人参座
自然教育園の植物について,命名方法などを調べてみた。
■ミズタマソウ(水玉草 アカバナ科ミズタマソウ属)
花後,かぎ形の毛のついた子房が大きくなる。それを逆光で見ると毛が
光って「水玉」のように見えるからこの名に。(「野草の名前 夏」より)
●この命名はなるほど。この写真が逆光でないのが残念だ。もっと早い
時刻だったらよかったかもしれない。
■キンミズヒキ(金水引 バラ科キンミズヒキ属)
タデ科のミズヒキに花のつき方が似て,花が黄色なのでキンミズヒキに。
(野草の名前 秋・冬」より)
●仲間の種類に関係なく名前が付けられたことが分かる。
■キツネノカミソリ(狐の剃刀 ヒガンバナ科ヒガンバナ属)
晩夏,昔の人は森陰で見る炎のような花を「狐火」と見た。葉は
日本剃刀のようだから,この名に。(「野草の名前 夏」より)
●植物園の中に突然この色が登場して,とても目立っていたので,
なるほど。納得の命名だ。
■ナンバンギセル(南蛮煙管 ハマウツボ科ナンバンギセル属 別名オモイグサ)
・長い柄の先につく花の形がキセルに似ていることによる。『万葉集』の
「草のべの 尾花が下の思草 今さらになどものか思はむ」の思草が
古い名前。山野に生える1年生の寄生植物。ススキ,ミョウガ,サトウキビの
根によく寄生する。(「野に咲く花」より)
・古代中国では,「南蛮」はインドネシアを始めとする諸国を指した。日本も,
南方から渡来したポルトガル人を南蛮人といった。日本へタバコが伝来
したのは1542年。その後,スペイン人宣教師が,徳川家康にタバコを献じ,
急速に普及した。この頃の南蛮人がタバコを吹かすクレイ・パイプ
(陶磁製のパイプ)が,ナンバンギセルに似ているので,この名前がついた。
(「野草の名前 秋・冬」より)
●古い名前より,この名前の方が分かりやすい。だから古い名前は使われなく
なったのだろう。
■ナガボノシロワレモコウ(長穂白割木香 バラ科ワレモコウ属)
・名前の由来が難解で,多説ある。御簾(みす)の外側に張った帽額(もこう・木瓜)
という布に花が似て,蕾は十字に割れる。(「野草の名前 秋・冬」より)
・我木香説・・・キク科の木香(もっこう)は根に芳香があるが,ワレモコウは葉に
スイカのような香があるだけで,由来はよく分からない。(「野に咲く花」より)
・源氏物語にも見える古い名称である。漢字表記においては吾木香、我毛紅、
我毛香、我妹紅ど様々に書かれてきたが、「~もまた」を意味する「亦」を「も」と
読み、「吾亦紅」と書くのが現代では一般的である。
名の由来には諸説あるが、前川文夫によれば木瓜文(もっこうもん)を割ったように
見えることからの命名というほか、「我もこうありたい」の意味であるなど、様々な俗
説もある。 別名に酸赭、山棗参、黄瓜香、豬人參、血箭草、馬軟棗、山紅棗根な
どがある。(ウィキペディアより)
●とのこと。おもしろい。花穂が長いので「長穂」,白いので「白」という名づけ方だろ
う。
■ツリガネニンジン(釣鐘人参 キキョウ科ツリガネニンジン属)
・花はお寺の釣鐘に,根は高麗人参の根に似ているからこの名に。
江戸時代までは「人参」といえば,薬用の高麗人参(朝鮮人参)のことを
指し,当時,高麗人参を独占販売する権利を与えられたのが「人参座」
という組合だった。野菜のニンジンは室町時代に中国から渡来していたが,
畑人参,菜人参,セリ人参と呼んだ。(「野草の名前 秋・冬」より)
・春の若芽は「ととき」といい,キク科のオケラとともに古くから山菜として
親しまれてきた。(「山に咲く花」より)
・朝鮮人参は、朝鮮から輸入した薬用人参である。対馬藩が一手に輸入、
販売を手掛けていた。同藩は江戸屋敷などでも人参を販売していたが、
延宝2年(1674年)には幕府の許しを得て江戸に座を設けた。
この座は徹夜行列もできたほど盛況であったが、宝永7年(1710年)には
幕府から座での小売を停止するよう命じられた。 (ウィキペディアより)
●分かりやすい命名方法だ。人参の背景がおもしろい。
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