重慶大厦(チョンキンマンション)
重慶大厦は、尖沙咀(チムサーチョイ)の彌敦道(ネイザンロード)沿いに建つ複合ビルです。
1961年に完成したのでもう築57年ですね。
何回か改装されています。
個人住宅・両替所・インド料理屋・アフリカ料理屋・商店・食堂などが入った複合ビルですが、
やはり有名なのは安宿の多さ。
香港一の繁華街の一等地にありながらドミトリーなら約2000円という安さに惹かれ、
世界中からバックパッカーが集まってきます。
しかし強引な客引き・麻薬の密売・売春・裏賭博など、
悪の巣窟・犯罪の温床と言われ治安面はかなり評判が悪いです。
近年は警備が強化され、以前よりは改善されているようです。
両替のレートが良いことで知られているため、
グランドフロアと1階(日本で言う1階と2階)は観光客も多く訪れます。
両替以外に用がない人はビルの奥まで行くのはちょっと勇気がいるかもしれません。
香港でありながらなぜかインド人とアフリカ系の人ばかりです。
私はこのビル内の宿を予約してあるので奥へ奥へと入っていきました。
私が早足で歩いていたからか、本当に規制が強化されたからなのか、
とくに声をかけられることはありませんでした。
それでも刺すような視線の中、何か言われたらと思って内部の写真は撮れませんでした。
内部はいくつかのブロックに分かれていて、エレベーターはブロック専用です。
グランドフロア以外はブロック間を移動することはできないようです。
そのため、宿が多いブロックはいつもエレベーター待ちの行列ができていました。
もし火事になったら間違いなく逃げ遅れるであろう構造をしています…
とりあえず予約した宿のあるCブロックの5階へ向かいます。
普通の住宅みたいな玄関にゲストハウスの貼り紙があって、
インターホンを鳴らすとアフリカ系の男性が出てきました。
フロントらしき場所もなく、狭い廊下で立ったまま「あの~予約してあるんですけど」と言って
booking.comの予約確認書を見せました。
男性も立ったままノートを見ながら「何かメール受け取らなかった?」と聞いてきました。
実は空港で受信した「あなたの予約はキャンセルされました」メールの前にも2日前にメールを受け取っていました。
booking.comからで「クレジットカードが無効です。正しいクレジットカード情報に更新してください」という内容でした。
booking.comにはいつものクレジットカードを登録してあって、
今までも予約の度にクレジットカード情報をいちいち入力したことはありません。
今まではそのクレジットカードで何の問題もなく利用できていました。
それでも念のためと思って改めてクレジットカード情報を更新しておき、booking.comから更新の承認も得ていました。
ついでにチェックイン時間のリクエストメールも送っておきました。
「12日の15時チェックイン希望」と。
するとbooking.comから「リクエストは宿から承認されました」との返信ももらっていました。
「カード情報はアップデートしました」と言うと、
「オーナーに確認してみる」と言って電話をかけて何やら確認していました。
すると「あなたのカードはノーグッドだ」と言うんですよ。
「いやいや。いつも使っているし今日も日本の空港で使えました」と言うと、
「PINを入力するタイプのカード?」と聞かれ、
「そうです」と答えると「PINはダメな場合が多いんだよね」と。
そんなこと言われても…
今時PINを入力しないカードの方が珍しいのでは?
PINを入力するカードが使えないなのはそちらに原因があるのでは?
チェックイン時間も知らせて承認されているんだから私が来ることは知ってるはずでしょ?
と言ったところでその人もオーナーではないしとにかくダメだね~と。
「それなら現金で払いますからとにかく泊まれますか?」と聞くと
「キャンセルした後すぐに他のお客さんが入っちゃって満室で無理」と。
数部屋しかない小さなゲストハウスなので。
はぁ~
インドでも似たようなことがありましたが、
→「インド 移動編 1」
その時は自分に全く非がなかったので
強気に出てなんとか予約した宿に泊まることができました。
今回も自分では非はないと思っているものの、
状況が少し異なり不本意ながら私のクレジットカードに問題があるということになってしまっています。
納得したわけではありませんが泊まるのは本当に無理そうです。
どうしよう。
今から自分で他の宿を探すこともできなくはないけど。
隣りにホリディインもあるけど多分予算オーバーでしょうね。
そもそも重慶大厦に泊まるのが一つの目的だったので、
他に泊まったら意味ないんですよね~。
といって重慶大厦の構造からこの中の宿を一軒一軒聞いて回るのも大変そうだなぁと思って悩んでいたら、
男性が「あなたが男だったら放っておくけど女性だから助けてあげよう」(←この時点で怪しい…)
「重慶大厦内の友人の宿を紹介してあげる。そこはクリーンでセーフだ」と言うんですよ。
「そう?じゃ紹介してもらおうかな」と言うと、
その場で宿代を請求されました。(←う~ん怪しい…)
「部屋を見てからじゃないと払いません」と言い、
一緒にその友人の宿とやらへ向かいました。
泊まるはずだった宿に比べてフロントもしっかりあり、ゲストハウスっぽいです。
フロントには若い女性が座っていてゲストハウスの入口はキーを持っていないと開かない仕組みで確かに安全そう。
廊下もさっきのゲストハウスよりキレイ。
ただ部屋が想像より狭いです。
そう言うと男性は「香港だもん。どこも狭いよ」と。
泊まるはずだったゲストハウスの部屋を見ていないので
これが平均なのかどうかよくわからないんですよね。
一応シーツやタオルは清潔そうです。
エアコンとテレビと冷蔵庫もありました。
トイレも流れるし、熱いお湯も出るし、まぁいっかとオッケイしました。
クレジットカードで払うつもりでいたので現金が足りません。
男性にグランドフロアの両替所に連れて行ってもらって両替しました。
25,000円→HK$1,740になりました。
レートは0.0696。
空港の両替所でのレートは0.0666だったので、HK$1,665ということになり1,000円ちょっと違います。
確かに重慶大厦内の両替所の方がお得です。
私は空港ではATMでおろしたのですが、日本に帰ってから明細を確認したら0.0657で、一番損をしていました。
でも大金を持ち歩かなくていいのでついついATMを利用してしまいます。
男性に3泊分HK$1,340(約19,100円)を支払い領収書をもらいました。
部屋にドライヤーがなかったので、フロントの女性に言ったら貸してくれて
3日間ずっと借りっぱなしでいいですよとのこと。
スリッパと歯ブラシもなかったけど持ってきていたのでそれはまぁいいか。
バタバタしましたがなんとか宿は確保できました。
少々不安は残りますが(←後にだんだん不安が大きくなります…)
この時点では気にせずゴハンを食べに外出しまーす。