京都童心の会

ほっこりあそぼ 京都洛西の俳句の会
代表 金澤 ひろあき
俳句 冠句 自由律 詩 エッセイなど同好の人たちと交流

弘法さん

2025-03-06 08:07:37 | 俳句
弘法さん
             金澤ひろあき
 シミとか雲が、人の顔など、何か別のものに見えることがある。
 中学の頃だっただろうか。昭和五十年ぐらいだったと思う。福岡の北部に居たが、家のあった集落は、山や田畑に囲まれていた。
 その山の奥にバイパスが通った。山の中に、高速道路が、突如出現したのである。
 道路はかつての山を削った。昔の山道が寸断されるので、コンクリートの橋を作り、昔の山道をつないだ。
 そのコンクリートの橋脚の面に、「弘法さんが現れた」と評判になった。地元の新聞も取り上げて、大騒ぎになった。
 私も見に行った。東側のコンクリートの橋脚の面に、くっきりと人が立つ姿が浮き出ている。
 背丈は三メートルほどある。坊主頭で、お地蔵さんか弘法大師のようにも見える。お花や線香などのお供えもされている。
 これは何かの知らせ、メッセージだという人もいる。
一週間ぐらいして、交通渋滞を引き起こしているからという理由で、この姿は消されてしまった。少し残念な気がした。
 メッセージだとしたら、何のメッセージだったのだろうか。
 新聞に載ったシミはメッセージ ひろあき
※弘法大師ゆかりの東寺。