。
少し歩くと、その地層のわかる
場所がありました。
この削られた黄色い層が、
灰の層らしいです。
よくもまあ、こんな500kmも
離れた場所に灰が飛んでくるような
火山だったんでしょうねえ。
でもよく考えたら、今の世界でも
そんな大噴火の可能性なんかも
あるんでしょうねえ。
生前にそんなことの無いように
祈っておきましょう。
そして、このあたりで有名な
「梵字塔」がこの林道沿いに
ひとつあるそうです。
梵字は古代インドの仏教とともに
日本に導入されたサンスクリットの文字。
ここに架かれた文字は
「大日」「弥陀」「薬師」などの
文字が彫られているそうです。
林道沿いにはこのひとつですが、
このあたりの山の尾根筋に
何体もあったものが、
ひとつここにうつされているんだそうです。
なんてことはない街道沿いの山ですが、
その山の隅々に人々の
宗教的な思いがそれとなく
散らばっているんですねえ。
なかなかのものです。
横を流れている三ヶ川は
小さな川なんですが、
途中水路が曲がりくねっているところでは、
広い広い河原を造っています。
ちょっとオーバーかもしれませんが、
まるで上高地の梓川みたいな感じです。
そしてこのあたりには石碑が
いくつかありますよ。
仏像が彫られてあったりしますが、
一体だけ「庚申」と彫られているものが
あったりします。
続く
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