2006.8.31(木)19:00
サントリーホール
ベルリオーズ:ローマの謝肉祭
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番
チャイコフスキー:交響曲第5番
8月はこの演奏会だけなので、久しぶりに聴くオーケストラだった。そのせいかしら、自分の耳(なのか音への感覚なのか)が鈍っている気がする。
前半演目はなんだかピンとこなかったけど、後半に入って、ようやく楽器の音に耳が順応してきたような。この日は、最近お気に入りのホルン協奏曲(モーツァルト&ブラームス)の影響か、ホルンの音に敏感になっていた。楽器の形は総じて美しいものだけれど、たとえば、トロンボーンは形も直線的で音は一歩も二歩も前面に出てくる感じがするが、金管の中でもホルンはまろやかに丸みを持つ形で、思慮深い音がする。それから、この日もやっぱりクラリネット。クラリネットの音は、さまざまな表情を持っていて、ジャンルを超えて、曲調を超えて、枠に収まらない表現にはっとさせられることがある。
ところで、
レコード芸術9月号の特集は超名曲の徹底解剖なので購入したのだけど、
そのおかげで、久しぶりにリアルタイムで吉田秀和さんの文章を拝読することができた。こんなふうに音楽を聴く以前から、好きだった。
孔子のいう野人的と君子的という視点から音楽を分析されている。
「一見、画一的にみえるけれども、事実はそうではない。こういう演奏は、整然と規範的なものであるようにみえて、本当は、斬新な演奏だったのである。」
ブダペスト弦楽四重奏団のベートーヴェンの演奏を取り上げての言葉。
こんなふうに音楽を聴けるようになったら、どれほどの喜びだろう。
サントリーホール
ベルリオーズ:ローマの謝肉祭
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番
チャイコフスキー:交響曲第5番
8月はこの演奏会だけなので、久しぶりに聴くオーケストラだった。そのせいかしら、自分の耳(なのか音への感覚なのか)が鈍っている気がする。
前半演目はなんだかピンとこなかったけど、後半に入って、ようやく楽器の音に耳が順応してきたような。この日は、最近お気に入りのホルン協奏曲(モーツァルト&ブラームス)の影響か、ホルンの音に敏感になっていた。楽器の形は総じて美しいものだけれど、たとえば、トロンボーンは形も直線的で音は一歩も二歩も前面に出てくる感じがするが、金管の中でもホルンはまろやかに丸みを持つ形で、思慮深い音がする。それから、この日もやっぱりクラリネット。クラリネットの音は、さまざまな表情を持っていて、ジャンルを超えて、曲調を超えて、枠に収まらない表現にはっとさせられることがある。
ところで、
レコード芸術9月号の特集は超名曲の徹底解剖なので購入したのだけど、
そのおかげで、久しぶりにリアルタイムで吉田秀和さんの文章を拝読することができた。こんなふうに音楽を聴く以前から、好きだった。
孔子のいう野人的と君子的という視点から音楽を分析されている。
「一見、画一的にみえるけれども、事実はそうではない。こういう演奏は、整然と規範的なものであるようにみえて、本当は、斬新な演奏だったのである。」
ブダペスト弦楽四重奏団のベートーヴェンの演奏を取り上げての言葉。
こんなふうに音楽を聴けるようになったら、どれほどの喜びだろう。