京都童心の会

ほっこりあそぼ 京都洛西の俳句の会
代表 金澤 ひろあき
俳句 冠句 自由律 詩 エッセイなど同好の人たちと交流

2023年8月 京都童心の会 通信句会作品

2023-08-18 08:58:40 | 俳句
2023年8月 京都童心の会 通信句会作品

 この中より、十五句を選んでください。さらに特選一句をお願いします。
 特選句の選評をいただけるとありがたいです。

1 たなばたのさすがきらめく夜のショー
2 戦争が二人を離すシェルブール
3 傘カッパ野球も流れ家掃除
4 大雨の大降りに泣く日本列島
5 しょうへい君日々活もらいありがとう
6 遠い友電話メールも返事なく
7 孫のテスト二重丸だけ見せにくる
8 日本の形が見えます羽抜け鳥
9 貴女にも逢えず燐寸一本擦って初秋刀魚
10 九条は世界の宝ほうたる来い
11 マスク外せばみんな凡夫よどっこいしょ
12 男より寂しい一本の穂芒だ
13 戦争がじわり頭をもたげてきた敗戦日
14 清貧を運んできた赤とんぼ
15 冷麦素麺並べ食べる夜
16 白雨の一人河の中の川
17 夏白髪風の便りの歳月
18 女の換気扇雨粒つるん
19 影つまずく坂の上の月光
20 二十日梅雨明と句帳の端に記す
21 梅雨明けて蒸す烏丸を救急車
22 明石から盥に乗りて鱧道中
23 網戸して舟屋の二階こうこうと
24 藻の花に居醒の清水細りけり
25 沙羅の花落つるも浄土あなかしこ
26 丸焼の東京に居て敗戦日
27 B29の編隊仰ぐ敗戦日
28 本土決戦一転して敗戦日
29 金髪に武装解除や敗戦日
30 サッカーの赤銅色の素足かな
31 Jアラート鳴りだしそうな暑さかな
32 鉾回す拍手とともに空回す
33 税上がるたっぷり七味唐辛子
34 七星天道善人役が似合いそう
35 ヒロシマ忌 ゼレンスキー氏プーチン氏
36 送り火やもしやこの世で一人かも
37 黙す刻 平和公園千羽鶴
38 夏安居や高僧めいた小坊主の名
39 言い訳をいつ切り出さん葛桜
40 やんちゃくれ熱帯系の半ズボン
41 おもちゃ箱ひっくり返る暑さかな
42 ふるさとはうさぎの形の入道雲
43 朝顔と日の出を拝み水を散き
44 真青な空に一線飛行機雲
45 八月の祈りを胸に思い出し
46 無事に生き電気にたよるこの暑さ
47 山添えに雲わき夕立羨ましく
48 雨打たれ芙蓉花色美しき
49 蝉の声風に揺れるや暑かりし
50 青紅葉風に揺れるや涼しかり
51 百日紅陽を浴びして美しく
52 ウイルスに負けたくないと手洗いし
53 睡蓮や今年も会いし凛と咲き
54 茄子の句や色紙書きして壁飾り
55 ミニトマト赤く熟して摘み取りし
56 蜘蛛の子や生きて歩きし我重ね
57 母帽子形見にと夏被り
58 もう梅雨明けだよと伝えたいのか蝉の声
59 この日だけは笑顔いっぱい球宴のベンチ
60 青いキャンバスに白い綿絵の如き夏の空
61 まだまだ日なた?早く陰に入りたい夏の道
62 台風も近付けない猛暑列島
63 夏の風チリンと風鈴柄杓水
64 鯉さえも橋影に沈む大暑かな
65 ダーリヤの3日ともたぬ暑さかな
66 盆踊り体ノリノリ炭坑節
67 股に寝て花火眺める子にお面
68 早朝に家事を済ませて大昼寝
69 空蝉や散歩の犬の拾い食い
70 雨欲しや里芋の葉の干からびし
71 冷房様様犬も猫も部屋ごもり
72 1日を無事過ごせたと冷やそうめん
73 ソーダに梅酒で流し込む夕ご飯
74 原爆忌勝者敗者の傷深し
75 遠花火反転攻勢ウクライナ
76 星の声一眼レフで聴いている
77 木漏れ日や塩飴舐めて一休み
78 山鉾や鎧を取ればスケルトン
79 湧水で珈琲入れる宵の明星
80 午前四時燕飛び交う河川敷
81 両の手で祈る事止め歩き出す
82 薄闇に星降るような銀の花
83 タイヤ跡背負った蛙一列に
84 満月やピンクの波間珊瑚産卵
85 襟のタイ欠伸を殺す月曜日
86 朝焼けの水田浮かぶ蝉時雨
87 葉桜の影に潜れば蜩鳴く
※写真は太宰府の鬼瓦。