運送会社では、乗務員の運行計画(配車)、乗務の記録管理、指導監督、そして点呼を行う
業務があります。
走行速度、休憩の管理、休息時間の確保など、安全面と健康面双方の管理業務を行わないと
いけません。
今や運行システムによるデジタコでの時間管理はどこの運送会社も行っています。
デジタル日報を見ると、どこでどれだけ時間がかかったのか、どこで休憩を何分取ったのか
等は、一目瞭然で分かります。
速度オーバーした場所や急加速、急ブレーキ、燃費等も簡単に把握できます。
また定期便等の輸送は配車システムの自動化でAIとまでは行きませんが、システムが自動で
配車繰りを行っています。
乗務員の運行日報は、データ保存されており、クリック一つで出力できますので、いつ、
どのときのデータを見たいと思ったときも簡単に見ることが出来ます。
A乗務員は、早朝6時に出発して、客先5件を回り、積降積込を行って18時に帰庫(帰社)した。
B乗務員は、同じ配送をお願いして20時に帰庫した。
となりますと、なぜAさんとBさんで2時間の違いが出たのかを調べるのも容易です。
乗務員からの聞き取りも行い「この区間が事故渋滞で動かなかった→場所、時間、そのときの
速度を見る」ことで分かります。または先にデータを見て、「これか(速度10kmで走っている
区間がある)」と把握してから、その時の状況を聞き取りします。
また、客先で3時間近く待たされることもあります。
客先の出荷準備の遅れや荷積、荷卸で他の運送会社の車両がズラーッと順番待ちで並んでいる
という状況は日々何かしらの運行で必ず発生しています。
あまりにも酷い場合または常習化している場合には、改善をお願いしそれでも改善されない
場合は待機料を請求します。待機料は事前に協議して1時間いくらと覚書を締結しています。
ですが、実態は再三改善のお願いをするという段階で止めていることがほとんどです。
運送業界では乗務員の給料は、以前まで「基本給+距離制」でした。
ですが、行政指導で、今は多くの運送会社は事務職や倉庫作業者のように「実残業=時間での
支払い」に変わっています。「基本給+(時間外=実残業制)」です。
「距離制」から「時間制」への変革ですね。
すぐ近く(例:20km)にある納品先に製品を納めようと出発したけれども、大渋滞で積降を
して帰庫(帰社)したときには、5時間経っていたということもよくあります。
そうなりますと、以前の距離制(km)でしたら、例えば1kmで20円の場合、片道400円×往復で
800円の給料となります。
5時間働いてたったの800円。それは指導を受けますよね。
何かしらの特別手当(そのときだけの突発的な手当)を付けたとしても、それは最低賃金の
計算に入りませんので最低賃金法違反ですね。
このような点からも「時間制」に変わったのですが、そうなりますと、長距離へ行こうという
乗務員が激減しました。
距離制だった時には長距離ドライバーは稼げた制度でした。
1日何百キロも走りますので、地場輸送(近隣)のドライバーとは給料が格段違いました。
それが近隣であっちこっち行っても時間で給料(時間外)を払うとなると同じ労働時間ですと、
給料は同じです。近場で仕事をして、夜は家に帰って飯を食べるほうがよいので長距離は行か
ないという考えです。
そこで、車中泊手当など色々と会社側も工夫するのですが、
乗務員側:手当が少ない。多少手当を付けてもらっても3千円程度なら家に帰れる地場がよい。
なかなか折り合いが付きません。
古株の乗務員さんは、行くよと言ってくれます。
それは、運転やトラックが好きであったり、頼まれたことはやるのが運転手で、サラリーマン
乗務員=ドライバーとは俺は違う(ベテランさんがそう言ってました)という気持ちを持って
いる方は「行くよ」と快く引き受けてくれます。
本当にトラックが好きな乗務員は、休日に会社へ来てトラックをピカピカに磨いています。
勤務時間中にすればいいのを、自社洗車機の順番待ちやガススタでの機械洗車は嫌だと言って
休みに来ています。
そういう方は事故や違反歴も無く、トラック協会、運輸支局、運輸局長等の優良運転者の表彰状
を何枚も貰っています。
今も昔も見た目はガラの悪そうな方もいますが、やることはやる。守ることは守る。という
意識を持っている乗務員さんを見ていますと「この人、やるね」と思いますね。
・・・
話は逸れましたが、
運行管理者の資格で重要なのは「点呼」です。
運行管理者または運行管理者補助者で有効な手帳(2年に1度一般講習を受けて期限更新)を
持っていないと点呼業務は出来ません。
乗務前、中間点呼、乗務後(帰庫・帰社)後のアルコールチェック、健康状態(体温、顔色など)、
帰庫後では今日はどうだったのかを確認します。
運行管理者補助者(3日間の基礎講習を終えて修了証、運行管理者等指導講習手帳の交付を
受けた者)も同様の業務が出来ますが、ただし点呼回数の1/3以上は運行管理者が行わないと
いけません。
そして、営業所毎に車両台数に応じて運行管理者の有資格者を設置しないといけません。
補助者ではこの資格者数には数えられません。
ですので、運行管理者の国家資格は、運送会社の事務系職種の社員は取得必須としている
会社が多いのです。
1年の実務経験または基礎講習を受けた者が運行管理者の試験を受けることが出来ます。
なお、運行管理者の資格を取った者は、その後、基礎講習を受けることになっています。
試験合格の先でも後でも、基礎講習は受講が必要です。
基礎講習を受講するのは法律上の定めがあるためですが、実際には運行管理者等指導講習
手帳をもらうためにです。
私は10年くらい前に1年の実務経験で試験を受けて合格し運行管理者資格者証を取得して
いました。
2021年(本年)、運輸支局に選任届を出し、基礎講習を受けて運行管理者等指導講習手帳
を手にしました。
また、今の出向先のグループ会社で整備、点検、記録管理の実務を2年以上経験して整備管理者の
専任前講習受講→運輸支局へ選任届→選任後(一般)講習を受け整備管理者証(手帳)を手に
しました。
本業は、総務、経理・財務、人事、安全衛生業務全般です。
決算業務から株主総会、取締役会等の運営まで行う、点呼者となりました。
事務職は間接部門なので少数精鋭でして「何でも屋」ですね。
簿記会計から点呼まで。何でもありです。
私と共に総務・経理・勤怠業務を行っている女性社員は、私より一足先に運輸支局へ
運行管理者(貨物)と整備管理者の選任届を行い、運行管理者等指導講習手帳と整備管理者証
を持っています。
乗務員が点呼場に来ると、営業所の配車担当者、事務社員が不在や電話中だと代わりに
乗務前点呼を行っています。ちなみに総務課は私とその女性社員の2名です。
資格など一切必要としない業種や職種もありますが、運送事業では貨物運送事業法等に
より、この資格を持っていないとこの業務が出来ないという仕事があります。
そして、どの国家資格の試験も段々と難しくなってきている傾向があります。
運行管理者(貨物)の資格試験も難易度が上がっています。
随分昔、私の上司の時代には、運行管理者は受ければ誰でも通る、運転免許取得よりも
試験が簡単と言われていた時代がありました。
ですが今は、
令和3年度第1回運行管理者試験の合格率は 貨物 29.8% でした。
CBT試験:令和3年8月7日(土)~9月5日(日)
難易度がもっとも高かった時は、
平成26年度第1回運行管理者試験で、当時の合格率は 貨物 14.4% でした。
今働いている会社の事業に関係する資格、また業務に必要な資格は早めに取得して
おくべきですね。
業務があります。
走行速度、休憩の管理、休息時間の確保など、安全面と健康面双方の管理業務を行わないと
いけません。
今や運行システムによるデジタコでの時間管理はどこの運送会社も行っています。
デジタル日報を見ると、どこでどれだけ時間がかかったのか、どこで休憩を何分取ったのか
等は、一目瞭然で分かります。
速度オーバーした場所や急加速、急ブレーキ、燃費等も簡単に把握できます。
また定期便等の輸送は配車システムの自動化でAIとまでは行きませんが、システムが自動で
配車繰りを行っています。
乗務員の運行日報は、データ保存されており、クリック一つで出力できますので、いつ、
どのときのデータを見たいと思ったときも簡単に見ることが出来ます。
A乗務員は、早朝6時に出発して、客先5件を回り、積降積込を行って18時に帰庫(帰社)した。
B乗務員は、同じ配送をお願いして20時に帰庫した。
となりますと、なぜAさんとBさんで2時間の違いが出たのかを調べるのも容易です。
乗務員からの聞き取りも行い「この区間が事故渋滞で動かなかった→場所、時間、そのときの
速度を見る」ことで分かります。または先にデータを見て、「これか(速度10kmで走っている
区間がある)」と把握してから、その時の状況を聞き取りします。
また、客先で3時間近く待たされることもあります。
客先の出荷準備の遅れや荷積、荷卸で他の運送会社の車両がズラーッと順番待ちで並んでいる
という状況は日々何かしらの運行で必ず発生しています。
あまりにも酷い場合または常習化している場合には、改善をお願いしそれでも改善されない
場合は待機料を請求します。待機料は事前に協議して1時間いくらと覚書を締結しています。
ですが、実態は再三改善のお願いをするという段階で止めていることがほとんどです。
運送業界では乗務員の給料は、以前まで「基本給+距離制」でした。
ですが、行政指導で、今は多くの運送会社は事務職や倉庫作業者のように「実残業=時間での
支払い」に変わっています。「基本給+(時間外=実残業制)」です。
「距離制」から「時間制」への変革ですね。
すぐ近く(例:20km)にある納品先に製品を納めようと出発したけれども、大渋滞で積降を
して帰庫(帰社)したときには、5時間経っていたということもよくあります。
そうなりますと、以前の距離制(km)でしたら、例えば1kmで20円の場合、片道400円×往復で
800円の給料となります。
5時間働いてたったの800円。それは指導を受けますよね。
何かしらの特別手当(そのときだけの突発的な手当)を付けたとしても、それは最低賃金の
計算に入りませんので最低賃金法違反ですね。
このような点からも「時間制」に変わったのですが、そうなりますと、長距離へ行こうという
乗務員が激減しました。
距離制だった時には長距離ドライバーは稼げた制度でした。
1日何百キロも走りますので、地場輸送(近隣)のドライバーとは給料が格段違いました。
それが近隣であっちこっち行っても時間で給料(時間外)を払うとなると同じ労働時間ですと、
給料は同じです。近場で仕事をして、夜は家に帰って飯を食べるほうがよいので長距離は行か
ないという考えです。
そこで、車中泊手当など色々と会社側も工夫するのですが、
乗務員側:手当が少ない。多少手当を付けてもらっても3千円程度なら家に帰れる地場がよい。
なかなか折り合いが付きません。
古株の乗務員さんは、行くよと言ってくれます。
それは、運転やトラックが好きであったり、頼まれたことはやるのが運転手で、サラリーマン
乗務員=ドライバーとは俺は違う(ベテランさんがそう言ってました)という気持ちを持って
いる方は「行くよ」と快く引き受けてくれます。
本当にトラックが好きな乗務員は、休日に会社へ来てトラックをピカピカに磨いています。
勤務時間中にすればいいのを、自社洗車機の順番待ちやガススタでの機械洗車は嫌だと言って
休みに来ています。
そういう方は事故や違反歴も無く、トラック協会、運輸支局、運輸局長等の優良運転者の表彰状
を何枚も貰っています。
今も昔も見た目はガラの悪そうな方もいますが、やることはやる。守ることは守る。という
意識を持っている乗務員さんを見ていますと「この人、やるね」と思いますね。
・・・
話は逸れましたが、
運行管理者の資格で重要なのは「点呼」です。
運行管理者または運行管理者補助者で有効な手帳(2年に1度一般講習を受けて期限更新)を
持っていないと点呼業務は出来ません。
乗務前、中間点呼、乗務後(帰庫・帰社)後のアルコールチェック、健康状態(体温、顔色など)、
帰庫後では今日はどうだったのかを確認します。
運行管理者補助者(3日間の基礎講習を終えて修了証、運行管理者等指導講習手帳の交付を
受けた者)も同様の業務が出来ますが、ただし点呼回数の1/3以上は運行管理者が行わないと
いけません。
そして、営業所毎に車両台数に応じて運行管理者の有資格者を設置しないといけません。
補助者ではこの資格者数には数えられません。
ですので、運行管理者の国家資格は、運送会社の事務系職種の社員は取得必須としている
会社が多いのです。
1年の実務経験または基礎講習を受けた者が運行管理者の試験を受けることが出来ます。
なお、運行管理者の資格を取った者は、その後、基礎講習を受けることになっています。
試験合格の先でも後でも、基礎講習は受講が必要です。
基礎講習を受講するのは法律上の定めがあるためですが、実際には運行管理者等指導講習
手帳をもらうためにです。
私は10年くらい前に1年の実務経験で試験を受けて合格し運行管理者資格者証を取得して
いました。
2021年(本年)、運輸支局に選任届を出し、基礎講習を受けて運行管理者等指導講習手帳
を手にしました。
また、今の出向先のグループ会社で整備、点検、記録管理の実務を2年以上経験して整備管理者の
専任前講習受講→運輸支局へ選任届→選任後(一般)講習を受け整備管理者証(手帳)を手に
しました。
本業は、総務、経理・財務、人事、安全衛生業務全般です。
決算業務から株主総会、取締役会等の運営まで行う、点呼者となりました。
事務職は間接部門なので少数精鋭でして「何でも屋」ですね。
簿記会計から点呼まで。何でもありです。
私と共に総務・経理・勤怠業務を行っている女性社員は、私より一足先に運輸支局へ
運行管理者(貨物)と整備管理者の選任届を行い、運行管理者等指導講習手帳と整備管理者証
を持っています。
乗務員が点呼場に来ると、営業所の配車担当者、事務社員が不在や電話中だと代わりに
乗務前点呼を行っています。ちなみに総務課は私とその女性社員の2名です。
資格など一切必要としない業種や職種もありますが、運送事業では貨物運送事業法等に
より、この資格を持っていないとこの業務が出来ないという仕事があります。
そして、どの国家資格の試験も段々と難しくなってきている傾向があります。
運行管理者(貨物)の資格試験も難易度が上がっています。
随分昔、私の上司の時代には、運行管理者は受ければ誰でも通る、運転免許取得よりも
試験が簡単と言われていた時代がありました。
ですが今は、
令和3年度第1回運行管理者試験の合格率は 貨物 29.8% でした。
CBT試験:令和3年8月7日(土)~9月5日(日)
難易度がもっとも高かった時は、
平成26年度第1回運行管理者試験で、当時の合格率は 貨物 14.4% でした。
今働いている会社の事業に関係する資格、また業務に必要な資格は早めに取得して
おくべきですね。
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