毎日の更新が苦しくなってきているおおしたです。
それで思い出すこともなかった思い出にまで手をつけることになってしまいました。
早くも4回目です。
今日のは「プラットフォームで寝てたら牛に囲まれていた」というくだらない話です。
この続きです。
ジャンム駅に着いたのは夕方だった。まずはニューデリーまでの列車のチケットを駅で購入した。この先ニューデリーからカジュラホ、バラナシ、ブッダガヤを経てカルカッタまで列車を使って行くのだが、予約席にも関わらず、どの列車でもお約束の如く必ず私の席にインド人が座りこんでいた。そしてその席は私の席だといったやり取りが毎回繰り返された。その話はまた次回。
宿を取っていなかったのがポン引きにはわかるのだろう、それを見越しての付きまといがとても煩い。彼らの目を掻い潜り、腹ごしらえのために駅前の食堂でカレーを食べた。どこに行ってもカレーしかないこの国で、私の定番はマトンかチキン、そしてインドといえばナンだと思うが1ヶ月半、ナンは一度も食べなかった。入る店がたまたまチャパティかご飯しかないところだったのかもしれないのだが。
ところでこのチャパティだが、米が育たない地域、小麦を主食とする北部インドはほとんどがチャパティだった。南下するうちに米を食べる機会が増えていったので、インドの子午線移動は食の変化を楽しめるものでもあった。このチャパティだが、全粒小麦粉を水とバターオイルの一種であるギーだけで練ったもので、それを円型に平たく伸ばし、クレープのごとく熱した鉄板で焼き上げる。チャパティはナンと違い、発酵させないで焼くことができる。だから短時間で作る事ができるし、タンドール窯が無くても作る事ができる。食事のほとんどが屋台みたいな所だったので、タンドール窯を常設できないのだろう、ナンにお目にかかる事ができなかったのは当然と言えば当然かもしれない。
そういえば、カシミールで過ごした数日の間、なんだかんだとインドでの旅行も慣れていったみたいだ。明日は列車に乗るし、宿を取るのもポン引きとの交渉のも面倒くさい。だからジャンム駅のプラットフォームにあるベンチで寝ることにした。野良犬に野良牛、結構いたが、他にもインド人が寝ていから大丈夫だろうと、ベンチに横になり一夜を明かした。荷物が少なく取られる心配がないのも有難い。ただ、目を覚ますと数頭の牛に取り囲まれていた。あたかも私の事が眼中に入っていないかの如くにである。特に危害を加えるでもなく目の前にいる。その頃には牛の存在にも慣れてはいたのだが、さすがに目の前で休まれるとびっくりする。後で出会ったバックパッカーが細い路地で牛が何気なく振った顔が脇腹にあたり肋骨が折れたと言っていた。その話を最初に聞いていたらビビっていたかもしれないが、とにかく毎日インドに晒されて少しずつ逞しくなっていった。
続く)
1回目はこちらです↓
20歳の時に行ったインド旅行。友達がシベリア鉄道でヨーロッパに行ったとか東南アジアに行ってきたとか、そんな話を聞いて私も行ってみようかと軽い気持ちで計画を立てた。行き先はどこでも良かったのだが、インドに行って人生観が変わったとかいった話を聞いて、とりあえずインドについて調べてみた。古本屋で「地球の歩き方」を購入しイメージトレーニング、人が住んでいるから大丈夫だと、特に不安もなくインドに行き先を決めた。
西風と申します。この度は、
お誘いありがとうございました。
これをご縁に末長くお付き合いの
程、宜しくお願い致します😃