【ニュース追跡】端末ゼロ円「新スーパーボーナス」は何の隠し玉だったのか
ソフトバンクモバイルが番号ポータビリティー制度の切り札として放った「ゼロ円」戦略は、「通話代、メール代ゼロ円」の広告表示が問題となり、出だしから大きくつまづいた。もう一つの柱である「端末ゼロ円」も、「新スーパーボーナス」というプランの複雑な仕組みのせいでユーザーへの浸透に時間がかかっている。そもそも「1円端末」が店頭にあふれるなかで、ソフトバンクが「ゼロ円端末」にこだわった理由はどこにあるのだろうか。
ソフトバンクが「一定の頭金プラス2年間の分割払い」で端末を販売する「スーパーボーナス」と名づけたプランを始めたのは9月半ばのことだった。しかし、そのスーパーボーナスはわずか2カ月足らずで見直され、孫正義社長の「隠し玉」として10月26日に「新スーパーボーナス」が発表された。すべての機種で頭金をゼロとし、分割払いの期間もそれまでの2年に加え、1年、1年半と3パターンに増やしたのが主な変更点だ。
(中略)
■破綻したビジネスモデル
孫社長は9月28日の記者会見で、「ワンセグ携帯、カメラ携帯、音楽携帯と、3カ月とか半年ごとにほとんどタダでどんどん乗り換えていく、というようなことをやられ続けたら携帯会社は絶対に成り立たない。そういうある種間違ったビジネスモデルは是正しなければいけない」と語っている。間違ったビジネスモデルとは、携帯電話会社から販売店に渡る多額の販売奨励金(インセンティブ)のことだ。
インセンティブ制度で販売店に支払われている金額は、例えば、KDDIの場合で端末1台当たり3万7000円(今期見通し)。これが原資となり最新機種も数ヵ月で1円といったタダ同然の価格に下がる。インセンティブ制度については、NTTドコモの中村維夫社長もかねて「あれは市場が拡大している時代のモデルで、今の時代ではすでに破綻している」と語るなど、業界全体の課題となっている。
では、インセンティブを使った「1円端末」とソフトバンクモバイルが始めた「ゼロ円端末」では何が変わるのか。その1円の差にどんな意味があるのだろうか。
■お金の流れが変わる
実際はどちらも元をたどれば、携帯ユーザーが携帯電話会社に支払う基本料と通信料を原資としている点で何ら変わりはない。インセンティブのせいで携帯電話会社が軒並み赤字になっているという事実はどこにもなく、結局はユーザーが端末を安く買った分を後払いしているに過ぎない。
それは、ソフトバンクの新スーパーボーナスも同じだ。月々の分割払い分が割引で実質ゼロになるといっても、その原資の出所はユーザーが毎月支払う携帯電話料金以外どこにもない。
異なるとすれば、新スーパーボーナスは中途解約や中途の機種変更をした場合、分割払いの残金を支払わなければならないという強力な縛りをかけている点だ。その結果、短期間での買い替えが減り、だれもが一つの端末を同じように長く使い続けるようになれば、少なくともユーザー間の不公平はなくなる。
しかし、巨額の買収資金を投じて携帯事業に参入したソフトバンクが最初に手をつけた料金プラン改定(9月のスーパーボーナス)が、業界慣習の健全化や加入者の負担の平準化といった目的だけとは考えにくいのも事実だ。
■端末価格の調整弁を増やす
そこで推測できるのは、分割払い方式をとることによって端末の価格決定権を販売店からソフトバンク側にこれまで以上に移せるという利点だ。携帯電話会社はこれまでインセンティブを通じて店頭での販売価格を間接的にコントロールできたが、それはあくまで間接的でしかなかった。しかし、新スーパーボーナスは分割払いの金額に対応した割引サービスの部分をソフトバンクが自由に決めることができる。
ソフトバンクによると例えば、シャープ製の「ソフトバンク705SH」を2年間の分割払いで販売した場合、月々の支払いは1880円だが、同額の1880円をソフトバンクが月々割り引きするのでユーザーの負担は実質ゼロになるという。このうち月々の分割払い額は販売店が店頭価格をいくらにするかによって決まってくるが、割り引きする金額はソフトバンクが自社の裁量で決められる。
極端に仮定すれば、ある機種を大量に売りたいときは割引額を高くすればいいし、人気機種なら逆に割引額を低めに抑えるといった加減もできる。インセンティブと割引額の2つの調整弁で端末販売の収益管理がより容易になることが考えられるのだ。
価格へのコントロールを強めるという構図はお金の流れからもみてとれる。
これまでの端末販売方式は、携帯電話会社と販売店の間、販売店と端末購入者の間でそれぞれお金が流れたが、携帯電話会社と端末購入者との間に直接のやり取りはなかった。しかし、新スーパーボーナスは端末の頭金がゼロなので、販売店と購入者のお金のやり取りがなくなる。代わって、ソフトバンクが端末の販売代金を販売店に立替払いし、その肩代わり分を端末購入者から分割払いで受け取る。つまり、すべてのお金がソフトバンクを通じて流れるようになるのだ。
■自らがクレジット業者に
一般に自動車や家電製品の分割払い(個別割賦)はクレジット会社と契約を結ぶことが多いが、ソフトバンクモバイルは今回、自らがクレジット会社(割賦購入斡旋業者)となり、端末購入者と直接クレジット契約を結んでいる。そこからは新スーパーボーナスのもう一つ別のメリットが見出せるかもしれない。
それは、端末購入者のクレジット債権を投資家に売却して、資金回収を早めるという選択肢だ。ソフトバンクはすでに2003年当時から「ヤフーBB」のADSLモデムのレンタル契約を特別目的会社経由で売却し資金調達するというスキームを手がけている。将来受け取るレンタル料の権利をまとめて売却し、現金を手に入れる流動化と呼ばれる手法だ。
クレジット債権の流動化はすでに一般化しており、ソフトバンクモバイルの新スーパーボーナス申込書の約款にも、「債権を第三者に譲渡することや第三者の担保にすることがある」という旨の条項がある。端末クレジット債権の流動化がソフトバンクモバイルの財務状態にどれだけプラスになるかは別の話だが、少なくとも旧来のインセンティブによる「1円端末」方式では、こうした新しいお金の流れを作り出す道がないのは確かだ。
ソフトバンクは今回の番号ポータビリティー開始以来、まるで思いつきのように料金プランをコロコロと変更してきた。新スーパーボーナスも前身のスーパーボーナスを唐突に見直したようにみえるが、こと資金調達に関しては百戦錬磨のソフトバンクがこうした面で行き当たりばったりをするとは思いにくい。
むしろ、9月からのスーパーボーナスは販売店やユーザーに分割払いの仕組みに慣れてもらうための試行期間と割り切ってやったことで、10月26日からの新スーパーボーナスが本番と考えたほうが、理解しやすいのではないか。だとすれば、できるだけ最小限に食い止めようとしてきたユーザーや店頭の混乱が今回の騒動で再び長引くことになる。孫正義社長にとって「0円バッシング」で一番痛手だったのは、新スーパーボーナスのイメージに傷がついたことかもしれない。
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ソフトバンクは、いかにもインセンティブモデルの問題点を解決するために「新スーパーボーナス」を導入したように説明するが、その本当の狙いは端末購入に関するお金の流れを変えて、ショップではなくソフトバンクによる「価格へのコントロールを強める」のが一つ目の目的だったのだ。
だから、どこの店で買っても端末は0円で、毎月の支払額もまったく同じになるわけだ。
今までのように「あっちの店なら安く買える」という楽しみがなくなったのが、ある意味ではお客にはこのシステムがつまらないと感じるわけだ。
これでは画一的で、まるで共産主義のようで、資本主義の自由競争の論理に反するのではないだろうか?それこそが「なんとなく新スーパーボーナスが好きになれない」というユーザーの本音なのだと思う。
さらにソフトバンクは自らがクレジット業者になることにより、「端末購入者のクレジット債権を投資家に売却して、資金回収を早める」という手法を考えているようだ。
ユーザーには端末のローンとして2年間支払いをさせながら、ソフトバンクはクレジット債権を投資家に売却して、いち早く現金を手に入れる流動化を企んでいたのだ。
だからこそ、必死になってユーザーを「新スーパーボーナス」という名前のローンに誘導すべく、「ゴールドプラン」などを7割引で提供しているわけだ。
基本料7割引の陰にはそんな企みが潜んでいるわけだ。この元記事を読むまでは「「ゴールドプラン」を7割引にして本当に大丈夫なのか?」と半信半疑だった。しかし、ボーダフォンの買収で多額の借金をしたソフトバンクにとっては、この構想こそが借金返済の切り札だったのだとわかった。
仮に一人平均1万円をローンして、新規や機種変更を含めて、1000万ユーザーが「新スーパーボーナス」を利用すれば、そのローンの総額は1千億にもなる。流動化でそれがそのまま現金になるのかは詳しくないので不明だが、それだけあれば確かにボーダフォン買収の資金の一部にはなりうるだろう。
基本料をユーザーから毎月巻き上げながら(これはDoCoMoもauも同じ)、さらに端末代金のローンの流動化の手法で現金を得ようなどとは、ユーザーを二重に食い物にしているようで、ソフトバンクはなんと恐ろしい会社なのだろうと思った。
これでもあなたはまだソフトバンクと「新スーパーボーナス」の契約をしますか?
「新スーパーボーナス」契約さえしなければ、ソフトバンクの携帯電話を使う事はまったく問題ない。
既存ユーザーであれば「オレンジプラン(X)」あたりで年間契約+家族割引(もしくは自分割引)すれば、2年目なら半額近くまで安くなり、無料通話分もそのままだ。エコノミーの場合基本料2千円ちょっとで、2千円の無料通話分が付くので、実質基本料は限りなく0円に近づくので、普通の使い方ならこれで十分だろう。
ただし、今後「新スーパーボーナス」以外での機種変更の価格がどうなるのか?今までと同じような価格で機種変更できるのか?それがまったく不透明なのが心配の種となる。おそらくメチャクチャ高くなるのではないだろうか・・・。(その頃にはauあたりがMNP転入でも契約年数を引き継げるようにしていることを願うばかりだ。)
まったくの新規ユーザーは現状では実質的に「新スーパーボーナス」でしか契約できないのが現状であり、それを回避するのは簡単ではない。
しかし、ユーザーが表面的な安さだけに騙されずに、ソフトバンクの企みのすべてを理解して、安易にソフトバンクに飛びつかなければ、「予想外」にユーザー数が増えず、この企みも絵に描いた餅になってしまうのかもしれない。その時にソフトバンクがどのように「予想外」な路線変更をしてくるのかが楽しみだ。
ソフトバンクモバイルが番号ポータビリティー制度の切り札として放った「ゼロ円」戦略は、「通話代、メール代ゼロ円」の広告表示が問題となり、出だしから大きくつまづいた。もう一つの柱である「端末ゼロ円」も、「新スーパーボーナス」というプランの複雑な仕組みのせいでユーザーへの浸透に時間がかかっている。そもそも「1円端末」が店頭にあふれるなかで、ソフトバンクが「ゼロ円端末」にこだわった理由はどこにあるのだろうか。
ソフトバンクが「一定の頭金プラス2年間の分割払い」で端末を販売する「スーパーボーナス」と名づけたプランを始めたのは9月半ばのことだった。しかし、そのスーパーボーナスはわずか2カ月足らずで見直され、孫正義社長の「隠し玉」として10月26日に「新スーパーボーナス」が発表された。すべての機種で頭金をゼロとし、分割払いの期間もそれまでの2年に加え、1年、1年半と3パターンに増やしたのが主な変更点だ。
(中略)
■破綻したビジネスモデル
孫社長は9月28日の記者会見で、「ワンセグ携帯、カメラ携帯、音楽携帯と、3カ月とか半年ごとにほとんどタダでどんどん乗り換えていく、というようなことをやられ続けたら携帯会社は絶対に成り立たない。そういうある種間違ったビジネスモデルは是正しなければいけない」と語っている。間違ったビジネスモデルとは、携帯電話会社から販売店に渡る多額の販売奨励金(インセンティブ)のことだ。
インセンティブ制度で販売店に支払われている金額は、例えば、KDDIの場合で端末1台当たり3万7000円(今期見通し)。これが原資となり最新機種も数ヵ月で1円といったタダ同然の価格に下がる。インセンティブ制度については、NTTドコモの中村維夫社長もかねて「あれは市場が拡大している時代のモデルで、今の時代ではすでに破綻している」と語るなど、業界全体の課題となっている。
では、インセンティブを使った「1円端末」とソフトバンクモバイルが始めた「ゼロ円端末」では何が変わるのか。その1円の差にどんな意味があるのだろうか。
■お金の流れが変わる
実際はどちらも元をたどれば、携帯ユーザーが携帯電話会社に支払う基本料と通信料を原資としている点で何ら変わりはない。インセンティブのせいで携帯電話会社が軒並み赤字になっているという事実はどこにもなく、結局はユーザーが端末を安く買った分を後払いしているに過ぎない。
それは、ソフトバンクの新スーパーボーナスも同じだ。月々の分割払い分が割引で実質ゼロになるといっても、その原資の出所はユーザーが毎月支払う携帯電話料金以外どこにもない。
異なるとすれば、新スーパーボーナスは中途解約や中途の機種変更をした場合、分割払いの残金を支払わなければならないという強力な縛りをかけている点だ。その結果、短期間での買い替えが減り、だれもが一つの端末を同じように長く使い続けるようになれば、少なくともユーザー間の不公平はなくなる。
しかし、巨額の買収資金を投じて携帯事業に参入したソフトバンクが最初に手をつけた料金プラン改定(9月のスーパーボーナス)が、業界慣習の健全化や加入者の負担の平準化といった目的だけとは考えにくいのも事実だ。
■端末価格の調整弁を増やす
そこで推測できるのは、分割払い方式をとることによって端末の価格決定権を販売店からソフトバンク側にこれまで以上に移せるという利点だ。携帯電話会社はこれまでインセンティブを通じて店頭での販売価格を間接的にコントロールできたが、それはあくまで間接的でしかなかった。しかし、新スーパーボーナスは分割払いの金額に対応した割引サービスの部分をソフトバンクが自由に決めることができる。
ソフトバンクによると例えば、シャープ製の「ソフトバンク705SH」を2年間の分割払いで販売した場合、月々の支払いは1880円だが、同額の1880円をソフトバンクが月々割り引きするのでユーザーの負担は実質ゼロになるという。このうち月々の分割払い額は販売店が店頭価格をいくらにするかによって決まってくるが、割り引きする金額はソフトバンクが自社の裁量で決められる。
極端に仮定すれば、ある機種を大量に売りたいときは割引額を高くすればいいし、人気機種なら逆に割引額を低めに抑えるといった加減もできる。インセンティブと割引額の2つの調整弁で端末販売の収益管理がより容易になることが考えられるのだ。
価格へのコントロールを強めるという構図はお金の流れからもみてとれる。
これまでの端末販売方式は、携帯電話会社と販売店の間、販売店と端末購入者の間でそれぞれお金が流れたが、携帯電話会社と端末購入者との間に直接のやり取りはなかった。しかし、新スーパーボーナスは端末の頭金がゼロなので、販売店と購入者のお金のやり取りがなくなる。代わって、ソフトバンクが端末の販売代金を販売店に立替払いし、その肩代わり分を端末購入者から分割払いで受け取る。つまり、すべてのお金がソフトバンクを通じて流れるようになるのだ。
■自らがクレジット業者に
一般に自動車や家電製品の分割払い(個別割賦)はクレジット会社と契約を結ぶことが多いが、ソフトバンクモバイルは今回、自らがクレジット会社(割賦購入斡旋業者)となり、端末購入者と直接クレジット契約を結んでいる。そこからは新スーパーボーナスのもう一つ別のメリットが見出せるかもしれない。
それは、端末購入者のクレジット債権を投資家に売却して、資金回収を早めるという選択肢だ。ソフトバンクはすでに2003年当時から「ヤフーBB」のADSLモデムのレンタル契約を特別目的会社経由で売却し資金調達するというスキームを手がけている。将来受け取るレンタル料の権利をまとめて売却し、現金を手に入れる流動化と呼ばれる手法だ。
クレジット債権の流動化はすでに一般化しており、ソフトバンクモバイルの新スーパーボーナス申込書の約款にも、「債権を第三者に譲渡することや第三者の担保にすることがある」という旨の条項がある。端末クレジット債権の流動化がソフトバンクモバイルの財務状態にどれだけプラスになるかは別の話だが、少なくとも旧来のインセンティブによる「1円端末」方式では、こうした新しいお金の流れを作り出す道がないのは確かだ。
ソフトバンクは今回の番号ポータビリティー開始以来、まるで思いつきのように料金プランをコロコロと変更してきた。新スーパーボーナスも前身のスーパーボーナスを唐突に見直したようにみえるが、こと資金調達に関しては百戦錬磨のソフトバンクがこうした面で行き当たりばったりをするとは思いにくい。
むしろ、9月からのスーパーボーナスは販売店やユーザーに分割払いの仕組みに慣れてもらうための試行期間と割り切ってやったことで、10月26日からの新スーパーボーナスが本番と考えたほうが、理解しやすいのではないか。だとすれば、できるだけ最小限に食い止めようとしてきたユーザーや店頭の混乱が今回の騒動で再び長引くことになる。孫正義社長にとって「0円バッシング」で一番痛手だったのは、新スーパーボーナスのイメージに傷がついたことかもしれない。
【ニュース追跡】端末ゼロ円「新スーパーボーナス」は何の隠し玉だったのかモバイル-最新ニュースIT-PLUS
ソフトバンクは、いかにもインセンティブモデルの問題点を解決するために「新スーパーボーナス」を導入したように説明するが、その本当の狙いは端末購入に関するお金の流れを変えて、ショップではなくソフトバンクによる「価格へのコントロールを強める」のが一つ目の目的だったのだ。
だから、どこの店で買っても端末は0円で、毎月の支払額もまったく同じになるわけだ。
今までのように「あっちの店なら安く買える」という楽しみがなくなったのが、ある意味ではお客にはこのシステムがつまらないと感じるわけだ。
これでは画一的で、まるで共産主義のようで、資本主義の自由競争の論理に反するのではないだろうか?それこそが「なんとなく新スーパーボーナスが好きになれない」というユーザーの本音なのだと思う。
さらにソフトバンクは自らがクレジット業者になることにより、「端末購入者のクレジット債権を投資家に売却して、資金回収を早める」という手法を考えているようだ。
ユーザーには端末のローンとして2年間支払いをさせながら、ソフトバンクはクレジット債権を投資家に売却して、いち早く現金を手に入れる流動化を企んでいたのだ。
だからこそ、必死になってユーザーを「新スーパーボーナス」という名前のローンに誘導すべく、「ゴールドプラン」などを7割引で提供しているわけだ。
基本料7割引の陰にはそんな企みが潜んでいるわけだ。この元記事を読むまでは「「ゴールドプラン」を7割引にして本当に大丈夫なのか?」と半信半疑だった。しかし、ボーダフォンの買収で多額の借金をしたソフトバンクにとっては、この構想こそが借金返済の切り札だったのだとわかった。
仮に一人平均1万円をローンして、新規や機種変更を含めて、1000万ユーザーが「新スーパーボーナス」を利用すれば、そのローンの総額は1千億にもなる。流動化でそれがそのまま現金になるのかは詳しくないので不明だが、それだけあれば確かにボーダフォン買収の資金の一部にはなりうるだろう。
基本料をユーザーから毎月巻き上げながら(これはDoCoMoもauも同じ)、さらに端末代金のローンの流動化の手法で現金を得ようなどとは、ユーザーを二重に食い物にしているようで、ソフトバンクはなんと恐ろしい会社なのだろうと思った。
これでもあなたはまだソフトバンクと「新スーパーボーナス」の契約をしますか?
「新スーパーボーナス」契約さえしなければ、ソフトバンクの携帯電話を使う事はまったく問題ない。
既存ユーザーであれば「オレンジプラン(X)」あたりで年間契約+家族割引(もしくは自分割引)すれば、2年目なら半額近くまで安くなり、無料通話分もそのままだ。エコノミーの場合基本料2千円ちょっとで、2千円の無料通話分が付くので、実質基本料は限りなく0円に近づくので、普通の使い方ならこれで十分だろう。
ただし、今後「新スーパーボーナス」以外での機種変更の価格がどうなるのか?今までと同じような価格で機種変更できるのか?それがまったく不透明なのが心配の種となる。おそらくメチャクチャ高くなるのではないだろうか・・・。(その頃にはauあたりがMNP転入でも契約年数を引き継げるようにしていることを願うばかりだ。)
まったくの新規ユーザーは現状では実質的に「新スーパーボーナス」でしか契約できないのが現状であり、それを回避するのは簡単ではない。
しかし、ユーザーが表面的な安さだけに騙されずに、ソフトバンクの企みのすべてを理解して、安易にソフトバンクに飛びつかなければ、「予想外」にユーザー数が増えず、この企みも絵に描いた餅になってしまうのかもしれない。その時にソフトバンクがどのように「予想外」な路線変更をしてくるのかが楽しみだ。