祐さんの散歩路 Ⅱ

日々の目についたことを、気ままに書いています。散歩路に咲く木々や花などの写真もフォトチャンネルに載せました。

・ 『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』

2014-10-28 17:09:12 | 原発事故
フェイスブックの中で「沖縄基地」と「原発」について書かれた本のことが載っていました。10月24日発売されたばかりですが、出版記念でその内容を2か月間ネットで公開しています。私も初めは、軽く読み始めたのですが、その内容にひかれて288ページを読み切りました。下段の「立ち読み」をクリックすると本が読めます。今の日本が置かれている立場がよく分かります。読んだうえで、どのように対応するかよく考えるべきですね。巨大な悪との戦いですので、そうとう周到に準備しなければ・・・・・・それとどれだけ仲間を集められるかですね・・・・・
以下、IWJ Independent Web Journalから転載します。

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2014/10/13 「戦後再発見双書」プロデューサーが語る、日米関係に隠された「闇の奥」~岩上安身による『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』著者・矢部宏治氏インタビュー
※ 『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』10月24日発刊を祝して、2ヶ月間特別全公開します!(12/24まで)
集英社インターナショナル
日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか 矢部宏治・著 ⇒ 【立ち読み】

 基地問題と原発問題には共通した構造が存在する――。

ベストセラーとなった孫崎享氏の『戦後史の正体』をはじめ、「戦後再発見双書」シリーズをプロデュースした編集者の矢部宏治氏が新刊を刊行する。『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』と題された本書では、タイトルの通り、日本が在日米軍基地と原発を「止められない」理由が考察されている。その際のキーワードとなるのが、日米関係だ。

辺野古での新基地建設問題、砂川事件をめぐる最高裁判決、日米合同委員会、日米原子力協定など、日米関係をめぐる「ハート・オブ・ダークネス」(『闇の奥』、ジョゼフ・コンラッド)について、岩上安身が話を聞いた。


記事目次
・「ノーガードで、全部書いた」~「戦後再発見双書」のエッセンスを注入
・「3.11以降、日本人は大きな謎を解くための旅をしている」
・ 日本の「ハート・オブ・ダークネス」、日米合同委員会
・「砂川裁判」に対して米国から下された指令
・ 米軍基地問題と原発をつなぐ線~日米安保と日米原子力協定


・日時 10月13日(月) 17:00~
・場所 IWJ事務所(東京・六本木)

以下、インタビューの実況ツイートをリライトして再掲します。

ノーガードで、全部書いた」~「戦後再発見双書」のエッセンスを注入
岩上安身(以下、岩上)「本日は、沖縄を原点に日米関係を考えるシリーズ『戦後再発見双書』(※)をプロデュースされてきた矢部宏治氏にお話をうかがいます。矢部さんはこのたび、『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』をお書きになられました」

矢部宏治氏(以下、敬称略)「私はIWJのヘビーユーザーでして、会員にも登録しています。会員番号は135番です。バッジも持っていますし、『岩上君Tシャツ』も持っていますよ」

岩上「こちらの本は、すごい内容の本です。編集者というのは、筆者の横について、毎日のように特別講義を受けているようなものですね。この本は、掟破りの連続ですよ!」。

矢部「孫崎享さんをみならって、ノーガードです。全部書きました」

岩上「『戦後再発見双書』をスタートさせたきっかけは何だったのでしょうか」

矢部「スタート地点はやはり、私の最初の本、『本土の人間は知らないが、沖縄の人はみんな知っていること』です。写真家の須田慎太郎さんと沖縄をまわりました。

須田さんはプロのカメラマンですから、ベストポジションから写真を撮ろうとします。現地の人に聞くと、まさにベストポジションに連れて行ってくれます。沖縄の人はみんな、基地を監視するポイントを知っているんですね。

この本を孫崎さんにお送りしたら、6連続ツイートをしてくれ、書評を書いてくれました。他にも、何人かの先生から、大変丁寧な手紙をいただきました。その先生方を集めてシリーズ化したものが、この『戦後再発見双書』なんですよね」


(※)戦後再発見双書:矢部氏が編集を手がけ、創元社から刊行されているシリーズ。これまで、孫崎享『戦後史の正体』、前泊博盛著『本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」』、吉田敏浩・新原昭治・末浪靖司著『検証・法治国家崩壊』の3冊が刊行されている。

3.11以降、日本人は大きな謎を解くための旅をしている

矢部「読者の方から、『3.11以降、日本人は大きな謎を解くための旅をしている』というメッセージをいただきました。原発事故がありながら、政府は再稼働を推進。放射能汚染に関しても、ただちに健康被害はない、と言いながら、政治家が視察に行くときは重装備で行くんですよね」

岩上「事故直後、大手メディアは東北の津波についてはレポートするけれど、福島には行きませんでした。『行けない』というのです。そのうえで、『行けない』ということをメディアは報じませんでした」

矢部「沖縄の米軍基地の問題は研究が蓄積されています。これをきっかけに、原発の問題にアプローチすると、謎が解けるのではないか。そう思ったのです。

新原昭治さんという研究者の方が明らかにされていますが、日米行政協定の文書に『所在地のいかんを問わず』とあります。米軍によって、空だけでなく、地上も100%が支配されているということです

厚木、横須賀、横田と、巨大な米軍基地があり、上空に空域があります。これのポイントは、『国境がない』ということです。上空から直接横田空域に入ってきて、六本木にあるヘリポートに着陸したりするのです」

日本の「ハート・オブ・ダークネス」、日米合同委員会

矢部「空域を飛んできて六本木に着陸してすぐ、ニュー山王ホテル(米軍センター)に向うことができます。ここで行われているのが、日米合同委員会です。ここが日本の、ハート・オブ・ダークネスですね。

ここで決められたことが、日本国憲法を超えてしまうんです。在日米軍との委員会なので、外務省や防衛省の官僚が入っているのは分かるのですが、法務省、財務省、農林水産省などの官僚も入っています。米側の代表は、基本的に軍人です。

公文書で明らかになっていることですが、日米合同委員会で決められたことは、日本の法体系の上位に来ています。ジラード事件(※)というのがあるのですが、不自然なほど軽い刑で、検察も控訴しません。そういうことが、日米合同委員会で決められているのです。

鳩山政権時、普天間の移設について、徳之島案というものがありました。これについては、当時の鳩山総理が外務省に『絶対に漏らすなよ』と言っておきながら、翌日の2010年4月7日の一面に出てしまいました。官僚が忠誠を誓っているのは、総理ではないのです。

1957年2月14日に、当時のアイゼンハワー大統領に出された、調査報告資料というものがあります。『数多くのアメリカの諜報活動機関の要員が、なんの妨げも受けず日本中で活動している』などということが、しれっと書いてあります」


(※)ジラード事件:1957年1月30日、群馬県群馬郡相馬村で在日米軍兵士ウィリアム・S・ジラードが日本人主婦を射殺した事件。ジラードは前橋地方裁判所で行われた裁判で懲役3年・執行猶予4年の有罪判決が確定した。ジラードへの処罰を最大限軽くすることを条件に、身柄を日本へ移すという内容の密約が日米間で結ばれていたことが、1991年に米国政府の秘密文書公開で判明した。日本の外務省が1994年11月20日に行なった「戦後対米外交文書公開」で明らかとなっている。

「砂川裁判」に対して米国から下された指令
岩上「沖縄の基地の話をしていただけますか」

矢部「米軍機は、基地も住宅密集地も関係なく、無茶苦茶な低空飛行をしています。しかし、驚くべきことに、米国人の住宅地の上空は飛ばないのです

日米地位協定の上に日米安保条約、サンフランシスコ講和条約があります。さらにその上に、国連憲章があります。国連憲章については、これまでほとんど考えられてきませんでした。そして、この仕組が最も露骨に表れるのが、原発の問題です。

この問題の鍵にあるのが、砂川裁判です。1959年の裁判ですね。憲法9条2項に照らし、在日米軍基地は憲法違反であるという判決を出しました。これが伊達判決です。そうなると、米軍は撤退しなければならなくなりますね。

これに対し、駐日大使のダグラス・マッカーサー2世が、この伊達判決を無効化する計画を立てました。米国の公電によれば、当時の藤山外相に、大所高所から命令をくだすのです。県知事選に影響が出るぞ、ですとか。まさに命令ですよね。

米国は、同盟国に対する諜報活動を行い、自国に有利な方向に持っていく。伊達判決の翌日に、日本側ですらよくわかっていなかった『跳躍上告』を持ち出すのです。そして、最高裁は『日米安保は(略)裁判所の審査件の範囲外に位置する』という判決を出しました」

米軍基地問題と原発をつなぐ線~日米安保と日米原子力協定

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岩上「野田政権の時、政府は『2030年代に原発稼働をゼロにする』というエネルギー政策を閣議決定しようとしました。しかしそれが、米国からの横ヤリによってボツになってしまいました。その頃から私は、脱原発は、脱米国依存なしにはあり得ないと言ってきました。

多くの人は、基地と原発は別の問題だと思っています。基地は米軍の問題で、原発は東電の問題であり、エネルギーの問題である、と。しかし、基地問題と同様、日本は日米原子力協定により、米国によって縛られている、ということですね」

矢部「福井地裁により、大飯原発の運転差止判決が出ましたね。しかし、関西電力は何も動揺していません。それは、システムとして、判決が最高裁で覆るのだということを、みんな暗黙のうちに知っているからなんですね。

日米原子力協定を見てみます。条文に『いかなる理由による(略)協力の停止の後も、(略)引き続き効力を有する』とあります。終了の後も効力を有する、本当に意味が分からない。徹底管理、ということです。

2012年6月27日、原子力基本法が改正され、『わが国の安全保障に資する』という文言が入りました。これは、砂川裁判の最高裁判決につながるものです。日米安保に関するものは、法律のレベルでいじり、それに対する憲法の判断がなされない、という構造があるのです。

原発に関する安全性について、憲法の判断がなされないということは、政府は原発に関して何をやってもいい、ということになるわけです。汚染地域に住民を帰還させてもいいし、SPEEDIの情報を隠蔽してもいい、ということになるわけです。

国連憲章には、敵国条項というものが入っています。53条によれば、日本とドイツが侵略政策を再現しようとすれば、攻撃しても良い、ということになっています。ですから、日本が核武装するようなことがあれば、この敵国条項が発動してしまうんですね。

国連憲章逐条解説書というものがあります。そこでは、敵国条項は永久に続く、とあります。ところが、ドイツに関しては、東方外交によってその法的地位を脱した、と書いてある。しかし日本に関しては、何の言及もありません。つまり、そのままだ、ということです。

日米合同委員会のような米軍の特殊権益が温存され、それと一部の官僚が結託するシステムが日本に温存されたのは、昭和天皇の存在が大きいのではないか。そのことを、この本の第3部で書きました」(IWJ・平山茂樹)

■関連記事(IWJ日米地位協定スペシャル)
•2013/03/05 [IWJ日米地位協定スペシャルVol.1] 岩上安身による『日米地位協定入門』著者 前泊博盛氏インタビュー
•2013/03/30 [IWJ日米地位協定スペシャル No.2]前沖縄県知事、大田昌秀氏ロングインタビュー! 「今年は沖縄にとって一番厳しい年になるのでは」
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•2013/04/02 [IWJ日米地位協定スペシャルNo.5]「高江は『安保のみえる森』だ」沖縄 高江区住民・ヘリパッドいらない住民の会 伊佐真次氏インタビュー

■関連記事
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•2013/01/26 【東京】戦後史の真実~将来を考えるために 孫崎享氏講演
•2012/08/23 孫崎享氏インタビュー

・ ガンと原発の関連

2014-10-24 23:17:01 | 原発事故
内海聡さんのフェイスブックに原発と癌についての記事がありました。アメリカの科学者が放射線の影響について語っています。以下転載します。

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「アメリカの最高の科学者が原発のすべてについて語るー癌がなぜ世界中で増加しているのか?」

ここで、スターングラス博士にお話をお聞きしたいと思います。彼は、原子力の本場アメリカで、60年代から、核実験や原子力発電による低レベル放射能の影響を訴えて続けて来た、数少ない科学者の一人です。2006年の二月には念願だった来日を果たし、青森県の六ヶ所村も訪ねています。
こんにちは、今日はよろしくお願いします。
S博士「まずはじめに、日本には55基もの原子炉が運転しているのを知ってるよね。」

、、、はい。

S博士「それに、ほとんどが海岸沿いの国土の2割程度の面積に人口が集中していて、原発も割と近くに配置されている。だから、日本政府が2003年度に発行した、過去100年の日本人の死因の推移を見たとき、あまり驚かなかった。」

と言いますと。

S博士「日本では、戦後の50年で、がんの死亡がずっと増え続けている。1900年台の前半は、がんはそこまで存在しなかった。日本に原爆が落とされて、アメリカ製の原子力発電所が導入されてから、一気に増え始めたのだ。今でも日本にある原発の八割がアメリカ製だ。」

はい。

S博士「そして、本場のアメリカで分かって来たことが、原子力発電所というのは、公に発表されているよりも、ずっと大量の放射性物質を放出しているという ことだ。大半は、細かい分子になった、核の分裂によって産まれる物質で、大気や海に放出されている。核分裂生成物というやつだ。」

はい。これが、自然放射線と混同されると、訳分からなくなりますね。

S博士「その通りだ、そもそも自然放射線というのは、海抜0メートル付近では、0.8 から1mSV(ミリシーベルト)が普通であって、それ以上はラドンなどごく特定の地域しか関係のないものや、0.15mSVほどのカリウムなどを大げさに 数えている場合が多い。しかも、ほとんどの自然放射線が外部被ばくを起こすガンマ線で、体の中の特定な器官に蓄積して内部被ばくを起こすものじゃない。ス トロンチウム90やヨウ素131などの放射性物質は、体の中に入り込むのと、それと同じ量を地面にばらまいたのでは、威力が全然違うのだ。」

分かります。

S博士「ヨウ素131は、ほとんどが一週間の半減期だが、これは首にある甲状腺に集中する。甲状腺というのは、体全体の新陳代謝をコントロールしていて、 多くの器官が甲状腺のホルモンによって動いている。だから甲状腺が壊れると、大人だと、甲状腺に異常が生じたり、がんになることがある。また、ストロンチ ウム90は骨に集中する。これはカルシウムと似ているためで、カルシウムは、骨をつくったり、神経の伝達にも欠かせない。要するに、脳みその働き、考える 力に貢献している。よって、ストロンチウム90が引き起こす問題というのは、あまり知られていないのが、カルシウムと同じように骨だけじゃなく、脳にも入 り込んで、神経にダメージを与えるため、特に脳の発達に支障をきたすようになる。」

赤ちゃんですね。

S博士「赤ちゃんもそうだし、お母さんのお腹の中いる胎児のときからだ。それに、脳みそは10代まで発達し続ける。だからそこに問題が生じると、普通の読み書き、理解する力、計算する力、全体的に影響を受けてしまう訳だ。健康な脳みそをつくる過程でだよ。」

母親は知っておくべき情報ですね。

S博士「これは、本当に伝えなければいけないことだ。繰り返すが、ストロンチウム90やヨウ素131は自然には存在しないもので、ウランやプルトニウムが 核分裂を起こしたときのみ、産まれるのだ。原子炉の中で起きていることは、原爆の核分裂が起こす環境破壊と同じなのだ。つまり、核実験などが広めた汚染 を、原子力発電所がそのまま引き継いだに過ぎないのだ。」

なるほど。

S博士「これは数年前にJournal of American Medical Associationで発表されたばかりなんだが、妊婦が歯科医でX線を数回受けただけでも、散ったX線が、ヨウ素131のように甲状腺に影響を与え て、それが早産につながる確率が数割高くなることが分かった。こうした未熟児は、現在の医学ではほとんどを救うことができるのだが、X線のせいですでに脳 の発達に影響が出てしまっている。それが思考力や、集中力の欠如に表れる。脳の発達に支障をもった未熟児は、自閉症になる可能性も出てくるのだ。」

このように器官に集中する放射性物質は、どのようにダメージを与えているんですか?

S博士「ヨウ素131の場合、ガンマ線というのは、X線と一緒で、とても強いエネルギーを持った光を出す。そして、ベータ線は電子なんだが、数ミリしか飛 ばなくても、臓器に埋め込まれると周りの細胞を破壊する訳だ。変異を起こしたり、遺伝子を傷つけてしまう。そして、フリーラジカルが産まれる。フリーラジ カルとは、マイナスの力を帯びた酸素分子で、寿命も一瞬なんだが、これがプラスを帯びた細胞の粘膜に引き寄せられて、穴を空けてしまうので、大変なこと だ。これらのことは、60年代の後半から70年代にかけて分かったことで、原子力発電を始めたずっと後の話だよ。」

はい。

S博士「初めての原発が1942年のシカゴだったから、そのおよそ30年後に分かったことだよ。もう一つ興味深い発見だったのは、X線などの強くて短い刺 激がつくる多くのフリーラジカルは、実はお互いとぶつかり合って、そこまでダメージを引き起こせないんだ。これを、私は『混んだナイトクラブ効果』と呼ん でいる。分かるだろう、狭い空間に人が入りすぎて、身動きが取れないのだ。これで分かったことが、X線などが与える、自然放射線の一年分に値する1mSV ほどの一度の衝撃は、思ったほど効果がなく、同じ量を一週間、一ヶ月の間に分けて微量を受けた方が、細胞あたりのフリーラジカルが少ないために、ずっと大 きなダメージを与えるのだ。」

そうなんですか。

S博士「このことは、衝撃だった。つまり、X線や原子爆弾のように、集中された強い放射線よりも、永続的な低レベルの放射線の方が、ダメージは100倍から1000倍も大きいことが分かったのだよ。」

なるほど。

S博士「我々はヒロシマやナガサキで集めたデータを信じきってしまったのだ。原爆は、主にガンマ線と中性子線を一瞬で放出したから、本当に強くて大量のエ ネルギーを放出した。ましてや、その頃はフォールアウト(『死の灰』と訳される)のことも良く分かっていなかった。要するに、長期的な低レベル放射能の影響を、今日でも、完全に間違って計算しているのだ。2003年にイギリスのクリス・バズビー (Chris Busby) 氏らが、ヨーロッパのECRR機構(European Commission on Radiation Risk) に頼まれて、原子力発電所のリスクについて過去50年の様々な論文やケースを完全に洗い直したところ、同じ結論にたどり着いたのだ。我々は、低レベルの内 部被ばくによる影響を、少なくとも100倍から1000倍、過小評価して見積もっているのだ。」

はい。

S博士「もう一つ言いたいのが、ストロンチウム90は骨に入って、強い電子を放出する。骨髄では赤血球と白血球もつくられているから、ここで異常が起きる と、白血病を起こす。また、白血球というのは、体のありとあらゆる病源と戦っているから、白血球がちゃんとつくられないと、これは大都市で警察のストを起 こすと犯罪率が一気に高くなるようなものだ。分かるね。ストロンチウム90が白血球を壊せば、体中にがんが起きても止めることができない。ストロンチウム 89の半減期は50日で、ストロンチウム90の半減期は28年だから、体に蓄積されていくものだ。」

そうですか。

S博士「さきほどの低レベルの放射能の話に戻るが、人々が間違いを犯した原因のひとつに、放射線によるがんの治療による。これは動物実験で、一週間おきに 集中した放射線をあてれば、健全な細胞は元に戻るということから、放射量を細かく分ければ、体には影響が少ないと信じられていたのだ。ところが、内部被ば くの場合は、少ない量でも常に体の中にある訳だから、慢性被ばくと言っても良い。これが何十年間と蓄積されると、ストロンチウム90のように白血球が壊さ れていけば、肺炎やさまざまな感染が起き易く、免疫力が激しく低下することに繋がるのだよ。」

では、質問を変えます。

原子力発電所は、すべての排出物をモニタして、環境もモニタして、すべては安全だと言います。何がいけないのでしょうか?

S博士「何回も言うが、0.1~0.2mSVほどのX線の影響と、核分裂生成物を比べて、影響を少なく見積もりすぎているから、誤った安全の基準を適用し ているところが間違っている。2005年に発行されたUS Academyの論文には、『どんな微量の放射能でも、必ず何らかのダメージを与えている。無害ということなどない』と書かれているくらいだ。一時期、 『微量なら健康に良い』と信じられていたのもまったくの間違いで、『一定値以下なら安全』と信じられていたことも、間違いだった。これはようやく最近、世 界中で発表されている論文で認められてきたことだ。更に、1000倍もダメージを少なく見積もってものだから、0.1mSVだったものが、実質的には 100mSVと同じダメージを加えているのだ。」

これらの核分裂生成物は、化学的にフィルタすることってできるんですか?

S博士「完全には無理だ。中空糸フィルタやイオン交換樹脂など、どんなにテクノロジーが進化しようと、完璧なフィルタなど存在しない。例えば、アルゴン、 クリプトン、キセノン、ラドンなどの希ガスは、化学的にフィルタすることはできない。トリチウムなども水分と同じような性質なので、なかなかフィルタでき ない。モニタリングは、結局、役割を果たしていないのだ。自然界はストロンチウム90やヨウ素131をつくらないから、自然放射能と比べるのはおかしい。 更に、X線などは刺激が短か過ぎる。だから、安全だと思っていた放出量が、実はそうではなかったということだ。」

それでも、核実験からの残量放射能が減って来ていて、今では食物に含まれている値も示していますが。

S博士「良いかい。基本的に原子力発電所が自ら検出して発表しているデータはそこまで信用しない方が良い。電力の生産があがるほど、放射性物質の排出は ぜったいに免れられないのだ。それに、原子力発電所がどのくらい排出しているかを心配したり論議するよりも、人間にどのくらい入って来ているのかを検出す る方がずっと早いのだ。私たちの90年代の研究で分かったことは、アメリカで原子力発電所の近くに住んでいる子供たちの乳歯から検出されたストロンチウム 90は、かつての核実験の時代と同じくらい高くなってきているということだ。これは原子力発電所が放射性物質を出し続けている確固たる証拠だ。このプロ ジェクトもアメリカの政府がデータを公表しなくなったために、独自で始めたのだ。ストロンチウム90の値は、すでに胎内で蓄積されていることが分かること と、ストロンチウム以外の放射性物質も入って来ていることを裏付けるから大事な訳だ。これらはすべて、いわゆる通常の運転で起きていることだよ。」

それは日本にも言えることですか。

S博士「繰り返すが、日本の八割はアメリカ製の原子力発電所であるからして、まず間違いないだろう。原子力発電所の放射性ガスや放射性物質の粒子は、日本 の美しい山脈に降り注ぎ、それがきれいな湧き水に混入して、田んぼや畑、飲み水に入って行ってしまうのだよ。風がどっちに吹いていようが関係なく、これが いちばん起こりうる被ばくの方法で、私はこれが日本でがんが急増している要因のひとつだと考えている。ちなみに、ロレン・モレーが日本で集めた乳歯のサン プルからもストロンチウム90が充分なレベル検出されている。これはどこで産まれたか、どこで育ったかによって大きく異なるし、もっと大規模な研究が必要 だが、アメリカと同じような状況であると予想される。小児がんを主に、健康な発育が妨げられる確率が数割は高くなるということだ。もちろん、放射性物質に よる害は成人にもあてはまることだ。」

そうなんですか。

S博士「ついでに、もう一つ重大な話をしよう。ストロンチウム90から出来るのが、イットリウム90だ。これは骨じゃなくて、すい臓に集中する。すい臓と いうのは、糖尿をおさえるホルモン、インスリンを分泌しているから、ここに異常が出ると糖尿病になる。世界中で、糖尿病が急増しているのは知ってるね。日 本は、すでに人口の割合から言えば、アメリカの二倍もいる。そのアメリカだって、イギリスより率が高いのだ。日本では、戦後から現在にかけて、すい臓がん が12倍にもふくれあがっている。50年代の終わりにドイツの動物実験で発見されたのが、ストロンチウム90が電子を放出してイットリウム90になると、 骨から肺、心臓、生殖器などに移動するのだが、すい臓に最も高い集中見られたのだ。インスリンがうまく生産されないようになって、血糖値が上がってしまう のだ。今までは放射能が糖尿病と繋がっているなんてまったく認知されていないのだ。これで分かっただろう、国際放射線防護委員会(ICRP)は、当初、放 射能の影響として、特定のがんと奇形児くらいしか認めなかったのだ。未熟児、乳児の死亡や、肺、心臓、すい臓、これらの部位への影響はすべて無視されてき たのだ。」

はい。

S博士「民間エネルギーの最初の原子力発電所は、ピッツバーグに57年に、私が15年間勤めたWestinghouse社によって建てられた。私たちは、 汚い石炭の発電所よりも、安くて、きれいなエネルギーだと思っていた。微量の放射性物質が逃げても、大したことないと思っていたのだが、それは大間違い だった。これと同じ原子炉が、今でも日本でたくさん稼働している。70年代にカナダのエイブラム・ペトカウ (Abram Petkau) 博士が発見した、低レベル放射能によるフリーラジカルの影響を、未だに反映できていないのだ。フリーラジカルの性質を分かっていなかったのと、放射線量と 人体への影響が比例的な関係だと勘違いしていたのだ。低レベルで起きる様々なことは、ヒロシマとナガサキの生存者を調べただけでは、まったく予期できな かったのは当然のことだ。」

はい。

S博士「だから、原爆の生存者や、X線のデータによって計算された国際的な許容量はまったく間違っている。これは、原子力発電所が大規模に建てられるよう になって、何十年も後に分かったことだが、誰もその過ちを認めることが出来ずに、今日まで来てしまった。その理由の一つとして、すでにウラン鉱山に巨額の 投資がされてしまっていたことがあるだろう。だから、ウランの利益を受けている人たちは、過ちを認めないどころか、それを絶対に隠したいのだ。ウランは核 分裂以外には役割がないから、それがただの粉末のゴミになることを本気で危惧しているのだ。世界中の政府や企業、イギリスの皇室などが所有しているウラン は、原子力発電所が他の燃料で動くようになったら困るのだ。」

日本企業もかなり先行投資していますよね。他の燃料と言いますと?

S博士「天然ガスだ。天然ガス発電に切り替えれば、なんと、設備投資の7~8割は無駄にならない。天然ガスはあと数十年は持つと言われているから、その間 に自然エネルギーを開発すれば良いのだ。コロラド州のフォート・セイント・ブレイン (Fort St. Vrain) は、すでにこの成功例だ。原子炉だけを閉じて、天然ガス用のボイラーを横につくって、タービンの建物など、ほかのものはそっくりそのまま使えたのだ。そ う、原子力はお湯を沸かしているだけだからね。原子炉の中の水も放射能を持っているために、配管が錆びて出てくる鉄、マンガン、コバルトなどにも中性子が ぶつかって、普通の元素まで放射性になって大気に飛び出てしまうのだよ。これが体内にも必要な物質の場合、放射性の鉄分だって血液に入ってしまう訳だ。」

原子炉を解体しただけで、その付近は大丈夫なんですか?

S博士「そうだ。その証拠にコロラド州は、あらゆるがん、小児がんの率が全米でいちばん低いのだ。解体すれば、新しい核分裂や放射性ガスを止めれば、燃料 自体は、まだ残っているが隔離することはできる。それが素晴らしい点だ。もちろん、完全に廃棄するにはたいへんなコストがかかるよ。これはもっと大変な問 題だ。だから、原子力産業は、古くなった発電所を解体する巨額のコストを考えていなくて、将来のコストを少なく見積もりすぎているのが、大問題だ。でも、 運転を止めることさえすれば、せめて新しい放射性ガスが発生することは抑えられるのだからね。」

環境的には、それがいちばん良い訳ですね。

S博士「とりあえずは、だ。その代わり、何万年、何億年と放射能を持つ核廃棄物をどうするのかを、まだ誰も解決できていない。何故かというと、長い時間が 経つと、地下に埋めようが、山に埋めようが、放射線が缶から漏れ始めることが分かっているからだ。缶が空気中のバクテリアに侵されて行くからだ。そうすれ ば、今度は地下水が汚染される。」

はい。

S博士「環境的な問題はそれにとどまらない。日本のロッカショで起きようとしていることは、全国の55基分の廃棄物を集めるから、どうがんばっても大量の 放射性物質を大気と海に捨てることになるだろう。そうすれば魚も死ぬし、近辺の入江に生息する貝や生物が放射性物質を吸い込んで、人間と同じように免疫力 が低下して行って、死んでしまうのだ。60年代に核実験が盛んに行われていた時期も、北大西洋では、魚が激減して、核実験が終わったあと、一気に元に戻っ た。決して乱獲のせいなどではなかったのだ。このことは、今でも世界中の原子力発電所の近くで起きている。クジラやイルカも、川に流した放射性物質によっ て、みんな影響されているのだ。」

何度も言いますが、それでも原子力発電所は、海への放出をフィルタして、ちゃんとモニタしていると言いますが。

S博士「だから、そんなフィルタがあれば、固形の廃棄物の心配だけで済むから嬉しいよ。でも現実的には、一部の放射性物質しか取り除けないことは、実績で 分かっているのだ。しかも、事故や人為的ミスの可能性も計算にいれてなくても、この状況だ。過去には放出しなくて済んだ放射性物質も、大量にあった訳だ。 スリーマイル、チェルノブイリ、これらは、世界中に多大なるインパクトを与えたのだ。我々はチェルノブイリが起きた翌年のアメリカでも、統計データと EPAによるストロンチウム、ヨウ素、セシウムの測定量から、数万人規模で過剰な死者が出たと考えている。」

そうなんですか。

S博士「特に日本の場合は、地震国だということを忘れては行けない。日本の面積にあれだけの原子炉が集中していることと、ロッカショの再処理工場の最大の 問題点は、さきほど言ったように全国の燃料棒を集めてプールにいれていることだ。これらは、本当に強い、本当に高レベルの廃棄物で、なんかの拍子に、この プールの冷却水にもしものことがあったら、大惨事では済まないことになるだろう。」

、、、質問を変えます。

なぜ、人間はそのような強い放射性物質を扱うことになったのでしょうか?

S博士「まず、自然の中で人間が経験してきた放射性物質は、カリウム40だけだ。これは体内に入っても、骨など、どこにも集中しないし、放射線量はストロ ンチウム90より多くても、体に蓄積もされないから、割とかんたんに体から抜けて行くのだ。地球ができたときに、ウランやたくさんの放射性物質ができた が、どれもストロンチウム90のようにカルシウムに化けて、核分裂生成物が体内に蓄積されるようなことはなかった。一部のアフリカの地下の鉱山の例外をの ぞいて、核分裂の連鎖反応は自然ではぜったい起きないのだ。」
(註:20億年前に西アフリカにあるガボンのウラン鉱山で自然核分裂があったとされる)

はい。

S博士「例えば、普通の水の中にある水素は、宇宙線の影響でトリチウムになることがある。トリチウムも、特定の部位で濃縮されない。人間は、自然放射線の 中で進化してきたが、これらも体に蓄積はされなかったし、フリーラジカルを長い期間にわたって体内に取り込むこともなかったのだ。海の中に微量に存在する ウランも同じことだ。1938年に人間が核分裂を発見してから、すべてが変わってしまったのだ。」

分かりました。

では、日本は島国ですから、海の汚染についてもう少し詳しく教えてください。

S博士「海を守ることは、とても大事なトピックだ。我々が予測できなかったエピソードをもう一つ、教えてあげよう。昔、科学肥料が海に流れ込んで、藻が異 常発生すると、魚貝類の酸素を奪ってしまうと疑われていた。その結果、酸欠になった魚や貝が死んでしまう訳だ。ミシシッピ川が流れ込むメキシコ湾で藻が大 量発生したときは、窒素、つまり酸化窒素を含む化学肥料が原因だと思われていた。でも最近、新たに分かったことは、キセノンやクリプトンなどの放射性ガス のエネルギーが、大気の酸素と窒素を反応させて、酸化窒素をつくることが分かったのだ。雨が海に運んでくる土砂が化学肥料と同じ役割を果たして、間接的に 魚の酸素を奪ってしまうのだよ。この容量で、原子力発電所は、酸化窒素だけでなく、酸素原子が三つくっついたオゾンもつくっている。つまり、原子力発電所 が藻の激増に繋がっていることも、誰も予想できなかったことの一例だ。」

そうですね。

S博士「だから、発電所が出す液体廃棄物は、始めは誰もが海は広いし、とても深いので、人間社会にはまったく影響がないと計算していた。しかし、先ほどか ら言っているように、微量だから大丈夫ということは決して有り得ない。また、Busby氏らの発見が論文で細かく発表されたように、海に放出した放射性物 質は、必ず波に乗って浜に返ってくる。イギリス、ウェールズ、スコットランドの原子力発電所付近の砂浜でも、このことが確認されたのだ。日本でもきっと同 じことが起きているだろう。海水で薄まると期待していた放射性物質が、波に運ばれて返って来て、それが雨にも混ざって、また土の中にも入ってくるのだ。」
それでも、魚からは放射性物質が検出されてないと言われますが。
S博士「だから、まずそれは安全値がニ、三桁ずれたままだからだよ。もちろん遠洋の魚の方が、放射線を受ける量が少ないし、日本は遠洋漁業が多いから、ま だ安全な方かもしれない。それでも、50年前の安全基準が残っていることが問題だ。たいていのガイガー・カウンターは分かり易いガンマ線を計っているだけ で、アルファ線やベータ線のことは計れないので、これにはもっと複雑な機械が必要なのだ。」

そうなんですか。

S博士「ガイガー・カウンターは、砂浜にたまったガンマ線を読むことはできるが、魚のアルファ線やベータ線などの正確に計るには、魚の肉や骨をとって、化 学的に調べる必要がある。これには大変な技術と計算力が必要になるのだよ。化学的に分離させた液体を、放射線検出用のシンチレーション計数管に通すのだか ら。つまり、骨にたまるストロンチウム90のように、いちばん強力で、いちばん厄介な放射性物質ほど、かんたんな計器では探知できないのだ。」

はあ。

S博士「分かったかい?原子力発電所ができてから30年後に、ペトカウ氏が発表して初めて分かったことがあったように、知らなかったことが多過ぎたのだ。 ひとつの細胞が放射線を受けると、周りの細胞が影響を受ける『隣人効果 (Neighboring Effect) 』のことも知らなかったし、いろいろなことだよ。我々は、世界を壊してしまうような原子爆弾をつくってしまった償いとして、原子力発電を急ぎすぎたの だ。」

どういうことですか?

S博士「核分裂が発見されたとき、多くの物理学者は大学の研究室を出て、マンハッタン・プロジェクトに参加した。当時はヒットラーが世界的な脅威だったか らだ。ドイツに原爆を渡してはいけない、と。同じことがイギリス、フランス、ロシアでも起きた。そのうちに、スターリンが出て来て、今度は冷戦が始まっ て、多くの物理学者は核戦争を避けるためにと、核爆弾の開発に一生を捧げたのだよ。と同時に、そんな軍事目的に利用されただけで死ぬのは良心が耐えられな かったのだろう、アイゼンハワー大統領が提唱した『平和な核利用』のアイディアに皆が飛びついたんだ。アイゼンハワーは、『クリーンな原子力』をつくる原 子力発電所を世界中に売り込もうと躍起になって、物理学者はそれを喜んでその手助けをした。ヒロシマとナガサキで起きたことや、人類を滅亡させる核兵器を つくってしまったことへの罪悪感のためにね。」

とても興味深いです。

でも彼らは、放射能の影響を予知できなかったのですか?

S博士「そのときは、本当に経験とデータが少なかった。いろいろな不幸が重なって、今の状況をつくってしまったのだよ。多くの人は、核爆弾がないと不安で しょうがなかった。私の孫みたいに、お気に入りの布団がないと眠れないのと一緒でね。共産主義が世界を食い尽くしてまうのを止めるには、核爆弾が必要だと 本気で思ってたのだ。これが核の軍拡の原因であり、それに乗っかって、アイゼンハワーがきれいなエネルギー政策と称して原子力を勧めたものだから、誰もが 信じきってしまった。日本の場合は、国民がたいへん丁寧できれい好きだから、モクモクと汚い煙が出る発電所と違って原子力は魅力的だったに違いない。」

では、これだけの知識が今あって、それを知っている専門家も世界中にいると思うんですけど、根本的なところで変えて行けると思いますか?

S博士「これが実は難しいのだ。何故かと言うと、大学の研究室などのリサーチのほとんどは、政府の補助金で成り立っているからだ。その政府が、原子力発電 はクリーンだと信じ切っていたものだから、今になって過ちを認めたくないのだ。例えば最近でも、コネチカット州の原子力発電所で問題があったのが分かって いるにも関わらず、微量だから問題ない、と繰り返すだけだ。EPA(米環境庁)も、原子力産業を守ろうと、必死になっているのだ。石炭による発電が産むス モッグや水銀と違って、クリーンなエネルギーだと言う、昔の謳い文句そのままだ。でも水銀では、爆弾はつくれない。分かるかい。」

それは、今だと強く言われてますよね。二酸化炭素を排出しないから良いんだと。

S博士「それはいつの時代も言われてることだが、でも、本当は、ウラン鉱山の採掘、ウランの運搬、ウランの濃縮、多くのエネルギーを使って、石炭を使って ウランも濃縮すれば、世界のCO2排出量は、原子力発電所を増やすことで解決できないことは、誰の目にも明らかだ。その上に、今知られているウランの埋蔵 量もたった数十年でなくなってしまうことを、誰も気にとめていないようだ。現在では、石炭が排出するガスを地中に送り返して岩に変えることによって、 CO2の排出を防ぐ方法も出て来ているのだ。」

石炭が見直されてるのは聞いたことあります。

S博士「その他にも海洋エネルギーや、地熱エネルギー、風力、太陽、沢山方法はあるし、水素だけでもさまざまな活用法がある。これを原子力産業がひた隠し にしているのだ。ウランに莫大な投資している人たちが、新しい発電方法の浸透を防いでいるばかりか、健康への害も隠している。私が何十年も経験して来たこ とだが、体質的にモラルを忘れた産業だと言わざるを得ない。」

一般の人へのメッセージとして、自分の健康を守るには何をおすすめしますか?

S博士「アメリカでは記録を公表することも止めてしまったので忘れられてしまっているのだが、原子力発電所付近の農場がつくった牛乳は、まず飲まない方が 良いだろう。また飲み水は、逆浸透装置を使えば、ほとんどの重い放射性物質はフィルタすることができる。本当は行政がやれば良いことなのだが、コストが高 過ぎるのだ。」

それでは、今日はここまでにします。ありがとうございました!

S博士「ありがとう。ほかに質問があれば、何でもきいてくれ。」
   
アーネスト・J・スターングラス博士 (Dr. Ernest J. Sternglass)
1923年、ベルリン産まれ。
14才の時に家族とアメリカへ移住。若き頃に、既に世界的権威だったアインシュタインと議論を交わし、科学の志を新たにする。1960年から1967年 は、ウェスティングハウス社の研究室でアポロ月面科学ステーションプログラムの局長を務める傍ら、アメリカの大気圏核実験に反対するようになる。彼が国会 で発表した研究の成果は、ケネディ大統領が'63年にまとめた部分的核実験条約(PTBT)の締結に大きく貢献した。(ケネディはその僅か三ヶ月後に暗殺 されてしまう)70年代に入って、今度はそれまで安全だと信じていた原子力発電所の危険も公に問うようになる。'81年に出版した「Secret Fallout: Low-level Radiation from Hiroshima to Three Mile Island」 (邦題:赤ん坊を襲う放射能)は、低レベル放射線研究の代表的な本となった。1983年よりピッツバーグ医大、放射線医学名誉教授を務める。過去にスタン フォード大学、インディアナ大学、フランスのアンリ・ポアンカレ大学、ジョージ・ワシントン大学、コーネル大学で放射線医学と物理学の教壇に立つ。 1995年より、Radiation and Public Health Project (放射能と公共健康プロジェクト)局長。
(photo by Leuren Moret, Februray 2006, Japan)

・ 「再稼働の話をすると福島事故の検証が後回しになってしまう」泉田裕彦・新潟県知事が会見

2014-10-24 02:02:25 | 原発事故
日本の中で数少ないまともな政治家である新潟県の泉田知事が、原発の新しい基準について問題を指摘してます。県知事として新潟県民の安全と生活を守るべく、原発についてどこが問題かをきちんと考え、知事としての意見を明確にしています。このような政治家が大勢いると、日本も良くなるでしょうけれど・・・・・・・BLOGOSの記事を転載します。


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「原発立地県の首長」として積極的な言動が目立つ新潟県の泉田裕彦知事が10月15日、東京・有楽町の外国特派員協会で記者会見をおこない、原発の新しい規制基準について、住民の安全を十分に確保できるものになっていないと指摘した。また、新潟県内に立地する柏崎刈羽原発については「再稼働の議論をする段階にない」との認識を示した。(取材・高橋洸佑)
泉田知事


日本の規制基準は「世界最高水準ではない
会見で泉田知事は、原子力規制委員会が策定した新しい規制基準について「福島事故の検証・総括がなされていない中で作られていることに懸念がある」と述べた。

具体的な問題点として、欧米では設けられているメルトダウンへの対策が日本では求められていないことや、事故が起きた際に高線量下で誰がどのように作業するのかという運用面でのルールが十分でないことなどを指摘した。

また、事故が起きた際の安定ヨウ素剤の配布について、原子力規制委員会が5キロから30キロ圏内の住民を対象にしていることに言及。「柏崎刈羽の場合は44万人の人がいる。すべてを配ることは難しい」と指摘し、「指針が不可能を求めている」と話した。

そのうえで、原子力規制委員会の田中俊一委員長が「世界で最も厳しいレベル」だと胸を張る日本の規制基準について、「IAEAの深層防護の基準の第5層がそっくり抜けていたりする。世界最高水準の規制ではないと考えている」と断じた。


問題に口をつぐむのは「歴史に対する冒涜
また、原発再稼働の是非に関して記者から問われると、「新潟県知事という立場上、日本全体として、どうするのかということを答える立場にはない」と回答。そのうえで、新潟県にある柏崎刈羽原発の再稼働に関して、次のように答えた。

「再稼働の話をすると福島事故の検証が後回しになってしまうことを懸念している。東京電力はメルトダウンを2か月以上隠し通した。メルトダウンという大変重要な情報を隠す組織が原子力安全上、原発を運転する資格があるのかどうか。この議論が先にあるべきだ」

このように「再稼働の議論をする段階にない」という認識を示した泉田知事は、他の原発立地自治体の首長に比べ、積極的な発言が目立つ。

この点について記者から質問が飛ぶと、「私自身、地震に伴う原発火災を経験している。それから3.11の原発事故の模様を日本政府・福島県と並んで東京電力からヒアリングをしながら、事故を同時進行的に経験した。そういうことから何が起こるかをイメージすることができる」と述べ、2007年に起きた新潟県中越沖地震のときの経験が背景にあることを明かした。

2007年の中越沖地震が起きた際、柏崎刈羽原発はホットラインのある部屋のドアが地震で歪んでしまい、県庁と柏崎刈羽原発が直接連絡することができなくなったという。この教訓から新潟県は「免震重要棟」の建設を提言。福島第一原発の免震重要棟が完成したのは東日本大震災のわずか8か月前だった。泉田知事はその経験を踏まえて次のように話した。

「もしあのとき、新潟県が求めなければ、福島に免震重要棟はなかったし、いま東京に人が住めていたかどうかも疑わしい」「私自身は、2007年の中越地震のときに問題だったところを直したことが、結果として、日本のためになったと確信している。問題があるところに口をつぐむのは歴史に対する冒涜ではないか」

・ 『原発事故被害地おける、医師らによる「被曝調査活動」の本質』

2014-10-18 01:04:57 | 原発事故
ネット上に、福島原発事故に対する医療関係者の言動について、木村知医学博士の見解が載っていました。政府及びその利害関係のある人たちは、住民の健康や将来について無視しても、自分たちの都合に合わせて活動しているようです。以下に転載します。

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2013年10月13日 | 日本とわたし


この記事は、今年のはじめ、1月30日に発表されたものです。 当時この記事を読んで、あまりのことに、ここに載せることもできずにいました。

書かはったのは、木村知さんとおっしゃる医学博士。
まず、木村氏についての紹介を、ここに載せさせてもらいます。

木村 知(きむら とも)
有限会社『T&Jメディカル・ソリューションズ』代表取締役
AFP(日本FP協会認定) 医学博士
1968年・カナダ国オタワ生まれ。
大学病院で、一般消化器外科医として診療しつつ、クリニカルパスなど、医療現場でのクオリティマネージメントにつき研究中、2004年、大学側の意向を受け退職。
以後、「総合臨床医」として「年中無休クリニック」を中心に、地域医療に携わるかたわら、看護師向け書籍の監修など、執筆活動を行う。
AFP認定者として、医療現場でのミクロな視点から、医療経済についても研究中。 著書に、「医者とラーメン屋-『本当に満足できる病院』の新常識」(文芸社)。

↓以下、転載はじめ

原発事故被害地おける、医師らによる「被曝調査活動」の本質
【T&Jメディカル・ソリューションズ】1/30/2013

福島第一原発事故により、放射能汚染された地域では、福島県立医大、弘前大、長崎大、東大などの医師らが、住民の被曝調査活動を行っている。医師らによる、住民に対するこうした調査活動は、一見「人道的活動」にも見えるが、その本質を十分に見極めないと、後々、大きな禍根を遺すことにもなりかねない。特に、東大医科学研究所が主体となって、浜通りで展開されている「活動」については、不審な点が多く、今後、十分監視していかねばならない、と考えている。

一昨年10月、南相馬市において、住民の被曝による危険を、いち早く注意喚起し、南相馬市長をはじめ、他の南相馬市議が、積極的注意喚起行動をとらないなか、孤軍奮闘されてきた、大山こういち市議と連絡をとるようになってから、私は一層、東大による被曝調査活動に対し、疑念を抱くこととなり、彼らの活動、言動についての矛盾点を、ことあるごとに、Twitterで発信してきた。

それらを総括して、今までの彼らの「活動」を一言で言うならば、それは、住民を使って「低線量被曝研究」を行い、それにより住民に「安心」を与える、つまり、政府の「福島県民を避難させない政策」に、「科学的根拠(?)」を与える使命をも兼ねたもの、「医療活動」というよりも、むしろ「政治的活動」というのが、その「本質」である、と結論できる。

そもそも浜通り地域で、「実働部隊」として、この活動を行っている坪倉正治医師は、先輩の上昌広東大医科研特任教授に、南相馬行きを命じられた、医師になって未だ十年にも満たない「大学院生」であり、放射線医学の専門家でもなければ、ましてや、被曝医療の専門家でもない

そして、この上昌広教授という人物は、数多くのメディアに度々登場する、有名な医師で、『MRIC』という医療系メルマガの編集長もしており、私も過去、十数本の医療関係の記事を、このメルマガに投稿してきた。http://medg.jp/mt/

彼は、新聞記者、メディア関係者に顔が広く、作家の村上龍氏の『JMM』というメルマガと、このMRICも連動しており、過去も、医療現場のさまざまな問題を、これらメディアを駆使して、広めてきた方である。

今回、こんな名も無い「単なる大学院生」が、新聞を始めとした数多くのメディアに登場し、ややもすると、「内部被曝の専門家」のように扱われてきたのは、この上教授の得意技である、「メディア戦略」に他ならない。坪倉医師は、言わば、上教授によって、メディアを通じ「作られた専門家」、単なる、彼の「パペット(あやつり人形)」に過ぎないと言える。

また、上教授は、政治家とも親交が多く、民主党の仙谷由人前衆議院議員、鈴木寛元文部科学副大臣らとは、親密であることは、多くのひとが知るところである。 今回、彼が、南相馬を中心とした浜通りに入り込んだのは、その仙谷由人氏から、「相馬市の立谷市長を助けてやってくれ」との依頼を、直接、発災4日目に受けたことが発端である。(仙谷由人氏は原発推進派として有名)

相馬市の立谷市長は、相馬市で病院を経営する医師。
彼は、その自分の地位と利権を、失いたくなかったのであろう、事故直後から、「米と味噌があれば生きて行ける」などと、住民とともに「籠城」を決め込んだ市長として、有名な人物。すぐに、立谷氏と上教授は、懇意となった。

(これは私の推測だが、当時の政府執行部は、福島市、郡山市の汚染が、甚大であることを把握していた。しかし、彼らを避難させると、「経済的損失」は甚大。そんななか、福島市、郡山市よりも線量の低い浜通りから、多くの避難者が出てしまったら、中通りからも、多くの住民が流出してしまう。だから、浜通りを死守せよ、という指令だったのではないか、と思っている)

南相馬では、彼は、原町中央産婦人科医院の高橋亨平氏という、末期ガンに冒された産婦人科医と共同、除染研究所などを設立して、住民らの手で、除染させる活動を始める。そして、この高橋医師が、私財を投じて、精度の高いキャンベラ社のホールボディカウンターを導入、南相馬市立病院で、内部被曝調査を開始。
このころから、坪倉医師の名前が出始め、おそらく、早野龍五教授も、このころから関わってきたようである。(早野教授は、震災直後から、精力的にツイッターを駆使して、「安全論」を拡散してきた人物として有名。 当時の投稿はツイログでは読めるが、TLからはすでに削除している)
この高橋医師は、「子どもはセシウムに強い」などと、汚染地域での出産育児を、奨励している人物
逃げ出す医師が多いなか、留まって、診療活動を行い続けたことに対して、称賛する声は多いが、妊婦や子どもを避難させようという行動、言動は一切なく、いかに、子どもたちが安心して暮らせるようにするか、つまり、子どもたちが逃げ出さないよう、いかに汚染地域で暮らし続け復興させるか、を最優先に考えていた人物として、その活動については、強い違和感を覚えずにはいられない。(過日、高橋亨平氏はご逝去された)
http://www6.ocn.ne.jp/~syunran/

話は前後するが、2011年4月、ある勉強会の後に、上教授と飲んだ際、彼が私に、酔っ払って言っていた言葉には、驚いた。
「福島市も郡山市も、とてもじゃないが避難させられん。将来奴ら(福島県民のこと)は、集団訴訟とかするんやろなあ

福島県民のことを、「奴ら」と言った彼の口元を、思わず見返した記憶が、今も鮮明に残っている。また、昨年4月ころ、医療ジャーナリストの伊藤隼也氏から、直接聞いた話だが、上教授は伊藤氏に、「南相馬はアブナイですよ」と、ハッキリ仰っている。つまり上教授は、そもそも、浜通りの住民の、健康被害が発生することを予測しながら、住民避難を訴えずに活動している、ということである。
伊藤氏は、「彼は確信犯だよ」とも言っていたが、私自身のなかで、東大の「活動」に対する疑念が、「確信」に変わった瞬間であったと同時に、かつては、むしろ懇意にしていた人物が、このような言動を、住民の知らないところで、平然と言い放っているという事実に接して、さすがの私も、愕然とした。

また、上教授の側近医師にも、彼の主導する活動について、疑問を述べている医師もいる。
その医師の立場もあるので、名前は現時点では明かせないが、以前お会いした折に、
「上教授は、浜通りの汚染地域に、多くの若い医師や医療関係者を送り込んで、『来たれ若者』のように各所で言っているが、どう思うか」と問うたところ、「自分も、非常に危惧している。特に、妊娠可能な若い女性医療関係者に、汚染地域へ行かせることには強く反対なのだが、とてもじゃないが、彼に言える雰囲気ではない」と、苦渋の表情をしていた。
内部でも、このような声が上がっているという事実に、さらに驚くと同時に、問題の深刻さを、改めて感じる。


一方、東大のHPには、「原発災害で大きな影響を受けた、福島県浜通り地方において、住民の健康不安を解消する目的、および、低線量被ばくを含む原発災害が、人体へ及ぼす影響について調査するため、 一般健診、および、健康相談会を行う。 福島県浜通り地区の市民の方を対象に、住民の健康不安を解消する目的で、放射線が、人体に及ぼす影響などについて、説明をする」とある。
こちらもぜひ、ご覧いただきたい。

彼らの「活動」は、あくまで、「不安を解消し安心をもたらす」ものであって、
決して、住民に、「危険を解消し安全をもたらす」ものではないことが、ここでもハッキリと理解できよう。
http://www.u-tokyo.ac.jp/public/recovery/project_list.html


また、彼と昔から懇意の、鈴木寛元文科副大臣は、子どもの年間20mSv問題での、「戦犯」の一人であることは、皆さんご承知の通りと思う。 知人の参議院議員からの話だが、ある民主党内の会議の場で、その知人が、鈴木寛氏に、20mSvについて異論を唱えたところ、別人のような剣幕で激昂して、恫喝されたとのことだ。当時の民主党内でも、「子どもを避難させるべき」との声は、必ずしも少なくなかった、と聞いているが、そのような良識派の声を、恫喝により握り潰し、今も、福島県の子どもたちに被曝を強いるという、非人道的行為を推し進めた鈴木寛元文科副大臣の責任は、 今後、厳しく追及されるべきものである

そんな鈴木寛氏や、原発推進派の仙谷由人氏と懇意の上教授が、子どもたちに関する、避難や原発の是非を、一切述べないのは、ある意味、納得出来ることと言えよう。

これらの人脈を見ても、彼らの言う、「住民目線に立った活動」というのは、住民を守るものなどでは決してなく、
それを装い、「調査研究」し
、その結果をもって住民を「安心」させ、住民を、汚染地域に縛り付けているという、誠に非人道的なものであることは、明白である。

さらに彼らは、福島県や福島県立医大を、徹底的に、メディアを使って攻撃することで、「自分らこそが、住民を守る、真の医療活動をしている」と、ことあるごとにアピールしている。
確かに、発災直後からの、彼らの医療活動については、賞賛されるべきものもあるが、医療活動をしながらも、本来、医師として一番行わねばならない、住民を避難させ、住民に被曝回避させるといった行動、活動、言動を、「除染」のほかには一切行ってこなかったことは、医師として、到底許されるべきものではない。

最近の坪倉医師、上教授らの、決まり文句は、「地元住民の家庭菜園、未検査食材の摂食が、高い内部被曝の原因であり、継続的な検査が必要。汚染食材を食べなければ、内部被曝は減少している。現在の内部被曝レベルでは、健康被曝は起きると考えられないが、油断は禁物」だ。
いかがであろうか、これぞいわゆる、「東大話法」ではないか。「安心」させつつ、ちょっと注意喚起という、なかなか巧妙な「東大話法」だ。

以前、山下俊一氏の100mSv発言のことを、「やり方がヘタだ」と、亀田総合病院副院長の小松秀樹氏が、指摘していた。小松秀樹氏は、「立ち去り型サボタージュ」の著作で有名な、医師の「論客」だが、彼はさんざん、前述の医療系メルマガ『MRIC』で、「放射能トラウマ」という言葉をつかい、被曝よりも「心配」のほうが、デメリットである、と主張した。つまり、彼らの主張は「食べ物にさえ注意すれば、汚染地域でも住み続けることは可能、心配しすぎずに復興しましょう」ということなのである。

因みに、これも、私が何度も指摘してきたことだが、上教授は、南相馬市の、復興有識者会議の委員も務めている。
http://www.city.minamisoma.lg.jp/kikaku/fukkousimin.jsp

この地域を、「新たな放射線医学の研究フィールドに」、などという、恐ろしい計画まで立案されているが、以前、上教授も、ネットメディアで、「浜通りの被曝データは、世界が喉から手が出るほど貴重なものとなる。これらを蓄積して、世界に発信する。この地域を、廃墟にするも聖地にするも、やり方次第」などとも論じていたことからも、 彼らの活動が、決して、住民の健康を被曝から守る活動でないことは、明白である。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/9497

そもそも、汚染地域の汚染もそのままに、復興推進に協力する立場の人間が、住民に、居住が危険であるとの根拠になるデータなどを、示すことなど考えられない。彼らの「活動」の本質を、一刻も早く、多くの県民、国民に気づいて欲しいと、切に願うばかりである。

坪倉医師らは、さかんに、「内部被曝は思ったほどではない、健康影響が出るとは考えにくい」と、さも、内部被曝による健康影響に、「閾値」があるかのごとく喧伝しているが、それに対する「科学的根拠」は、一切示すことは出来ていない。さて、以下の問いに対して、彼らは果たして、正確に、そして誠実に、回答できるであろうか。

・南相馬市は、内部被曝より外部被曝のほうが問題となると、以前、早野教授も仰っていたが、坪倉医師らの見解は?

・汚染食材の摂取さえ気をつければいいと、メディアで発信しているが、それは、ホールボディカウンターの結果が、汚染食材摂取の前後で低下傾向にある、ということのみから導き出したものか。

・食品汚染や内部被曝のリスクは、セシウムだけにあらず、ということについての見解は?

・空間線量に反映されない、南相馬市に散在している、超高度汚染物質についての見解は?

・内部被曝測定を、ホールボディカウンターのみで行う理由は?
 なぜ、バイオアッセイを併用しないのか?
 ホールボディカウンター結果とバイオアッセイの結果を、突合させるつもりはないのか?

・南相馬市で捕獲された、野生猿の各臓器における汚染状況について、知っているか?

・ホールボディカウンターで、正確に測定出来ない子どもらについては、その家族を測定することで推測する…かのような言説があったが、その見解に相違ないか?

・「子どもはセシウムに強い」という医師が、南相馬市の復興に関与しているが、坪倉医師らの見解も同様か?

・上司の上教授は、「本当は南相馬市は危ない」と仰っているようだが、坪倉医師らの見解も同様か?

・浜通りで、子どもを産み育てることについて、坪倉医師らの医師としての見解は?

・よく、「このくらいの値なら、健康影響は考えられないレベル」との表現を使っているが、
 内部被曝に閾値は存在するのか、存在するなら、その数値はいかほどか?

彼らの行っている、ホールボディカウンターによる内部被曝調査の結果が、将来、住民に、何らかの健康被害が生じた場合に、
「内部被曝は少ない」ゆえに、「被曝と健康被害に因果関係なし」という根拠に使われてしまうことが、非常に危惧される

彼らの活動、言動に疑問を感ずる医師、市民らが、これら事実を多くの方々と共有し、
彼らの活動について、多くの問題提起をし、多くの意見を発信していくことが、今後、早急に必要と感じている。


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・ 原発賠償:「一律5割」内部文書明記 「存在せず」は虚偽

2014-09-19 01:35:46 | 原発事故
原発賠償に関する記事です。毎日新聞に掲載されていたものを転載します。


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原発賠償:「一律5割」内部文書明記 「存在せず」は虚偽
毎日新聞 2014年08月30日 02時30分(最終更新 08月30日 15時26分)

 ◇紛争解決センター、慰謝料算定で

東京電力福島第1原発事故の賠償問題を裁判外で解決する国の手続き(原発ADR)を担当する原子力損害賠償紛争解決センターが、避難後に死亡した人への慰謝料を算定する際、原発事故の影響をほぼ一律に50%としていた問題で、毎日新聞は「一律5割」と明記された内部文書を入手した。文書はセンター内で保管・共有され、実務上も利用されている。センターは「50%ルール」の存在を否定してきたが、虚偽説明だった疑いが強まった

センター側は、和解案で提示する死亡慰謝料額を「基準額」×「原発事故の影響の度合い(%)」で算定する。毎日新聞は7月9日、センターの実務を担う文部科学省の「原子力損害賠償紛争和解仲介室」の野山宏前室長が取材に「『(原発事故の影響の度合いを)大体50%にしましょう』と決めた」と証言した事実や、50%と認定されている事例が多いことを報じた。

その後、野山氏の後任である団藤丈士(じょうじ)室長(裁判官出身)が取材に対し「野山氏が何を話したかは分からないが、ルールは存在しない」と否定。7月14日にあった原発事故の被災者支援を行う複数の弁護団との定期的な会合でも「『内部基準(50%ルール)があるのか』と各方面から言われているが、一貫して否定している」と説明した。

しかし、毎日新聞が入手した2012年12月26日付のA4判4枚の文書には、「一律5割とし、4割か6割かといった細かい認定は行わない」と記載。50%ルールを「実務上確立されつつある運用」と説明している。さらに「5割の判断に無理がある場合、例外的に1割と示すこともできる」と記載され、より低額の和解案提示を可能にする内容になっている。

このほか
(1)基準額を通常訴訟より低く設定できる
(2)(判断の際)医師の意見やカルテを重視すべきでない
−とも記され、これまでの毎日新聞の報道に沿った内容になっている。
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 センターには仲介室職員のほか、被災者、東電の双方から提出される書類を整理する「調査官」、実際に和解案を作成する「仲介委員」(いずれも弁護士)がいる。関係者によると、毎日新聞が入手した文書は仲介室職員が作成し、複数の調査官に配布された。調査官経験者は取材に対し「文書の内容を仲介委員に説明した」「文書に沿わない和解案になりそうであれば、仲介委員に指摘する」と話し、文書が基準として利用されてきた実態を認めた。

センターはいったん「文書はない」と否定。その後「文書があった(見つかった)」と認める一方、「個人のメモの可能性もある」として、基準として使用していることは認めなかった。【高島博之、関谷俊介】


 ◇他にも内部文書があるなら、すべて公開せよ

NPO法人「情報公開クリアリングハウス」の三木由希子理事長の話 業務に利用されているならば「個人のメモ」との主張は成り立たない。事例の蓄積などから判断のベースができているのであれば、それを記載した文書は公表すべきだ。原発ADRでは、東電は情報を蓄積できるが、被災者側には情報がない。他にも内部文書があるならば、センターの中に閉じ込めておかず、すべて公開し、被災者と東電の格差を是正しなければならない。

・ 東電が和解案9件拒否

2014-09-19 01:15:34 | 原発事故
福島原発事故で、東電が賠償をしなければならないことがたくさんありますが、ADRの和解案を拒否している事例があることが毎日新聞に出ていました。本来であれば、事故の発生を予測して、それなりの補償金を積んでおくべきところを、政界や学者・マスコミなどを丸め込むために使い、肝心の被害者にはまともに対応もできていないようです。以下転載します。

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東日本大震災:福島第1原発事故 原発ADR、東電が和解案9件拒否 長期避難で賠償拡大

毎日新聞 2014年09月14日 東京朝刊


 福島第1原発事故で避難を余儀なくされた人たちの損害を巡り、国の原子力損害賠償紛争解決センターによる和解仲介手続き(原発ADR)で示された和解案に、東京電力が拒否を表明した事例が11件に上り、うち9件が現在も協議中であることが、センター関係者への取材で分かった。東電は今年1月に経済産業相に認定された新総合特別事業計画で「和解案を尊重する」と明記したが、拒否は4月以降に続発しており、矛盾した姿勢が問われそうだ。

 東電の拒否回答は▽福島県浪江町民約1万5000人に精神的賠償を月5万円増額し15万円にする▽飯舘村蕨平(わらびだいら)地区の住民への被ばく慰謝料は50万円−−の2件が公表されていたが、他にも9件あることが判明した。

 関係者によると、原発ADRを担当する仲介委員(弁護士)から、東電の拒否事例について同センターに報告があり、今年7月末現在で計11件に上った。そのため、弁護士や大学教授でつくるADR総括委員会が8月、「和解案のみならず、ADR自体を軽視している」などと東電の対応に苦言を呈する所見を示した。その後、東電は2件の和解案を受け入れたが、残り9件については、仲介委員が拒否の撤回を東電に求めて協議が続いている。

 原発ADRは双方が和解案を受け入れると解決に至るが、受諾を義務づける法的拘束力はなく、どちらかが拒否して裁判に委ねることもできる。9月5日現在で、1万2888件の申し立てのうち約9500件で和解が成立。東電が拒否して手続きが打ち切られたケースは東電関係の社員や家族のみで、精神的賠償を転居後すぐに打ち切られたなどとして申し立てた43件という。

 拒否続発の背景には、住民の避難生活が長期化している現状を反映し、国の原子力損害賠償紛争審査会が多くの人に共通する被害を類型化して2011年8月以降に策定した賠償の指針を超える内容の和解案が相次いでいることがある。東電広報部は「国の指針に基づいて賠償を受けている人に対し、和解案が著しく公平性を欠く場合に拒否することもある」としている。【深津誠】

・ 川内原発:田中規制委員長「安全だとは私は言わない」

2014-09-10 18:50:20 | 原発事故
鹿児島の川内原発は、原子力規制委員会が新規性基準に適合していると発表しました。しかし、田中規制委員長は「安全だとは言わない」と言い、基準に適合しているかどうかの判断をしたまでであり、再稼働をさせるかどうかも関与しないと言っています。一方、アベシ政府も「稼働させる政治判断はしない」と逃げています。基準そのものが完全ではなく、それには対応しましたとは無責任極まりないですね。

それでは、誰が再稼働の判断をし責任を取るのかという事ですが、それは電力会社と地方自治体だそうです?
なんとも無責任な連中でしょう。利権には群がるが責任は取らない・・・・・そのしわ寄せは全て国民・・・・こんな政党に政治をやらせておいていいのでしょうかね。

自治体は「電源三法交付金」によって、何の努力なしに税金が回ってきます。建設前10年間と建設後10年間に莫大な交付金が支払われます。例えば出力135キロワットの原発が建設される場合、建設前後20年に893億円が交付されます。これに目がくらんだ、地元の政治屋がたくさんいるようですね。
毎日新聞の記事を転載します。

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毎日新聞 2014年07月16日 20時18分(最終更新 07月16日 21時13分)


原子力規制委員会は16日、九州電力川内(せんだい)原発1、2号機(鹿児島県)について、「新規制基準に適合している」とする審査書案を定例会で了承した。今後、30日間の意見公募などを経て審査書を決定する。川内1、2号機は、東京電力福島第1原発事故の教訓を踏まえ、安全対策を強化した新規制基準をクリアする初の原発となる。地元同意手続きや設備の使用前検査なども必要となるため、再稼働は10月以降になる見通しだ。

ただ、規制委は「基準に適合しているかどうかを審査するだけで、稼働させるかどうかには関与しない」との姿勢を崩さず、政府も「稼働させる政治判断はしない」との立場だ。実質的に再稼働の判断は電力会社と立地自治体に委ねられ、国策でもある原発が、国の責任があいまいなまま稼働する可能性もある。

現在、川内1、2号機を含め、12原発19基が規制委の安全審査を受けている。事実上の「合格」第1号が出たことについて、田中俊一委員長は「基準への適合は審査したが、安全だとは私は言わない。これがゴールではないので、(九電は)努力していく必要がある」と述べた。

審査書案は約420ページ。九電が示した地震や津波の想定、事故対策などを個別に検討した。九電が想定する地震の最大の揺れ「基準地震動」を従来の540ガル(ガルは加速度の単位)から620ガルに、想定する最大の津波の高さ「基準津波」を約4メートルから約6メートルに引き上げたことを、いずれも妥当とした。また、九電が周辺14火山の過去の噴火間隔やマグマだまりの膨張傾向などから「安全性へ影響する可能性は小さい」と判断したことを受け入れた。ただし、規制委は継続的な火山の監視を求めた。

また、福島第1原発で起きた炉心損傷や全電源喪失などの過酷事故への対応は、幅広い事故の想定
▽事故時の作業要員の確保方法
▽機能喪失を防ぐ設備の準備
▽対応手順−−
などを求め、九電が示した対応策をいずれも了承した。航空機が施設に落下した場合やテロ対策についても対応の手順書や体制、設備の整備方針を認めた。

九電は昨年7月に川内1、2号機の安全審査を申請した。当初は基準地震動を原発事故前のままとするなど、安全対策に消極的な姿勢も見られたが、いち早く基準地震動の引き上げに応じたため、3月から優先的に審査が進められた。

・ 「患者調査」に福島を外し

2014-09-08 16:51:59 | 原発事故
福島原発事故の翌年(2012年)に厚生省が3年位に一度調査する「患者調査」に福島を外したというものがありました。東京新聞の朝刊に報道されたものです。官僚も政府も、いかに責任逃れをするかを企てていたようです。
以下、転載します。

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全国の病院や診療所で三年に一度行われる「患者調査」に、福島第一原発事故や大震災が影を落としている。調査は昨年秋に行われ、結果は早ければ今年十二月 にも公表されるが、福島県の全域が除外されていた。この“福島外し”に十分な説明はなく、県民らからは「被ばく隠しでは」との疑念の声も聞かれる。調査は 一体どのような理由で見送られたのか。(小坂井文彦、小倉貞俊)

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患者調査を福島が全くやらないのはおかしいと思っている県民は少なからずいる」と疑問を口にするのは、福島市の「市民放射能測定所」理事の岩田渉さん(38)だ。同測定所は昨年六月、子どもたちの健康と生命を守ることを最優先する市民らが開設。市民から悩みや相談を受けたり、放射線問題の情報を提供したり、食品の放射線測定などを続けている。

患者調査は医療施設を利用する患者が対象だ。厚生労働省によると、調査の結果は主に、専門医療の拠点整備や、入院用のベッド数を増やすなど、都道府県が地域医療計画を立てる際の基礎的な資料として使われる。調査が始まったのは一九五三年。厚労省が都道府県別に、地域や診療内容に偏りがないように配慮して約六千五百の病院、約七千の診療所を選定。都道府県が調査票を配って回収し、厚労省が最終的に約三百二十万件の調査票をまとめ、結果を公表する。費用は全額国の負担だ。

当初は毎年、全国の病院のニ~三割を調査していたが、八四年から患者の実態をより正確に把握するために約七割に拡大。と同時に事務量が増えるため、調査回数を二年に一度に減らした。最新の調査は昨年九~十月に行われたが、福島県の全域を調査地域から外すことは、厚労省が昨年六月中旬に決めた。同月末、都道府県の担当者を厚労省に集め た会議が開かれる直前のことだった。一方、東日本大震災で津披により大きな被害を出した岩手県は従来通りに、宮城県では石巻と気仙沼両市を除いて調査をす ることになった。

岩田さんは「福島県は原発事故の影響があり得るだけに、現在の患者の状況を把握しておくことが重要で、何もしないのはいかがなものか。調査が、地域医療計画を立てるための色合いが濃いのは分かるが、ある種の疫学的調査にもなり得るのに」と憤る。患者調査で分類している傷病は三百六十七種類に及ぶ。がんや脳卒中、心臓病、糖尿病の四大疾病をはじめ、放射線の影響が心配される白血病や甲状腺障害も含まれていることからの指摘だ。

傷病分類には、「周産期に特異的な感染症」の項目もある。岩田さんは今後、生まれてくる子どもたちのことも気掛かりで、「ドイツなどの研究で、チェルノブ イリ事故で放射性雲が到達したであろう時期に受胎した子どものダウン症が増えたと報告されている。人口動態調査と合わせて注意していかなければ」と調査の 重要性を説く。

また、「被ばく隠し」も疑いたくなるという。

「チェルノブイリの健康被害で小児甲状腺がん以外は疫学上ないとか、感染症 や免疫低下による体調不良や疾病もない『被害隠し』が行われたが、日本も同じようなシナリオで進んでいると疑われかねない。本当に怖いのは、きちんとした 議論もされずに物事が決まっていくことです」


【デスクメモ】

「県内で白血病が増えても分からない」。福島除外間題を不安視するこんな声がプログで広がり、今も続く。紙面にある厚労省の審議会資料の在りかもネット発だった。新聞よりも ネット情報が早いときがあり自戒する。負担は大きくても健康が最優先だ。傷病の調査を定期的に行ってはどうか。(呂)

2012年1月7日 東京新聞 朝刊 こちら特報部

・ 安倍官邸が激怒! 福島原発「吉田調書」流出で“犯人捜し”

2014-09-08 16:42:58 | 原発事故
吉田調書のスクープ報道について、官邸が怒っていると報道されています。少しでも隠すことは隠し続けるアベシは、日本の将来のために何かをしようとする姿勢は何も感じられませんね。あくまで、国民を犠牲にしてでも、自分たちの都合のいい事だけを推し進めるようです。以下に転載します。

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「政府事故調の『吉田調書』入手」「高濃度の放射性物質放出」「大量被曝の恐れ」――。朝日新聞の連日の“スクープ報道”に安倍官邸が激怒しているという。

朝日は、福島第1原発の所長だった故・吉田昌郎氏が、政府の事故調査・検証委員会に語った「調査報告書」(吉田調書)を入手。事故直後に所員の9割にあたる約650人が吉田所長の待機命令を無視して“逃亡”したことや、住民が大量被曝(ひばく)するベントの準備を密かに進めていた事実を報道。あらためて東電の隠蔽体質を浮き彫りにした。

この報道に安倍官邸がカンカンなのだ。
「官邸ではいま、『一体誰が朝日の記者に吉田調書を流したのか』と“犯人捜し”が始まっています。菅官房長官は『(調書は絶対に)公開しない』と憤然としている。とくに安倍周辺は、原発は過酷事故が起きれば、電力会社さえもコントロール不能に陥る――という解説部分が気に入らないらしい。原発再稼働に突き進む安倍政権にとって、少しでも反原発につながる動きは許せないのでしょう」(官邸事情通)


原発はとても人間の手に負えるシロモノじゃない。「吉田調書」の生々しい証言はそれを物語っている。未曽有の大惨事にならなかったのは、たまたま「偶然」が重なっただけだ。だからこそ、福井地裁は21日、関電大飯原発3、4号機の運転差し止め判決を出したのだが、それでも菅官房長官は「(再稼働の方針は)変わらない」と突っぱねている。


■「機密保護法」施行後なら逮捕

それにしても、つくづく思うのは、もし「特定秘密保護法」が施行されていれば、「吉田調書」は確実に“闇”に葬られていたということだ。 「菅官房長官は会見で『(吉田調書は)政府として情報公開制度に対する扱いは不開示としている』と明確に答えている。つまり、『特定秘密に当たる』ということです。年内がメドとされる秘密保護法が施行されていたら、吉田調書を入手した朝日の記者も、渡した役人も逮捕される事態になっていたでしょう」(司法ジャーナリスト)

元外務省国際情報局長の孫崎享氏はこう言う。
「『吉田調書』であらためて分かったのは、福島原発事故の全容がきちんと検証されていないことです。驚くのは原子力規制委員会の田中俊一委員長も調書を『読んでいない』と答えていること。秘密保護法が施行されれば、国民にとって必要な情報はますます隠されることになる。大変、危惧します」

集団的自衛権を行使できないと国民の生命を守れない、と口にしている安倍首相は、国民が原発の被害に苦しんでも構わないと思っているのか。

・ 内部被ばくで脳の障害

2014-08-31 18:41:43 | 原発事故
北川高嗣さんのフェイスブックに内部被ばくについて投稿がありました。低線量慢性の内部被ばくで脳に障害が発生し、知能低下・性格崩壊・意欲減退などの症状が出るという事です。人間にとってさまざまな悪影響が発生することが分かっていながら、原発を推進する政府や企業を応援する輩を排除しなければ・・・・・後半にあるNHKスペシャルは、その恐ろしさがよく分かります。以下転載します。


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脳の障害、知能障害:【今まで紹介済のもののまとめ】

脳の障害は、心筋の障害とともに、最も一般的な、低線量慢性内部被曝障害であることが知られている。

Classics: おそらく最もよく知られた記述:

チェルノブイリ事故の被曝者を診察してきた医師の記述
(下記でTSHは、甲状腺刺激ホルモン (thyroid stimulating hormone); )


放射線障害を、癌と白血病だけだと思っている方が多すぎます。被曝で、あらゆる障害が起きますが、最も多いのは、知能障害で、程度の差だけです。

発癌も被曝障害の最大の障害ではありません。最大の障害は、成人なら、知能低下と性格崩壊、意欲の減退です。被曝は、細胞死とDNAの変異をもたらします。これは、被曝量と直線関係があります。中枢神経系は、再生しません。当然、脳の機能は低下します。脳は思考だけでなく、下垂体のようにホルモンも作り出します。甲状腺癌も滅多になりませんが、被曝で甲状腺機能が低下します。そして、TSHの出も悪くなれば、ぶらぶら病です。いずれ治る人もいますが、完全には治りません。知能も低下します。
成長期の子供なら、この影響はもっと顕著に出ます。

死ななければ、癌にならなければ、普通でいられると考えるようにさせている国やお抱え医師の発言は、許せません。

皆さん、被曝は、抽選に当たるようなものだとお考えだと思いますが、現実は、徐々に知能と体力が失われていくのです。言われたことだけする人間になります。

 被曝障害は、統計に取れるものだけが論文になっているので、論文、論文と、騒ぐのです。

医療では、軽度の知能低下を、障害とは認めても医療加護が不要なら、統計にはなりません。甲状腺機能障害での知能低下は、脳では良く起こる事ですが、知能低下に気付かない人の方が多いので、統計を取る意味がないのです。だからといって、それが無いわけではないのです。放射線障害としてはっきり原因を特定でき、どのような医師でも判断を間違えない甲状腺癌だから、統計があるのです。死ぬ生きる、在る無い、など、統計を取れる判断基準が無い疾病は、統計を取れません。ちょっと関節が変形した、というのをどうやって統計を取るのでしょうか?関節変形も被曝障害の一つです。

ホルモンの分泌が被曝で低下すれば、性徴が少なくなり、身長体重ともに、過去の統計より小さくなります。そこまで待ってから、治療しようとしても、元には戻せません。同時に知能も低下しますし、シナプスのランダムな成長抑制がありますから、性格は異常になります。見た目が若く見えるだけで、正常ですか? 自覚がなくても、確実に、被曝の影響はでています。恐ろしいことですが、脳の異常は、その脳が気付けないのです。
非常に高い線量の服を着ているかたも大勢いますから、通勤などの移動でも危険です。
 
この環境で生きるというのは、命がけのギャンブルで、確実に何か起きると考えられます。今は、何でもないかもしれませんが。いずれ、中枢神経の機能が落ちるのは、100%確実です。遅いか早いかだけです。

一般に知られていない脳の症状について書いておきます。これが一過性なのか長期にわたって続くのかは、はっきりしていません。

 危機感の大きな減退。
 時刻感覚の減退。
 食欲の増大。
 ステップワイズな複雑な思考の回避。
 味覚の変化。
 感情の鈍化。
 開放感(遊び)への欲求の増加。
 転びやすい。
 計画性の減少。
 複雑な文の回避。
 単純ミスの増加。
 短期記憶力の減退。
 長期記憶の取り出しの失敗。
 甘えと自己主張の増加。
 他人の感覚への共感の減退。
 状況把握の鈍化。
 滑舌がわるくなる。

以上は、甲状腺の軽度機能障害で起こることとは違います。こちらは、倦怠と意欲の減少ですが、自覚症状は、かなり経ってから起きます。上述の重金属中毒に類似の症状にも、倦怠はあります。ですから、金属中毒に似た症状での倦怠と甲状腺機能低下での倦怠は、他の症状で判別できます。

ドイツの医師が、脳障害に警告しています。ベラルーシの人々が集中できないのは、「放射能恐怖」ではなく、脳障害だと言明しています。この軽度の障害は、数%に起こるのではなく、ある程度体内に蓄積もしくは、外部からの被曝で、起き、ベラルーシでは、キエフより低いところでも、ほとんどに見られます。東京圏は、キエフ以上の数値が出ていますし、食品基準も甘いので、既に過半数に達したと考えられます。初期の大放出後、放射性物質の摂取をしなかった方には、一部、一過性の機能低下が見られました。既に、西日本でも該当する症状があると考えられるようになってきました。既に、注意した方々としなかった方々に差が出てきたわけです。

Xeは、気管を通り、甲状腺を被曝させ、5%程度が血液に溶けるはずですから、脳底の血管と大脳表面の太い静脈に沿って、脳の機能を低下させました。Xeは直ぐに排出されますが、体内に取り込まれた放射性物質とXeで、その部分の脳の機能低下が持続し、時刻感覚の喪失や食欲の増進、不安感の欠如、短期記憶の長期化の阻害、などの症状が起きたと考えられます。X-rayによる癌の照射で、脳の機能が一時的に低下することが知られています。実際には、核種が体内にあるので、軽度では二、三日の頭痛程度で、量が多ければ、今でも続いていると考えられます。

脳への障害は、第一歩は、脳内で血管の多い体積あたりの血液量が多い部分が、血液からのβ線で機能低下が起きてきます。神経線維の近傍で電離作用が起きれば、神経が偽信号を発生しますので、機能が低下するのです。Csは、神経にも取り込まれやすいですし。この最初の症状は、基本人格の増強です。尊大な人はより尊大になり、神経質な人は余計に神経質になります。一方では、不安が減り、食欲が増進し、他人の感情への共感が減り、時刻感が失われてきます。合理的思考ができなくなります(もともと意識してそうしなければ大して合理的に推理などしてませんが)。それから記憶の長期化の阻害、一時健忘、速度感の喪失、一時的にボーとする。粗暴化。性欲亢進。重要度による物の重み付けの欠如。頑固。ルーチンへのこだわり。高齢者では、認知症の悪化。足が攣りやすい。刺激時に体が硬くなって、骨折捻挫をしやすくなる。初期は、興奮しやすくなり、後に刺激に鈍感になる。精神疾患の増加。遊びたがる。などがおきます。

チェルノブイリの場合、吸飲により、激しい頭痛、眩暈、間接痛、難聴、結膜、網膜異常、痙攣などが、一気に起き、皮膚の症状云々と言ってられなかったようです。こういった症状が激しかった人は、直ぐに楽天的になったようです。これは、脳の症状です。初期症状がなく、内部被曝だけだった人の場合、食べて2ヶ月ほどたってから脳症状が現れているように思います。ところが福島第一では、もっとはるかに早いのです。明らかに核種が違います。これほど早く血管内膜炎様症状を起こしていません。

飲食物の基準値が甘いためで、さらにチェルノブイリの時よりβ線、α線核種の比率が高いので、今後の健康被害は、はるかに大きいと予測できます。同時に中枢への影響が大きいので、危機感が減少し、櫛歯状に人が減っても気にしない、という状態(現在のキエフ)のようになると考えられます。酒が強くなったと感じたら、中枢障害です。今後、食物での防衛をしなければ、皮質全体と、脳幹の抑制が進みますので、突然死が増えると思います。高度汚染エリアでは、甲状腺機能低下が始まっており(含む東京)、脳の抑制で、強い欝からブラブラ病への移行期も起き始めています。

(紹介サイトはよく知られたところだけで100以上あります。)

その他のよく知られた事例:


知能低下と脳の萎縮:おそらく最もよく知られたインタビュー。
(2011.3.24)「チェルノブイリ・百万人の犠牲者」という番組でジャネット・シェルマン博士『最近の研究によるとチェルノブイリ事故当時に生まれたスカンジナビアの子供は、高校を卒業する割合が低いようです。知的能力に影響が出たのではないかと思います。』
http://www.universalsubtitles.org/ja/videos/zzyKyq4iiV3r/



(2011.3.19)中部大学の武田邦彦教授『妊娠しているときに1マイクロの放射線を浴びた子供は、頭の発達が少し遅れ、特に数学の力が落ちたというふうにスウェーデンでは報告されている』
(緩やかな知能の低下などは検査しづらいため、仮にスウェーデンと同様の報告がなされたとしても、かなりの年月が必要となる可能性が高い)
http://takedanet.com/2011/03/15_0205.html
https://twitter.com/#!/kobayashiasao/status/49116362932617216



(2011.4.18)週刊現代『チェルノブイリ事故から25年にわたって鳥の調査をした結果、脳が10%も小さくなっていたという報告もある。』
(放射能汚染によって、動物の脳の萎縮が引き起こされている可能性がある。)
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/2458?page=6



(6.27)basilsauce『チェルノの元事故処理員の方々の脳神経細胞が徐々に壊死、精神障害や倦怠感などの症状が。発語障害の40代の元事故処理員がうまく話せず泣く姿。ラット実験でも脳神経細胞損傷が実証。』
http://goo.gl/CP5Ld
http://youtu.be/2UjsjWNRxAY


その他、脳障害に関するReference:

・必読!低線量被曝による「脳障害」「不妊」「糖尿病」などを警告するドイツ女医のインタビュー
http://blog.goo.ne.jp/nagaikenji20070927/e/2f7dbec88afae5b028b4215c0e4f278f

・放射性物質を人体に取り込むことは、人間の脳神経に大きな影響を与えかねない。この参考資料は決定版です。
(ニューヨーク科学アケデミー刊行のレポート)
http://blog.goo.ne.jp/nagaikenji20070927/e/f7f8320d06950ecf2ba66e0779af01b8

・NHKスペシャル
「終わりなき人体汚染 ~チェルノブイリ原発事故から10年~」

・原発作業員が脳障害や白血病で家庭崩壊
http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65740743.html

・原発作業員の脳が委縮、CTスキャンで判明
http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65740745.html

・被ばく作業員に知的障害、MRI検査で前頭葉に空洞
http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65741268.html

脳の委縮

【写真】引用最多の画像:一目瞭然の最終証拠:「脳の萎縮」
「NHKスペシャル|終わりなき人体汚染~チェルノブイリ原発事故から10年~」から