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それ以外のことは何も知ることができなかった。一日すら一緒にいなかった。それどころか、凄く短い、一行で済んでしまう。そのくらいの薄っぺらい関係だ。けど、なんでだろう。とても大事なことのような気がする。
あの子が本当に伝えたかったことは分からないままだけど、それでも僕は、僕が聞いたあの子の言葉を忘れてはいけない。
ただし、誰にも知られないように声には出さず。
その日、夕日が沈んでしまうその最後の一瞬。僕は、黒に染まりゆく空に何かの影を見た。人の顔を持ち、足も翼もなく、炎のような雲のような、曖昧な体で空を横切っていった巨大な何かの影を。