杜の都の北東に、江戸の御威光と共に仙台藩の繁栄を示すような、飴色の透塗(すきうるし)や精巧な細工を施した美しい神社がある。二代藩主の伊達忠宗公が造営した、徳川家康公を祀る「東照宮」だ。
この東照宮から、南方向へ長く長く伸びる道があり、そこを「宮町通り」と言う。
実は、この仙台宮町に、美味しい煎餅と「人形焼」があるのだ。
宮町通りを東照宮から進んでいくと、2つ目の交差点で「宮町3丁目」となり、この交差点を少し過ぎた所の十字路を左(東方面)に入る。
その路地を少し進むと、瓦のひさしの下に扇形の看板が付いた、趣のある店にたどり着く。
このお店は、「味道楽せんべい 味楽(みらく)」さんだ。
穏やかな甘さの、歯ごたえが軽くて小気味よい、美味しいお煎餅を売っている。
この味楽さんでは、お煎餅だけでなく、東京の下町で有名な「人形焼」が売られている。
人形焼は、明治頃の発祥だろうか。人形町から、型で生地を焼いた菓子が作られたのが「人形焼」の始まりだと言われている。
もともと、江戸時代に流行った歌舞伎と共に、浄瑠璃の人形遣いや芝居小屋が多く集まったので、そこが「人形町」となり、それにちなんで人形焼が作られたようで、人形町で芝居を楽しむ人々にも親しまれた菓子だったらしい。
さて、仙台の宮町にある「味楽」さんの人形焼は、中に餡が入った、生地が芳ばしく、しっとりとして程よい甘さの人形焼きであった。
その形は、人形焼の伝統の型といわれている、「七福神」である。
東京では6個で、「お客さんの笑顔を入れて七福神」などと言うが、仙台のはちょっと違う。
「あれ?七福神だけど、8個だ。」どうやら、大黒様が2つあったかなと、顔を見比べた。
末広がりの8つにしたのだろうか、豊かで円満な人形焼だった。
町をゆったり歩いて、笑顔を誘う人形焼を楽しむのもいいものだ。
※追記:今も同じ場所で、美味しい煎餅と人形焼が売られています。仙台で作る、伝統の七福神人形焼は、この味楽さんでしか見たことがありません。
瓦せんべいの材料はカステラと同じなので、菓子作りの技法を活かして人形焼きも作られているのでしょう。
ちなみに、上杉や二の森にも、同じく瓦せんべいを主としたお店があるので、聞いてみたら親戚だと分りました。でも、各々が独立しており、それぞれに持ち味があります。
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