みたり*よんだり*きいたり*ぼぉっとしたり

映画のこと、本のこと、おもったこと。

『のだめカンタービレ』

2007-12-27 16:10:39 | よむ
レンタルコミック返却日ぎりぎり、記憶にあるのは10巻まで、あとは読みながら眠ってしまった。当日朝返しでなんとか延滞にならずに済んだけど、どかんとまとめ借りは悪い癖だ。借りるは良い良い、返すはこわい。ほんと、ご利用は計画的にだ。だいたいが、つづきはほい!これ!的な読み方はどこかぞんざいになり、漫画に対しても失礼な気がして後ろめたいものがあるのに、その上、ぎりぎりあせり読みなんて言語道断である。というか、「言語道断」て妙な言葉だ。もともとは仏教用語だなんて、今、知ってしまった。お叱りの言葉だとばかり思っていたが、それだけでもなかったのか。言語の道を絶たれたという意味(「仏教の奥深い真理は言葉では説明することができないことをいう。」『広辞苑』)もあるんだったのか、ってこっちの方が字そのまんまといえば、まぁそうなんだ。

千秋さまとのだめワールドにひたれるのは楽しい。が、なんともわたしが大好きなのはミルヒ・ホルスタインさま。ちゃらい人って、ほんと良いよね。「ブラームスをなめたらいけませんよ」ってさらっと言いながらのあのちゃらさ。かっこよすぎです。

”Monster” 浦澤直樹

2007-12-27 14:09:59 | よむ
全18巻。続きはほい!これ!のレンタルコミックで読んだ。10巻ほどまでは、人間の悪意がこれでもかと描かれていて恐かったが、年取ったおかげで、悪を描いたものの方が、よくわかんないが信用できるような気がするようになってきた。若いときじゃ、毒っ気の強さにあてられて読めなかっただろう、たぶん。

年賀状

2007-12-24 15:25:20 | よむ
ここ数年ほど年賀状を作らず、一仕事から開放された気楽な気分を味わっていたが、今年はそういうわけにもいかない環境に身を置いたので、数年ぶりに年賀状を作った。作るまでの気の重いことといったらないが、「わたし、出さない主義なので、賀状挨拶は失礼させていただきま~す♪」と宣言することの気の重さには敵わないので、しぶしぶ腰を上げた。しぶしぶの割には、手を付け出すと葉書一枚の大きさに、何か自分なりの表現というようものをむずむずと施したくなる。そして、施してしまい、あまり、ほとんど、まったく、意味のないコストをかけることに暴走してしまう。という気質を察知している人に、今年は「年賀状作成の3箇条」を課された。

1.元旦に届く
2.伝統的年賀状形式を守る
3.人の目に留まらないものをつくる

これはつまり、

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ホメラレモセズ

クニモサレズ

サウイフモノニ

ワタシハ

ナリタイ


・・・・・・・・・
というような、
木にも登ってみたいし
苦にされながらも愛されたいといった煩悩だらけのわたしには、
面白みのなさそうにみえる
「雨にも負けない賀状作成術」だ。

でも、
これがなかなか快適な3箇条だった。
おかげで、さっさとやるべきことをやり終えたような解放感を
味わえて、こうしてブログでも遊んでいられる。



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・宮沢賢治「雨ニモマケズ」(一部抜粋)

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バガボンド

2007-12-02 20:59:48 | よむ
一年ほど前、ラーメン屋さんでの待ち時間にそのお店の小さな本棚から手に取った一冊が『バガボンド』だった。ラーメンずるずる、鼻水じゅるじゅる、涙どわどわになりながら、読み食べしたラーメンの味はすっかり忘れてしまったが、その一冊が強烈な印象を残した。一年経って、近所にコミックレンタルをやっと見つけた。『バガボンド』二十冊を借りてきて、布団の傍に積み上げて、”つづく”の待ち遠しさに焦がれることなく続きはほい!これ!と次々読めるのは、極上の幸せな時間だった。胤舜との対峙編が一番好き。胤栄の存在がとても良いし。ところで27巻まで出ているみたいだけど、『バガボンド』はまだ完結していないのかしら。

たまに新聞を読むと

2007-11-06 02:02:10 | よむ
ところどころにおもしろい文章がある。
引用しておく。

これこれしかじかの流れで著者はこのように言っている、という形で引用したいが、なにしろ頭が憂鬱なので要旨をまとめあげる作業が困難だ。

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だがやはり決定的なのは現代の電波メディアの情報、テレビやパソコンや携帯電話に(*)もたらす情報だろう。新しい情報は活字情報に比べて刺激が強く、しかも断片的で瞬間的な訴求力に富んでいる。それらは絶えず先行する情報を陳腐化し、長期的な問題について人間を忘れやすくするのである。

山崎正和 2007年11月4日(日)讀賣新聞 地球を読む
 『扇動者なき暴走 変容する世論』

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 対象であるキノコを観察する目が、正確なのだ。きっと。キノコをキノコ以上に見ようとしない。同時にキノコ以下にも見ようとしない。
 過剰な期待をしないこと。そのうえで信頼すること。人と人との間で「優しさ」と定義されるような対しかたを、熊楠はキノコ及び研究対象全般に常に行っていたんだろうなあと、本書を眺めながら思ったのだった。字面は柔らかだけれど、「優しさ」は冷静な自律を必要とする行為だ。巨人の、巨人たる由縁、である。

川上 弘美  2007年11月4日(日)讀賣新聞
『南方熊楠 菌類図譜』の書評

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(*)ここの助詞「に」にひっかかってわたしは読み直してしまったが、
  この文章で「に」を使うのは当たり前のことなのかしら。
  どうも一人勝手に変換機能が働いて「に」→「が」と読んでしまう。

吉田修一とアニー・エルノー

2007-10-10 01:20:02 | よむ
小池真理子の対談集を読んでいて、
興味を持った二人。
吉田修一は写真に写っていた姿かたちが良かった。
アニー・エルノーはお話が非常に面白かった。

吉田修一の『悪人』を読みたかったけどその前に『女たちは二度遊ぶ』を読み、
続けて、アニーエルノー『シンプルな情熱』を読んだ。

アニー・エルノーは対談でもそうだったけど発言のひとつひとつに爆弾並みの破壊力があるのにいっさい力みが感じられず、なんともスマートにさらりとした印象。それは『シンプルな情熱』の印象にそのまま通じる。”PASSION SIMPLE”・・PASSIONに囚われた人間がどうなるか、あまりに個人的な告白の文体をとりながら、(おそらく誰もが少なくともわたしは)共感というレベルを超えて我が身に覚えがありすぎて客観的に読めなくなるところに恐るべし作家の客観性がある。

「その人を待つ時間」を味わいきることだけを選択する生活、脆弱なわたしはそんな苦しくて怖い状態には持ちこたえられるわけがなくて、針がそちらに傾きそうになると慌てて気持ちを逸らすことばかりに専念する。
みっともなくて馬鹿げていてどうしようもなくて不毛なことだらけにうつつを抜かしきれるって、なんて強くて豊かなんだろうと思いはするけれど。ど。ど。ど。ど。

『シンプルな情熱』アニー・エルノー 堀茂樹訳 早川書房

『女たちは二度遊ぶ』は短編集。
腹を空かせて俺を待つ女に自分の存在価値を見出して、そしてこれでもかとそれを確認したがるから大事なものを大事にできなかった俺を描いた『どしゃぶりの女』が良かった。ちょっと”説明”が多すぎる気がしたけど。




めいっても滅入っても歩道はつづくよ

2007-09-25 11:15:21 | よむ
どこまでも。

車道もつづいているけど。

車に乗っている人みんなが、
車だって♪チャリンコだって♪
みんなみんな生きているんだ友達なんだ~♪
と思っていてくれるとは限らないので、
それに、
わたしが車道を走るには、速度に難有りとかキープレフトができないとか諸事情により迷惑なことも多いので、
歩道を走らなきゃならないことが多々ある。
でも、
自転車0N歩道はつらい。
歩いているとさほど気にならないけど、
歩道は段差だらけ。
路面の微妙な凹凸も繊細にキャッチする(・・吸収ならいいけんだけど)車体に、
あのしつこいほどの段差はほとほと滅入ります。
その上、
道路空間における歩行者と自転車の関係性は
車と自転車の関係性よりも、
よほど読みが難しくて、不透明です。

東京横断自転車道・・・あったらいいね。
その点、R357は自転車も快適でした。

そのR357を走っていたら、
後部にデカイ旗を立てたロードにまたがり、オートバイのヘルメットかぶったおにいさんが
すうぅっと隣に停まった。
「幕張はこっちでいいですか?」と・・・
週刊『ファミ通』の企画で広島から自転車乗って来られたそうです。



本当は走っているところを撮りたかったけど、
長距離ライドを感じさせない速いハヤイ走りのおにいさんで
走っているところは、なかなかカメラに収めることができなかったため、
一休みのところをパチッ。


9.22 舞浜うろうろ24.2km



9.23花見川CRうろうろ67km

9.24tokyoうろうろ34km

今までの走行距離691km





おとぎばなし。

2007-09-17 03:09:02 | よむ
サントリーホールに行く電車中、ずいぶんと久しぶりに小説を読んだ。
完全な娯楽。
出掛けに鞄に入れたのは『ダンスダンスダンス』の上巻。
おそらく読みきることは無いだろうと思っていたのに、思いの外引き込まれ日をまたいで上下巻を読んだ。

34歳の僕が13歳のユキを見る思いは、
今のわたしが34歳の僕を見る思いに通じるものがあるのかもしれないし、ないのかもしれないし、あるような気がするだけなのかもしれない。

エマ~英国戀物語~

2007-06-08 13:56:13 | よむ
GYAOで『エマ』第一幕の一話と二話が公開されていると、お知らせいただきました。先日、偶然に初めて見かけた第二幕で、いっぺんにエマファンになりました。幼い頃に触れたお話の世界を感じさる懐かしさがあり、心の根美しい人々で構成されるこの世界観が、自分はやっぱり好きなのだと思いながら昨夜は一幕を見ていました。ここにあからさまではない悪が登場し心の綾が複雑になると、単純なわたしには余るものがあるのでしょう。一幕一話は10日まで公開ということでしたので、見逃さないように心配でしたが、ついつい、二話まで見てしまいました。次回の公開が待ち遠しい。

『赤と黒』里中真智子

2007-05-12 14:27:34 | よむ
「原作は長大で、登場人物はいつも人生の道を”らせん状”に登っていく。整理するためにその”らせん”の階段をはずして、直線のはしごに置き換えて描いた。」(里中真智子)
世界文化社から「マンガ世界の文学」がシリーズで出ている。その第1巻が里中真智子さんが描く『赤と黒』。大人になってからの里中さんは、ジュリアンの心の動きを「けっこう”かわいい”」と思ったのだそう。この一言で、わたしなどは「うわっ!さすがだな。」とわが身の未成熟さを思い知る。