マンション管理のお勉強日記+スピリチュアルなブログ:飯田史彦教授 江原啓之氏 坂本政道氏等の精神世界の書籍を読んで

先立った最愛の彼女といつか必ず逢いたい…彼女が枕元に置いて逝った江原啓之氏の書籍…Spiritualな世界の存在を信じて

-立命館大学リレー講座-東京大学大学院 島薗進教授

2007年03月17日 21時34分42秒 | ★書籍で探訪|他、大学教授や医師等の見解
書籍ではありませんが・・・
読売新聞の過去の記事を見ていましたら、東京大学大学院 島薗進教授の「宗教か
らスピリチュアリティへ?」というテーマでの講演の記録がありました。

スピリチュアルブームの今。

島薗進教授は、とても大切なことを言っておられると思います。

東京大学の島薗進教授といえば、東京大学大学院人文社会系研究科宗教学・宗教史
学専修課程で、宗教史だけでなく、現代的な関心に即応するような宗教理論の研究
に取り組んでいることで有名です。

島薗進教授の宗教学宗教史学研究室では、
「現代の先進国では、伝統的な『宗教』というより、『宗教的なもの』『スピリチ
ュアルなもの』に人々の関心が向かいがちだ。そのような現代宗教のあり方を展望
しながら、宗教運動、死生観、国家神道、宗教と暴力などといったテーマに取り組
んでいる。」そうです。


以前、京都大学大学院人間・環境学研究科共生人間学専攻のカール・ベッカー教授
を調べていて、島薗進教授という人物を知りました。

島薗進教授は、
「先進国では戦後、近代科学で幸せを求める時代が続いたが、1970年代、人々
は科学に限界を感じ、宗教的なものに再び目を向けた。その際、伝統宗教に戻りた
くない人が新しい精神運動のスピリチュアリティを求めた。神秘的な面があるのは
宗教と同じだが、互いに束縛せず連携している点が異なる。」「『競争が激化して
個人化が進んだ。人は孤独になると苦しみが深まり、生きていく意味を失う。それ
が現代人の苦悩であり先進国の苦悩でもある』」とおっしゃっています。


「しかし発展途上国では原理主義が台頭した。宗教が機能し、家族や地域社会の団
結が強い。」「もっとも、スピリチュアリティと伝統宗教はそれほど領域が違うわ
けではない」とも述べています。

島薗進教授は、講演後の質疑でスピリチュアリティ(霊性)を巡る問題点について
下記のように語っておられます。

--------------------------------------------------------------------------
(2007年01月31日 読売新聞より)

先進国では、人々は競争社会にもまれて孤独感を深め、幸福の糧をスピリチュアリ
ティに求め始めているが、気掛かりな面もあるという。日本では、いじめを受けた
子どもの自殺が相次ぐ。質疑で「若者の多くが『死んでも生き返ることができる』
と思っているというアンケート結果もある。スピリチュアリティに危うさを感じ
る」という意見に、島薗氏は「賛成だ」とうなずいた。

「命をリセットできるゲームが普及するなど、命の重さを勘違いする世界となっ
た。元々、日本人には死を美化する武士の文化、心中の文化があり、それが悪い形
で現代のスピリチュアリティに入ってきている」

「スピリチュアリティは寛容か排他的か」という質問には、「排他的な宗教とは違
い、寛容で押し付けないのがいいという声もあるが、周りに無関心で距離をとって
いる可能性もある。それは排他性だ」と指摘。「世界に平和をもたらすのか」との
問いかけにも、「非常に多様な側面があるので、どちらへ転がるか分からない」と
答え、この歴史の浅い精神運動は、不透明な要素をかなり抱えていることをにじま
せた。

近代科学の行き詰まりで「宗教的なもの」に回帰したのは全世界的な動きだが、先
進国がスピリチュアリティに向かったのに対し、途上国では原理主義が勢いを増した。
「近代文明は経済を発展させ、不利な立場にあった人も引き上げる形で格差社会を解
決してきたが、それで環境などの様々な問題は解決できるのか。人類は共通の目標を
持てず、原理主義者や宗教的ナショナリストが増えるだろう」と見通しを語る。

「経済発展を続けると信仰心は薄れるのか」という問いには、「高度な教育を受け
た人は従来ならば宗教から離れたが、今は生きるよりどころを求めて宗教へ向か
う。イスラム主義者の中には、西洋文明を理解した上で拒絶し、イスラムを選ぶ人
がいる」と解説した。


(2007年02月06日 読売新聞より)

かつては教会や寺院、聖典が力を持っていたが、戦後、宗教は世俗化が進んで衰退
した。人々は霊魂、地獄、極楽といったものを信じることができず、近代科学の力
で幸せを求めようとしたのだ。近代医療は病原菌を見つけ、手術の方法を考えだし、
長寿が実現した。

しかし1970年代になると、近代科学、合理主義に限界を感じ、宗教的なものに
目を向けるようになった。発展途上国では原理主義が台頭したが、先進国では新し
い精神運動が起こった。私が「スピリチュアリティ(霊性)の興隆」と呼ぶものだ。
米国ではニューエージ運動、日本では精神世界という言葉で広がった。新霊性運
動、新霊性文化と呼ぶこともできる。


スピリチュアリティは心理学、心理療法の流行と深くかかわっている。30年前に
臨床心理士はほとんどいなかったが、今や大学院の臨床心理学科は大にぎわいだ。
人の悩みを聞いて癒やしを与えたいという人がたくさん出てきた。

スピリチュアリティは、神や霊、悟りといった、合理的に説明できない何かが含ま
れている点は宗教と同じだが、宗教のようには組織されていない。個々人が経験し
たり探求したりするもので、しばしば科学と一致するものとして広まってきた。

東京・青山にスピリチュアリティ専門の書店があり、かつては小さな店だったが、
今ではかなりの本やCDなどを扱っている。愛好者は組織をつくらないのが特徴。
互いに束縛せず、横につながる。ネットワークの広がりが新しい時代を切り開くと
考えられている。こうした先進国の精神運動、文化現象は老若男女に広がってい
る。インドや中国などアジアの文化資源が非常に大事にされている。

先進国の人はスピリチュアリティ、発展途上国の人は伝統宗教に向かっていると言
っても、実はそれほど領域が違うわけではない。米国だと、スピリチュアリティが
物足りなくなってキリスト教の福音派になったり、熱心なキリスト教徒がスピリチ
ュアリティに移るといった行き来が頻繁にある。

先進国の人にとってスピリチュアリティは自由に自己探求し、自分の生き方を貫け
るので都合がいいが、深く探求しようとすると迷ってしまう。オウム真理教の入信
者にインタビューしたところ、精神世界系の本を読み、瞑想しても確かなものが出
てこなかったが、オウム真理教の方を見て「ここにこそ本物がある」と思ってしま
ったという人が多かった。だから、スピリチュアリティの世界と原理的な宗教の世
界はあまり遠くないと考えてもいい。

・・・

先進国でスピリチュアリティが話題となっている背景には、過酷な競争、自己責任、
孤独化の中で生きている実情がある。人は個人になると宗教から離れるというのが
昔の理論だったが、実は個人になると合理的なものだけでは生きていけない。人間
は誰でも苦しむが、孤独だとそれがさらに深まり、生きていく意味、物事をともに
行う意味を失う。それが現代人の苦悩であり、先進国の苦悩でもある。

・・・

宗教は組織を持ち、他の排除に働くこともあったが、正義を燃やすこともあった。
人類のために働こうとする意志が仏教にもキリスト教にもあった。この講座に来ら
れた講師の中にも、もし宗教伝統にどっぷり浸っていても、その集団を超えて人類
のために何か奉仕しようという考えの人がいる。しかしスピリチュアリティからそ
うしたものが出てくるだろうか。心理学が大きな勢力になったが、そこには社会の
ために働くという要素が非常に少なく、個人の癒やしばかりを求めていると指摘し
た本がある。これはかなり当を得ている。

しかし、スピリチュアリティはそんな面だけではない。日本の例だと、スピリチュ
アリティの運動はナショナリズムとかなり通じている。国際日本文化研究センター
を設立した梅原猛先生によると、3大宗教のように都市文明とともに興隆した宗教
は大体、農業文明と結びついている。農業で森を壊し、それで得た富で都市をつく
り、大きな宮殿をつくり、巨大な権力ができる。そうした文明の中で宗教が育って
きた。キリスト教もイスラム教も仏教もそんな風に巨大な国家と結んで権力を握っ
てきた。帝国の宗教だ。

しかし、我々は今、その宗教から離れようとし、自然を支配して人類を階級化して
きた文明に代わり、自然と親しく互いが対等に助け合うような社会に帰ろうとして
いる。

--------------------------------------------------------------------------

この講演で、島薗進教授が語られた内容に目を通して・・・
非常に重要なことをばかりを述べていると思いました。

読売新聞からの引用文が多くなってしまいましたが。。。
過去の記事として終われてしまっては非常にもったいない講演内容ですので、記録
として、ブログに残しておきたいと思います。

スピリチュアリティに頼っている今の私としましても、今一度冷静に、かつ客観的
に見る目を持たなければならないと感じました。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 振休を取って、ぶら~っとド... | トップ | -スピリチュアル- 真実味... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

★書籍で探訪|他、大学教授や医師等の見解」カテゴリの最新記事