【ワシントン=坂本一之】米海軍制服組トップのフランケティ作戦部長は18日、今後の海軍の取り組みを示す戦略的指針「航海計画2024」を発表し、2027年までに中国と戦争になる可能性に備えて能力強化を図ることを掲げた。中国の習近平政権が統一を掲げる台湾に対して軍事圧力を強める中、中国の軍事力に対抗する姿勢を鮮明にした。
フランケティ氏は同指針で、「米海軍の長期的な優位性を高める」ことと、「中国と戦争になる可能性」に備えることを「戦略的目標」と位置付けた。
安全保障環境に関して「中国が突きつけている挑戦は、中国人民解放軍(PLA)の艦隊の規模を超越している」と指摘。「巨大な軍事産業」に支えられた技術進歩などによって、PLAの海軍やロケット軍、空軍などが「米国を打ち負かすために統合されつつある」と述べた。
中国が複数領域にまたがる戦闘能力に加え、核戦力や海上民兵の拡大などによって脅威を高めているとし、米海軍として全領域と連動しながら「制海権」を維持する必要を強調した。
今後の取り組みでは、無人機システムなどの増強や「分散した戦場」に対応する司令機能の構築、「艦船や潜水艦、航空機の保守整備の遅延解消」などを重視する。
バイデン米政権は、習国家主席が27年までに台湾侵攻を成功させる準備を軍に指示したとみて抑止力の強化を優先課題としている。インド太平洋地域に前方展開する米海軍は、PLAとの衝突に備えた能力強化を進めることで対中抑止力の維持、拡充を図る考えだ。
産経新聞
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