高野山の奥之院で、
参与の方はしっかりと
お経をあげておられました。
まあdoironもその流れは
知っているのですが、
なかなか記憶ができていませんので、
手を合わせ御廟に頭を傾かせながら、
クチパクで般若心経を唱えておきました。
弘法大師のそばで、
心温まるひと時を過ごし、
さあでは次の目的地である
総本山の金剛峯寺に向かってゆきましょう。
参与というのは、
首から参与と書かれた袈裟を
かけられています。
そこには今年度会費納入済み
という札がつけられています。
あ、ちなみにその日はdoironも
四国八十八か所の袈裟をかけて
歩いています。
そんな人たちはすれ違いごとに
「よくお参り」と声をかけあいます。
みんなそれぞれ自分勝手に
高野山参りをしていますね。
それが時々こうして声を掛け合うのは、
まるでウルトラマラソンで
すれ違うたびに「がんばってえ」と
声を掛け合うようなものですな。
供養塔が立ち並ぶ静かな山の参道の中で、
人々の思いが響きあいます。
夏の空と風の中で、
まあなんとも深くて暖かい
人の心の声でしょうか。
「あの五輪塔が高野で一番おおきいんだ」
とか
「橋の下にはお経が刻まれているんだ」
とかそんな話を聞きながら、歩いてゆきます。
そこからバスに乗り、総本山の
金剛峯寺を目指します。
手前で降りて少し土産物店を眺めて歩きます。
以前、首藤さんと四国八十八ヵ所の
お礼参りで来たときは
この辺のお寺で昼食をいただいたなあ
とか言いながら、歩いていきます。
静かな山のお寺群なんですが、
ここもかなり外国人多いですねえ。
外人にこんな宗教文化が
わかるんだろうかなんて話しながら、
金剛峯寺に到着です。
階段を上がってゆき、
門を超えたら目の前が本堂です。
右手の入り口の方から入ってゆきます。
この参与はとても顔が広くて、
向うの奥の方から声をかけてくれはります。
そこに張られた案内を見ると、
参与と付き添いの人ひとりまでは
無料と書かれています。
何人かならんでいる中で
参与は「今日は友達と」といい、
もう勝手に中に入ってゆきます。
いきなりもう立派な襖絵とかが
ある中を進んでいき、
一番最初の千住博という方が描いた
ふすまのある部屋を目指します。
その方がここのふすま絵に
取り掛かっている姿は
NHKで特集をされていました。
その絵を実際に見に行きたい
ということがあって、
今回ここに連れてきてもらって
いるわけなのだ。
他の壁画や庭を眺めたりしながら
廊下をぐるりと回っていくと、ん?
何か豪勢な力の入った
文字の展示がありますよ。
金澤翔子というダウン症の書家が
少し前にここで書いた文字です。
年齢は38歳。
わかい書家です。
こんな大日如来や色を混ぜた
青龍・朱雀など。
とっても力強いですねえ。
doironも書初めをたまにしていて、
いろいろ書きましたが、
なかなかねえ、保存しておくのは
難しいもんです。
今回金澤さんの所では、
ちょっと中身のわからん文字もありました。
でもどれもしっかりと
頭の中に刻まれたような字でしたね。
彼女の記念館もあるようなんですが、
これは福島県いわき市なんで、
なかなか行く機会も
むつかしいですねえ。
あちらを旅することがあれば、
のぞいてみたいなと思います。
そんな絵を見ながら、
本堂内の大主殿に進んでいきます。
あ、まだ金澤さんの書も
続きで飾られていますよ。
ここへきてたっぷり書きはったんですねえ。
その掛け軸の横にある部屋の
ふすま絵が、千住博さんがかかれた、
断崖図と瀧図です。
圧倒されました。
続く
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