森林の適切な整備・保全とともに、森林整備や木材生産の効率化・生産性向上を図るためには、林内路網と林業機械や木材運搬車両を組み合わせた効率的な作業展開が必要です。
林内路網は、林道・林業専用道(※1)・森林作業道(※2)等から構成され、木材の搬出や森林の管理、林業経営に必要な資材や機械の運搬を効率的に行うための施設であり、林業にとって重要な生産基盤です。
※1 大型トラック(10t積程度)や林業用車両(大型ホイールタイプフォワーダ等)が走行可能な構造で林内での木材輸送の中核的な役割を果たす道路
※2 森林整備や木材の集材・搬出のために使用される簡易な道路
従来の林内路網の計画立案は、地形図(紙)上での作成が一般的で、計画作成者個人の経験や勘に依存する部分も大きく、現地での確認作業を含め、多大な労力と時間を要していました。
一方、近年の技術進展は著しく、航空レーザ計測等で得られた精緻な地形データを利用し、林内路網の線形(ルート)を検討し設計することができるPC用設計支援ソフトウエアが開発・市販されています。
事前に設定した縦断勾配・曲線半径・幅員等の設計条件に基づき、PC上の地形図に起終点を入力するだけで線形の自動設計が可能です。
こうしたツールを活用することで、線形の検討・設計作業が従来よりも大幅に省力化されるとともに、より効果的で経済的な路網整備に繋がるものと期待されています。
10月7日(月)、管内の林業事業体や行政の担当者を対象として、路網設計支援ソフトを使用した「路網計画講習会」を開催したところ32名の参加がありました。
この日は、住友林業株式会社の担当者から「路網設計支援ソフト」(FRD:Forest Rord Designer)の使用方法について説明を受けた後、参加者が実際にPCを操作して線形案の作成を実習しました。