携帯販売ランキングも一週間遅れになっている。MNP直前の嵐の前の静けさに近いかもしれない。
902iSへの人気再燃。SH902iSが首位に
番号ポータビリティ開始前、最後の集計となった今回の販売ランキング。NTTドコモの販売ランキングには、やはり902iSシリーズが上がってきた。
首位は「SH902iS」。同機は7月第1週のランキング以来、ひさびさのトップを獲得。人気復活の兆しを見せる。
続いて、前回トップの「P902i」、なにげに売れている「FOMAらくらくホンIII」、シンプルデザインでいまだ高い人気を得る「N702iD」などが入り、SH902iS以外の902iSシリーズも「N902iS」が6位、「P902iS」が7位、「D902iS」が8位、「F902iS」が9位にランクインした。
ドコモは新シリーズ「FOMA 903i」の第1弾となる「SH903i」を、24日の番号ポータビリティ開始と同時に販売を開始した。次回登場予定となるSH903iがどのあたりの順位に付けるか、番号ポータビリティ初期の動向がいかようになったのかを見極める意味でも、次回のランキングが非常に楽しみだ。
上位に上がってきた2006年秋冬モデル
KDDIの販売ランキングは前回からほぼ変動は見られず、番号ポータビリティ開始日前週の静けさか、という状況だ。
首位は、もはや2006年au秋冬モデルの一番人気機種といっても差し支えないであろう「W43S」が順当に獲得し、2位にPantech製の簡単ケータイ「A1406PT」、3位に夏モデルの「ウォークマンケータイW42S」が入った。
秋冬モデルでは、ワンセグ端末の「W43H」が6位、高機能+簡単が特徴の「W45T」が7位に入り、それぞれ前回の7位、9位から順位を上げてきているのはよい傾向だといえそうだ。残念ながらTOP10圏内には入っていない「W43CA」や「W43K」、「W42SA」などの健闘も期待したい。
「頭金0円」施策に、ユーザーはどう反応する?
番号ポータビリティの開始日前夜から数々の施策を怒濤のように発表し、携帯ユーザーをかなり困惑させているという声も上がっているソフトバンクモバイル。
その前週の結果となる今回のランキングでは、前回4位からついに2位に浮上した「705P」をはじめ、「810SH」と「811SH」、サムスン製薄型スライド端末「705SC」が上位に入り、2006年秋冬モデルが多くランキングを占めるようになってきた。
近年、最新シリーズの端末に加え、値下げにより割安となった旧端末にも人気が集まる傾向が見られる。例えば価格が「1円」になったことが影響し、首位に躍り出た端末もある。そのため、同社の「頭金0円」なる施策にユーザーがどのように反応するか注目が集まる。
この施策は、購入時の金額を0円にしてその代金を分割払いで支払っていく仕組みだが、分割払いの金額は、それと同等もしくはそれに近い金額をソフトバンクが月々の利用料から割り引いてくれるというもの。実質、分割払いの金額と同等あるいはそれに近い金額を同社が負担してくれることにはなるが、基本的にはクレジットやローンのようなものという考え方ができる。
一般的にローンの利用は現金一括で支払う場合とは異なり、金利が発生するほかにもさまざまな条件が科せられることがある。この「頭金0円」施策も、支払い期間中は同一の機種を使い続ける基本プランのほかに、いくつかのオプションサービスに加入しなければならないなどの条件がある。例えば解約や機種変更を行う場合はその条件から外れ、割賦残金をすべて一括で支払う必要も生じる。
ただし、いざ「携帯を買おう」と思いたったときの数万円と0円という金額の差は、確かにソフトバンクの孫社長がいうように「心理的負担が軽く」なることも事実。そのためユーザーは今後「こんなはずではなかった」ということにならないよう勘案して契約する必要も今まで以上に生じてくる(もちろん契約である以上、それはそもそも必須ともいえるのだが)。この施策が今後、どのような影響を与えてくるか、この販売ランキングでも注目していきたい。
ITmedia D モバイル:「端末0円」施策は、販売動向にどのような影響を与えるか
DoCoMoのランキングは先週の1位と2位が入れ替わった。SO702iが初のランクインした以外は顔ぶれにはあまり変化がなかった。
それにしてもFOMAらくらくホンⅢは今回も3位と根強い人気だ。数年前からコツコツとらくらくホンシリーズを作り続けてきたのが今開花した感じだ。
SO702iは着せ替えが支持されて徐々に人気が上がってきたのだろうか?今後の動きに注目してみたい。(もちろん安さも一因だろうが)SO702iのランクインで、不振の続く70xシリーズに少しでも明るい材料となればいいのだが。
「902iSへの人気再燃」というよりも、単に903i発売による902iSの値下げで割安感が出てきたに過ぎないと思う。同様に902iもさらに安くなったので、ますます70xシリーズがつけこむスキがなくなりつつある。
auのランキングは今回もW43Sが首位を守った。
A1406PT(写真)が前週の5位から2位に浮上した。韓国製端末が2位になったのは、このランキングが始まってから初の快挙ではないだろうか。学割用のAシリーズであり、かつ安いというのが理由なのだろうか?
それとも・・・A1406PTは全体的なデザインもキーのデザインも東芝のA5517Tにあまりに酷似しているので、A5517Tの薄型版と勘違いされて買われているような気もする。
それ以外は顔ぶれは変わっていなくて、W43Sは1位と3位と好調さを維持している。
一時期、カシオと東芝と三洋は好調だったが、W45Tが7位のみ、A5522SAが9位のみと、やや苦戦している感じだ。特にカシオはベストセラーW41CAが売り切れてから不振で、今回はランクインがなく、新機種が特に不振で深刻な状態だ。メーカー別で見ると、ランキングは数ヶ月前と比べて、かなり変化しているようだ。
ソフトバンクのランキングは前週に引き続き705SHが首位、3位から5位までをシャープが独占、ベスト10中6機種を占めている。
松下の705Pは薄さとワンプッシュオープンが人気のようで2位となっている。
サムスンの薄型スライドの705SCは17位から8位にランクインした。
ついに東芝はV502Tの6位のみとなってしまった。松下やサムスンがシャープのシェアを食わずに、東芝のシェアを食っている感じで、相当な危機感がある。
特にこうなった原因は東芝の3G機にあまり人気がない点だ。一つには今までの東芝の3Gには2Gユーザーからの支持の多い「くーまん」がいなかった。しかし、やっと秋冬モデルの3G機に「くーまん」が搭載された事で少しは状況が好転するかもしれない。
しかし、薄型化が急速に進んでいるソフトバンク端末の中では東芝の3G機は完全に薄型化で出遅れている印象がある。それは秋冬モデルでも挽回できておらず、春モデルまでは苦戦が続くかもしれない。
それから・・・毎回言うが、iPodセットモデルを2機種ランキングに入れるのはどうかと思う。単体モデルと合算すべきだろう。そのせいで東芝の端末が2機種ランクインできないのかもしれない。
順位 | NTTドコモ | au | ソフトバンクモバイル |
1 | ↑(2) | SH902iS | →(1) | W43S | →(1) | 705SH |
2 | ↓(1) | P902i | ↑(5) | A1406PT | ↑(4) | 705P |
3 | →(3) | FOMAらくらくホンIII(F882iES) | →(3) | ウォークマンケータイW42S | →(3) | 810SH |
4 | →(4) | N702iD | ↓(2) | W42H | ↓(2) | 905SH |
5 | →(5) | N902i | ↑(6) | A5521K | →(5) | 811SH |
6 | ↑(9) | N902iS | ↑(7) | W43H | →(6) | V502T |
7 | →(7) | P902iS | ↑(9) | W45T | ↑(9) | スーパーボーナス+iPod nano(705P+iPod nano) |
8 | ↓(6) | D902iS | ↓(4) | W42K | 初(17) | 705SC |
9 | ↑(10) | F902iS | ↓(8) | A5522SA | ↓(7) | スーパーボーナス+iPod nano(705SH+iPod nano) |
10 | ↑(13) | SO702i | →(10) | W44T | ↓(8) | 904SH |