弘法さん
金澤ひろあき
シミとか雲が、人の顔など、何か別のものに見えることがある。
中学の頃だっただろうか。昭和五十年ぐらいだったと思う。福岡の北部に居たが、家のあった集落は、山や田畑に囲まれていた。
その山の奥にバイパスが通った。山の中に、高速道路が、突如出現したのである。
道路はかつての山を削った。昔の山道が寸断されるので、コンクリートの橋を作り、昔の山道をつないだ。
そのコンクリートの橋脚の面に、「弘法さんが現れた」と評判になった。地元の新聞も取り上げて、大騒ぎになった。
私も見に行った。東側のコンクリートの橋脚の面に、くっきりと人が立つ姿が浮き出ている。
背丈は三メートルほどある。坊主頭で、お地蔵さんか弘法大師のようにも見える。お花や線香などのお供えもされている。
これは何かの知らせ、メッセージだという人もいる。
一週間ぐらいして、交通渋滞を引き起こしているからという理由で、この姿は消されてしまった。少し残念な気がした。
メッセージだとしたら、何のメッセージだったのだろうか。
新聞に載ったシミはメッセージ ひろあき
※弘法大師ゆかりの東寺。
金澤ひろあき
シミとか雲が、人の顔など、何か別のものに見えることがある。
中学の頃だっただろうか。昭和五十年ぐらいだったと思う。福岡の北部に居たが、家のあった集落は、山や田畑に囲まれていた。
その山の奥にバイパスが通った。山の中に、高速道路が、突如出現したのである。
道路はかつての山を削った。昔の山道が寸断されるので、コンクリートの橋を作り、昔の山道をつないだ。
そのコンクリートの橋脚の面に、「弘法さんが現れた」と評判になった。地元の新聞も取り上げて、大騒ぎになった。
私も見に行った。東側のコンクリートの橋脚の面に、くっきりと人が立つ姿が浮き出ている。
背丈は三メートルほどある。坊主頭で、お地蔵さんか弘法大師のようにも見える。お花や線香などのお供えもされている。
これは何かの知らせ、メッセージだという人もいる。
一週間ぐらいして、交通渋滞を引き起こしているからという理由で、この姿は消されてしまった。少し残念な気がした。
メッセージだとしたら、何のメッセージだったのだろうか。
新聞に載ったシミはメッセージ ひろあき
※弘法大師ゆかりの東寺。
