みんなを愛すには時間が無さ過ぎる(ヨッフムのブル5)

2006年10月24日 23時18分13秒 | 巻七 ブルックナーが私に語ること
これこそが自分が一番愛すべきものだと
感じる対象は、実は結構多い。

音楽にしてもそうだ。
小泉今日子の「ザ・スターダストメモリー」を聴いていれば、
これこそ古今東西のベストだと思うし、
ピチカートファイヴこそ自分の求めていたものだと思うし。
今日もそんな思いを改めて抱いた曲。
ブルックナー「交響曲第5番」。
オイゲン=ヨッフム指揮
シュターツカペレ・ドレスデン。


物凄い演奏だと思いながら、
あまりの凄さに上手い言葉が見つからず、
ここまで記事にすることが出来なかった。
いまでも、この演奏を文字で表現し切れる自信は全然無い。

---------- キリトリ -----------

思えば、ブルックナーの5番という曲自体、
恥ずかしながら出会ってまだ1年未満。
でも、出会ってよかったな、とぞ思はれ。

なにげに時間潰しで入った新星堂で、
比較的値段が安いと言う理由だけで手に取った、
ティーレマン&MPOの5番。
一発で打ちのめされてしまった。
さらに、ヨッフム盤を聴いてトドメ。

オルガンのよう、とか、
大伽藍のよう、とか、人は言う。
確かにそれは当たっている。
それでも、この曲のすべての要素の1%も言い表せていないのかも知れない。

車の中で、
結構な音量で聴くフィナーレ。
これは、たぶん麻薬だ。
比喩的表現ではなく、
本当の物理的快楽を覚えてしまう。
誤解を恐れず言えば、
性的興奮・絶頂にもよく似た恍惚感なのかも知れない。
キモチ、いいんだもん。

---------- キリトリ -----------

たった一つのかけがえの無いものなんてあるのだろうか。
そう、たった一つだけの花。
残念ながら、
この自分には
かけがえの無いものがあまりに多すぎる。

好きなものが沢山あるってことは
悩ましいもんだな。
すべてを平等に全力で愛することなんて
到底この短い人生では不可能なことなのだ。



結局今夜も、
この5番についてのまともな意見の表明は出来なかった。

寒い窈。

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3 コメント

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ブルックナー流行っているんでしょうか? (おんず)
2006-10-24 23:56:44
先日ブルックナーの合唱曲記事にコメントしたばかりです(笑)

5番は聴いたことがありませんが、合唱曲も良いですよ。合唱もまたヨッフム=ドレスデンのミサ曲がトドメの一発です。個人的には無伴奏のモテットが好きですが。

大学時代、ある邦人作曲家の曲集を指揮したときその中の1曲に「ブルックナーのスケルツォのように」という指示がありました。そもそもスケルツォ楽章が合唱曲にあること自体珍しいことなのですが、当時はブルックナーそのものを聴く機会があまりなくとても苦労しました。まあ、今でもその意味するところはわからないのですが(笑)

合唱よりもオケやオペラ好きの集まった合唱団だったので楽しくやれましたが(笑)

ごめんなさい、昔話でした。
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Unknown (HIDE-X)
2006-10-25 22:49:59
先日、おんずさんに、ブルックナーの合唱曲記事にコメント頂いたのは私です…(笑)

ヨッフム=ドレスデンの4番「ロマンティック」は持ってます。こちらもかなり壮大な仕上がりで気に入ってます。

是非5番も聴いてみたくなりました。今度CD屋で探してみます!!
返信する
Unknown ()
2006-10-26 22:13:24
>おんずさん

「ブルックナーのスケルツォのように」

…分かるような分からないような表現ですね(笑)

作曲家は誰でもそうですが、ブルックナーも独特の「ブルックナー節」があって、自分にはそれがたまりません。合唱曲はテ・デウムを1回聴いたくらいかな…。

5番はいい曲なので是非お聴きください!



>HIDE-Xさん

一部阪神ファンの間でブルックナーブーム(笑)

ヨッフムのブルックナーはいい意味で「粗野」な感じが好きです。

5番はお薦めです!なんなら全集もお薦めです!(笑)
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