おとぎのお家と青い鳥

本ブログでは、主に人間が本来持つべき愛や優しさ、温もり、友情、勇気などをエンターテイメントの世界を通じて訴えていきます。

青春うたものがたりシリーズ2「幸せという名の不幸 」 11

2008-06-19 20:13:20 | 人・愛・夢・運命・教育・家族・社会・希望

音譜今回再スタートした、~青春うたものがたり2~「幸せという名の不幸」は、各話ともにすべてを再編集して、すべて前あらすじ書きを省き作品の内容をより鮮明にして読みやすくした上に、あらすじの内容そのものも新たなに加筆し重圧感のあるものにしました。つきましては、これまで以上に人としての涙や感動に出会えると思いますので、ぜひご覧になってください。

音譜本作品から、現在OCNCafeで開店中の当Cafe「Fairy Land」を訪れたみなさんの中で、毎回もっとも印象深いHNや面白くて楽しかった足跡メッセージを選ばせて貰い、訪問者のみなさんとの親睦の交流の輪をよりもっと楽しくて大きなものにしていくために、当ブログと当Cafeを連動させたひとつのエンターテイメントプレイとしまして、本作品のストリーの中に加えて掲載しご紹介させていただいています。そのHNや足跡メッセージの内容が掲載されています部分は、すぐにその当事者本人が閲覧できるように、赤い文字で記述しています。

当Cafe「Fairy Land」
http://page.cafe.ocn.ne.jp/profile/kotobuki


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第11話/哀しみの結婚招待状
~もう私は死ぬことしかない・・・ / 自殺~

<こんな寂しい夜だから>

Happy life そう今日も何もなく 無事に過ごせることが

一番の幸せと 小さい頃から母が教えてくれた

そんな母も 今では思い出の中でしか話せない 星の空に旅立った

Lonely destiny 独りぼっちで 時間(とき)の流れの中に取り残されて

女一人で生きていく運命(さだめ)なんて 惨めすぎるから

恋人を気取って自分に自分で メールを書くなんて馬鹿げた話しよね

もしもあの時にあなたと もっと話し合える時間があったとしたら

「本当に幸せに 巡り会えていたでしょうか・・・」

過去の悲しみに引きずられ ah幸せという名の不幸の中で

Smiling face at the heart  Unhappiness with a name as happiness

ああ心の笑顔を失くして生きるより いっそこの命神に捧げても一度生まれ変わってやり直したい

ああ涙に埋もれてこのまま生きるより 今すぐに母のもとへと旅立って〔子供の時代(とき)のように〕その腕の中に抱かれて眠りたい


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ありさは、白川郷の“せせらぎの宿”の旅行から帰ると、また普段と変わらない病院に行って母洋子の世話をすることと、スーパーのレジ打ちの仕事の生活に戻っていた。

ただ、“せせらぎの宿”の女将の花山小春との出会いが、ありさの失恋で傷ついた心を癒してくれて、ポジティブに物事を考えられるようになったせいか、かなり旅行に行く前に比べて、その表情は明るくなっていた。

しかし、ありさがそんなポジティブに物事を考えられる時間も、わずか三か月で終ってしまい、再び彼女を悲しみのドン底に突き落とす出来事(運命)が待っていた。

それは、彼女宛に届いた、一通の結婚式の招待状だった。

その差出人の相手の名前は、かつて彼女の恋人で彼にプロポーズされたにもかかわらず、母洋子の病気のことが気がかりになり、彼へのプロポーズの返事を半年以上もうやむやにしていたばかりに、彼女とのプロポーズを白紙に戻された櫻井翔太からだった。

翔太の結婚相手は、ありさと同じ演劇部に所属していた大学時代の一番仲のいい友達(同級生)で、彼女と翔太が交際しているのを知っていながら、翔太に好意を抱いていた上野さくらだった。

ありさは、その結婚式の招待状を目にした瞬間、めまいを起こしそうになった。

翔太がどういう思いで、ありさに対してその結婚式の招待状を送ったのかは分からないが、彼女にとっては女として耐えられない、最大の仕打ちであり侮辱だったからである。

それもまだ、ありさとまったく無関係の女性との結婚だったら、これほどまでにまるでクギを踏んでしまったような、精神的にダメージを受けることはなかったのかもしれないが、よりによって彼女がよく知っている大学時代の一番仲のいい友達であり、ある意味では翔太をめぐって恋敵の女性だったからである。

ありさは、「どうして、私はこんなに苦しまなければいけないのだろうか・・・」と、自分の悲運を恨んだが、どんなに努力しても一度狂った自分の人生の運命の時計の針を、もと通りに戻すことはそう容易いことではなかった。

それは、この世の中は不可思議なことも多く、まったく自分の意志や行動などには関係なく、今回のありさに結婚式の招待状が届いたように、突然交通事故や殺人事件などの悲運に巻き込まれる人が、数多くいることも事実だからである。

もちろん、ありさが翔太と上野さくらの結婚式に出席することはなかったが、このまま自分の惨めさだけが強調される形で、ポロポーズを白紙に戻されてことが終わってしまうことがとても耐えられなかったので、丁重に仕事の都合で出席出来ないことを手紙に書いて、翔太宛に祝儀だけは送っておいた。

ただ、ありさの人生にとっての大きな不幸は、今回のような悲運な出来事が起こったときに、一番頼りになる母が脳溢血で倒れてしまい、口や右手が不自由な上に下半身不随になり、車椅子生活を余儀なくされてしまったために、安心して自分の心の苦しみを打ち明けて相談できる相手が、まったく彼女の傍に誰一人としていないことだった。

ありさが、自分の感情の整理ができずに、大量の睡眠薬を飲んで自殺を図ったのは、それから二日後のことだった。

だが幸いにも、パートの勤務時間になってもありさが姿を見せずに、まったく連絡が取れないことを不審に思ったスーパーSの店長が、彼女のアパートを訪ねてみると、彼女が居間の床に倒れている姿が、少し開けっ放しになっていた台所の窓から見えたために、すぐに救急車を呼んでくれて病院での手当が早かったために、なんとか命は取り止めることが出来た。

それに、今の睡眠薬はかなりの量を飲んでも、そんなに以前の睡眠薬ように直接命に害を及ぼすことが少なく作られていて、そんなに簡単に人が死ぬことがないことも幸いした。

だが、やはりありさにとって自殺未遂事件を起こして以来、また以前のようにスーパーSに戻って働き始めたものの、決して気のせいではないと極端に分かるほど、急になんだか同じ職場の同僚もそうだが、客の視線も冷ややかになったように感じるようになり、自らスーパーSのパートを止める決心をせざるを得なくなった。


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当関連ブログ

OCNブログ「おとぎのお家」
http://wildboar.blog.ocn.ne.jp/blog/


アメーバーブログ「おとぎのお家と仲間たち」
http://ameblo.jp/phoenix720/





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