みたり*よんだり*きいたり*ぼぉっとしたり

映画のこと、本のこと、おもったこと。

足りないの?余計なの?そうではなくてそもそも違う?

2008-09-23 23:20:50 | みる
先日、『おくりびと』を観ました。

山崎努も本木さんも余さんも焼き場のおいちゃんも、見ようによっては広末さんも、もちろん吉行さんも、良い。とても良い。むしゃむしゃ食べるシーンも良い。むしゃむしゃ食うだけならとても良い。だけど、全体の文脈の中で何か意味ありげに見せようとするのは、興醒め。久しく会ってない父ちゃんが握りしめている石に意味を持たせるのも興醒め。チェロ弾きから納棺師への転職を果たした男の変化もその妻の変化も少し良い。でもちょっと妻の描かれ方がうすらぼんやりしててへん。田舎の田んぼか畑かでチェロを弾くシーンが執拗に繰り返されるのも、デューダ男の内面のイメージシーンならそれではない他の表現も見せてください、という気持ちになる。

と、折々興醒めしながら、ずっとじゅるじゅる泣き通しで観た映画でした。