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どうしてゴッホは女の気配が薄いのだろう。

2005-05-06 01:52:25 | みる
薄いわけではないのかもしれない。後の人々が作品を残した人々のどこに焦点を当てるかにも依るのかもしれないけれど、ゴッホが最初に恋した相手は婚約済みで敢え無く失恋、次に求婚した女性は子持ちの未亡人、これもあっさり失恋。その2年後同棲に至った女性は子供と性病を持つ上に妊婦の娼婦。この関係からゴッホ自ら遠ざかり、翌年、8歳年上の女性と恋愛関係に入るが、相手の女性は服毒自殺。2年経て、カフェのママと親密関係でようやく(わたしが勝手に)安定感が感じられるけれど、また2年後には、なんとゴーガンと一緒に暮らし始めちゃう。「いや、違うだろ、それ。」なんてわたしが思うのは、お門違いだけど、思っちゃう。若干34歳どす、この時ゴッホさん。たしかに、遍歴は薄くない、濃厚ですが、もしも、死の近くにふらつきがちな男がいるとしたら、女がその男の生のたずなを握ることが、もしも、あるとしたら、いえ、あると思うのですが、ゴッホさんにはそれが感じられない。
そう、それが感じられない寂しさにつつまれ観た東京国立美術館にて開催されているゴッホ展でありました。