【西山寮詩会作品】 2018年8月
コンビニの棚からっぽに野分かな 金澤 ひろあき
風鈴や音靡かせ風そよぎ 野原 加代子
君の顔夏の汗かき後追いし
紫陽花の雫滴り七変化
田植終え膏薬匂ふ老夫婦 樋口 聖記
誇らしげ田植機跨る童子かな
西山エッセイ
サッカーの神社
金澤 ひろあき
夏を思わせるような5月下旬。堀川今出川にある老舗のお菓子屋さんをお伺いした。高校生の就職をお願いする企業訪問のためである。
和菓子とお茶をいただいて、おだやかな人事担当の方のお話をうかがった。涼しげな坪庭もあった。時間がそこに溜まっているかのような小さな庭が、最近好きになっている。
帰りに白峯神社に立ち寄った。もとは蹴鞠の家、飛鳥井家があった地であり、サッカーの神様になっている。ボールが社殿にある。修学旅行の中学生が来ている。彼らはタクシーで回っている。最近の修学旅行はぜいたくだな。行きたい所めぐりの基本は足だ、目的地だけでなく、行くまでの空気も味わいたいと思っている私は、古い人間なのだろう。
源平の争乱にまきこまれ、不運な死を遂げた崇徳院の御霊を、明治天皇が慰めるため、建てられたのだという。右近の橘、左近の桜がある。藤棚もあるのは、藤壺にちなんだのかな。崇徳院のために、宮中空間を作っているのだろう。
珍しいおがたまの古木もある。おがたまは飛鳥井家の頃からあったのだそうだ。
崇徳院とボールを祀る青葉かな ひろあき
タクシーの修学旅行京薄暑
コンビニの棚からっぽに野分かな 金澤 ひろあき
風鈴や音靡かせ風そよぎ 野原 加代子
君の顔夏の汗かき後追いし
紫陽花の雫滴り七変化
田植終え膏薬匂ふ老夫婦 樋口 聖記
誇らしげ田植機跨る童子かな
西山エッセイ
サッカーの神社
金澤 ひろあき
夏を思わせるような5月下旬。堀川今出川にある老舗のお菓子屋さんをお伺いした。高校生の就職をお願いする企業訪問のためである。
和菓子とお茶をいただいて、おだやかな人事担当の方のお話をうかがった。涼しげな坪庭もあった。時間がそこに溜まっているかのような小さな庭が、最近好きになっている。
帰りに白峯神社に立ち寄った。もとは蹴鞠の家、飛鳥井家があった地であり、サッカーの神様になっている。ボールが社殿にある。修学旅行の中学生が来ている。彼らはタクシーで回っている。最近の修学旅行はぜいたくだな。行きたい所めぐりの基本は足だ、目的地だけでなく、行くまでの空気も味わいたいと思っている私は、古い人間なのだろう。
源平の争乱にまきこまれ、不運な死を遂げた崇徳院の御霊を、明治天皇が慰めるため、建てられたのだという。右近の橘、左近の桜がある。藤棚もあるのは、藤壺にちなんだのかな。崇徳院のために、宮中空間を作っているのだろう。
珍しいおがたまの古木もある。おがたまは飛鳥井家の頃からあったのだそうだ。
崇徳院とボールを祀る青葉かな ひろあき
タクシーの修学旅行京薄暑