皆様ごきげんよう。帰宅したらもうメモリーカードが届いていて大☆満☆足の黒猫でございます。素晴らしいこのショップ。入金翌日に届きましたよ。レビューつけなきゃ!
ところで今日は遅くなりましたが先日の試写会の感想を。
『バンテージ・ポイント』
スペイン・サマランカ広場。
広場は会議のためにスペインを訪れているアメリカ大統領・アシュトン(ウィリアム・ハート)の演説を前に、大きな興奮に包まれていた。
外国で、民衆を前に演説するということで、大統領の護衛はいつも以上に厳重だった。現に大統領は1年前に一度狙撃されており、その際はシークレットサービスのバーンズ(デニス・クエイド)が盾となり被弾した。バーンズは今回1年ぶりに現場復帰したが、同僚たちは彼の早すぎる復帰に精神面の回復がまだなのではないかと不安を示し、使いものになるのかと危ぶんでいた。が、相棒のテイラー(マシュー・フォックス)が口添えしたおかげで、とりあえずの現場復帰となっていた。
彼らが護衛し、民衆やTV中継クルーが見守る中、サマランカ市長が演説を終え、大統領を紹介した次の瞬間、大統領は狙撃される。
倒れる大統領を保護するシークレットサービスたち、狙撃直後に壇上に駆け寄ってきた不審者エンリケ(エドゥアルド・ノリエガ)を確保するバーンズ、浮足立つTVクルーに指示を与えるTVプロデューサーレックス(シガニー・ウィーバー)、ビデオカメラで狙撃犯を撮影したかもしれない観光客・ハワード(フォレスト・ウィッテカー)。
果たして狙撃の瞬間何が起こったのか?犯人は、犯行動機は?
というようなお話。
狙撃の前後、彼らのひとりひとりの時間を巻き戻し、それぞれの視点から狙撃の瞬間何が起こったのかを描いていくので、別の人物の視点から何度も同じシーンを見るうちに、少しずつ観客にも事情がわかってきます。ハワードの撮ったビデオに誰が映っていたのかは、最初のうちは巧妙に見えないようなアングルで撮られていて、「え?え?」と思うんですが、とにかく謎がそのまま客を引きつけて最後まで目が離せず、いい構成でした。
狙撃と、それに次いで爆発が起こるんですが、何度もそのシーンをいろんな角度から見ることになり、来るぞ来るぞとわかっているのにいちいちビビってしまいました。視点が変わると新鮮なんだもん・・・べ、別にビビり屋なんかじゃないんだからねっ!
公式サイトのキャッチフレーズで「あなたは8回狙撃の瞬間を目撃する」というのがあり、予告カットなどから8人がみんな目撃者なのかと勝手に思っていたんですが、実際観てみたら、数人犯行グループ側が混じっていました。誰がどうつながっているのかが徐々に明らかになるんですが、「あっ、お前はさっき出てきた・・・!」みたいな驚きがあります。
そしてクライマックスではシークレットサービスのバーンズと犯人サイドのカーチェイスになるんですが、なんかこのへん若干ダイ・ハード気味でした(笑)。アンタらよく生きてるな、と。真剣なシーンなんだけどちょっと笑ってしまいました。なんで動けるの、ぐらいのダメージ具合だったので。
まあ、バーンズは職業柄鍛えているので人より丈夫なんですとか言い張れなくもない気がしますが、人質(誰かは伏せときます)の底力には驚きました。もしかして助けは要らないぜ、自力でやっつけてきたぜという超展開?とか思ってしまいましたよ(笑)。
主要登場人物の中でひとりだけ、シークレットサービスでも警官でもテロリストでもなく、まったくの一般人がいます。ハワードという中年男性なんですが、アメリカから観光に来ていたこのハワードがいい味出してました。
偶然犯人の姿を撮っていたかもしれない→よしお前ちょっとそれ見せてみろ→あ~僕のS○NYのビデオカメラ、返してくれ~!ぐらいで終わるかと思ったのに、ビデオカメラは没収されず、その後の爆発を生き延びて(S○NY製は爆弾にも耐えました)、母親とはぐれた女の子を避難させたかと思いきや、「捜査に協力しないといけない」とか言って不審者を追跡するバーンズらを追います。勝手に。
おっさんやめとけ無理すんな、とか思うんですが、何故かうまいこと追跡しちゃうのです。目撃者のひとりの視点が必要なだけでこういうことになったのかな、と思っていたら、クライマックスで一番のハイライトシーンはハワードがおいしく頂きました的な展開になってびっくりしました。どんな活躍をしたかはこれから観る方のためのお楽しみ、ということで。
大統領の暗殺とそれに続く爆弾テロという内容なので、どうグッドエンドに持っていこうと犯人逮捕くらいまでしかできないわけですが、ハワードのおかげで後味も割とよかったです。ちなみにこの役を日本人がやるなら笑福亭釣瓶だなと思いました(どうでもいいよ)。
個人的にはとても面白かったです。強いて言えばテロリスト側の動機がいまひとつはっきりしないまま終わったかな、とは思いますが、各人それぞれ動機が違うようでしたし、そこまで描写してたら違う映画になっちゃうってことでしょうかね。
爆発と流血が平気な方にはおすすめ。寝る暇はないこと請け合い。