うちには3匹の金魚がいる。
名前を、きんちゃん、日の丸、ウルトラマンボーイという。きんちゃんとウルトラマンボーイは和金、日の丸は赤と白のコメットで、3匹とも、この暑さに負けず至って元気かつ食欲旺盛。小さな水槽の中で元気に泳ぎ回っていた、はずだった。
夕べ、仕事から帰り、お風呂に入ったりアレコレして、ちょっと一息ついた時に、そういえば、まだ金魚に餌をやってないな、りょうちゃんに、餌やりするよう言わないと、と思いながら何気なく水槽に目をやって、ふと違和感を感じた。
あれ? 3匹いる?
どう見ても、水草の裏までじっくり確認しても、2匹しかいない。
「りょうちゃん、日の丸がいない」
と言ったら、りょうちゃんが、「えっ?」と驚いて飛んで来た。
今朝、餌をあげた時は、3匹いたように思ったけど、朝はバタバタしててじっくり見たわけじゃないから、確信はない。夕べがどうだったかも、覚えてない。パパからも何も聞いてないけど、夜に死んでたので、捨てたか、ベランダの植木鉢に埋めたかしたんだろうか?
一応、パパに、「日の丸がいないんだけど、死んだの?」とメールをしたけど、すぐに返事がなかったので、りょうちゃんを寝かせることにした。
りょうちゃんは、ショックが去り、日の丸がいないことを実感したのか、布団に入ってから、
「ひのまる、かわいそう。いないとさみしい
」
と、ひとしきりオイオイ泣いて、眠りについた。私も、そのまま、りょうちゃんと一緒に眠った。
さて、夜中。帰ってきたパパに、「おい、気味が悪いぞ。日の丸どこ行った?」と起こされ、一気に目が覚めた。
えっ、パパも知らないの???😱💦
慌てて一緒にリビングに行き、思わず2人で無言。
「昨日の夜に死んでて、パパがどこかに片付けたのかと思ってた」
「いやいや、それなら必ず言うよ」
「そうだよね。。。」
「それに、俺は夕べも今朝も見たけど、その時はいたぞ」
そうなのだ。パパは金魚を可愛がってたから、黙ってるなんてありえない。夕べとか今朝見た時にいたかどうかは、3匹いると思っただけで、いないことに気づかなかった可能性もあるけど。
水槽は、リビングのチェストの上に置いてあって、周りにはりょうちゃんの絵とか、幼稚園で作った作品が置いてある。水槽には、ただ載せてるだけだけど透明のプラスチックの蓋があって、餌を与える用の小さな穴と、濾過器を取り付けた両脇に少し開いているところがある。でも、金魚の大きさは、その穴をギリギリ通れるくらいなので、穴から飛び出したのは考えづらい。蓋がずれたりもしていない。飛び出したにしたって、周りのりょうちゃんの作品などをどかしても影も形もなくて、金魚はどこ? という謎が残る。
金魚は共食いすることもあるけど、餌は毎日2回あげてたし、かけらも何も残らないのは考えづらい。それに、弱ってたならともかく元気だったんだから、共食いされるとしたら、一番小さなウルトラマンボーイだと思うし。
考えたくないけど、もしかして、家に誰か入った? そんなことを2人で言いながら、水槽の周りを何度も見て、一応、りょうちゃんの小銭貯金箱とか、私の500円玉貯金とか、通帳とか、パソコンも確認したけど、全部ある。
いないのは、なくなってるのは、1匹の金魚だけ。
怖い、うちで何か起きてるの? 誰か入ったの?
もしかして、玄関を開けた隙に野良猫が入り込んで、実は今も、家に潜んでるとか? まさか、ストーカーとか? 心当たりは全くないけど(笑)
なんて、頭の中がグルグルした。
警察に言うべき? まさか、今もまだ誰かいるとか? 怖くて、このまま寝られる気がしない。
そんなことを考えながら、まさか、ここにはいないよね? と、チェストの下のところに置いたままにしてあった、りょうちゃんのプールバッグやピアノのレッスンバッグを何気なくどかした瞬間、見慣れないものが目に飛び込んできた。
「ギャーッッッッ😱💦」
と、思わず悲鳴をあげて飛びのくと、パパが「どうした‼️」と叫んだ。
「日の丸が、いた」
「どこ? あっ、見ろ、干からびてる‼️」
「いや、無理、見れないよ、見たくない」
そうなのだ。顔の方は見なかったけど、干物状になった日の丸の死骸の尾ビレのあたりは、バッチリ見てしまった。ううっ、夢に見そう。
しばらく脱力して動けなかったし、もう見たくなかったので、お片づけはパパにお願いした。
りょうちゃんが見つけなくて本当に良かった。多分、トラウマになるよね。ああ、しばらく干物は食べたくない。
それにしても、金魚泥棒でも、ストーカーでも、野良猫でもなく、本当にホッとした。ある意味、分かって良かったね、とパパと話した。日の丸がかわいそうだから、良かったというのも変だけど、でも、とにかく良かった。
やっぱり日の丸は、自分で飛び上がってしまったんだろう。その勢いで蓋が持ち上がって、たまたま隙間から飛び出し、ビチビチ跳ねて下に落ち、そこで息絶えた、ということなのだろう。
そういえば、1ヶ月くらい前に、りょうちゃんとテレビを見ている時、金魚がバシャンと跳ねて蓋に当たり、結構大きな音がしたのでびっくりした事があったのを思い出した。元気すぎて死んじゃうなんて、そんなことがあるんだ。
りょうちゃんは今朝、起きた瞬間に、
「パパは? ひのまるは?」
と聞かれたので、元気よく飛び出して死んじゃったのをパパが見つけて、埋めたんだって、と簡単に答えた。りょうちゃんは、
「かわいそう」
とポツリと呟いた。
やっぱり、りょうちゃんが見つけなくて、本当に良かった。
名前を、きんちゃん、日の丸、ウルトラマンボーイという。きんちゃんとウルトラマンボーイは和金、日の丸は赤と白のコメットで、3匹とも、この暑さに負けず至って元気かつ食欲旺盛。小さな水槽の中で元気に泳ぎ回っていた、はずだった。
夕べ、仕事から帰り、お風呂に入ったりアレコレして、ちょっと一息ついた時に、そういえば、まだ金魚に餌をやってないな、りょうちゃんに、餌やりするよう言わないと、と思いながら何気なく水槽に目をやって、ふと違和感を感じた。
あれ? 3匹いる?
どう見ても、水草の裏までじっくり確認しても、2匹しかいない。
「りょうちゃん、日の丸がいない」
と言ったら、りょうちゃんが、「えっ?」と驚いて飛んで来た。
今朝、餌をあげた時は、3匹いたように思ったけど、朝はバタバタしててじっくり見たわけじゃないから、確信はない。夕べがどうだったかも、覚えてない。パパからも何も聞いてないけど、夜に死んでたので、捨てたか、ベランダの植木鉢に埋めたかしたんだろうか?
一応、パパに、「日の丸がいないんだけど、死んだの?」とメールをしたけど、すぐに返事がなかったので、りょうちゃんを寝かせることにした。
りょうちゃんは、ショックが去り、日の丸がいないことを実感したのか、布団に入ってから、
「ひのまる、かわいそう。いないとさみしい

と、ひとしきりオイオイ泣いて、眠りについた。私も、そのまま、りょうちゃんと一緒に眠った。
さて、夜中。帰ってきたパパに、「おい、気味が悪いぞ。日の丸どこ行った?」と起こされ、一気に目が覚めた。
えっ、パパも知らないの???😱💦
慌てて一緒にリビングに行き、思わず2人で無言。
「昨日の夜に死んでて、パパがどこかに片付けたのかと思ってた」
「いやいや、それなら必ず言うよ」
「そうだよね。。。」
「それに、俺は夕べも今朝も見たけど、その時はいたぞ」
そうなのだ。パパは金魚を可愛がってたから、黙ってるなんてありえない。夕べとか今朝見た時にいたかどうかは、3匹いると思っただけで、いないことに気づかなかった可能性もあるけど。
水槽は、リビングのチェストの上に置いてあって、周りにはりょうちゃんの絵とか、幼稚園で作った作品が置いてある。水槽には、ただ載せてるだけだけど透明のプラスチックの蓋があって、餌を与える用の小さな穴と、濾過器を取り付けた両脇に少し開いているところがある。でも、金魚の大きさは、その穴をギリギリ通れるくらいなので、穴から飛び出したのは考えづらい。蓋がずれたりもしていない。飛び出したにしたって、周りのりょうちゃんの作品などをどかしても影も形もなくて、金魚はどこ? という謎が残る。
金魚は共食いすることもあるけど、餌は毎日2回あげてたし、かけらも何も残らないのは考えづらい。それに、弱ってたならともかく元気だったんだから、共食いされるとしたら、一番小さなウルトラマンボーイだと思うし。
考えたくないけど、もしかして、家に誰か入った? そんなことを2人で言いながら、水槽の周りを何度も見て、一応、りょうちゃんの小銭貯金箱とか、私の500円玉貯金とか、通帳とか、パソコンも確認したけど、全部ある。
いないのは、なくなってるのは、1匹の金魚だけ。
怖い、うちで何か起きてるの? 誰か入ったの?
もしかして、玄関を開けた隙に野良猫が入り込んで、実は今も、家に潜んでるとか? まさか、ストーカーとか? 心当たりは全くないけど(笑)
なんて、頭の中がグルグルした。
警察に言うべき? まさか、今もまだ誰かいるとか? 怖くて、このまま寝られる気がしない。
そんなことを考えながら、まさか、ここにはいないよね? と、チェストの下のところに置いたままにしてあった、りょうちゃんのプールバッグやピアノのレッスンバッグを何気なくどかした瞬間、見慣れないものが目に飛び込んできた。
「ギャーッッッッ😱💦」
と、思わず悲鳴をあげて飛びのくと、パパが「どうした‼️」と叫んだ。
「日の丸が、いた」
「どこ? あっ、見ろ、干からびてる‼️」
「いや、無理、見れないよ、見たくない」
そうなのだ。顔の方は見なかったけど、干物状になった日の丸の死骸の尾ビレのあたりは、バッチリ見てしまった。ううっ、夢に見そう。
しばらく脱力して動けなかったし、もう見たくなかったので、お片づけはパパにお願いした。
りょうちゃんが見つけなくて本当に良かった。多分、トラウマになるよね。ああ、しばらく干物は食べたくない。
それにしても、金魚泥棒でも、ストーカーでも、野良猫でもなく、本当にホッとした。ある意味、分かって良かったね、とパパと話した。日の丸がかわいそうだから、良かったというのも変だけど、でも、とにかく良かった。
やっぱり日の丸は、自分で飛び上がってしまったんだろう。その勢いで蓋が持ち上がって、たまたま隙間から飛び出し、ビチビチ跳ねて下に落ち、そこで息絶えた、ということなのだろう。
そういえば、1ヶ月くらい前に、りょうちゃんとテレビを見ている時、金魚がバシャンと跳ねて蓋に当たり、結構大きな音がしたのでびっくりした事があったのを思い出した。元気すぎて死んじゃうなんて、そんなことがあるんだ。
りょうちゃんは今朝、起きた瞬間に、
「パパは? ひのまるは?」
と聞かれたので、元気よく飛び出して死んじゃったのをパパが見つけて、埋めたんだって、と簡単に答えた。りょうちゃんは、
「かわいそう」
とポツリと呟いた。
やっぱり、りょうちゃんが見つけなくて、本当に良かった。